何の情報も与えられず、日本の円高も対処できない政府に勝手に決められるであろうTPP
わたなべ りやうじらうのメイル・マガジン「頂門の一針」 2429号
2011(平成23)年11月11日(金)
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日韓もし戦わばの記事で読者が急増
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古澤 襄
2011.11.11 Friday name : kajikablog
10日の杜父魚ブログ・アクセスは急上昇。その原因は昨年8月13日の
「”独島:韓日もし戦わば”の韓国紙分析特集」だった。ひとつの記事
が一年以上もたって2000人以上の読者が一斉に読んだのは不思議な現象
である。
日韓が戦争をする状況にはない。おそらく今後もないであろう。それな
のに「韓日もし戦わばの分析特集」が一斉に読まれたのは何故だろう。
10日は海外邦人のアクセスが急増した。ソウルのアクセス増が原因だと
思って調べたが、以下のごとくSouth Korea(韓国)は八位に過ぎない。
!)United States(米国)?China(中国)?Germany(ドイツ)?
Indonesia(インドネシア)?Singapore(シンガポール)?Australia
(豪州)?Thailand(タイ)?South Korea(韓国)?Canada(カナダ)
!)Malaysia(マレーシア)?Taiwan(タイワン)?Philippines(フィリ
ピン)?United Kingdom(英国)?Italy(イタリア)?Chile(チリ)
!)Switzerland(スイス)?Vietnam(ベトナム)?Hong Kong(香港)
!)France(フランス)?Spain(スペイン)21.Colombia(コロンビア)
22.Paraguay(パラグアイ)23.Netherlands(オランダ)24.Russia(ロ
シア)25.India(インド)26.New Zealand(ニュージランド)27.United
Arab Emirates(アラブ首長国連邦)
杜父魚ブログの読者が急増したのは嬉しいが、その原因が分からないの
は、何となく割り切れない思いがする。それも「韓日もし戦わば」が原
因だから、よけいその思いが強い。
<<「独島:韓日もし戦わば」の分析特集 古沢襄 2010.08.13 Friday
name : kajikablog>>
韓国の対日感情は盧武鉉時代よりも好転してきているが、それでも良く
ない。日本統治時代の怨念が短期間に消えるものではない。「独島:韓
日もし戦わば」という物騒な特集が、韓国の朝鮮日報に掲載されたこと
もある。
だが、この特集記事を今、読み返してみると極めて客観的な分析に終始
している。偏狭なナショナリズムに駆られた単純な愛国論評ではない。
島根県議会が「竹島の日」条例を通過させた2005年3月、韓国海洋戦略研
究所が主催するセミナーで、韓国の「大洋海軍の父」と呼ばれる安炳泰
(アン・ビョンテ)元海軍参謀総長の講演を基調にしていた。
そこには私たち日本人が気がつかない日韓の軍事力比較を客観的に分析
していた。
それから5年後、韓国海軍の戦力は急速に向上した。初の韓国製イージ
ス艦「世宗大王艦」が進水し、アジアでは最大の揚陸艦である独島艦、
5000トン級の韓国型駆逐艦KDX‐?、1800トン級214潜水艦も保有するよ
うになっている。
しかし日本の海上自衛隊の戦力もさらに強化された。これまでのイージ
ス艦よりも戦力アップした最新鋭イージス艦2隻を加え、イージス艦だけ
で6隻を保有している。
戦後初のヘリ用空母と呼ばれる1万3500トン級の日向や水中作戦能力が大
幅に向上した最新鋭の3000トン級潜水艦も現場に投入された。その結果、
艦艇の総トン数は韓国が13万700トン、日本は42万8000トンと大きく水を
開けられていると韓国は分析する。
水上艦艇で主役となるイージス艦の場合、最大で1054キロ先から飛来す
るミサイルや航空機を発見でき、500キロ先の航空機、艦艇、ミサイルな
ど900の標的を同時に発見、追跡できる。
とりわけあたご型イージス艦は日本海を管轄し、有事の際には独島へ最
初に出動できる第3護衛隊群に配備された。第3護衛隊群は京都の舞鶴を
拠点としている。
日本の海上自衛隊は地方隊に属していた護衛隊をすべて護衛艦隊へと編
入し、四つの護衛隊群と14の護衛隊に再編された。それぞれの護衛隊群
は4隻ずつの護衛艦からなる二つの護衛隊で構成され、計8隻の護衛艦を
