イギリスが頼もしい発言
ホルムズ海峡、高まる緊張 英「封鎖なら軍事力」 安全確保、米と協議
産経新聞 1月6日(金)7時55分配信
【ロンドン=木村正人】英国のハモンド国防相は5日、米ワシントンで講演し、欧州連合(EU)が基本合意したイラン産原油禁輸の追加制裁に対してイランがホルムズ海峡を封鎖した場合、軍事的に封鎖を解除する方針を表明した。同国防相はパネッタ米国防長官と会談し、イラン核問題や緊張が高まるホルムズ海峡の安全確保について協議した。米英両国が足並みをそろえ、核開発をやめないイランへの圧力を強める考えだ。
同国防相は講演で「ホルムズ海峡の石油輸送が妨げられると地域や世界の経済成長を脅かす」と述べ、「イランが同海峡を封鎖しようとするいかなる試みも違法で成功しないだろう」と警告を発し、海上封鎖には軍事力で対抗する英国の立場を鮮明にした。
その上で国防相は「同海峡の航行の自由を確保することはわれわれすべての利益だ」と述べ、テロ・海賊対策のためバーレーンを拠点に警備艦艇などを派遣する英米など有志グループ25カ国の海軍力がホルムズ海峡の海上交通を確保するカギになるとして、他国にも協力を呼びかけた。
ペルシャ湾近海に常時、最低1隻の空母を配備する米国は昨年末、イランによる海峡封鎖の動きについて「容認しない」と警告。フランスも航行の自由を順守するようイランに呼びかける一方、核問題に関して米国と同様、EUもイラン産原油の禁輸措置をとるよう強く主張していた。
ペルシャ湾とアラビア海を結ぶホルムズ海峡は石油輸送の要衝。周囲に多くの産油国がある。米エネルギー省によると、1日当たり約1700万バレル(石油タンカー約8・5隻分)が通過し、世界の海上輸送石油の約4割を占める。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120106-00000089-san-int
<米新国防戦略>「二正面作戦」見直し アジア重視を明確化
毎日新聞 1月6日(金)1時8分配信
【ワシントン白戸圭一】オバマ米大統領は5日午前(日本時間6日未明)、国防総省で演説し、国防費削減に対応するための新国防戦略を発表した。米軍が約20年間にわたり維持してきた二つの紛争に同時対処する「二正面作戦」遂行の態勢を見直し、イラク駐留米軍の完全撤収とアフガニスタンからの段階的撤収を受けて大幅に地上戦力を削減。地域別では、安全保障上の脅威が軽減している欧州や中南米の戦力を削減し、中国の軍事的台頭を見据えたアジア・太平洋地域重視の方針を改めて明確化した。
大統領が国防総省へ出向いて演説するのは異例。米国家安全保障会議のビーター報道官は「大統領が(新戦略策定の)過程に個人的に関与してきたことを示す」と述べた。11月の大統領選で再選を目指すオバマ氏は、米経済低迷の元凶とされる戦費削減に真剣に取り組む姿を国民にアピールする狙いとみられる。
米議会は昨年8月、総額2兆5000億ドル(約192兆円)の財政赤字削減を目指す法律を成立させた。今後10年で国防費約4900億ドルを削減する必要が生じ、国防戦略見直しが進められてきた。
新国防戦略ではこのほか米軍の接近を阻止する能力を持つ国家に対抗する「ジョイント・エア・シー・バトル」(空海統合戦略)構想を推進するため、空、海軍の大幅削減は避ける。
★米軍の二正面作戦 東西冷戦終結後、朝鮮半島と中東有事を想定した戦力配置。しかし、01年の米同時多発テロ以降、国家間の戦争だけを念頭に置くのは時代に合わないとされ、米国防総省は10年2月発表の「4年ごとの国防政策の見直し」(QDR)で見直す方針を示した。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120106-00000001-mai-int
チュウゴクの国債ではなく
チュウゴクで金(ゴールド)を買えばどうなの?
