LCC(格安航空会社)は、身体障害者のことを考えていなかったようです。
大久保さんという方が精力的に
LCCに注文を付けて身体障害者が利用しやすいよう
虚空会社に改善を求めているようです。↓
週刊メインストリーム通信Vol.77 Peach航空 交渉
http://blog.livedoor.jp/shuukanmainstream/archives/2012-04.html
こんにちは。
生活介護メンバーの大久保です。
今日は日本初のLCC(格安航空会社)ピーチ・アビエーションとの交渉を報告します。
LCC(LowCostCarrier)とは格安航空会社のことで、アメリカのサウスウェスト航空を始めとして欧米では多くのLCCが飛んでいます。日本では今回のピーチアビエーションが初めてとなります。安全面を除くあらゆるコストを省いて運賃を大手航空会社の半額以下にしているのが特徴です。
日本では昨年から上海-茨城間を中国の春秋航空が最低3000円で飛んだのが初めてでした。国内線としてはピーチが初めてで3月1日に関西から札幌に初就航しました。「空飛ぶ電車」といわれるぐらい低価格な飛行機を目指しているようです。今年は日本でのLCC観念といわれ、夏からはエアアジアジャパンとジェットスタージャパンが就航し、3社のLCCが国内線で就航することになります。
そんな中で格安に目がない僕は予約が開始されたすぐにピーチに予約しようと待っていました。ピーチは全日空が筆頭株主で株主ですから対応が全日空と同じく良いだろうと期待していました。しかし、搭乗するのを拒否されてしまいました。
障害者は電話予約のみというので1月13日、電話で予約をしようとしました。しかし、会社の規定で僕の電動車いすのサイズが大きいから予約は受けられないという返事でした。50cm×50cm×80cmのサイズの車いすしか乗せられないということでした。こんな小さなサイズの車いすはありません。
車いすの大きさだけで搭乗を断ることは疑問に思いましたので、国土交通省や会社側に搭乗を拒否しないでほしいという主旨の要望書を出しました。
1月30日に東京新聞・中日新聞が記事を書いてくれて、それが朝の情報番組でも取り上げられました。その直後に、ピーチ・アビエーションからお詫びの電話があり、回答書も届きました。規定を変えて「僕の電動車いすも貨物室に入れることができるようになったので、是非お乗りいただきたい」ということでした。僕は話し合いも求めていたので2月27日に関西空港での意見交換会をすることになりました。
当日はまず施設見学から始まり、実際に搭乗する時の同じルートでターミナルから機内まで見学しました。見学で気づいたことは
① チェックインカウンターで、スタンダード車いすに乗り換えないといけない。
② 飛行機まで行くバスがワンステップバスでスロープの勾配がきつい
③ 機内に入るときの車いすは、機内据え付けの小さな車いすを使う(小さすぎて不安定)。
④ 機内の乗員呼び出しボタンが天井にしか付いていない。手に障害があると呼び出せるか心配。
見学会終了後にマスコミも入って2時間の意見交換会が行われました。ピーチ側からは担当部長とマネージャーなど3名が出席し、こちら側は、僕をはじめメインストリーム協会メンバーと大阪の障害者団体の方、またDPI日本会議交通問題担当の方、13名が参加しました。
話し合いで特に焦点となったのは、次の5点です。
① 車いす使用者は5日前までに電話で予約しなければいけません。長年の障害者団体の交渉で、現在では他の航空会社などでは事前予約の制限がありません。ピーチ側は理由として、コスト削減で介助する職員やリフト車を自社ではもっておらず、外注で手配しなければならないので、このくらいの時間が必要だということでした。そもそも障害者の搭乗を想定せずにビジネスモデルをつくっているのではないか、障害者も含めてだれでも乗れるという前提でシステムを作って欲しいと要望し、改善を求めました。
② チェックインカウンターでスタンダード車いすへ乗り換えないといけないが、障害の状態によってはスタンダード車いすには乗れない。身体に合わせて車いすをつくっているので、機側まで自分の車いすでいきたい。これも障害者団体の交渉で、他社ではすでに解決されている問題ですので、改善を要望しました。
③ 定期的に障害当事者との話し合いと研修の場の設定を求めました。
④ 聴覚障害者向けにカウンターなどでの電光掲示板の設置と手話可能職員の配置を求めました。
⑤ 11月には関西空港にLCC専用ターミナルが完成するそうです。完成前にバリアフリーチェックをするように要望しました。このターミナルは関西空港会社の持ちものなので、そちらとの話し合いも必要になります。
いずれにしても、3月から飛び始めた新しいLCCという形態の航空会社なので、障害当事者がどんどん搭乗して意見を定期的に言っていけば、障害者にとって乗りやすい航空会社に変わる可能性を感じました。今年はLCC元年、皆さんどんどん乗って意見を言っていきましょう。
参考までに、ピーチの価格は、関空から札幌4500円、福岡3780円、鹿児島2140円などで障害者にとっても乗りやすい価格帯ですし、今後、長崎・那覇・ソウル・香港・台北に就航予定です。http://blog.livedoor.jp/shuukanmainstream/archives/2012-04.html