中国人上司とうまくいかない | 日本のお姉さん

中国人上司とうまくいかない

チュウゴク人の金さんが書いた無料メルマガの記事。↓
=中国人上司とうまくいかない=2011-8-5
http://anchor.yingchuang.com/jp/corp/diary/diaryDetial.asp?id=42&diary=kinei

■ある駐在員の話

「金さん時間を作ってくれ、ちょっと折り入って相談したいことがある」旧知の総経理から連絡が入りました。私は時間を調整し総経理と会いました。総経理が経営している現地法人はたから見ても順調でした。現地化も進んでいて現地幹部を多数輩出し業績も好調です。総経理からの相談は「日本から出向で来ている駐在員が中国人上司と折が合わない。モチベーションが低下し自分の存在価値がないとひどく落ち込んでいる」と言うものでした。

■業績を買われ企画から現場に

Aさんは20代後半の駐在員です。総経理の話しによれば快活で元気あふれる若者で赴任当初は営業企画として現地法人に配属されました。当初営業企画は総経理直轄で直属の部下として元気に働いていました。営業企画の責任者として仕事をこなし現場の責任者である中国人営業部長や営業課長とも丁々発止を繰り返しながら業務をこなしていました。総経理はAさんはストレス耐性も強く中国によくなじみ、現場ともうまくやっている。更なる経験を積ませようと現場への配属を決定しました。

■中堅駐在員Aさんの悩み

中国語も堪能で業績を買われての異動です。Aさんは毎日必死で業務をこなしました。ところが数ヶ月過ぎたころからどうも様子がおかしい。快活だった態度はうつむきがちになりみるみる元気がなくなっていきました。総経理は見るに見かねてAさんを呼び出しました。Aさんは迷いながらもぽつぽつと悩みを話しだしました。Aさんの悩みはいくつかに集約されていました。「企画で考え実行していたことが現場ではないがしろにされている」「中国人営業課長は顧客の悪口や批判ばかりしている」「中国人営業部長に相談に行ったが一蹴された」「自分の存在価値がない……」。最後は、「中国人は感情的で話を聞かない」「中国でクオリティを保つのは無理」「中国人幹部は言い訳ばかり」とうつむきながら話したそうです。総経理に話をすると密告のようでいたたまれないと一人悩んでいました。
■中国人上司との付き合い方

私は話を聞きながらAさんはこれまで同じ日本人である総経理の部下として価値観や仕事の進め方等同じ感覚の中で業務を推進していた。Aさんは知らず知らずの内に日本人上司である総経理の目に見えないサポートの中で仕事をしていたことに気づくべきであるという話をしました。

中国人は感情的であり直接的です
。喧々諤々の議論を通じて問題を解決していきます。
肌の色は同じですがコミュニケーションの方法は違います。
感情的であるのは正直さの裏返しです。議論を通じて問題の解決を図るのは推測で物事を進めないためです。
これまで総経理直轄であったAさんに気を使っていた可能性もあります。Aさんは現場に入り中国人上司の部下としてやりこめられたと感じる前にしぶとく、粘り強く話をしていかなければなりません。日本では当たり前。日本ではこうだという推測と期待のコミュニケーションは通じません。また中国では……中国人は……という考えも捨てなければなりません。現場の長である幹部社員を尊重し現地法人の一員としてお互いの考えや進め方を議論していく中で最適の方法を模索していかなければならないのです。

■その後

問題が起こったときは両方から情報を取らなければなりません。中国人幹部と日本人駐在員がもめた場合はなおさらです。社員の前で幹部が顧客の悪口を言うのは決してほめられた事ではありません。言ってしまった言葉は戻りませんが、何故大局的に考えなければいけないのかを伝えなければなりません。企画内容を現場でどう運用しどう効率化していくのかは現場の長である幹部社員と議論を通じて解決を目指さなければなりません。幹部社員は自分が管轄している部署の利益や権利についても敏感です。これは中国に限ったことではありません。感情的な物言いによってAさん自身の感情が増幅された可能性もあります。話しを聞き終えた総経理はうーんとうなずきながら「ありがとう。幹部社員、Aさんとじっくり話をした後に当事者同士で話をさせるよ」と言われました。幹部社員、Aさんが信頼関係を取り戻し現地法人の一員として活き活きと働いていることを願うばかりです。
しかしその外国人上司が押し付けや感情的な物言いではなく論理的かつ丁寧に説明しながら伝達してくれればそれはそれで受け入れられるはずです。少なくとも受け入れようという気持ちは持てるはずです。

