日本政府は不法占拠という用語を放棄した。(旧モスクワ放送) | 日本のお姉さん

日本政府は不法占拠という用語を放棄した。(旧モスクワ放送)

政府、北方領土問題は期待と冷静な受け止め交錯
産経新聞 3月5日(月)12時4分配信
 強い指導力、問題解決への意欲、柔道有段者でもある知日家…。4日投開票のロシア大統領選でプーチン首相が当選したことで、停滞状態にある北方領土問題の進展に向けた野田政権幹部らの期待が高まっている。ただ、事務方は「領土問題はそんなに甘い問題ではない」(外務省幹部)と冷めた受け止めが大勢だ。

 「今後、アジア太平洋地域の戦略環境が変化する中、ロシアとパートナーとしてふさわしい関係を構築すべく、さまざまな分野で協力を進めていく」

 藤村修官房長官は5日の記者会見で意欲を示した。野田佳彦首相も3日の海外メディアとのインタビューで、プーチン氏が「最終的に解決したいと強く願っている」と発言したことを次のように歓迎している。

 「プーチン氏の発言は問題を解決していこうという意欲を感じる。真意は直接よく聞かなければならないが、これからさまざまな議論を深めていければ…」

 政権首脳から好意的な反応が相次くが、外務省幹部は「(プーチン氏が日本と)しっかり話すという意欲を示したのはよかったが、従来の立場から大きく踏み出してはいない」と冷静だ。大統領時代に歯舞、色丹の2島を返還するとした1956年の「日ソ共同宣言」を上回る譲歩には否定的だったプーチン氏の姿勢は、今も変わっていないとみている。

 野田政権はこれまで、ロシア側を刺激することを避け、「静かな環境で議論を行う」(首相)対露外交方針をとってきた。歴代民主党政権が北方領土について「不法占拠」という言葉は使わず、「法的根拠のない形で占拠されている」と表現するのもその一環だ。

 ただ、領土問題でのあいまいな姿勢は「かえってロシアに日本は不正直との印象を与え、相手にされない一因となってきた」(外交関係者)との指摘もある。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120305-00000518-san-pol


政府、北方領土「不法占拠」の表現変更 露メディア「放棄」と報道
配信元:
2012/03/02 23:21更新
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 政府は2日、北方領土にについて「ロシアに法的根拠のない形で占拠されている」とする答弁書を閣議決定した。政府は平成22年の8月10日の答弁書で「不法に占拠」としたが、表現を変更した。
 これを受け、ロシア国営ラジオ「ロシアの声」(旧モスクワ放送)は2日、「日本政府は不法占拠という用語を放棄した。表現はより控えめなバージョンに変えられた」と報じた。
答弁書は今津寛衆院議員(自民)の質問主意書に答えた。不法占拠との表現を使わない理由を「どのような表現を使うかについては相手国との関係全般を考慮した結果」と説明。「政府の法的評価は一貫している」と強調した。
 北方領土をめぐっては21年10月、前原誠司沖縄・北方対策相(当時)が「終戦のどさくさに紛れて不法占拠した。そのことは言い続けなくてはいけない」と発言し、ロシア側が激しく反発。前原氏は22年9月に外相に就任すると「不法占拠」の表現を封印したが、11月にメドベージェフ大統領は国後島を訪問した。
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/politics/diplomacy/547911/