劉氏妻の自宅軟禁続く 平和賞決定から2年 | 日本のお姉さん

劉氏妻の自宅軟禁続く 平和賞決定から2年

劉氏妻の自宅軟禁続く 平和賞決定から2年
配信元:2012/10/10 20:06更新
このニュース記事のカテゴリは世界からです。
 中国で服役中の民主活動家、劉暁波氏が2010年のノーベル平和賞の受賞を決めてから2年がたった。

中国当局は受賞決定直後から法的根拠を示さないまま妻、劉霞さんに対する自宅軟禁を継続。

劉暁波氏の釈放を求める国際社会の要求にも応じる姿勢を見せていない。


 夫妻と親交があった知人らによると、北京市にある劉霞さんの自宅マンションでは複数の公安当局者が24時間体制で監視。

劉霞さんが買い物などで外出する際も公安車両に乗せ、当局者が付き添っている。遼寧省の刑務所に服役中の劉氏とは2カ月に1回程度、面会を許されている。
 容疑のない劉霞さんの軟禁は「違法」(人権派弁護士)との見方が強い。

中国の司法改革を担当する中央司法体制改革指導グループ弁公室の姜偉氏は9日の記者会見で軟禁理由を問われたが、「関係機関が法律に基づき決めている」と述べ、回答をはぐらかした。(共同)


劉暁波【りゅう ぎょうは】
2010/12/07 00:40更新
概要:中国の民主活動家。2010年にノーベル平和賞受賞
1955年12月28日、中国東北部の吉林(きつりん)省長春(ちょうしゅん)生まれ。88年、北京師範大文学部で博士号を取得。

89年春、研究生活を送っていた米国から帰国し北京の民主化運動に参加。

6月の天安門事件後、反革命罪などでたびたび投獄される。

共産党一党独裁の廃止などを呼びかけた「08憲章」を中心になって起草し、2008年12月10日付でインターネットを通じて発表。

国家政権転覆扇動などの容疑で逮捕され、09年12月、懲役11年、政治的権利剥奪(はくだつ)2年の判決を受けた。

今年2月に控訴が棄却され、実刑判決が確定した。

http://www.iza.ne.jp/izaword/word/%25E5%258A%2589%25E6%259A%2581%25E6%25B3%25A2/


中国当局、亡命作家に依然圧力 胡主席批判本出版で

配信元:2012/10/02 11:52


今年1月に中国から渡米し、亡命申請した著名人権活動家で作家の余傑氏が1日、中国の胡錦濤国家主席を批判する本を出版したことについてワシントンで記者会見し「公安当局が(中国に残る)両親らを脅して出版をやめさせようとした」と話し、依然として中国当局が余氏に圧力をかけている実態を明らかにした。 


本は香港と台湾で2週間前に出版された。

余氏は胡主席の時代は「言論の自由の規制が強まった10年間だった」と強く批判。


ノーベル平和賞を受賞し中国で投獄中の民主活動家、劉暁波氏の即時釈放も訴えた。 


さらにミャンマーの最大野党党首で同賞受賞者のアウン・サン・スー・チー氏がオバマ米大統領と会談したことに触れ「欧米の国が人権問題で中国共産党に圧力をかけてほしい」と国際社会の支援を求めた。(共同)http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/world/china/595726/


莫言氏の快挙に中国ネットで愛国心むき出し「日本打ち負かした」配信元:2012/10/12 23:14


中国在住の中国人作家として初めてノーベル文学賞を受けた莫言(ばく・げん)氏(57)の快挙に中国国内が沸いている。大本命だった日本の村上春樹氏(63)を差し置いての受賞に、インターネット上では「日本を打ち負かした」など愛国心をたぎらせた書き込みが相次いでいる。 11日夜、中国国営の新華社が速報したのを皮切りに、テレビやネットのニュースサイトが続々と「国内在住の中国人作家によるノーベル文学賞の初受賞」を報道。中国メディアはお祝いムード一色に染まった。 

莫言氏は1955年、中国山東省出身。87年発表の長編小説「赤い高粱」はチャン・イーモウ監督が「紅いコーリャン」として映画化し、88年にベルリン国際映画祭で金熊賞を受賞したことで国際的に名を知られるようになった。

ただ、中国国内での知名度は今ひとつで、代表作の1つで最も売れているとされる「蛙(邦題・蛙鳴)」でも、発行部数は約20万部に留まるという。 

沖縄・尖閣諸島をめぐり日中関係が緊迫する中で、中国版ツイッターの「新浪微博」では、「恭喜(おめでとう)」といった受賞を祝うもののほか、「小日本を打ち負かした」「文化面でも日本を超えた」などとナショナリズムを刺激するような書き込みも相次いだ。


 もっとも、莫言氏は約10回の来日経験がある知日派で、かつては「文化に国境はない。(日中の)国民は開放的な意識を持つべきだ」と語っていた。中国国内の“ネトウヨ(ネット右翼)”は、この言葉をどう聞くか。http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/world/china/598459/


莫言氏、「雪国」など日本文学が影響 中国社会の矛盾あぶり出す

配信元:2012/10/12 00:35

中国籍で初めてノーベル文学賞に決まった莫言氏(57)の作品は、チャン・イーモウ監督が映画化した「赤い高梁」をはじめ多くが邦訳され、日本の読者にも親しみが深い。

当局の検閲をくぐり抜けるためにフォークナー(米)やガルシア・マルケス(コロンビア)らから受け継いだ魔術的リアリズムの手法を使い、社会主義下の残酷な現実に切り込む作風は内外で高く評価されてきた。 