保有している。
さらに排水量1000トン級以上の戦闘艦も韓国海軍は40隻だが、日本は
3000トン級以上だけでも40隻以上を保有している。両国海軍が敵艦を攻
撃する際に使用される対艦ミサイルは、そのほとんどが米国製のハープ
ーンだが、日本の保有数の方がはるかに多い。
対艦ミサイルの攻撃を防御する対空ミサイルや、機関砲で対艦ミサイル
を撃墜する近接防空システムなども日本が上回っている。その上、日本
の艦艇は1984年以降に投入された艦艇の比率が65%以上を占め、新型艦艇
の比率も高い。
海の戦略兵器とされる潜水艦と相手潜水艦を捕える対潜水艦戦力を比較
すると、その差はさらに大きくなる。韓国海軍は現在1200トン級209型潜
水艦9隻と、1800トン級214型潜水艦1隻を保有している。
一方、日本はこれよりもさらに大型の2200から3000トン級潜水艦を16隻
保有している。潜水艦を探し出すP3C海上哨戒機も日本は90機以上保有し
ているのに対し、韓国には8機しかない。ヘリコプターも韓国は40機だが、
日本はSH60Jが89機、SH60Kが8機の計90機以上に達する。
韓国は独島(竹島)をめぐる韓日間の紛争が起こった場合、軍が衝突す
る前に交戦するのは韓国の海上警察と日本の海上保安庁だとみている。
韓国側には3000トン以上の大型警備艇が多い。3000トンから6500トン級
の警備艇は韓国側が15隻、日本が13隻だ。しかし、900から1000トン級の
警備艇は韓国側が7隻に対し、日本は38隻だ。
航空機においては韓日間の格差はさらに開く。固定翼機の場合、日本は
27機で韓国はわずか1機。回転翼機(ヘリなど)は韓国が14機で日本は46
機だ。
おまけに韓国空軍は500機の戦闘機を、日本の航空自衛隊は360機を保有
していて、韓国空軍が数の上で上回るが、日本の方が高性能の戦闘機が
はるかに多い上に、空軍基地からの距離が短く、さらに空中給油能力ま
で兼ね備えている点で劣勢だと分析している。
独島は江原道江陵基地から266キロ、F15Kが配備された大邱基地から330
キロ、慶尚北道浦項から258キロ、非常滑走路のある慶尚北道蔚珍からは
216キロの位置にある。
一方の日本は独島から157キロ離れた隠岐からF15J戦闘機を出動させるこ
とができる。韓国の戦闘機のうち独島上空で1時間以上作戦を実行できる
のはF15Kだけだ。170機を保有しているKF16は5分しか独島上空にとどま
ることができない。
日本はF15Kよりもやや性能が劣るF15Jを203機、F16を改造したF2支援戦
闘機70機以上を保有している。また日本はE767を4機、E2Cを13機の計17
機の早期警戒管制機や哨戒機を保有している。これらは350キロ以上離れ
た韓国の航空機の動きを手に取るように把握できると韓国はみている。
日本は竹島問題で軍事力を行使する意図は未来永劫に持たないが、韓国
側も図上のシミュレーションをして「韓日もし戦わば」が現実にはあり
得ないと見ていると言っていい。軍人は好戦的とみられがちだが、合理
的な思考をするものである。
http://kajikablog.jugem.jp/?search=%A1%D6%C6%C8%C5%E7%A1%A7%B4%DA%C6%FC%A4%E2%A4%B7%C0%EF%A4%EF%A4%D0%A1%D7%A4%CE%CA%AC%C0%CF%C6%C3%BD%B8
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対日交渉の思い出
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前田 正晶
日本人の私が「対日」と言うのはおかしいかも知れないが、アメリカの
会社の一員として経験してきたのだからこう言うしかないない。
今回のTPP騒ぎでは「我が国の国際交渉力が弱い」と言うか「またもやア
メリカにしてやられるのではないか」という類の弱気な予測が多いのは
極めて残念である。
私はアメリカが国際的に交渉能の技法が特に優れているとは思わないが、
我が国方に「大国アメリカ」や「同盟国としての恩義があるから」とい
う弱きないしは配慮はなきにしもあらずだとは見てきた。
そこで、上記の要素に加えて「文化の違い」がまざまざと現れたいくつ
かの案件を思い出した。その一は、一寸した品質問題が発生してクレー
ムとなり、アメリカからトラブル・シューターとも言える技術サーヴィ
ス担当マネージャーが来日した話し合いの場合から。
マネージャーは刑事ドラマに良くある「何方にも伺うことですから」と
