日本人は絶滅種か?
「頂門の一針」 2755号
2012(平成24)年10月14日(日)
日本人は絶滅種か?
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山堂コラム 440
少子化が進む日本で若い世代の苦闘が続く。卒業はまだ2年先だという大学生が勉学なんぞ放っぽり出してシューカツ、シューカツ、靴磨き。
黒っぽいスーツで汗だくになりながら30社も会社訪問したが内定はゼロだと。
就活誌の見出し。「まずは人材派遣会社に入ろう。派遣から正社員へ、それが早道」だと。実に若者をバカにしてる。江副コスモスの廻し者だろ。
もっとも大学といっても駅弁大学、寺子屋大学。なかには国際大学という名で中韓留学生どっと受け入れ、入学式の翌日にはチョンチャンチンは都会に逃げて学生半分という田園大学もあるらしい。
学問をするために大学に行くのではない。だからシューカツだが、それがいくらシューカツやっても就職出来ない。
一世代前の我々はいい時代だった。大学出れば優の数3分の1で堂々の正社員。もっとも正社員以外に社員というのはいないのだが。新聞社なら受験番号さえ間違えなければまずマル。しかも年功序列の終身雇用。
女は短大、家政学科だから男女雇用均等法でのパイの奪い合いすることもなし。男も女もシューカツしないでダンパーやっておればよかった。
鈴木章治クァルテッドでサンケイホール「六大学大舞踏会」。儲かったなあ。
だが、客入れ過ぎて翌日消防・税務署から呼び出し。「将来のある学生さんだからまあ大目に見る」で済んだ。
今じゃ就職出来ても今度は結婚が出来ない。オラたちは男は30、女は25を過ぎて結婚しないと「どこかおかしいんでねえか。ニコタマついてる
か」と言われたものだ。
トウ立ちが心配の岩下志麻を嫁に出した笠智衆のおっさんがほっとするというだけの映画(小津安二郎「さんまの味」)。そんなのが大いに受けたのだから、しっかりしたエエ時代よ。
真面目にやっていれば一生食いっ逸れはない。若いうちは安月給でも結婚して子供を育て、ちんたら麻雀はツケ払い。それでも年月経てば地位も給料も上がる。
サラ金は「ローン」などとカタカナ変えで尤もらしくなったが、当時は高金利の金借りているのがバレるのもヤバかった。白い目で見られて会社に居づらくなる。カタギは借金はやらんというのが不文律。今では平気で借りて成れの果てのホームレス。日本の自殺者年間3万人。
無職・ニート・独身・高利貸し・生活保護・・・これらは健全な社会では忌むべきものとされていた時代。そちらの方が道理がある。現在の深刻な少子化を生み出す元凶もこれらだ。
あと4~5世代もすると日本人・大和民族は滅亡するのではないか――
と世界中が囁やき始めたという。
チャンらによる反日宣伝の匂いもするが、我々日本人自身も少子化の深刻さについてはよくよく見直さねば危(やば)い。
人口が減少して機能不全に陥った日本列島に大陸や半島から異民族がつぎつぎと押し寄せてくる。現に新大久保や池袋でその前哨戦が始まっている。
憲法改正して「国軍を増強」とか――そんな景気のいい花火も打ち上がるが、足元を見つめ直して構造基盤を固め、社会全体、国全体が豊かにならなければそんなもの文字通り張り子の虎だ。
少子化対策には政府も野党自民党も、とても真剣に取り組んでいるようには思えない。世界から日本人は絶滅種などと言われないためにも、この問題に正面から取り組み、目に見える実績をあげる必要があるんでねえかい。(了)
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脅威?張子の虎?中国空母
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渡部 亮次郎
