きしむ中英関係「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
中段に「きしむ中英関係、その二」特集
「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 平成24(2012)年 4月18日(水曜日)弐通巻第3628号
ゴールドマンサックス、UBS,バンカメが次々と売り逃げの状況下
テマサク(シンガポール国富ファンド)が中国銀行株を強固に買い増しへ
********************
「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 平成24(2012)年 4月18日(水曜日)弐通巻第3628号
ゴールドマンサックス、UBS,バンカメが次々と売り逃げの状況下
テマサク(シンガポール国富ファンド)が中国銀行株を強固に買い増しへ
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ゴールドマンサックスもUBSもバンカメもロイヤルバンク・オブ・スコットランド(RBS)も、中国工商銀行、中国建設銀行、中国銀行が香港に上場した折の幹事行。しかも、それぞれが相当な株式を引き受けた。たとえばゴールドマンサックスは、中国工商銀行の4・9%株主だった。
金融危機直後から持ち株の売却を急いだ。とくにリーマンショック以後、保有株式の転売は拡大した。
ゴールドマンサックスは転売先を探し、保有する株式を売り抜け、いまでは中国工商銀行株は30億ドル分ほどに低下、その分を、えんえんと買い進めてきたテマサクが占めた。
同社はいまや中国工商銀行の1・3%の株主となった。今回は23億ドルを投じて中国工商銀行の株をゴールドマンサックスから買い取った。
「テマサク」とはシンガポール政府肝いりの主権ファンド。規模は1500億ドルだが、リーカンユー(シンガポールの独裁者)一族が管理し、かれらの組み立てた金融戦略上のポートフォリオで投資する。
テマサクの不動の信念は「アジアの銀行株」だ。
テマサクは中国建設銀行、中国銀行の株式も保有しており、全体のポートフォリオ(投資の配分比率)の20%が中国の銀行であるという(ヘラルドトリビューン、4月17日)。
一方、香港からロンドンへ本社機能を移転したHSBC(香港上海銀行)は、逆方向を向いている。
2010年から本格化した人民元建ての債券市場(現在は香港のオフショア市場だけだが既に168億ドル規模)が、近くロンドンでも取引可能となり、ロンドン債券市場の有力商品になると強い関心を示している。
△△ ◇ ○○ □□
♪
きしむ中英関係、その後
李長春――キャメロン英首相会談は何一つも進展なし
英国マスコミは矛盾する謎と英国外務省の不手際を批判
@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@
(承前)前号の続き。
キャメロン英首相は2012年4月17日、訪英中の李長春(政治局常務委員、序列五位)とロンドンのダウニング街十番地(首相官邸)で昼食をともにした。「ニール・ヘイウッド殺人事件は調査中である」と李は述べ、それ以上の会話はなかった。
英外務省がこれまでに明らかにした事実関係は、ニールの殺害が11月14日、翌日ホテルで死体が発見され、16日に当局が重慶の英国領事館にFAXで通知してきた。ニールの夫人である露露は、パスポートが中国籍のまま、ロンドンにはヴィザ滞在の形である。
ニールの妻と姉がロンドンから重慶に飛んで来たとき、死体は遺灰となっていた。
矛盾が幾つもある、とインデペンデント紙(18日)は噛みついた。
「第一に検死がなく、第二にアルコール中毒と発表され、心臓発作となり、それが殺人、シアン化合物の毒殺となった。第三はニールと谷開来夫人とのあいだにビジネストラブルがあった、いや二人は不倫関係による愛情のもつれという観測まであがっているが、いずれの情報も相矛盾している」
直近の中国製のニュースは「谷が資産の海外隠匿の秘密を材料にニールから脅迫されていた」等と言われ始める。
中国側の情報操作の可能性がある。
英国マスコミは「外務省の失態」を批判し続けている。
