内部被ばくが一番恐ろしい。
福島の住民でも普通に生活している場合はそんなに被爆はしていないのだが
家族で干しがきを食べている場合、家族単位で内部被爆の度合いが他の家族より高いらしい。去年の8月20日の記事です。↓
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実りの秋 セシウムと戦う [11/08/20]
▽東京科学医療グループ・杉本崇
https://aspara.asahi.com/blog/science/entry/rK4E6BWmhc
まもなく実りの秋。だが、東京電力の福島第一原発から飛び散った放射性物質は福島県や各地の土を汚染してしまった。特にセシウム137は放射線がじわじわと長期間出続ける。土壌汚染の低減化や、農作物への吸収の抑制に向けた研究が進められている。
トラクターを使った田んぼの表土を取り除く実験=6月13日、福島県飯舘村
◇土からの吸収を警戒
福島第一原発で爆発が起こり放射性物質が飛散した3月は、農作物の葉に降った放射性物質がくっつく汚染が主だったが、今は土からの吸収に注意しないといけない。日本土壌肥料学会によると、1960年代の大気圏内核実験で降ったセシウム137が半分に減った時間は、水田の土で9~24年、畑の土で8~26年という報告がある。
セシウムは特に土の表面近くにとどまりやすい=図。広島大、東京大などの4、5月の調査によると、福島県郡山市、矢吹町などの土では、放射性セシウムの96、97%が深さ5センチまでにあった。
作物に吸収させないための方法として、放射能濃度が高い土から順に(1)表土の除去(2)表土と下層の土を入れ替える(3)地中深く耕す――の3通りがあるが、表土を取ると、放射線量が10分の1以下になるという実験結果もあった。ただ、除去した土は大量の廃棄物となるという問題もある。
◇土壌除去や肥料調節で模索
環境科学技術研究所の研究員の武田晃さんは「土の種類でも作物の吸収率は変わる」と話す。福島県農業総合センターは、キュウリなどの移行係数(セシウムの吸収率)を調べた。国が示したキュウリの移行係数は0・0068だが、センターが3種類の土で調べると、0・00458~0・00063と差があった。畑より水田に多く見られる土の方が低かった。
幅がある理由の一つは、雲母(うん・も)など鉱物の含まれる量や状態が違うためだ。別の研究者は「雲母が風化するとセシウムが特に吸着しやすい。一度結びつくとなかなか離れない」と話す。
セシウムは土に降ってから時間がたつほど鉱物と結びつき、植物に吸収されにくくなる。過去の核実験の影響を調べた研究では、植物によってもセシウムの吸収率が違う=表。
雲母などを含む粘土だけを取り除く方法も福島市で実験されている。表土の除去より、廃棄物を減らせる。このほか住宅や公園の表土など粘土の少ない土で、セシウムを効率的に取り除く仕組みが開発されている。
植物への移行を抑える方法も検討されている。肥料の調節で、植物のセシウム吸収を抑えられることが期待できる。カリウムとセシウムは化学的性質が似ており、カリウムが多い土は、吸収を邪魔することが期待できるという。
ただ、カリウムを含む肥料を多く使っている日本ではすでに土壌にカリウムを含んでおり、「効果は限定的」という専門家もいる。
また石灰をまいたり、アンモニウム肥料を抑えたりしても、鉱物とセシウムの結びつきが弱くなるのを防ぐなど、吸収を抑えられるという見方もある。
◇ ◇
《筆者の杉本崇から》
除去して大量に出ることが予想される高濃度の汚染土はどうすればいいのか。 これから、大きな課題になりそうです。
東京大学の児玉龍彦教授が菅総理に提言したのは、処分場を作り土の下で封じ込める方法です。低レベルの放射性廃棄物の管理方法に似ています。
①放射線を遮る
②雨水、地下水の浸入させない
③放射性水溶液の漏れさせない
を目的に何層にも汚染土を覆います。ただし、100年から300年の管理が必要になりそうです。
今後、こうした廃棄物処理の技術開発を国として進めていかないといけません。
コメント一覧 (15件)
低レベル放射線は身体に良い?
投稿者:やまチャン 投稿日時:11/09/05 14:27
今頃で済みませんが、日本中 福島原発による放射能
汚染で、ピリピリしていますが、放射線によるDNAの
損傷が問題になっています。
ここに、全く違う研究があります。
朝日の皆様は、ホルミシス研究会という動きをご存知
ですか?
http://thar.jp/outline/remarks.html
私も前から疑問に思っていたのですが、低レベル放射線
は身の回りあちこちにあり、放射線による遺伝子異常
も低レベルなら、かえって、発ガンを抑える、という
研究で、ラドン温泉などは典型です。
今、ベトナムの米軍枯葉剤による奇形児の問題をテーマ
にした記事が連載されていますが、日本で広島、長崎の
原爆放射能を浴びた方の二世、三世で、奇形児の話は
聴いた事ありませんし、研究によれば、被爆者の方の
ガン発生率は、同じ、広島、長崎県民の平均より、
大幅に低いそうです。
勿論、放射線によって、白血病に罹った方も大勢いる
のですが、発生統計では、高くないし、逆に、他の
ガンの発生率が低い、という事は、あまり知られて
いないのでは?
