歌手のあゆと同じ
歌手のあゆと同じ病気になってしまった。
昨年の年末から、なんだか軽いめまいがするなと
思っていたのだが、天井がぐるぐる回るとか、
階段を上がるときに目が回るというのではなく、
暗いところでふらっとくる感じだったので
そのうち、治るだろうと思っていたのだ。
実際、マシになったような感覚もあったので
「大丈夫かな?」と軽く考えていた。
違和感を感じたのは
1月4日だった。
ほぼ寝たきりになっているおばさんが入所している
介護施設に行った時、どうも、施設の食堂のエアコンの音が
耳にわんわん響くのだ。
響くというより、頭の中に音が鳴り響いて
不快極まりないという感じで
しばらくそこにいただけで両方の耳に水が詰まって
水の中で聞こえなくなったような感じに襲われた。
「施設が山の上にあるから圧力の変化に
耐えられなかったのかな?」と、その時は思った。
家に帰っても違和感はとれなかった。
4日の夜、我が家の病気の猫ちゃんを
病院に連れて行くとき、廊下が暗かったので
猫を抱えたままふらついて
よろけてしまった。近くにあったものに寄りかかって
転倒はせずに済んだ。
1月5日は、会社の初出の日だった。
新年の挨拶が終わって事務所に戻り、
仕事を始めると、直ぐに、両耳がおかしいことに
気が付いた。
どんな音も水の中にいるような感じに聞こえる。
コピー機の出す重低音が非常に不快感を感じさせる。
「コピー機って、こんなにうるさかったっけ?」と
思っていたら、後ろの席の女性会社員の作成中の
書類を留めるホッチキスの音が鳴り響きだし、
不快感はさらに激しさを増してきた。
「なんか変なことが起こっている。」とさすがに
気がついた。耳鼻科に行かなくては!
会社が終わって耳鼻科に向かうが正月休みで
開いていない。会社のパソコンで調べておけばよかったと
後悔した。携帯電話で開いている耳鼻科を
探す手もあるが、普段から携帯電話を活用していないので
探す気力もなく、とにかく開いている救急病院に入って
診てもらうことにした。
救急病院では、
「中耳炎でしょう。」と言われて耳のあたりのCTスキャンをされたが
「炎症はしていないです。」と言われた。
ついでに最近、心臓のあたりが急にドキンとするんですと
言うと、心電図やらレントゲンやらも撮ってくれた。
約7千円を払って「大丈夫。」と言ってもらって安心して
病院を出た。
B子ちゃんから電話があって、「今日、鍋だから食べにおいで。」と
お誘いがあったので喜んで出かけた。
B子ちゃんに症状を話すと
「わたしの友達で、突発性難聴で病院にいくのが遅れて
片耳、聞こえなくなった人おんで。
CTスキャンでは、耳の病気、わからんやろ。」と
言っていた。
6日の夜は、耳鼻科に行くのを忘れて、そのまま家に帰った。
テレビをつけても耳にわんわん音が響いて不快なので
直ぐに消してしまった。
携帯電話におばさんの介護施設の担当のケアマネージャー
から伝言が入っていた。
携帯電話は、左耳で聞くのだが、なんだか
音が小さく感じるし、何かしゃべっているのはわかるのだが
意味がつかめにくい。
しかも左耳の耳鳴りがすごくてうるさい。
会社にいるといろんな音がするので
耳鳴りがしていることはわからないのだが
「何かうるさくてしんどい」感じはずっとしていた。
耳に指をつっこんでポンと離してみたり、耳のあたりを
マッサージしてみたが、全然改善されない。
B子ちゃんになんだが耳が変だという電話をすると、
「明日は土曜日やけど、午前中なら耳鼻科は開いているから
絶対にいかなアカンで。」と言ってくれた。
7日の午前中、耳鼻科に行って
若い女性の医者に診てもらった。
聴覚のテストをすると、両耳の聴覚が全体的に落ちていて、
左の耳が低音がすべて聞こえなくなっていた。
「歌手のあゆがなった突発性難聴です。」と
女医さんは教えてくれた。
「違和感を感じたのは4日だから
まだ早期発見の方なので治る可能性はあるが
この三日間、安静にしていないと回復は望めない。」と
言っていた。5日間は安静にするようにとのことだった。
プレドニンというステロイド(副腎皮質ホルモン)の錠剤と、
メコバマイドという手足のしびれに効くビタミン剤と
アデスコーワという臓器に効くという顆粒と胃薬を出してくれた。
約5千円を払い、薬局で約900円の薬6日分を購入。
5日の日、救急病院で払った7千円は、なんだったのだろう?
