堺市の人口は84万人。そこに7つの区役所がある。足立区に5つの区役所があるようなものじゃないか。 | 日本のお姉さん

堺市の人口は84万人。そこに7つの区役所がある。足立区に5つの区役所があるようなものじゃないか。

大阪市の区の数を3分の1にせよ
 泉 幸男

大阪「都」は、言いたいことをフツーの人にワンフレーズで伝えるため
の方便だ。

もちろん「大阪府」を「都」に改名する必要はない。

大阪市と堺市を適当な規模の市に分割し、広域行政を大阪府に一本化す
れば目標は達成できる。

わたしが住んでいる東京都足立区は人口68万人である。東京23区あわせ
て881万人だ。

区というのはそういう規模のものだと思っていたので、大阪市の実態を
知ってビックリした。

■ 役人のポジションは増やし放題か ■

大阪市の人口は267万人。東京23区の3分の1の規模だ。

とすれば大阪市の区の数も23区の3分の1、つまり8区で十分だろう。

ところが大阪市には何と区が24もある。

8区で済むはずのところ、その3倍の数の区役所をつくり、その数だけ
役人のポジションをつくって、言わせてもらえば「区政のママゴト」を
しているわけだ。

市町村合併が進められる一方で、大都市の「区役所」が聖域になっては
いないか。

堺市の人口は84万人。そこに7つの区役所がある。
 
勘弁してくれ。足立区に5つの区役所があるようなものじゃないか。笑
わせるんじゃないよ。 直ちに7つの区を2つか3つに統合すべきでは
ないか。 松井一郎知事、所感や如何に。

こういうところから手をつけるのが、橋下徹大阪市長+松井一郎大阪府
知事の仕事だと思うね。

■ トロイの木馬は「ひと」を見るか ■

課題はひとえに人の処遇の問題である。

大阪市で広域行政を担当している幹部職員に大阪府という組織へ移って
もらうのが、大阪市政にトロイの木馬として乗り込んだ橋下徹市長の懸
案だ。

しかし市役所から府庁へ移る職員は、外様(とざま)の身になるわけだ
から「昇進ポストで損をするに違いない」と本人たちは考える。そして
たぶん予想どおり損をするのである。

だから橋下徹市長+松井一郎知事の課題は、大阪市役所の幹部職員が大
阪府庁に移って納得のいく処遇をされる実例をどんどん作って、広域行
政の府への一本化に対する大阪市役所の抵抗感をぬぐい去ることにある。

市長が会社の社長とすれば、市職員は社員である。

社長が幹部社員とツノ突き合せたらうまくいかないのは当然で、幹部社
員ひとりひとりの人生を考えてやることが新社長のねらいを実現する出
発点になる。

その包容力と「ひとを見る目」が橋下徹市長にあるのか、

わたしは知らない。


■ 市職員と府職員の交流研修会 ■

組織改編は40代半ばを過ぎた宮仕えの身にはこたえるものである。

かく言うわたしも勤務先の組織改編があった。

年次が数年も下で、発電事業に関わったこともない別部門の社員が上司
になってしまい、複雑な気持ちだ。

こちらは入社以来、電力ひとすじでやってきたプロなのだけど…。

わたしの例などはナマやさしい部類である。給与や待遇が大きく変わっ
たわけではないから。

橋下市長の説く大阪「都」という化粧を落として見れば、大阪「市」の
解体だから、大阪市役所3万9千人の職員の一生に関わる問題だ。

わたしが橋下徹市長の立場だったら、毎週末に大阪市役所と大阪府庁の
40~50歳のイキのいい社員を20人ずつ集めて交流研修会をするだろうね。
そこに市長も毎回参加する。

1年間で、市役所・府庁あわせて2千人の職員が交流研修を体験する。

近畿地方をどういう場所にしたいか、日本の地方行政をゼロから設計し
なおすとするとどんな絵が描けるか。それを大阪市役所と大阪府庁の働
きざかりの2千人の職員が語り合ったら、きっと何かが変わる。


■ 舞い上がっている場合か ■

「大阪維新の会」が掲げた行政再編という目標は、何万人もの職員の人
生を左右する大事(おおごと)だ。

42歳の橋下徹市長は、舞い上がることなく少なくとも50歳までは大阪市
長ないし大阪府知事としてこの大きな課題に取り組む覚悟をもってほし
い。

外交や税制・財政政策についての総合ビジョンのない「維新の会」が身
のほどもしらず早くも国政選挙をうかがおうとしているのは、許しがた
い軽佻浮薄である。