抱っこをねだった後で | 日本のお姉さん

抱っこをねだった後で

ずっとリンパ腫をわずらっていた猫が

ついに歩けなくなって自分で水が飲めなくなって

わたしが会社に行っている間、水が飲めずに

脱水してしまっていたので

毎日、身体に点滴をしてもらいに病院に通う事になった。

2月29日は、自分が耳鼻科に行く日だったので

猫を病院に連れていけなかった。

3月1日、会社には午前中休みをもらって

猫を病院に連れていくことにした。

病院の受け付けを済ませ、車の中で診察を待っていたら

猫が抱っこをしてとねだった。

抱き寄せて膝の上に乗せ、少し眠いので

車のシートを倒したら猫は急に

助手席のケージに戻るというポーズをした。

ケージに戻すと直ぐ両足をつっぱって、

首をのけぞらし、「うううう~ん!」と唸りだした。

「あれっ!○○ちゃん。どうしたの?」と

あわてて身体を支えたけれど

猫は、5回ほど唸って

急に力が抜けたようになった。

目を見ると急速に乾いていっているのがわかった。

目は、リンパ腫のせいで片方とってしまって

ひとつしか残っていなかった。その目も網膜剥離を

起こしていて見えなくなっていたから

健康な目が見えている猫の目ではなくて

瞳孔がひらきっぱなしの目になっていたのだけど

どうも光が消えたような目になっている。

そこに動物病院の先生が

診察の順番がきたので呼びに来られた。

「先生。○○ちゃん、死んじゃったみたいなんです。

診てください。」とお願いして聴診器で心臓を診てもらった。

「亡くなっています、、、。」と先生が言われた。

その後、先生が何を言われたのか

泣いていたのでよく覚えていないのだが、

「また○○さんのことだから、

別のノラ猫ちゃんを引き取って連れてこられるような気がします。」

と言っておられたことだけは

記憶に残った。


目が見えなくなっても明るく前向きに

生きてきた猫ちゃんだった。

目が見えなくてもわたしの目に当たる部分にヒタと

視線を当てて、まるで見えているように一生懸命

わたしを見つめている猫だった。

リンパ腫は腹が立つぐらいに急速に大きくなっていき、

わたしの猫ちゃんは、食べても食べてもどんどん

痩せていった。

猫エイズで白血病なのにリンパ腫になってしまい

大変な闘病生活を送った猫だった。

B子ちゃんは

「楽になってよかったやん。」と慰めてくれた。


神さまには、天国に入れておいてくださいと祈った。


クリスチャンの猫だから特別扱いしてもらわなくちゃ。


牧師先生にメールして猫が死んだと報告したら

ネットでわたしの猫にそっくりなぬいぐるみを購入してくれて

店から直接届けるようにしてくれた。

受け取った宅急便の箱の中から

○○ちゃんにそっくりなぬいぐるみが出てきたので

うれしくて少し泣いた。


いい牧師先生がいる教会に行けていることを

神さまに感謝した。

リンパ腫になってしまったわたしの猫だけど、リンパ腫になる前にも

膀胱炎や肺炎なでど、何度も死にかけたのにそのたびに

医者が驚くほどの回復力を見せてくれて

長生きさせてくださったことも神さまに感謝した。

そして、かわいくてかしこい猫と一緒に1年半暮らせたことも

幸せなことだったなと思って神さまに感謝したのだった。