そっちの方が価値があるのでは?(偽物でなければの話)
なんで7800億円分も買わねばならないのか。
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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成24(2012)年 1月6日(金曜日)
通巻第3533号 <1月5日発行>
日本が中国の国債を購入することは文明史的にどういう意味があるのか
米国メディアはドル離れにつながるのではと日本への懸念を表明している
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野田首相の訪中(12月25日)で日本政府は外貨特別会計の枠から人民元建ての中国国債をとりあえず390億円分購入することで合意がなった。2012年中には7800億円にまで増えるという。
日本の目的は外貨準備の多様化、人民元での直接投資の後押し、さらには人民元の国際化支援というところだろう(ナショナリストからみれば中国を支援する日本の犠牲ということになるが、この論ではその批判は措く)。
日中首脳会談で、「温家宝首相は『中国は両国通貨の金融市場での発展推進を希望する』と述べ、日本が中国国債を買う方針を歓迎した。日本政府が、人民元建ての中国国債を購入すれば、保有の動きが各国に広がり、人民元の国際化を後押しする効果が期待できる。中国側はすでに日本国債を保有しており、持ち合うことで協力関係を強める」(読売新聞、12月26日)
中国側は、じつは「渡りに舟」の提案であり、日本が中国国債を購入してくれることは有り難い限り、しかし中国のネット上ではナショナリズムの観点から、日本に売るなという声も一部に聞こえた。
米国は日本がドルを見捨てる行為にも繋がりかねず、不愉快きわまりないと考えられるが、批判的論調は影を潜め、淡々とニュースを伝えたメディアが多かった。或いは殆どのメディアは無視した。
もっとも懐疑的だったのはリベラル派のメディアだった。
たとえばニューヨークタイムズは、「世界第二位の中国と三位の日本が通貨協定に合意したことはドル使用から離れる動きの一部である」と懸念を行間に含めて、通貨戦略上の位置づけを試みた。
同時に「中国は人民元が世界的規模で通用することを望んでおり、(日本いがいの)多くの国でドル以外の通貨使用を待ち望んでいるからである。中国はドルが世界中であまりにも過重に使われており、中国の勃興にともなって世界システムがもっと均衡ある通貨システムへ移行すると信じているからでもある」(以上は12月26日付け)。
▲ドル減価、ならば日本も防衛手段として?
客観的事実を眺めると、日本との貿易パートナーは中国が一番、米国は二番目に変化しており、日中のビジネスの絆はこれからもますまる深まり、通貨システムの改善(就中、人民元での決済)は、明らかに自然な方向である。
そしていかにもアメリカ的解釈がNYタイムズの報道では続いた。
「日本にとってこそ、とくに重要な意味を含むのは、日本は過去に蓄積してきた外貨準備を米国国債で保有したためドルの減価に悩んできたのであり、円高によって日本製品はさっぱりアメリカの庶民から(高すぎて)そっぽを向かれたのである。さらに日本から見ればドルに対して人民元は40%も過小評価され、日本円に対しては45%も過小評価されている(この数式の立脚点は不明。アメリカUSTRあたりの計算だろう)。日中が貿易決済で直接的な取り決めで進めると、為替決済の煩瑣な再交換手続きも簡素化される。だが米国にとって、日中間のこうした通貨取り決めは、今後長きにわたって、ドル決済のボリュームが減少していくことである。太平洋の周辺の国々が、この動きに加わるとなれば、中国が明らかに環太平洋の貿易決済いおいて人民元の影響力が強まり、米ドルは重要性を徐々に失っていくだろう」
米国の懸念が日本の中国国債購入表明に露骨に出た、と言うべき論調だった。
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(読者の声1) 貴誌前号の広東モデルvs重慶モデルの対立ですが、この対立をアメリカにおける <ティーパーティー運動 (Tea Party)>と<‘ウォール街占領’デモ
(OccupyWallSt)> の アナロジーでとらえるのも一興かと。
(TK生、世田谷)
(宮崎正弘のコメント)なるほど面白いかも知れませんね。なにしろアイオワで中道穏健派ロムニーが勝利したとはいえ、のこり五人は全員が保守派であり、ロンポール、ニュート、バックマンらの評を足せば、75%が保守派ですから。党内保守の分裂がロムニーを助けた結果ですね。
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