原発再稼働「粛々と」 仙谷氏、大飯以外も推進明言
原発再稼働「粛々と」 仙谷氏、大飯以外も推進明言
産経新聞 6月14日(木)7時55分配信
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インタビューに答える仙谷由人政調会長代行=13日、衆院第1議員会館(酒巻俊介撮影)(写真:産経新聞)
民主党の仙谷由人政調会長代行は13日、産経新聞のインタビューに対し、政府が近く関西電力大飯原発3、4号機(福井県おおい町)の再稼働を決定することを受け、「ストレステスト(耐性検査)が済めば、その他の原発も粛々と動かすべきだ」と述べ、経済産業省原子力安全・保安院が安全性を確認した四国電力伊方原発3号機(愛媛県伊方町)など各地の原発再稼働を急ぐべきだとの考えを示した。政府・与党の幹部で大飯以外の再稼働推進を明言したのは仙谷氏が初めて。
保安院は、このほか北海道電力泊原発1、2号機など19基の原発についてストレステストの結果を審査中。仙谷氏の発言は、内閣府原子力安全委員会に対し、大飯に続いて他の原発の安全性の確認を急ぐよう促したものだ。
仙谷氏は党代表として、大飯原発再稼働に関する野田佳彦首相と枝野幸男経済産業相ら3閣僚の会合に出席するなど、再稼働を主導してきた。
仙谷氏は再稼働について「絶対に安全だとは思わない」としながらも、「技術的なリスク管理ができるという前提に立ち、ストレステストで安全確認できれば、誰が政権を持とうが執行しなければいけない。原発(稼働)をやっていくのは政治家の任務だ」と言い切った。
ただ、国民の不安払拭のため、「40年たった古い原発は安全管理ができようができまいが、廃炉にしていくべきだ」とも主張し、昭和54年以前に稼働した関電高浜原発(福井県高浜町)の一部など14基を廃炉にすべきだとの考えを示した。
同時に「原発の依存度を低め、燃料代がただの太陽、水、風を電源にすべきだ」とも発言し、自然エネルギーの技術開発を政府が進める必要性を訴えた。
再稼働に積極的に取り組んだことに民主党内の反対派から批判を浴びたことについては、東京電力福島第1原発事故後に官房副長官として損害賠償、東電再建に取り組んだ点を強調し、「この種の話は継続性が必要だ。その立場になってからできるという問題ではない」と反論した。http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120614-00000081-san-pol
“反原発”首長ら、大飯再稼働で「折れた」理由は
配信元:
2012/06/04 16:12更新
関西広域連合が5月30日の声明で、政府に判断を委ねるかたちで事実上容認した関西電力大飯原発(福井県おおい町)の再稼働。4月に共同で脱原発依存社会への工程表提示など、7項目の提言を政府に突きつけ、大阪市の橋下徹市長とともに、広域連合内で再稼働慎重派の急先鋒(せんぽう)だった滋賀県の嘉田由紀子知事と京都府の山田啓二知事がなぜ「折れた」のか。橋下市長の敗北宣言の真意は何か。
■経済界から総スカン
「経済界から再稼働に対する強い要望があった」
広域連合が声明を出した翌日、嘉田知事は記者団から声明を了承した理由について聞かれ、こう答えた。
5月1日。嘉田知事は、滋賀経済同友会など県内6経済団体と大津市内で意見交換した。「自助努力では限界がある」「電気料金が値上げされると、廃業も視野に入る」
出席者の反応は、電力不足への不安や不満ばかり。嘉田知事は「節電は電気料金が節約でき、マイナスばかりではない」「経済は大事だが、原発事故があれば何にもならない」と説明。節電した企業を優遇する政策を披露し理解を求めたが、危機を目前にした経済関係者には何の説得力もなかった。
その後の5月28日にも同様の意見交換があったが、経済界からは「計画停電はあってはならない」などの意見が相次ぎ、早期の原発再稼働を求める声も出た。
■「企業城下県」の現実
嘉田知事が2回にわたり経済関係者と会合を持つ気遣いの背景には、滋賀県ならではの事情があった。
滋賀県は30年前と比較し人口が30万人以上増え、近畿では大阪、兵庫、京都に次ぐ141万人を抱える。その源泉は企業の工場立地。名神高速道路が通り、交通の利便性が高い割に土地価格が安く、ダイハツ工業の滋賀工場(竜王町)や、キヤノンの製造子会社である長浜キヤノン(長浜市)、パナソニック関連会社(草津市ほか)など、大手メーカーが工場を相次いで構えた。県内総生産に占める製造業など第2次産業の割合が約41%で全国1位の“企業城下県”だ。
昨年7~9月の電力消費量も、関電管内全体では産業用需要は約38%だが、滋賀支店管内だけをとれば約58%に膨らむ。
万一、電力不足を理由に企業が県外に転出した場合の損失は計り知れず、嘉田知事は経済界の意見を無視できなかった。
◆頭越し「反原発」市町長も異論
細野豪志原発事故担当相が4日夕に福井県入りし、大飯原発3、4号機の安全監視体制の強化策について説明する予定で、大詰めを迎える再稼働。
一方、これまで再稼働に慎重姿勢だった滋賀県の嘉田知事だが、知事の対応について、産業界だけでなく、県内の首長からも異論が出ている。
嘉田知事が京都の山田知事と共同提出した7項目の提言について5月下旬、県内19市町長の意見を聞くため設定した会議が、7市町の首長が欠席することになり、中止された。
7市町のうち彦根市の獅山向洋市長は嘉田知事あてに「市町に対してあらかじめ何ら説明もなく、なぜ今ごろ意見を聞くのか」とする文書を送り批判した。
彦根市長と同様に、「今さら何を…」との思いを持つ首長は他にもいるとみられ、単独で反原発と見える行動に突っ走る嘉田知事への圧力になった。
■「限定的」こだわる
京都府も一枚岩にはなれない事情があった。大飯原発30キロ圏内にある舞鶴市や綾部市など府北部の首長らが「新たな安全基準を国が示し、第三者機関が確認しない限り再稼働は認めない」と強硬な姿勢の中で、山田知事は慎重にならざるをえなかった。
しかし、京都商工会議所など4団体は計画停電や電気料金値上げが中小企業にとって死活問題として、再稼働を政府に要請。5月25日の府との会合では、府が示した平成22年夏比15%以上の節電目標に対し、原発再稼働を議論から外したことに反発する場面があった。
また、府内最大の人口と経済規模の京都市は、電力逼迫(ひっぱく)状況などによっては再稼働の容認に含みを持たせる姿勢で、慎重派の知事と一線を画した。
関西広域連合の声明について山田知事は、「暫定的、限定的という表現にこだわった」と説明。再稼働を認めないとする府北部の住民らの意向と再稼働を求める産業界の声を両立させるという目の前の危機を回避する“苦肉の策”だった。
■戦術で負けた?