「初動が遅れたのは、ニールがMI6の秘密諜報員という噂を前に、追求を躊躇ったからであるが、外務省が実際に調査依頼をするのは王立軍事件が引き金で、亡命未遂事件の翌日、すなわち2月7日である。しかも四回にわたって強く抗議してはじめて、中国側は『捜査を始めた』とした」(テレグラフ紙)
ともかく対応がチャラポランで、発表内容がコロコロ変わる中国側に、イギリス人の怒りが渦巻いており、対中感情は日々ささくれ立っている。
アンタッチャブルである政治局員を査問するわけだから、ことは慎重を要した。
ついに伏魔殿にメスが入った。「ボイス・オブ・ドイツ」は、これを「太子党の終わり」と書いた。
▼本当に落日を迎えたのか、太子党
米国マスコミは、習近平の娘も薄き来の息子もハーバードへ留学中というポイントを重視する報道を行っている。
この文脈から言っても、2012年4月18日付けのヘラルドトリビューンは、ひょっとして歴史に残る紙面作りである。
一面トップのカラー写真は、なんと薄の息子、薄瓜瓜が英国のナイトクラブで怪しげな女性を侍らせてワインを飲んでいる場面だ。24歳の若造の欧米における御乱行を象徴する写真で、学園祭にジャッキー・チェンを呼んだり、フェラーリで女性をドライブに誘ったりと数々の「武勇伝」の紹介記事が続く。内容はすでに小紙で紹介したので割愛。
さて華字紙は「薄処分は劉青山か張子善か」という書き込みで話題持ちきりとなっている。
というのも劉青山も張子善も革命政府樹立後、腐敗分子として死刑になった。冤罪とも言われる事件だが、ようするに毛沢東に逆らうと、幹部でも死刑にあり、罪名はあとからでっち上げでついてくる。
江沢民の政敵だった陳希同は懲役16年、胡錦涛のライバル陳良宇は懲役18年、さて薄き来は死刑か無期懲役か、というわけで、罪状はこれから大急ぎで作られるだろうが、決して薄が重慶ですすめた高度成長路線、毛沢東思想復活と胡錦涛等の「安定路線」との深刻な対立という本質論議は回避されるだろう。
もともと薄き来の存在は共青団にとっても、習近平にとっても疎ましく、なにかのチャンスをまって失脚させようとしていたのは事実である。習が薄を右腕として頼りにしたなどという分析があるが、四歳年上で煙たい存在の薄き来は習近平にとって、まことに「うざっとり」存在だったのである。
しかし、もし王立軍の亡命未遂がなければ、これほど大胆な政治処分へとは至らなかった。
最大の理由は党内保守派、なかでも江沢民が薄き来を長期にわたって引き立て、庇ってきたからである。
だから江沢民派直系の周永康も、9日の政治局緊急会議で最後まで薄を庇おうとしたのである。江沢民は薄の父親、薄一波によって助けられ、往時の大物政治家・喬石らを出し抜いて江沢民が権力中枢を形成できた恩義があるからだ。
△
♪
(読者の声1)貴誌前号書評ですが、「親が聞いたら卒倒するようなセックス教育をしている。」と言われましたが、次のような情報もあります。
「正しい歴史認識、国益重視の外交、核武装の実現」のブログからです。
http://deliciousicecoffee.blog28.fc2.com/blog-entry-4616.html
なんと毎日小学生新聞の編集長が埼玉のデリヘルの宣伝を自分のブログでやっているのです。
驚きを通り越して唖然、茫然、失禁しそうです。
http://bkye.seesaa.net/article/166879830.html
こいつ、テレビにも登場とか。なんという世の中でしょうか。
(HT生、大田区)
♪
(読者の声2)最近あちこちで聞くのは企業重役会を英語でやっているところが増えているそうですが。「そんな企業はバカの骨頂」という説もあり、しかし国際化を目指す以上は、世界共通の英語でやるのも当然の傾向かなと思ったり、先生はいかなる評価ですか?
(GH生、栃木)
(宮崎正弘のコメント)たとえば野村證券は世界中で株、債券のトレードを行い、取引先企業上場の根回しをしている訳ですから重役会は英語でしょうね。すくなくとも担当の部局は。SONYも役員会はそうせざるを得ないでしょうが、そうでない分野の会社が自国語を満足に喋れない社員に英語で会議をやらせるなんて、まさに愚の骨頂ではないですか。
森有礼や、桑原武夫や志賀直哉の所論を思い出します。
森は暗殺されました。桑原は『第二芸術論』で俳句は無意味と言い放ち、志賀は日本語をフランス語にしたらと提言し、かれらの論理的破産も、われわれは十分に目撃してきたのではありませんか?