女医さんは、「あゆは治療が遅れたから
聴覚を失ったんでしょうね。」と言っていた。
突発性難聴は、内耳の奥の血管がなんらかの
理由で詰まって突然聞こえなくなる病気で
ストレスが原因で耳の奥が貧血になったか、
ウイルスにやられたからだそうで、
ゆっくりお風呂に入ってストレスから開放されることが
大事だといっていた。
ストレスならあった。
猫がリンパ腫になって抗がん剤の治療をしたら
肺炎になって入院し、四日目に退院できたのだが、
一日3回薬を与えないといけなかった。
会社に行きながら3回薬を与えようと思ったら
朝と晩と夜中しかないので
夜中の2時か3時に起きてご飯と薬を与えていたのだ。
ご飯も食べないので無理やり病気の猫用の
缶詰めを暖めて注射器で口に押し込んでいたのだ。
会社の仕事は締め切りがあるし、
子供のいないおじさんおばさんは体調が悪くて
入退院を繰り返しているし、代わりに常備薬を取りに
行ったりお見舞いに行ったりで、ちょっと忙しかったのは
確か。それでも、しんどいとは感じていなかった。
食事は朝はパン、昼もうどんなどで
あんまり野菜は摂れていなかったけど、
B子ちゃんが家に呼んでくれたりしてたので
痩せることはなかった。
一番ストレスがかかったことは、
退院したばかりのおじさんがやっぱり、介護がきついので
おばさんを一時的に介護施設に預かってもらうことになり、
一緒に施設に行った時のことだ。
おじさんは、耳が遠くなっているのに
「まだいける。」と言って補聴器をつけていない。
知っている人の言うことは予測も付くから
聞こえなくてもなんとなく意味が通じていたみたいだが、
介護施設の職員さんの説明は
まったくわからなかったようで、出された書類は
ことごとく間違って記入した。
そこで、間違いを指摘された時、いきなり、
「もっとおおっきい声で言わんかい!」と
職員さんに怒鳴ったのだ。
職員さんは、華奢で小柄な女性の方で
声もかぼそく聞こえにくい声だったけど、
別に怒鳴らなくてもいいのに、、、。
「あ、すみません。おじさんは、ちょっと耳が遠いものですから、、。」と
あわててフォローしてみたが、
その職員さんは、びっくりして
部屋を飛び出していってしまった。
戻ってきたときは、目がまっかだった。
泣いてたみたい。
おじさんは、職員が出て行った後も、
「水の中でへーこいたみたいな声しやがって。
わかるか!」と悪態をついていた。
しかも、介護施設では、5日までは一人部屋が空いているが
6日からは二人部屋しか空いていないのだが
その部屋でも大丈夫か、確認してほしいと
言われ、おじさんとおばさんとわたしと
おばさんの弟さんと4人で見に行ったのだが、
いきなり
「あかん、あかん。この部屋はあかん。
さっきの一人部屋があるやろ。あっちにしよう!」と
言い出す。つまり、職員の説明が全く聞こえていなくて
何も理解できていなかったってことだ。
大声で説明をしたら
「あ。そうか。」とわかってくれた。
「おじさんも、耳、遠くなってんやから、耳鼻科に行って
補聴器を借りるなり買うなりしたほうが
いいかもよ。」と言ったのだが
それは、無視された
車に乗れば、自分の好きな道を行けと
交差点の真ん中で方向を変えろと怒鳴るし
スーパーに買い物に行けば
「こっちのほうが早い!」などと言って
並んでいる列を抜けて別のレジに並ばせる。
行ってみれば、そっちの方が混んでいたので
わたしもキレて
「こっちの方が列、長いやないか!」と
怒鳴ってしまった。
おじさんも体調が悪いので不機嫌なのだ。
正月も家の掃除と空気の入れ替えをしていたら
「寒いやろ!もう、ここは開けたらあかんねん。」
と言って、必死に窓やらドアやら閉めてまわる。
あきらかに、わたしのことを疎ましがっている。
ストレスがあったとしたら、
おじさんの言動についていけなかったことかな。
あゆや、B子ちゃんの友人のように
聴覚を失うのは嫌なので土曜日、日曜日、月曜日は
ずっとおとなしくしていた。
9日は、会社に電話して有給休暇をとった。
「今度は、どんな理由で休みはるんですか。」と
男の上司がいやみっぽく言っていた。
ちゃんと、状況を説明できただろうか?
突発性難聴って、実は入院しないといけないほど
大変な病気なんだって、わかってくれているのだろうか?
風邪だと言えば「お大事に。」と言ってくれる上司が
何も言ってくれなかった。たぶん、わかってくれていない。
明日は、女医に診察日を指定された日なので
診断書をきっちり書いてもらおうと思う。
歌手のあゆが、自分の病気のことを公開してくれたので
そんな病気があるんだってことが世の中に知れてよかった。
おじさんの耳が遠くて、大声で話さないといけないので
うんざりしていたら、自分が突発性難聴になってしまった。
いろんな音がわんわん耳元で鳴り響き、
複数の音の耳鳴りに悩まされ
すべての音が水の中で聞いているように聞こえ、
携帯電話の声が理解しにくいって
辛いことなんだと実感した。おまけに耳の不調のせいで
バランスが崩れているらしく、暗いところでは
少しよろける。
ネットで調べると1ヶ月以内に治らない人は
回復が望めないと書いてあった。
早期発見、早期治療が重要で
なにより安静が大事なのだと書いてあった。
元薬剤師の友人のお母さんは「治ると思って前向きにね。」と
言っていた。心配しすぎたらよけいストレスになるそうだ。
(安静にベットの上に寝ていたら夜8時頃に
いつのまにか寝てしまい、夜中の3時に起きてしまったので
ブログを書いています。)