「橋下さんも経済界の意向を無視できなかったか」。福井県の関係者は、大阪市の橋下市長があっさりと「事実上の容認」と述べ、“敗北宣言”した背景を推測した。
しかし、橋下市長の戦術の誤算を指摘する声がある。計画停電の危機が迫る中で、なし崩し的に再稼働に突っ走る政府の牽制(けんせい)策として橋下市長は、ピーク時に限り原発を動かす「時限再稼働」のアイデアを出した。
関西広域連合の会合で、橋下市長は「原発の安全基準が暫定的だから安全判断も暫定ではないか」と細野原発事故担当相にただし、同氏がこの考え方を追認。「再稼働は暫定」との言質を引き出すことに成功。橋下市長の「時限再稼働」と同じ考えで、広域連合の声明にもこれを受けた「暫定的」「限定的」の文言が入れられた。
しかし、声明を受けた政府側が「関西が再稼働を容認した」と早々とアナウンス。声明には「再稼働容認」といった文言はなかったが、政府に判断を委ねたことで、解釈によっては、「容認した」と受け取られても仕方がなかった。
結果的に政府に戦術で負けたことが、弁護士らしい橋下市長の敗北宣言につながったとみられる。
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http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/natnews/environment/566498/
再稼動ゴーサインに安堵の表情も おおい町議会
配信元:
2012/06/14 12:24更新
「1カ月は長かった」-。14日午前、関西電力大飯原発3、4号機がある地元、福井県おおい町議会で表明された時岡忍町長による再稼働への“ゴーサイン”。4月14日の枝野幸男経済産業相からの協力要請を受け、5月にすでに再稼働を容認していた町議たちの間には安堵(あんど)の声が広がった。一方、同日開かれた県議会の全員協議会では、主要各派は前日までに行われた各派会合での意見集約が進まず、判断を棚上げする苦しい選択となった。
「町民の代表である町議会で、慎重に審議を重ねていただいた結果、苦渋の選択として容認の判断をいただいた」。14日午前に開会したおおい町議会の全員協議会で、時岡町長は議員たちを前に、5月14日に町議会として賛成多数で決めた判断に感謝の意を述べた。
時岡町長はこれまで、関西圏の理解が進まない状況や、原子力規制庁設置の遅れなどを念頭に「どうしても再稼働したいという国の覚悟がみえない」などと批判。また、「第2の玄海原発にはなりたくない」とも述べ、佐賀県玄海町の首長が再稼働方針を表明しながら、菅直人前首相がストレステスト(耐性検査)の導入を突然表明し、白紙に戻った昨年7月のような事態を回避したい意向をにじませていた。
今回のゴーサインは、その時岡町長による熟慮の末の判断。町議の一人は「ほっとした、というのが率直な感想だ。1カ月は長かったが、慎重に議論してきた妥当な判断だと思う」と話した。
一方、県議会の全員協議会では少数会派から再稼働の賛否が上がったが、主要会派は前日までに意見がまとまらず、東京電力福島第1原発事故を反映させた防災対策の充実などを知事に要請するにとどめた。
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/politics/econpolicy/568840/
橋下氏「停電リスクに怖気づいた」と再稼働容認
読売新聞 6月8日(金)21時34分配信
大阪市の橋下徹市長は8日の記者会見で、関西電力大飯原子力発電所3、4号機の再稼働を容認した理由について、「停電のリスクにおじけづいたところはある」と説明した。
計画停電が実施された場合の市民生活への影響を担当部局に検討させたことを明らかにしたうえで、「病院はどうなるのか、高齢者の熱中症対策はできるか。そう考えると、原発事故の危険性より、目の前のリスクに腰が引けた」と述べた。
大飯原発の再稼働に反対してきた橋下氏は5月末に「事実上の容認」に転じ、「負けたと思われても仕方がない」と発言。再稼働を巡って「民主党政権を倒す」としていた「倒閣宣言」も撤回した。
一方、野田首相が大飯原発の再稼働の必要性を強調したことに関して、橋下氏は8日、市役所で記者団に対し、「夏を乗り切ればいったん(原発を)止めて、きちんとした安全基準による判断が必要だ。期間を限定しない稼働は、国民生活ではなく電力会社の利益を守ろうとしているだけだ」と述べ、再稼働は電力需要が増大する夏季に限定すべきだとの考えを示した。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120608-00001134-yom-pol