♪
(読者の声3)例によって鳩山元首相がいらん事をして来ましたが、鳩山に限らず反米保守の中には反米国家イランを理想化してしまう人々がいます。例えば、反米的スタンスが著しい某チャンネルなどは「イランは核武装する権利が有る」と主張。何故ならば、「北朝鮮だって持っているから」という理由だそうだが、聞いた瞬間に飲んでいたコーラーを鼻から出してしまった。
同筋は「米国が(日本に禁止していたのに)ミャンマに接近して出し抜かれたので独自外交としてイランとのパイプを守っていこう」という考えらしい。
これも日本の(中東アフリカ局の)外交官が繰り返し主張する「日本とイランの特別な関係」と同じ対米独自外交コンプレックスである。
結局、彼らは鳩山と同じようにイランに利用されて捨てられるのだろう。
さて今回のミサイル騒動で報道されていないが、英国紙『デイリー・テレグラフ』に拠ればミサイル発射を見る為にイランから12人の科学者が北朝鮮に来ている。
http://www.telegraph.co.uk/news/worldnews/asia/northkorea/9206287/Iranian-officials-observed-North-Korean-rocket-launch.html
イランにとっては「トラスト・ミーの」日本はほんの浮気相手で本命「特別な関係」の恋人は北朝鮮である。
核兵器は北朝鮮が一歩リードしているが、イランは人工衛星発射成功しているのでお互いに補いながら一年以内に核兵器を小型化して日本人の頭の上に落とす事が出来るようになる。
イスラエルは自己で200発とも300発とも言われる核兵器を保有するが、イランには一発も持つ事を許さない覚悟だが、日本は北朝鮮が核ミサイル配備完了寸前でも田中直紀という馬鹿を防衛大臣にしている。
日本は滅びるのではないか。
東京や大阪に核ミサイルの落ちる確率は大地震が起きる確立よりも高い。原子力発電所の放射能云々いう輩に限って北朝鮮のミサイルの脅威を語らない。福島の原子炉では誰も死んでいないし、今後も死なない。だが北朝鮮の核ミサイルでは数百万の人々が蒸発または焼け爛れる事になるだろう。
せめてイスラエルがイランに先制攻撃してくれる事を祈るばかりだ。
(道楽Q)
(宮崎正弘のコメント)核倶楽部が一方的論理で「核不拡散条約」を主導し、自分たちは持つが、ほかは保有してはいけないというのは大国の不条理、しかしインド、パキスタンの核武装は黙認した。北の核は中国に丸投げし、イランの始末はイスラエルにさせる方向。
シリアの核施設は、イラクと同様にイスラエルが空爆して始末した。
さしあたって最大の懸念はパキスタンの崩壊、100-120発と推定されるパキスタンの核は、米海兵隊が入って管理するシナリオも検討されています。小生は、日本がパキスタンへの過去の援助を帳消しとし、核兵器を数発譲渡してもらうのもアイディアではないか、と思っています。日本が保有する米国債もとうとう一兆ドルを超えました。これも、いずれデフォルトになるでしょうから横須賀、佐世保に繋留している空母、潜水艦を担保としておさえるのもアイディアではありませんか?
いずれにしてもイランの核武装は時間の問題です。これによりパキスタンの核の一部はサウジへ移動する事になるでしょう。(パキスタンの核開発の胴元はサウジです)。
♪
(読者の声4)東京都が尖閣諸島を購入するというニュース、記者会見ではなんとか都知事の足を掬ってやろうという質問をするも軽くかわされていました。
筋書きの決まった報道をするためのコメントを取りたかったのでしょうが、石原氏と不勉強な記者では話しにもならない。
北朝鮮のミサイル、中国の軍拡、竹島を不法占拠しながら韓流をゴリ押しする韓国と、日本国民の間には特亜(反日を叫ぶ特定アジア)三国に対する不満・警戒感・嫌悪感が確実に広がっています。日本は日本人だけのものではない、などと馬鹿なことを言う総理大臣もいましたが、日本国内では特亜三国人比率の高い県ほど凶悪犯罪比率が高いというデータをまとめた動画がありました。
http://www.youtube.com/watch?v=SCmXFc5lh8g
戦後、トルコ人労働者を受け入れたドイツではトルコ人が増えすぎ、学校でドイツ人がトルコ人にイジメられても泣き寝入りするしかない状況まで追い込まれてしまった。次の
動画を見るとトルコがEU加盟を熱望しようとも欧州諸国は断固拒否の理由がわかります
。
http://www.youtube.com/watch?feature=player_embedded&v=RxhIamUjBA0
他の欧州諸国でも移民が増えるにつれ似たような状況が生まれている。ただでさえ失業率の高い欧州で今以上に摩擦が増えたらどうなるのか。極右政党の台頭、排外主義の復活が当然予想されます。
