広告に似せてチュウゴクのウソ記事をワシントンポストが掲載している罪。
わたなべ りやうじらうのメイル・マガジン「頂門の一針」 2756号
2012(平成24)年10月15日(月)
報道倫理に反する米大手紙
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古森 義久
中国共産党にアメリカ大手新聞の紙面が買われているという話のつづきです。一時は日本叩きで有名だったジェームズ・ファローズ記者までがワシントン・ポストを批判しています。
<<中国に買収された米国ジャーナリズム>>
「チャイナデイリーは、中国共産党の考え方の対外宣伝を目的とする英字新聞である。
だから『全世界の大多数の国は中国人の劉暁波へのノーベル平和賞授賞に反対している』というような記事が載る。
現実は反対だろう。
だが中国共産党の特殊な考えを知るにはこの英字新聞は便利だ。
ところがワシントン・ポストの中にそっくりそのまま同じ記事が出ることはやはり問題だろう。
いくら『広告』と記されていても、一般の記事と区別がつきにくいのだ。
となると、ワシントン・ポストが中国政府の政治プロパガンダを拡散していることになる」
このファローズ氏が特に批判したのはワシントン・ポストのウェブ版だった。2011年からは同紙はチャイナデイリーを自紙のインターネット版に掲載するようになったのだ。
そのネット版ではチャイナデイリーの記事が広告であることが極めて曖昧にされているというのだ。
要するにワシントン・ポストの普通の記事か、広告か、区別がつかないというのだ。
ワシントン・ポストは「あくまで広告だから問題ない」と言うが・・・
ジャーナリズム研究者からも批判が出た。ノースカロライナ大学ジャーナリズム学科のロイ・ボイントン教授の言である。
「ワシントン・ポストなどのこの慣行はジャーナリズムの倫理に反している。
ポストはまず、なぜ中国共産党の刊行物を自社が売るのかを読者に説明する義務がある。
いくら広告だといっても、米国民に中国共産党の思考や影響を広める道具となっているからだ」
前ブッシュ政権で中国担当の高官だったスティーブ・エイツ氏は米中関係という視点から次のように述べた。
「ニューヨーク・タイムズやワシントン・ポストの一般読者は普通にニュース記事を読み進めば、チャイナデイリー部分を広告とは意識しないだろう。
中国について事実ではないことを読まされるわけで、この現象は米国の世論に誤った影響を及ぼし、政府や議会の対中政策形成にも余波を投げることとなりかねない。
特にワシントン・ポストは米国の首都の最有力新聞としてその影響力や責任を誇っていたのだから、中国政府に買収されたような現状は嘆かわしい」(つづく)
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