この辺、マスコミさんも、どうせ放射線に取り囲まれ
逃げる術はあまりないので、幅を広げた視野で
取材・報道されては如何?
日本の暫定基準とウクライナのものとの違いは???
投稿者:NatureKid 投稿日時:11/08/25 22:32
日本の暫定基準値に比べて明らかにウクライナのセシウム137とストロンチウム90に対する法的基準値が大きく低いことをご存知でしょうか?どちらも科学的根拠から算出されて物にしては違いすぎます! たとえば 主食のパン・パン製品に対するセシウム137に対する許容濃度は20ベクレル/Kg。これに対し日本は主食の米について500ベクレル/Kg。なぜこうも違うのでしょうか!? しかも個々の食物や水について許容濃度が細かく規定されています。インターネットで日本語で掲載されています!皆さんはご存知なのでしょうか?「ウクライナにおける法的取り組み」のタイトルでサーチできると思います。日本も 早期に暫定の文字を外して 少なくとも安全される国際的な基準まで数値を厳しくしてはいかがでしょうか!
放射能の最大の問題点はDNAを損傷することにある
投稿者:Lionordoggie 投稿日時:11/08/22 23:32
セシウムの濃度や半減期に関心が集中している感があるが、内部被爆によりガンを発症するメカニズムは、土壌の放射能汚染の度合いにより左右されるものではなく、極限すれば高額の宝くじに当たるかどうかの確率に似ており、例え汚染の度合いが低くても、不幸にも放射性物質を体内に取り込んでしまった場合は、DNAを損傷し、20年後にもなってもガンとして発症することもあるので、老年者よりも細胞分裂が活発な胎児や幼児が問題となる。ここで素人の私があれこれ言うよりも下記のような文献を参照したほうが良い。
放射能とDNA(http://blogs.yahoo.co.jp/mxx941/5262537.html
)
もっと科学をやりませんか?
投稿者:Socchokskii 投稿日時:11/08/21 22:44
土壌の中のCsの沈降速度は遅いようだ。最も沈降速度の大きい畑でも30年で50cmということであれば、フクシマ起源のCsは数cmまでしか沈降していないだろう。
今、その表土をはぎ取っているわけだが、はぎ取った汚染土壌の持って行き場が無い。“天地返し”が採用されていないのは、作物がCsを取り込む可能性やCsが地下水に染み出す可能性を考えてのことだろうが、その考えの基本には“わずかでもCs137を混入させない”というAll or NOne の観念があって合理的な解決の邪魔をしている。しかし微量の
CS137は怖いものではないことは、チェルビリの例からも分かっている。だから、少しのCs137は許容できると考えたらどうなるだろう?畑の土を作物の根が届かない深さで天地返しすれば、作物にCsが入らないようにすることができる。地下水にCs137がが浸みこむのも、時間がかかることや、一どきに地下水に流れ込むのではないことを考えると、許容可能の幅は広いはずだ。
そういう科学的なシミュレーションをやった上で、不確定性があるから注意深くしようというなら、それも納得だが、検討もしないでただ怖い怖いと騒いでいるのは問題だ。
筆者より、その2
投稿者:杉本崇 投稿日時:11/08/21 13:43
続きです。みなさま厳しいご指摘ありがとうございます。
Lionordoggie様
まず、表土の削り取りですが、数十センチというのは今回のデータで申し上げますと30年ほどたった際の浸透度合いです。紙面でもご紹介しております通り4、5月では表面5センチに大部分が集積しています。
「水蒸気爆発」の件ですが、弊紙では、原子炉内の水・ジルコニウム反応で発生した水素が格納容器から漏れて建屋に充満し、爆発を起こした「水素爆発」が放射性物質の原因の一つとして書いて参りました。また3月13日時点からメルトダウンが起きている可能性について報じてきました。放射性セシウムはメルトダウンの際などに生成されます。
前期高齢者様
今回の事故では、プルトニウムのほか、キュリウム、アメリシウム、テルルなども検出されております。セシウム134,137とヨウ素が大きく取り上げられる理由は、その生成量です。この3核種が放出された放射性物質のうち、大きな割合を占めています。ですので、土壌汚染を考える際、半減期も考慮してセシウム137に焦点を当てさせて頂きました。
シャトー様