日本では昨年「フジテレビの韓流ゴリ押し」反対デモと、フジテレビ最大のスポンサーでもあり韓流押しでもあった「花王」商品不買デモがネット上で自然発生的に始まり各地で展開されました。
日本の新聞・テレビでは全くといっていいほど報道されなかったにも関わらずフジテレビは視聴率低迷、花王は業績予想を上方修正した直後から急ブレーキ、業績予想を下方修正したあげくに社長交代ですから新聞・テレビの時代はもう終わったといっていいのでしょう。
ネットの声を無視したあげく、研究開発費の2倍近い宣伝費をかけて売上をダウンさせた「花王」は今後のマーケティング・リスク管理のケーススタディになるかもしれません。ネット通販といえば「Amazon」ですが花王商品は、どれも低評価ばかり。韓国女優のキム・テヒをCMに起用したロート製薬の商品も低評価攻撃がすごい。
韓流ブームなど電通と韓国国家ブランド委員会によるプロモーションにすぎないことにネット上の多くの日本人は気づいている。
それに加担する企業は不買運動のターゲットになるリスクもあるとわかっていると思うのですが、活字媒体はまだゴリ押しできると思っているのか、女性誌にトンデモ記事が満載「Amazon」で総スカンという事件がありました。
集英社 MORE (モア) 2012年 03月号
≪引用≫「お天気もいいし、朝鮮人参エキスも飲んで、元気いっぱいにデート」「親友、アズサと新大久保のマッコリバーへ」「飲みすぎた翌日は、韓国のりが朝ごはん。あ~んまいっ」「私は買いつけ、彼は実家に帰るってことで、一緒にソウルへ出発~」「韓流コスメ特集を熟読。うちの人気パックが紹介されてる~」「ウサ晴らしと韓国語の勉強を兼ねて、韓流ドラマ観ます」「例の女の子がヨンボに告ってるところに遭遇」
「ヨンボはあの子をキッパリと振ってくれたみたい!」「マッコリバーで飲みながらエイジのことを考え中」「ヨンボとケイコ、ケイコの彼の4人で仲良くお花見」「お天気もいいし、朝鮮人参エキスも飲んで元気いっぱいにデート」
http://whiteusausa.blog.fc2.com/blog-entry-340.html
http://deliciousicecoffee.blog28.fc2.com/blog-entry-4557.html
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B006WAK48A/yuyuusa-22/ref=nosim/
こんな記事を読んだら気持ち悪くなる人のほうが圧倒的でしょう。
六本木で黒人が特定の日本女性にモテるからといって日本女性みんなが黒人好きなわけもなく、新大久保に韓国人目当ての日本女性がいるからといって韓国男が日本女性に人気なわけではない。
韓国は知れば知るほど嫌いになる国として有名ですが、韓国がさらに韓流をゴリ押しするなら日本の一般層にまで反韓・嫌韓感情が広がることでしょう。
(PB生、千葉)
(宮崎正弘のコメント)昨日はメディア群から石原都知事の「快挙」に関して多くのインタビューがありました。要するに「中国はどう出るか?」という質問なのですね。
素直に日本人の信条を投射した快挙という受け取り方を、日本のメディアはしたくないのです。
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金融危機直後から持ち株の売却を急いだ。とくにリーマンショック以後、保有株式の転売は拡大した。
ゴールドマンサックスは転売先を探し、保有する株式を売り抜け、いまでは中国工商銀行株は30億ドル分ほどに低下、その分を、えんえんと買い進めてきたテマサクが占めた。
同社はいまや中国工商銀行の1・3%の株主となった。今回は23億ドルを投じて中国工商銀行の株をゴールドマンサックスから買い取った。
「テマサク」とはシンガポール政府肝いりの主権ファンド。規模は1500億ドルだが、リーカンユー(シンガポールの独裁者)一族が管理し、かれらの組み立てた金融戦略上のポートフォリオで投資する。
テマサクの不動の信念は「アジアの銀行株」だ。
テマサクは中国建設銀行、中国銀行の株式も保有しており、全体のポートフォリオ(投資の配分比率)の20%が中国の銀行であるという(ヘラルドトリビューン、4月17日)。
一方、香港からロンドンへ本社機能を移転したHSBC(香港上海銀行)は、逆方向を向いている。
2010年から本格化した人民元建ての債券市場(現在は香港のオフショア市場だけだが既に168億ドル規模)が、近くロンドンでも取引可能となり、ロンドン債券市場の有力商品になると強い関心を示している。
△△ ◇ ○○ □□
