被害者を帰して受けるダメージより実利を取るはず
子どもは帰らぬ方がいい=帰国前、蓮池さんに北朝鮮―「一度戻れ」催促も
時事通信 10月21日(日)14時11分配信
拉致被害者の蓮池薫さん(55)がこのほど時事通信社のインタビューに応じ、2002年10月の帰国前に北朝鮮当局から、「子どもは、勉強があるから帰らない方がいい」と言われたことを明らかにした。「とにかく帰って来い」と念も押され、子ども2人を人質に取られていると感じたという。
蓮池さんは迷った末、妻祐木子さん(56)を説得し日本で長女(30)と長男(27)を待った。「経済協力を得るため、北朝鮮は子どもを帰さざるを得ない」などと考えたためで、実際に2人は04年5月に帰国した。この間、「一度戻ってこい」という催促が第三者を介して届いたこともあり、「気を強く持たなければ」と言い聞かせた。
蓮池さんは、日本との関係改善を望む北朝鮮の姿勢について、韓国と蜜月だった当時より今の方が「強まっている」と指摘。帰国できない拉致被害者が北朝鮮の暗部を知っているとされる点も、「北の秘密はほとんど暴かれている。被害者を帰して受けるダメージより実利を取るはずで、今は大きな支障にならない」と分析している。
問題の解決には「政治の決断と一貫性が絶対に必要。政権交代に影響を受けない態勢づくりとぶれない政策を立ててほしい」と強調。「もどかしい思いは、帰国した私たちにも重くのしかかっている」と訴えた。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20121021-00000030-jij-soci
田中法相辞任 拉致被害者家族ら、野田首相にも不信感
産経新聞 10月23日(火)10時39分配信
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田中慶秋拉致問題担当相(右)と面会した(左から)家族会の増元照明事務局長、飯塚繁雄代表、横田滋さん・早紀江さん夫妻=5日、東京都千代田区の内閣府(瀧誠四郎撮影)(写真:産経新聞)
外国人献金問題や暴力団関係者との交際が発覚した田中慶秋法相・拉致問題担当相(74)が就任からわずか3週間で、「体調不良」を理由に辞表を提出したことで、拉致被害者の家族には嘆息が広がった。
民主党政権となって拉致担当相は“短命”が続き、田中氏で7人目。拉致被害者、増元るみ子さん=拉致当時(24)=の弟で家族会事務局長の照明さん(57)は「既定路線。大臣になってこういう辞め方をしたくなくて、入院したりしたんだろうが、どうしようもなくなったんだろう」とあきれた様子で話した。
「こうなった以上は早く次の担当大臣を決めてもらうしかないが、政権自体に拉致事件解決への意欲が感じられない。そのような野田首相を信頼するわけにはいかない」と、任命した野田首相への不信感も募らせた。ただ、前任の松原仁氏には家族会が厚い信頼を寄せており、「松原さんが返り咲くなら話は別だが、それも難しいだろう」と話した。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20121023-00000513-san-soci