若いうちからの出世次第で生涯収入は同期の間でも大きく違ってくる。  | 日本のお姉さん

若いうちからの出世次第で生涯収入は同期の間でも大きく違ってくる。 

管理職や専門職が疲弊すれば組織は回らなくなる。

健康は自分が守るとの意識を持つことが大切。


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NEWSポストセブン
「会社で出世すると一生幸せ」の理由を人事コンサルタント解説
2011.03.07 07:00
「出世に興味がない」――。高度成長期のモーレツ社員が聞いたら卒倒するだろう。
明治安田生命が新社会人1030人を対象に昨年2月に実施した調査によると、目指す役職を尋ねる質問に対し、男性の27.9%が「役職に興味がない」と回答。2003年の調査開始以来、初めて「役員クラス」(25.3%)、「部長クラス」(24.5%)などを上回った。
一方で、終身雇用を望む社員も増えている。会社への帰属意識についての質問では、終身雇用を望む社員が51.9%で、2年連続で増加。「いずれ起業・独立」は7.5%にとどまった。


こうした新社会人たちの願望は完全に矛盾している。


昇進適齢期を迎えても平社員のままでいれば、リストラのリスクも高まるし、定年までの雇用はむろん安泰ではない。ビジネスコンサルタントの山崎将志氏が嘆く。
「1990年代にリストラされた父親を持つ世代にこういう考え方が多いんです。偉くなるほどリストラされるリスクは少なくなります」
最近の人事制度は、かつての「職能給(人が基準)」から「役割給(仕事が基準)」が常識となりつつある。若くても優秀な人材を抜擢しやすい一方、職責を全うできない社員は随時降格される憂き目に遭う。


「その代わり、2段階の飛び級昇進も可能になりました。だから同じ30代、40代でも役職格差は激しくなってきています」(企業の人事・雇用制度に詳しいジャーナリストの溝上憲文氏)
役職に伴って年収も当然変動してくるわけだから、若いうちからの出世次第で生涯収入は同期の間でも大きく違ってくる。 

人事労務コンサルタントの二宮孝氏が解説する。
「役割給の増加で、一般社員と管理職の収入格差は増大傾向にあります。また、管理職だと定年後の再雇用の条件が有利になったり、住宅ローンを借りやすくなるなど、社会的な信用度も高まります」
仮に役職付でリストラに遭ったとしても、転職市場では前の会社でどんな役職を経験したかが問われるため、採用の可能性も広がる。 つまり、出世は会社員人生における生活防衛であり、幸せな老後を送るための準備の一環でもあるのだ。※週刊ポスト2011年3月18日号


<管理職>短命?…00年ごろ境に死亡率急上昇
毎日新聞5月24日(木)12時8分配信

 30~50代の男性のうち、会社役員や部課長ら「管理職」と医師や教員ら「専門・技術職」の死亡率が2000年ごろを境に急激に高まり、事務職など「その他の職種」の平均を上回っていることが分かった。働き盛り世代の身辺にどんな危機が迫っているのか。【大槻英二】

 ◇健康格差逆転?

 北里大の和田耕治講師(公衆衛生学)らが3月9日付の英医学誌ブリティッシュ・メディカル・ジャーナルに論文を発表した。和田さんらは、人口動態統計や5年ごとの国勢調査を基に、職種を(1)専門・技術職(2)管理職(3)その他の職種(事務、販売、労務職など)に分類し、それぞれの死亡率(10万人当たりの死亡者数)を分析した。

 その結果、3グループとも1980年以降、死亡率は低下傾向だったのに対し、00年には管理職の死亡率が95年の1.6倍、専門・技術職は1.4倍に跳ね上がり、その他の職種の平均を上回った。

 死因のうち増加が目立ったのは肺・大腸のがん、さらに自殺だ。00年の肺・大腸がんによる死亡率は、その他の職種では95年より低かったが、管理職と専門・技術職では1.3~1.7倍に。自殺による死亡率も、その他の職種の1.4倍に対し管理職は2.7倍、専門・技術職は2.3倍に上昇した。

 生活習慣とも関わるがんが死亡率を高めた原因について、産業医の経験もある和田さんは「管理職の人の方が肥満や飲酒、運動不足が多いという報告がある。多忙を理由に医療機関に行かないなど『診断の遅れ』も背景にあるのではないか」と推測する。

 欧米の先進国では、生活管理への意識が高い管理職や専門・技術職の方が、生産現場などで働く「ブルーカラー」より死亡率が低いというのが「定説」とされてきた。今回のデータから「日本特有の健康格差の逆転が起きている可能性がある」と和田さんは言う。

 ◇リストラ現実に

 死亡率に「異変」のあった95年から00年にかけて、日本の労働環境は激変した。97年に山一証券が破綻するなど企業の倒産が相次いだ。大規模なリストラが現実のものとなり、年功序列や終身雇用制度も崩れ、成果主義が導入された。管理職には、職場の仲間を切らねばならないというストレスや、次に職を失うのは己では、との不安が重くのしかかった。自殺者数が急増し初めて3万人を突破したのは98年だ。

 「そもそも中高年は『心の危機』を抱えやすい時期。組織で上の立場に行けば行くほど周囲に相談しづらくなる。

それが問題を悪化させる一因になっているのではないか」。そう指摘するのは、「中高年自殺」などの著書がある筑波大の高橋祥友教授(精神医学)だ。

 ◇周囲に助けを

 高橋さんによると、米国では、企業トップが専属の臨床心理士や精神科医を持つケースも多い。「まずは言葉にして誰かに聞いてもらうこと」と助言する。

 和田さんは「管理職や専門職が疲弊すれば組織は回らなくなる。健康は自分が守るとの意識を持つことが大切」と説き、今回の調査結果を「日本人の働き方を考えるきっかけにしてほしい」と言う。

 本当に病院にも行けないほど忙しいのか。「管理職受難」の時代を乗り切るには、意識改革が求められているのかもしれない。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120524-00000030-mai-soci

http://www.news-postseven.com/archives/20110307_14247.html