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きしむ中英関係、その後
李長春――キャメロン英首相会談は何一つも進展なし
英国マスコミは矛盾する謎と英国外務省の不手際を批判
@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@
(承前)前号の続き。
キャメロン英首相は2012年4月17日、訪英中の李長春(政治局常務委員、序列五位)とロンドンのダウニング街十番地(首相官邸)で昼食をともにした。「ニール・ヘイウッド殺人事件は調査中である」と李は述べ、それ以上の会話はなかった。
英外務省がこれまでに明らかにした事実関係は、ニールの殺害が11月14日、翌日ホテルで死体が発見され、16日に当局が重慶の英国領事館にFAXで通知してきた。ニールの夫人である露露は、パスポートが中国籍のまま、ロンドンにはヴィザ滞在の形である。
ニールの妻と姉がロンドンから重慶に飛んで来たとき、死体は遺灰となっていた。
矛盾が幾つもある、とインデペンデント紙(18日)は噛みついた。
「第一に検死がなく、第二にアルコール中毒と発表され、心臓発作となり、それが殺人、シアン化合物の毒殺となった。第三はニールと谷開来夫人とのあいだにビジネストラブルがあった、いや二人は不倫関係による愛情のもつれという観測まであがっているが、いずれの情報も相矛盾している」
直近の中国製のニュースは「谷が資産の海外隠匿の秘密を材料にニールから脅迫されていた」等と言われ始める。
中国側の情報操作の可能性がある。
英国マスコミは「外務省の失態」を批判し続けている。
「初動が遅れたのは、ニールがMI6の秘密諜報員という噂を前に、追求を躊躇ったからであるが、外務省が実際に調査依頼をするのは王立軍事件が引き金で、亡命未遂事件の翌日、すなわち2月7日である。しかも四回にわたって強く抗議してはじめて、中国側は『捜査を始めた』とした」(テレグラフ紙)
ともかく対応がチャラポランで、発表内容がコロコロ変わる中国側に、イギリス人の怒りが渦巻いており、対中感情は日々ささくれ立っている。
アンタッチャブルである政治局員を査問するわけだから、ことは慎重を要した。
ついに伏魔殿にメスが入った。「ボイス・オブ・ドイツ」は、これを「太子党の終わり」と書いた。
▼本当に落日を迎えたのか、太子党
米国マスコミは、習近平の娘も薄き来の息子もハーバードへ留学中というポイントを重視する報道を行っている。
この文脈から言っても、2012年4月18日付けのヘラルドトリビューンは、ひょっとして歴史に残る紙面作りである。
一面トップのカラー写真は、なんと薄の息子、薄瓜瓜が英国のナイトクラブで怪しげな女性を侍らせてワインを飲んでいる場面だ。24歳の若造の欧米における御乱行を象徴する写真で、学園祭にジャッキー・チェンを呼んだり、フェラーリで女性をドライブに誘ったりと数々の「武勇伝」の紹介記事が続く。内容はすでに小紙で紹介したので割愛。
さて華字紙は「薄処分は劉青山か張子善か」という書き込みで話題持ちきりとなっている。
というのも劉青山も張子善も革命政府樹立後、腐敗分子として死刑になった。冤罪とも言われる事件だが、ようするに毛沢東に逆らうと、幹部でも死刑にあり、罪名はあとからでっち上げでついてくる。
江沢民の政敵だった陳希同は懲役16年、胡錦涛のライバル陳良宇は懲役18年、さて薄き来は死刑か無期懲役か、というわけで、罪状はこれから大急ぎで作られるだろうが、決して薄が重慶ですすめた高度成長路線、毛沢東思想復活と胡錦涛等の「安定路線」との深刻な対立という本質論議は回避されるだろう。
もともと薄き来の存在は共青団にとっても、習近平にとっても疎ましく、なにかのチャンスをまって失脚させようとしていたのは事実である。習が薄を右腕として頼りにしたなどという分析があるが、四歳年上で煙たい存在の薄き来は習近平にとって、まことに「うざっとり」存在だったのである。
しかし、もし王立軍の亡命未遂がなければ、これほど大胆な政治処分へとは至らなかった。
最大の理由は党内保守派、なかでも江沢民が薄き来を長期にわたって引き立て、庇ってきたからである。
だから江沢民派直系の周永康も、9日の政治局緊急会議で最後まで薄を庇おうとしたのである。江沢民は薄の父親、薄一波によって助けられ、往時の大物政治家・喬石らを出し抜いて江沢民が権力中枢を形成できた恩義があるからだ。
△
♪
(読者の声1)貴誌前号書評ですが、「親が聞いたら卒倒するようなセックス教育をしている。」と言われましたが、次のような情報もあります。
「正しい歴史認識、国益重視の外交、核武装の実現」のブログからです。