中国山東省の農家に生まれ、文化大革命のあおりで小学校を中退。「作家は社会のあらゆる出来事に注目しないといけない」。

苛烈な歴史の中で貧困や差別に苦しんだ原体験が、タブーを恐れない批評的な視点がはぐくまれた。

人民解放軍に入隊したのは「軍に入れば毎日ギョーザを食べられる」という噂を聞いたから。少年時代から草地に寝転がり空想を巡らし、青年期からそれを文字にし始めた。

たんに「革命小説」をまねをしていた莫言氏を大きく変えたのは、実は軍の芸術学院で読んだ日本の文学作品だった。


川端康成の「雪国」に秋田犬が出てくる場面には、小説が本来持つ「自由」に目覚めさせられたという。


 「物資がとぼしい時代に生きてきたが、喜びもたくさんあった」。そう述懐する莫言氏が、強く悔いているのが、軍在籍当時に自らの昇進のために身ごもった妻に中絶を強いたこと。


その悔恨は「神の手」とあがめられた産科医の転落を重層的な構成で描いた最新作「蛙鳴」だった。


本名は管謨業。ペンネームの「莫言」は「しゃべりすぎるな」の意味。これまでは政治色を排して言葉を慎んでいるように装いつつ、中国社会の矛盾をあぶり出してきた。


ノーベル文学賞受賞で体制におもねるのか、それとも高まった影響力を変革に注ぐのか。作家の真価が問われるのはこれからだ。 


莫言氏の受賞は、日中韓といった東アジアを中心に活動する作家では、1994(平成6)年の大江健三郎氏(77)以来となる快挙だ。文学賞の歴代受賞者は、昨年のスウェーデンをはじめ独、仏、英など欧州系が目立つ。過去30年は約7割が欧米から出ており、選考が欧米偏重との声も。これに対し、選考を担当するスウェーデン・アカデミーは「バランスを欠いた状況は解消される」として、是正の意向を示していた。http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/natnews/topics/598180/


過酷体験 にじむ中国の矛盾 ノーベル文学賞に莫言氏

配信元:2012/10/12 00:19


 スウェーデン王立科学アカデミーは10月11日、今年のノーベル文学賞を、現実と幻想の世界を融合させた独特の表現方法で中国の農村生活を描きだした著作などで知られる中国の代表的作家、莫言(ばくげん)氏(57)に授与すると発表した。

中国人のノーベル賞受賞は、2010年に民主活動家の劉暁波(りゅう・ぎょうは)氏(56)=国家政権転覆扇動罪で服役中=が平和賞を受賞して以来、2年ぶり。有力候補とされていた村上春樹氏(63)は今年も受賞を逃した。 


■国内では「初の快挙」 アカデミーは「幻覚を引き起こすリアリズムによって民話、歴史、現代を融合させている」ことを授賞理由に挙げた。

莫氏は1955年2月、中国山東省高密県生まれ。農村家庭に育ち、60年代半ばの文化大革命で小学校中退を余儀なくされた。人民解放軍入隊後に著作活動を開始。当局の検閲を避けるため、マジックリアリズム表現と呼ばれる暗示や比喩(ひゆ)を駆使して、中国国内でタブーとされる敏感な内容を含んだ作品を発表してきた。 


86年発表の代表作「赤い高梁」は「紅いコーリャン」として張芸謀(ちょう・げいぼう)監督(60)によって映画化され、88年にベルリン国際映画祭でグランプリの金熊賞を受賞した。


ノーベル文学賞は、中国系作家としては00年に高行健(こう・こうけん)氏(72)が受賞して以来12年ぶりで、2人目。しかし、中国政府に批判的だった高氏は1987年に弾圧を逃れてフランスへ移り、国籍を変更しており、中国国内では「中国人作家」として認められていない。莫氏の受賞は中国国内では、「中国人作家」による初の快挙とたたえられている。 


■影響与えた日本文学 莫氏の著作の源流となっているのは、中国の苛烈な歴史をくぐり抜けてきた自らの体験だ。莫氏が幼少だった1960年代初頭、中国国内では共産党政権の政策失敗により飢餓が広がっていた。生きるために草の根や木の皮、時には石炭まで口にしたと、莫氏は述懐している。人民解放軍に入隊したのは「軍に入れば毎日ギョーザが食べられる」とのウワサを耳にしたからだった。 「少年時代と故郷の記憶が私の一生を決定づけた」。少年時代の楽しみといえば、草地に身体を横たえて空想を巡らすことくらい。青年期になると、空想を文字にし始めた。「革命小説」を真似ていた莫氏を変えたのは、実は日本文学だ。軍の芸術学院で読んだ日本人作家の作品に啓発された。特に川端康成の「雪国」に秋田犬が出てくる場面で、小説が本来持つ「自由」に目覚めたという。 


■「しゃべりすぎるな」 莫氏が人生の中で悔いていることがある。軍在籍当時、自らの昇進のために第2子を身ごもっていた妻に中絶を強いたことだ。その悔恨と「一人っ子政策」への批判を潜ませたのが2011年に発表した「蛙鳴(あめい)」で、中国文学界で最も権威があるとされる茅盾(ぼうじゅん)文学賞を受賞している。 


本名は管謨業でペンネームの「莫言」は「しゃべりすぎるな」という意味。

文革時代、子供が漏らした言葉によって親が「反革命的」の烙印を押されないように、母親から言われていた言葉だ。 

政治色を排して言葉を慎んでいるように装いつつ、現代中国が抱える矛盾をあぶり出してきた。ノーベル賞受賞を契機に体制におもねるのか、それとも高まった影響力を変革に注ぐのか。

莫氏の真髄が試されるのはこれからだ。 (SANKEI EXPRESS)http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/natnews/topics/598141/

http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/world/china/597775/