中国で働く上で何よりも大事なのはまず日本と中国は「違って当たり前」である事を受け入れ理解する事です。
また中 国という国そのものや文化、背景をまずは受け止め、何が正 しいかを判断した上で背景や意図を根気よく伝えていく事で す。

現場においても日本では...と言う前にまずは相手の 言っている事を受け止め、背景や意図をしっかりと伝えるこ とが出来れば、中国人部下や同僚は必ず動いてくれるはずで す。
「中国及び中国人社員を受け入れ理解する」頭ではわかっ ていてもなかなか出来ることではありません。それは皆さん 自らの成功体験が日本で築き上げたものであるからです。挫 折や 失敗を経験しながら成功した経験は自信につながります。 日本で築き上げた自信はとても貴重な経験です。経験に裏付 けられた自信をもとに自らの考えを振りかざすのではなく、 大事 なのは相手を受け入れ咀嚼し理解するということです。
相手の事を受け入れる事は容易ではありません。ビジネス ですから結果も出さなければなりません。ましてや文化や背 景の違う中国を理解するのですからパワーや時間もかかりま す。
コミュニケーションやさまざまな会話の中に「こんな事 無駄なのに...」と思えることも多々あります。しかしこ の無駄だと思えるコミュニケーションの中にこそ相互理解の ヒント がたくさん隠されています。

効率や生産性も大事です が中国においては一見無駄だと思えるやりとりも実は相手を理解する直接的な方法のひとつです。
行動には必ず理由があ ります。
相手の話を真剣に聞くというのは本当にやろうとす ると難しいものです。中国で働くと言う事は中国人を理解す ると言う事です。語学を含むいろいろな環境が違うものどう しが本当に理解できるまではまず「違って当たり前」を受け 入れ、かつ相手を理解しようと言う気持ちを持つ事から始め てみてはどうでしょうか。
http://anchor.yingchuang.com/jp/corp/diary/diaryDetial.asp?id=12&diary=kinei
男と女に入れ替えても
使える記事だね。
http://anchor.yingchuang.com/jp/corp/diary/diaryDetial.asp?id=42&diary=kinei


中国で働くと言う事中国を受け入れ理解する~無駄の中にこそ多くのヒントがある~=2010-5-26
メルマガ読者の皆様。はじめまして。英創人材服務(上海)有限公司(インテリジェンス上海)総経理の金鋭です。日本 生まれ日本育ちの華僑第3世です。私にとって中国は祖国ではある
のですが生活経験のない異国でもありました。そんな私も中国に来て14年が経ち、現在15年目に突入しています。今後メルマガにて中国における経営/事業/組織/人事/マネジメント/コミュニケーションを含め日々気づいた事を書いていきたいと思っています。皆様どうぞよろしくお願いいたします。

皆様は日々の仕事を進めて行く上で日本とのギャップや感 覚または文化の違いに「なんで!どうして?」と言葉になら ない思いを抱かれた事はありませんか?1回や2回ではないは ずです。もっと多いかもしれません。

ストレスややりきれなさを感じる原因は何でしょう?「日本では普通だよ!」「日本人だったら当たり前なのに???」 「日本なら常識なのに???」と心の中で感じた時(もしくは口 に出して言ってしまう)ではないでしょうか?日本流の 考えを理解してくれなかったり、否定されたりするとその気 持ちはたちまち大きなストレスになり、中国人社員と話すの さえ 億劫になってしまいます。中国で働く日本人であれば誰 でも1回や2回は経験する気持ちです。また議論を中心とコ ミュニケーションに慣れていない日本人にとってみれば人格を否定されたような気になり、余計ストレスを感じるという こともあるかもしれません。(コミュニケーションについては別の回でまた触れさせていただきます)

日々のビジネスの場面で知らないうちに「日本では当たり 前だ!」「日本人は普通そう考える」という価値観を中国人部下や同僚に押し付けていないでしょうか?論理的ではなく感情的に我を押し通してしまっている事はないでしょうか?押し付けていなくてもまた声に出していなくても心の中で考え てはいないでしょうか?思い当たる節がひとつやふたつは あるはずです。

逆の立場に立って考えて見てください。例えば日本で外国人である上司にいきなりその国の流儀ややり方を押し付けられたと仮定してみてください。皆さんはきっとこの外国人上司に対していい気持ちは持たないでしょう。「日本の事をわか って いない」「日本人を理解していない」と考えながらも上司 の言うことにしぶしぶ従うという感じではないでしょうか。