http://deliciousicecoffee.blog28.fc2.com/blog-entry-4616.html
なんと毎日小学生新聞の編集長が埼玉のデリヘルの宣伝を自分のブログでやっているのです。
驚きを通り越して唖然、茫然、失禁しそうです。
http://bkye.seesaa.net/article/166879830.html
こいつ、テレビにも登場とか。なんという世の中でしょうか。
(HT生、大田区)
♪
(読者の声2)最近あちこちで聞くのは企業重役会を英語でやっているところが増えているそうですが。「そんな企業はバカの骨頂」という説もあり、しかし国際化を目指す以上は、世界共通の英語でやるのも当然の傾向かなと思ったり、先生はいかなる評価ですか?
(GH生、栃木)
(宮崎正弘のコメント)たとえば野村證券は世界中で株、債券のトレードを行い、取引先企業上場の根回しをしている訳ですから重役会は英語でしょうね。すくなくとも担当の部局は。SONYも役員会はそうせざるを得ないでしょうが、そうでない分野の会社が自国語を満足に喋れない社員に英語で会議をやらせるなんて、まさに愚の骨頂ではないですか。
森有礼や、桑原武夫や志賀直哉の所論を思い出します。
森は暗殺されました。桑原は『第二芸術論』で俳句は無意味と言い放ち、志賀は日本語をフランス語にしたらと提言し、かれらの論理的破産も、われわれは十分に目撃してきたのではありませんか?
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(読者の声3)例によって鳩山元首相がいらん事をして来ましたが、鳩山に限らず反米保守の中には反米国家イランを理想化してしまう人々がいます。例えば、反米的スタンスが著しい某チャンネルなどは「イランは核武装する権利が有る」と主張。何故ならば、「北朝鮮だって持っているから」という理由だそうだが、聞いた瞬間に飲んでいたコーラーを鼻から出してしまった。
同筋は「米国が(日本に禁止していたのに)ミャンマに接近して出し抜かれたので独自外交としてイランとのパイプを守っていこう」という考えらしい。
これも日本の(中東アフリカ局の)外交官が繰り返し主張する「日本とイランの特別な関係」と同じ対米独自外交コンプレックスである。
結局、彼らは鳩山と同じようにイランに利用されて捨てられるのだろう。
さて今回のミサイル騒動で報道されていないが、英国紙『デイリー・テレグラフ』に拠ればミサイル発射を見る為にイランから12人の科学者が北朝鮮に来ている。
http://www.telegraph.co.uk/news/worldnews/asia/northkorea/9206287/Iranian-officials-observed-North-Korean-rocket-launch.html
イランにとっては「トラスト・ミーの」日本はほんの浮気相手で本命「特別な関係」の恋人は北朝鮮である。
核兵器は北朝鮮が一歩リードしているが、イランは人工衛星発射成功しているのでお互いに補いながら一年以内に核兵器を小型化して日本人の頭の上に落とす事が出来るようになる。
イスラエルは自己で200発とも300発とも言われる核兵器を保有するが、イランには一発も持つ事を許さない覚悟だが、日本は北朝鮮が核ミサイル配備完了寸前でも田中直紀という馬鹿を防衛大臣にしている。
日本は滅びるのではないか。
東京や大阪に核ミサイルの落ちる確率は大地震が起きる確立よりも高い。原子力発電所の放射能云々いう輩に限って北朝鮮のミサイルの脅威を語らない。福島の原子炉では誰も死んでいないし、今後も死なない。だが北朝鮮の核ミサイルでは数百万の人々が蒸発または焼け爛れる事になるだろう。
せめてイスラエルがイランに先制攻撃してくれる事を祈るばかりだ。
(道楽Q)
(宮崎正弘のコメント)核倶楽部が一方的論理で「核不拡散条約」を主導し、自分たちは持つが、ほかは保有してはいけないというのは大国の不条理、しかしインド、パキスタンの核武装は黙認した。北の核は中国に丸投げし、イランの始末はイスラエルにさせる方向。
シリアの核施設は、イラクと同様にイスラエルが空爆して始末した。
さしあたって最大の懸念はパキスタンの崩壊、100-120発と推定されるパキスタンの核は、米海兵隊が入って管理するシナリオも検討されています。小生は、日本がパキスタンへの過去の援助を帳消しとし、核兵器を数発譲渡してもらうのもアイディアではないか、と思っています。日本が保有する米国債もとうとう一兆ドルを超えました。これも、いずれデフォルトになるでしょうから横須賀、佐世保に繋留している空母、潜水艦を担保としておさえるのもアイディアではありませんか?
