「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 何人殺してるんだか、、、。
「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成24(2012)年 4月20日(金曜日)弐
通巻第3631号
谷開来(薄煕来夫人)は末期ガン、「余命は一年か二年」
ネットでは「それじゃ死刑に間に合わないじゃないか」
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重慶で薄煕来人脈の粛正がはじまり、右腕だった夏区長ら39名が逮捕拘束された。夏は薄夫人のニール・ヘイウッド殺害に関して、シアン化カリウムを調達し、殺人に間接関与したとも言われる。
ところでニール殺人事件で、新しい事実がわかった。
殺害される前日、11月13日にニール・ヘイウッドは重慶に入り、ナンシャン・リジン・ホリディホテルに投宿した。このホテル、複数の旅行代理店のネットから調べたが、重慶のホテルリストに載っていない。
結果、重慶郊外の人里離れたリゾート・ヴィラ(三つ星)で、ここへニールを言葉巧みに呼び出したのは薄家の執事、張某、かれは薄煕来の父親の薄一波時代から薄ファミリーに三十年つかえる古老で、殺害の実行犯とされる。
また谷開来夫人は大連時代から、薄煕来の愛人たちに嫉妬して都合四人の女性を殺害した嫌疑がかかっているようである。
北京よりメディアは「外国新聞は根も葉もない噂を並べ立て、興味本位で扱っている」などと論調を変えている点にも注意が必要であろう。これは外国メディアへ、内部から情報が大量に漏れていることを中央宣伝部が警戒している証拠でもある。
殺人容疑で逮捕されている谷開来は、「末期ガンで余命一、二年」という怪情報が勢いよく流れ出しており、華字紙が一斉に大きく報道している。
真偽の確認は取れないが、先週にも「夫人は海外への財産移転の秘密を握っていたニールから脅迫されていた」と同情的な情報が突如、降って湧いたようにネットに流れており、薄煕来支持者らの情報操作の可能性が残る。
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(読者の声1)天皇陛下の園遊会で、多くが招待を受けたのですが、天皇陛下は台湾大使の憑寄台(台湾経済文化代表所代表=大使に相当)に歩み寄り、台湾の東日本震災への支援に感謝の言葉を述べた。産経新聞は一面にカラーで伝えていますが、台湾のメディアはどうですか?
(GH生、群馬)
(宮崎正弘のコメント)台湾各紙も取り上げてはいます。しかし本省人中心の『自由時報』いがいは扱いが小さいですね。
ちなみに国民党寄りの『連合報』も『中国時報』も、いまや北京の論調と変わらず、統一派、そのバックは大陸資本といわれるほどに中華思想が前面にでてきました。
さらに「日台共栄」メルマガ、4月20日号より下記を引用します。
(引用開始)
「今上陛下が春の園遊会で台湾の震災支援に「台湾ありがとう」と感謝のお言葉――今朝の産経新聞1面を見て驚いた。題字のすぐ下に大きな写真があり、そこに今上陛下が馮寄台(ひょう・きたい)台北駐日経済文化代表処代表に対し、にこやかに話しかけられている場面が写っていた。馮代表は陛下のお話を聞き漏らすまいと、謹んで拝聴していると思しき写真だ。
記事を読んでみると、2年ぶりに催された春の園遊会のことだと分かった。2000人ほど招かれた中に、台湾を代表して馮代表も招かれ、陛下がお声を掛けられている場面だった。
下記にその記事をご紹介したい(インターネット版の内容と少し異なるが、写真は同じ)。
陛下が主催される園遊会に台湾の駐日代表が招かれるのは、日本と台湾が昭和47(1972)年に国交が断絶して以来初めてだそうで、「外交筋によると、天皇陛下は馮代表に対し、『台湾ありがとう』と述べられたという」(時事通信)。
園遊会には皇太子殿下や皇族方も列席、総理や国務大臣、衆参両院議長をはじめ芸能界やスポーツ界の功労者など約2,000人が赤坂御所に招かれ、夫人も一緒に招かれるという。
今回の春の園遊会には村井嘉浩・宮城県知事や上野善晴・岩手県副知事、宇宙飛行士の古川聡氏、相撲界からは大相撲元大関魁傑の放駒親方などが招かれたという。
