18歳未満で虐待の疑いがある場合、臓器の摘出を禁じている。
<男児脳死移植>児相、虐待有無の回答渋る 個人情報理由に
毎日新聞 7月20日(金)2時32分配信
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脳死と判定された6歳未満の男児からの臓器摘出手術が行われた富山大病院=富山市で2012年6月15日、小松雄介撮影
富山大病院(富山市)で、改正臓器移植法に基づき初めて脳死と判定された6歳未満男児からの脳死移植で、同病院がこの男児について、児童相談所に虐待の有無を照会したところ、個人情報であることを理由に、いったん回答を断られたことが関係者への取材で分かった。
同法では18歳未満の臓器提供について、虐待がないことを条件としている。重要な確認手段である児相との連携がつまずきかけた形で、小児からの脳死移植での課題が浮かび上がった。【畠山哲郎】
同法で認められた15歳未満からの脳死移植は2例目だが、病院と児相の連携で問題が明るみに出たのは初めて。
男児は今年6月初旬、脳に十分な酸素が行かずに機能が損なわれる低酸素性脳症を発症。同月7日、主治医から「重篤な脳障害をきたしている」と告げられ、家族が臓器提供を申し出た。同病院は院内の児童安全保護委員会で虐待の有無を検討し、「虐待はなかった」としている。
同病院の関係者によると、不自然な外傷がないか調べたり、エックス線で診断したりするとともに、男児の居住地の児相に、これまで虐待の通報がなかったかなどを問い合わせた。しかし、児相は「個人情報なので答えられない」と回答した。
病院と児相が調整した結果、児相は照会に回答し、病院側は11日の委員会で虐待はないと判断、2回の脳死判定を経て15日に臓器が摘出された。病院関係者は「子どもの状態を必死で維持している中、プロセスが進まず、(移植が)うまくいかなかった可能性もあった。焦った」と話した。
富山県内に児相は2施設あり、毎日新聞の取材に一つの施設は「男児の居住地は公開されておらず、照会があったかどうかも含め答えられない」、もう一つの施設は「照会を受けていないし、回答もしていない」と話した。
改正臓器移植法は10年7月施行。厚生労働省の運用指針で、18歳未満で虐待の疑いがある場合、臓器の摘出を禁じている。また、同省の臓器提供施設マニュアルでは、医療機関が院内に委員会を設置し、虐待の有無を調べることや、ケースにより児相に確認することを求めている。http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120720-00000012-mai-soci
「個人情報なので答えられない。」は無いよね。