「検出せず」は正確に申し上げますと、「検出下限以下」(資料等ではよくNDと記載されています)です。検出されても基準値を下回っている場合は、紙面で「基準以下」「基準を下回った」とご紹介させて頂いています。表記につきましては今後も細心の注意を払わせて頂きます。
筆者より、その1
投稿者:杉本崇 投稿日時:11/08/21 13:22
みなさま
いつもご愛読ありがとうございます。筆者の杉本です。ご質問に答えさせて頂きます。
モンチャン様
すでにシャトー様からも投稿頂きましたが、放射性セシウムは体内でカリウムと似た挙動を示しますので筋肉に蓄積しやすい性質はあります。ただ、尿から排出されます。この過程で膀胱にも影響するという研究はあります。セシウムに限らず高濃度の放射性物質を取り込んだ(あるいは、一定以上の量を取り込み続けた)時に警戒すべきはがんです。
つ~さん様
福島第一原発とその周辺は、政府と東京電力がプルトニウムを含む核種のサンプリングをしています。原発敷地内では土壌1キロあたり0.8ベクレルなどの検出はされています。値は、海外での核実験により国内で観測された降下物から検出された値と大きくは変わらないとされています。原発から数十キロなど広範囲に広がっているというデータはありません。何度か紙面でご紹介してきましたが、また機会をみてご紹介させて頂きます。
過去と区別ができるのか?確率論は分かりますか?
投稿者:竜電子 投稿日時:11/08/21 11:06
この記事では、セシウム137を扱っている。それでも、半減期は約30年だから、何もしなくても30年経てば半分になる。混乱しているが、セシウム134なら2年で半分になる。
地上核実験は、1960年代に行われた。1964年の東京オリンピックの直前に中国の地上核実験で撒き散らされた核物質はジェット気流に乗り降砂として日本全国に撒き散らかされた。
この時に降ってきたセシウム137は、1994年で半分にしかなっていない。
これ以上、レベルが下がっているのは雨や台風で流されていったり、淀の有る場所にホットスポットとして集積されているだけとなっている。これからしホットスポットは今回の福島原発からに限らす、九州や北海道にもあるはず。この様な過去の蓄積もあるから、今のレベルに下がっているの経緯をよく調べて欲しい。
それと放射性物質からの害の発生メカニズムに誤解がある。マスコミの数学の不勉強でしょうか?
放射性物質から放射線が何時出てくるかは予測がつきません。究極の乱数源と言われる所以です。
放射性物質からでる放射線(α、β)を銃弾に例えれば、1分に1発を撃つ自動拳銃があり、これを少ない数の人が歩いている閑散な公園に照準は定めずにでたらめに射撃をしている様なもの。射程距離は短く、障害物もあり、稀に人に当っても致命傷になる場合は少なく、少々の傷なら治ります。
ここで言う、致命傷は、細胞内のDNAに異常を来す場合でしょう。その細胞が死んでしまえば(大半はこうなる)問題は無いが、癌化すると増殖して、問題になります。怪我は、細胞の一部が破損した場合で直ります。
シーベルトで表されているのは、1分当りの発射数となります。値が大きければ、銃弾は多く発射されますが、歩いている人に当るかどうかは分かりません。
1発でも、当たり所が悪ければ、癌になり、1万発を撃っても誰にも当らないかも知れません。
これから、絶対に安全のレベルは有り得ません。同時に、これだと危険というレベルの確実な設定も出来ません。
マスコミも、この科学的な確率を伝える努力をして欲しいものです。
雑感
投稿者:シャトー 投稿日時:11/08/20 17:50
モンチャン様
放射性セシウムは筋肉に蓄積されて、肉腫の原因になると新聞で読んだような気がしますが。
セシウム以外にもいろんな核種で、陸海空が汚染されているはずです。
何ベクレルという基準の根拠もいまひとつ。
どこかの野菜の通販の会社が、今まで37ベクレル以上は廃棄していたが、国の基準に従って500ベクレルとするとも、最近の新聞で読みました。
1キログラムあたり、500個くらいの元素が壊れても、人体に影響ないと思いますが、毎日基準ぎりぎりセーフのものを食べ続けた場合、どうなるのでしょうか。
検査した食品は、基準以下なら「検出せず」と表記するようですね。はっきりと数値が出たものについては、数値そのものを書いたほうがわかりやすいのではないかと思います。
これから貴重なデータを蓄積して、人体への影響を明らかにしていくしかいくしかないのでしょう。
ついでに、原子力安全庁が、もんじゅ様を対象としていないのは腑に落ちません。
なぜセシウムだけなの?