いずれにしてもイランの核武装は時間の問題です。これによりパキスタンの核の一部はサウジへ移動する事になるでしょう。(パキスタンの核開発の胴元はサウジです)。
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(読者の声4)東京都が尖閣諸島を購入するというニュース、記者会見ではなんとか都知事の足を掬ってやろうという質問をするも軽くかわされていました。
筋書きの決まった報道をするためのコメントを取りたかったのでしょうが、石原氏と不勉強な記者では話しにもならない。
北朝鮮のミサイル、中国の軍拡、竹島を不法占拠しながら韓流をゴリ押しする韓国と、日本国民の間には特亜(反日を叫ぶ特定アジア)三国に対する不満・警戒感・嫌悪感が確実に広がっています。日本は日本人だけのものではない、などと馬鹿なことを言う総理大臣もいましたが、日本国内では特亜三国人比率の高い県ほど凶悪犯罪比率が高いというデータをまとめた動画がありました。
http://www.youtube.com/watch?v=SCmXFc5lh8g
戦後、トルコ人労働者を受け入れたドイツではトルコ人が増えすぎ、学校でドイツ人がトルコ人にイジメられても泣き寝入りするしかない状況まで追い込まれてしまった。次の
動画を見るとトルコがEU加盟を熱望しようとも欧州諸国は断固拒否の理由がわかります
。
http://www.youtube.com/watch?feature=player_embedded&v=RxhIamUjBA0
他の欧州諸国でも移民が増えるにつれ似たような状況が生まれている。ただでさえ失業率の高い欧州で今以上に摩擦が増えたらどうなるのか。極右政党の台頭、排外主義の復活が当然予想されます。
日本では昨年「フジテレビの韓流ゴリ押し」反対デモと、フジテレビ最大のスポンサーでもあり韓流押しでもあった「花王」商品不買デモがネット上で自然発生的に始まり各地で展開されました。
日本の新聞・テレビでは全くといっていいほど報道されなかったにも関わらずフジテレビは視聴率低迷、花王は業績予想を上方修正した直後から急ブレーキ、業績予想を下方修正したあげくに社長交代ですから新聞・テレビの時代はもう終わったといっていいのでしょう。
ネットの声を無視したあげく、研究開発費の2倍近い宣伝費をかけて売上をダウンさせた「花王」は今後のマーケティング・リスク管理のケーススタディになるかもしれません。ネット通販といえば「Amazon」ですが花王商品は、どれも低評価ばかり。韓国女優のキム・テヒをCMに起用したロート製薬の商品も低評価攻撃がすごい。
韓流ブームなど電通と韓国国家ブランド委員会によるプロモーションにすぎないことにネット上の多くの日本人は気づいている。
それに加担する企業は不買運動のターゲットになるリスクもあるとわかっていると思うのですが、活字媒体はまだゴリ押しできると思っているのか、女性誌にトンデモ記事が満載「Amazon」で総スカンという事件がありました。
集英社 MORE (モア) 2012年 03月号
≪引用≫「お天気もいいし、朝鮮人参エキスも飲んで、元気いっぱいにデート」「親友、アズサと新大久保のマッコリバーへ」「飲みすぎた翌日は、韓国のりが朝ごはん。あ~んまいっ」「私は買いつけ、彼は実家に帰るってことで、一緒にソウルへ出発~」「韓流コスメ特集を熟読。うちの人気パックが紹介されてる~」「ウサ晴らしと韓国語の勉強を兼ねて、韓流ドラマ観ます」「例の女の子がヨンボに告ってるところに遭遇」
「ヨンボはあの子をキッパリと振ってくれたみたい!」「マッコリバーで飲みながらエイジのことを考え中」「ヨンボとケイコ、ケイコの彼の4人で仲良くお花見」「お天気もいいし、朝鮮人参エキスも飲んで元気いっぱいにデート」
http://whiteusausa.blog.fc2.com/blog-entry-340.html
http://deliciousicecoffee.blog28.fc2.com/blog-entry-4557.html
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B006WAK48A/yuyuusa-22/ref=nosim/