台湾の馮寄台代表も顔希君夫人とともに招かれ、陛下から直接「台湾ありがとう」というお言葉を賜ったという。今上陛下が馮代表にお声をかけられた後、皇后陛下は「代表夫人の顔希君氏と英語で歓談」(中央通訊社)されたと伝えられている。
これは日本として台湾の東日本大震災支援に最高最大の感謝の意を表したことになり日本人の一人として、陛下の思召しに心から感謝申し上げたい。
馮代表は間もなく引退し、後任には外務事務次官の沈斯淳氏が就任する。2008年9月に台北駐日経済文化代表処の代表に就いた外交官の馮代表にとって、台湾を代表して陛下とお会いし、陛下から直接お言葉を賜ったのだから、恐らくこの4年間の代表就任期間で最大のイベントとなったのではないだろうか。外交官としてこれほどの栄誉はないだろう。引退する馮代表には最高の花道となった。
この最高の花道を用意したのは、日本の震災復興を祈って義捐金を出し合った台湾の名もない人々だ。日台関係史にとっても、平成24(2012)年4月19日は忘れてはならない1日となった。
陛下、台湾の震災支援に感謝【産経新聞:平成24(2012)年4月20日】
写真:春の園遊会で台北駐日経済文化代表処の馮寄台代表に声をかけられる天皇陛下=19日午後、東京・元赤坂の赤坂御苑(栗橋隆悦撮影)
天皇、皇后両陛下ご主催の「春の園遊会」が19日、東京・元赤坂の赤坂御苑で開かれ、宇宙飛行士の古川聡さんや、日本相撲協会前理事長の放駒親方など、各界の功労者ら1956人が出席した。台湾の台北駐日経済文化代表処の馮寄台(ひょう・きたい)代表(大使に相当)も、代表として初めて招待された。台湾の中央通信社によると、陛下は馮寄台代表に対し、東日本大震災で寄せられた台湾からの支援に感謝の言葉を述べられた。
(以上で引用止め)
ところで、大使は「引退」とありますが、宮崎が台北の政界で耳にした情報では、憑大使は帰国後、五月二十日の馬総統二期目就任式をまってから「外務大臣」に就任という説をあちこちで聞いております。
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(読者の声3)貴誌で次々と報道される王立軍―薄煕来、そして北京の政変劇と、二月以来、貴誌の一連の報道分析は、活字媒体であるなら「新聞協会賞」クラスの高質なものと思います。しかも、これらの情報量は膨大で、優に一冊の本になるほどの情報の集積であり、くわえて貴誌が無料のメルマガであることに深く感謝したい。
(アメリカ留学帰り)
(宮崎正弘のコメント)お褒めいただき感謝ですが、中国の権力闘争の裏面に関しては『現代中国三国志』(仮題)として、おそらく七月頃、一冊の本として上梓される予定です。ご期待下さい。
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宮崎正弘のロングセラー
『国際金融危機 彼らは「次」をどう読んでいるか』(双葉社新書、840円)
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『2012年 中国の真実』(ワック、930円、新書版)
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『中国大暴走 高速鉄道に乗ってわかった衝撃の事実』(1365円、文藝社)
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『中国は日本人の財産を奪いつくす!』(徳間書店 1260円)
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『オレ様国家 中国の常識』(新潮社、1470円)
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<宮崎正弘の対談シリーズ>
『猛毒国家に囲まれた日本』(佐藤優氏との対談。海竜社、1575円)
『増長し無限に乱れる「欲望大国」中国のいま』(石平氏との対談。ワック、945円)
『絶望の大国 中国の真実』(石平氏との対談。ワック、933円)
『日米安保、五十年』(西部邁氏との対談。海竜社、1680円)
『世界が仰天する中国人の野蛮』(黄文雄氏との対談。徳間書店、1575円)
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