投稿者:底辺の前期高齢者 投稿日時:11/08/20 17:44
報道される情報になぜか納得できません。
世界で核実験してたころは いろいろ飛んでいたように記憶してます。
核爆弾と原発事故が別とは思えないのです。
原爆症で苦しんでいる人が多い日本だからこそ 知りたい。
セシウム除去作業はとてつもない難作業
投稿者:Lionordoggie 投稿日時:11/08/20 17:29
一般的に放射性セシウム137の半分期は30年と云われているが、これに汚染された水田は、地下水の関係で一般論は成り立たないだろうが、森林や畑は少なくとも表土を50cm程度、削り取らなければ、安心した作物栽培できない。
表土を剥ぎ取る土木作業では樹木を切り払い、土木機械を駆使して山あり谷ありの土地の表土を削り取り、削り取った土砂をどこかの谷間でも投棄するしかないのだが、その適地も近所に容易に見つけられないので、途方もない大土木工事となり、その費用も時間も莫大なものとなり、東電は無責任にもお手上げで出来ませんとなり、結局、国がその工事を負担することになるだろうが、とても全地域で実施することは不可能であり、極めて限定的な地域でしか実施できない。耕作不能地域の農家は廃業するしかない。その補償は誰がするのだろうか。これも国となれば、東電は「おんぶにだっこ」されたも同然だろう。原発は文化の恩恵をもたらすどころか、とんでもない疫病神だったと云うことになる。
日本のマスコミは福島原発の爆発を「水蒸気爆発」と称して「水蒸気が立ちの昇った映像」ばかり公開しているが、何故、放射性セシウム物質が広域に飛び散ったのか説明がつかない。実際はそんなものでなく、このような状景:
Fukushima Nuclear Reactor Explosion
http://www.couriermail.com.au/news/meltdown-highly-likely-at-three-japanese-nuclear-reactors-government-says/story-e6freon6-1226021503132
を報道すべきだったのではないか。
プルトニウムは現状どうなってるか知りたい?
投稿者:つ~さん 投稿日時:11/08/20 15:04
福島第一原発三号機に使われている燃料(MOX)はとんでもない猛毒と効いています。セシウムは報道されますが猛毒のプルトニウムはどう成ってるか知りたいと思います。日本国土がプルトニウムで汚染されているとなったら大変な事と思いますが?
謝罪せよ
投稿者:oji 投稿日時:11/08/20 14:12
東電と 原発の建設を推進した 張本人の謝罪が国民にないのは なぜか 賠償金を払えば 事すめりでは 納得行かない
東北地区の若者の将来に 政府 東電は どう思っているのか
本心を吐露して欲しい
なにが本当なのか
投稿者:enamotiti 投稿日時:11/08/20 13:11
未だに過去の核実験の際のデータが出てこないのはどういうわけなのか。暫定基準値は高すぎると思うのだが、どの値ならよいのか比較対照がないと話にならない。
放射線は浴びないほうが良いのは決まっているが、海外からの農産物をはじめ残留農薬が心配です。今は違うのでしょうが以前は発がん性が認められた防腐剤などをかけて輸入していた。
情報はしっかりと出して欲しい。
セシウムは体内被曝するとどういう症状を起こしますか?
投稿者:モンチャン 投稿日時:11/08/20 08:58
セシウムが体内に吸収されると癌になりやすいとか、内蔵が劣化するとか知りたいのですが、何処にも書いてありません。未知の分や窯お知れませんがロシアの例もあり分かるのでは。何も害がないならば、そう騒ぐ事もないのですが、風評被害が今はセシウムに集中してますのではっきりして欲しい。子供なら甲状腺に異常を来しますというように。
新米は止めて外米を食べますか
投稿者:Say爺ちゃん 投稿日時:11/08/20 05:27
東電の原発事故で放出されたセシウムが国土に滞留することになった。既に、過去の核実験等で他国が放出したセシウムが諸々に及ぼす影響が研究されているから、フクシマのセシウム対策は零からの出発ではない。
しかし、普通はセシウムをまき散らすことはないから、セシウム137が降下した日本各地の全農作物について、全ての移行係数が豊富に蓄積され、添付表の平均値等、各種データがさらに確かなものになろう。日本は身をもって世界にデータを提供することになった。
一方、セシウムは地表面に偏在するといわれているが、図からは水田のように水分が潤沢になると様子が違う。畑の深度20~40cm付近の放射能を水田は深くに拡散させてしまう効果があると読めないか。意外に深い稲の毛根は、セシウム濃度の低いところから養分を吸い上げるから、移行係数(平均値)が低いと解釈したいし、今年の各地の米からはセシウムが検出されないことを期待したい。新米は止めて外米を食べますか。