こんな記事を読んだら気持ち悪くなる人のほうが圧倒的でしょう。
六本木で黒人が特定の日本女性にモテるからといって日本女性みんなが黒人好きなわけもなく、新大久保に韓国人目当ての日本女性がいるからといって韓国男が日本女性に人気なわけではない。
韓国は知れば知るほど嫌いになる国として有名ですが、韓国がさらに韓流をゴリ押しするなら日本の一般層にまで反韓・嫌韓感情が広がることでしょう。
(PB生、千葉)
(宮崎正弘のコメント)昨日はメディア群から石原都知事の「快挙」に関して多くのインタビューがありました。要するに「中国はどう出るか?」という質問なのですね。
素直に日本人の信条を投射した快挙という受け取り方を、日本のメディアはしたくないのです。
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(ラジオ日本からお知らせ)20日(金曜)午後1250頃から1400頃まで「マット安川のずばり勝負」に宮崎正弘が生出演します。
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宮崎正弘のロングセラー
『国際金融危機 彼らは「次」をどう読んでいるか』(双葉社新書、840円)
http://www.amazon.co.jp/dp/4575153877/
『2012年 中国の真実』(ワック、930円、新書版)
http://www.amazon.co.jp/dp/4898316557/
『中国大暴走 高速鉄道に乗ってわかった衝撃の事実』(1365円、文藝社)
http://www.amazon.co.jp/dp/4286114228/
『中国は日本人の財産を奪いつくす!』(徳間書店 1260円)
http://www.amazon.co.jp/dp/4198631565/
『オレ様国家 中国の常識』(新潮社、1470円)
http://www.amazon.co.jp/dp/4103290617/
♪♪
<宮崎正弘の対談シリーズ>
『猛毒国家に囲まれた日本』(佐藤優氏との対談。海竜社、1575円)
『増長し無限に乱れる「欲望大国」中国のいま』(石平氏との対談。ワック、945円)
『絶望の大国 中国の真実』(石平氏との対談。ワック、933円)
『日米安保、五十年』(西部邁氏との対談。海竜社、1680円)
『世界が仰天する中国人の野蛮』(黄文雄氏との対談。徳間書店、1575円)
宮崎正弘のホームページ http://miyazaki.xii.jp/
(C)有)宮崎正弘事務所 2012 ◎転送自由。転載の場合、出典を明示
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宮崎正弘のロングセラー
『国際金融危機 彼らは「次」をどう読んでいるか』(双葉社新書、840円)
http://www.amazon.co.jp/dp/4575153877/
『2012年 中国の真実』(ワック、930円、新書版)
http://www.amazon.co.jp/dp/4898316557/
『中国大暴走 高速鉄道に乗ってわかった衝撃の事実』(1365円、文藝社)
http://www.amazon.co.jp/dp/4286114228/
『中国は日本人の財産を奪いつくす!』(徳間書店 1260円)
http://www.amazon.co.jp/dp/4198631565/
『オレ様国家 中国の常識』(新潮社、1470円)
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『猛毒国家に囲まれた日本』(佐藤優氏との対談。海竜社、1575円)
『増長し無限に乱れる「欲望大国」中国のいま』(石平氏との対談。ワック、945円)
『絶望の大国 中国の真実』(石平氏との対談。ワック、933円)
『日米安保、五十年』(西部邁氏との対談。海竜社、1680円)
『世界が仰天する中国人の野蛮』(黄文雄氏との対談。徳間書店、1575円)
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