戦中世代(76)歳ではあるが、戦争に行ったことは無いので、軍事知識の欠如においては戦後世代と全く同然である。師団、旅団の区別は分からないし、軍艦のことなど全く分からない。秘書官として仕えた外務大臣園田直は、野戦に11年もいたという猛者。時々、話が理解できなくて困ったものだ。
今回、尖閣諸島のことでもめているさなか、中国がこともあろうに航空母艦を就航させたと聞いて、驚いたが、艦載機が少ないとか、守ってくれる艦船がまだ無いから、さしあたりの脅威は無いとか、安心材料も報道されている。
そうした中産経新聞系列の「夕刊フジ」が「中国空母、日本に脅威?それとも張り子の虎?」と以下のように報じた。(2012.09.24)
<日本政府による沖縄県・尖閣諸島の「国有化」に対する、中国側の対抗・制裁措置が激化するなか、中国初の空母が近日中に正式就航することが分かった。また、北京の人民大会堂で9月27日に予定されていた「日中国交正常化40周年記念式典」も延期された。
これは尖閣強奪を画策する中国による、政治や経済、軍事、文化面での複合挑発なのか。巨大空母が、日本恫喝に利用される可能性も指摘されている。
「空母の就役は、中国が今後、諸島の領有権問題を解決し、海洋権益を維持するために重要な影響と作用を及ぼす」中国紙によると、中国の軍事専門家はこう語っているという。
中日友好協会幹部が「諸般の事情で、当面(記念式典を)延期する」と北京の日本大使館の担当者に通告してきた23日、くしくも、遼寧省大連の港では、中国海軍に空母を引き渡す式典が行われた。
同空母は、旧ソ連時代にウクライナで「ワリヤーグ」として建造が始まったが、ソ連崩壊に伴い建造が中断した。その後、中国が「海上のカジノにする」と称して購入。2002年に大連港に到着し、05年ごろから改修作業が始まった。今年8月から10回の試験航行を重ねてきた。
中国海軍の艦船として最大、満載排水量6万7000トン。全長約305メートル。ロシアの艦載用戦闘機「スホイ33」をまねた中国の艦載戦闘機「殲15(J-15)」など約40機を搭載するという巨大空母が、東シナ海に配備されれば、日本人の心情も穏やかではない。
人民解放軍の強硬派、羅援(ラ・エン)少将は先月、同空母を「釣魚島号」と命名することを提案しており、中国の意図を感じてしまう。
ただ、この空母にはいくつかの欠陥が指摘されている。
まず、設計段階で予定されていた蒸気タービンエンジンが積まれず、出力(馬力)が弱い船舶用ディーゼルエンジンが搭載されているため、「艦載機に十分な揚力を与えられないのでは」(日中関係筋)という指摘だ。
さらに、米海軍空母のようなスチームカタパルト(空母から航空機を射出する機械)がなく、スキージャンプ式の艦首で艦載機を自力発艦させるため、「きちんと発艦できるのか。中国は『訓練用空母』としているのは、実は『張り子の虎』なのでは」(同)という見方すらある。
これに対し、軍事評論家の世良光弘氏は「中国を甘く見ない方がいい」といい、こう解説する。
「もし、艦載機が発艦・着艦できないなら、訓練用空母にもならない。
世界中に恥をさらすことになる。『殲15(J-15)』は発艦・着艦できるはずだ。
先日、甲板に水兵が並んでいる映像を見たが、かなり訓練されている。
(能力は多少劣っても)中国空母が東シナ海に配備されれば、日本の安全保障には脅威になる。今後、中国は新たに空母2隻を完成させるといわれており、数年後には、この脅威はもっと大きくなる。日本はもっと警戒すべきだ」
■中国の空母開発 中国は1980年代から海洋進出を重視し、空母建造の研究開発を続けてきた。国防省は昨年7月、ウクライナから購入した空母「ワリヤーグ」を訓練などに使うと説明。
空母計画を初めて公式に認め、領海や海洋権益の保護の必要性を指摘した。遼寧省大連で改修した「ワリヤーグ」の試験データは国産空母の開発に利用。上海の造船所で2隻が新造されるとみられている。>