言ってアリバイを訊くのと同様に、何の他意もなく「ところで、この件
では御社の現場での加工方法には問題がなかったのですか」と何気なく
尋ねた。
念のために申し上げて置くと、本件は明らかに我が方の問題で金銭的補
償を覚悟するところまで来ていたのだが、そう尋ねることで状況を変え
ようなどという駆け引きをしようとの下心はなかった。だが、変わって
しまった。
それを聞いた得意先の購買担当者と工場の管理職の顔色が変わってしまっ
た。彼らは一旦中座してから戻ってきて「こちらの加工法も完全無欠で
はなかったし、アメリカからわざわざ飛んできた下さったXさんのお立場
もあることだし、ここは両社の長年の関係を考慮して損失の半分を当社
が負担します」と好意溢れる申し出があったのだった。
念のためもう一度言うが、当方には「これを言うことで失うものはない」
と思って言ったことではなかったが、結果がそうなってしまったのだ。
我が国には、このように「先方の立場に配慮し顔を立てることを考えて、
長い付き合いを尊重していく」という美しい交渉の文化があるのだ。
問題はその美徳を相手が認識して感謝するかどうかだ。当方は勿論その
点を認識し一度は辞退したが、結局は半額で決着とすることになった。
もう一例では多くの得意先の工場の現場の信頼が絶大だった上記のマネ
ージャーの後任者の場合だ。そのクレーム発生の時にそのマネージャー
はオーストラリアに出張中だった。しかし、現場は当方が関西まで立ち
会いに来ただけでは満足せずに「直ちに彼を呼べ」と強硬な申し入れを
するほど事態は険悪だった。
彼はその日の夜行便で大阪まで飛んできて現場に顔を出した。するとど
うだろう、話合いもそこそこに「あんたか来てくれただけで十分だ。後
は悪いようにはしないから先ず昼飯でも」となって和気藹々の交渉とな
って一件落着し、マネージャーはその晩にオーストラリアにとんぼ返り
だった。
これで我が国との難しい交渉の全部がこうなると言いたいのではない。
対日交渉には長い付き合い、相互信頼関係(「彼なら悪いようにはしな
い」という期待感というか信頼)、譲り合いの要素が多いのだ。すなわ
ち、アメリカ式な論争と対立の結果で、どちらかが押し切るという形の
決着もあるが、それは一般的ではない。
となれば、現時点ではアメリカの要人と(まさかTPPの条件の細部をオバ
マ大統領と丁々発止とやるのではあるまいが)信頼関係を構築できてい
ない野田総理や玄葉外相や安住財務相が円滑に交渉を進められるかと、
党内党外の慎重派が危惧しているのではないのかな。
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デカとヤクザは紙一重
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平井 修一
もう40年も前のことだが、駅前でビラを撒いていたら人相の悪い男に睨
みつけられたことがあった。服装も歩き方もまるで絵にかいたようなヤ
クザである。だが、近くで仕事をしていた靴磨きのおじさんが「あいつ
は暴力団担当の刑事だよ」と教えてくれた。
“ヤクザ業界”に出入りするうちに風貌はいつしか似通ってくるのだろ
う。朱に交われば赤くなるか。それは今も変わらないようだ。
「府警情報漏洩 転落した“マル暴の刑事”手柄を焦るあまり…つけ込
まれ癒着か」という記事が気になっていた。
<“マル暴の刑事”に誇りを感じていたはずの警察官は、一体どこで道
を踏み外したのか。暴力団関係者の元社長に内部情報を漏らす一方で金
品を受け取ったなどとして、懲戒免職となった巡査部長。同僚の捜査員
らは「手柄を焦るあまり、逆に取り込まれてしまったのか」と苦々しげ
に話した。
この巡査部長は高校卒業後、府警に。当初から暴力団捜査の刑事を志望
していたといい、西署に勤務していた20代のころ、念願がかなって刑事
課に配属。このころから口ひげを生やすなど“マル暴刑事”を意識した
風貌に変わっていったという。
捜査員が暴力団の内部情報収集のため組関係者らと接触するケースはあ
るが、これは同時に暴力団側にとっても捜査情報を得るチャンスとなる。
捜査関係者によると、暴力団情報を得ることが年々難しくなるなか、組
関係者に情報源を持つ捜査員が評価される面もあり、駆け出しの刑事が
「とにかく組員と親密になればよい」と安易に考えてしまう可能性は否
定できないという>(産経新聞10月27日)
お江戸の犯罪捜査は町奉行所があたったが、奉行の配下には与力25騎、
同心120人がいたから、南北両町奉行所合わせて与力50騎、同心240人で
ある。1人の同心には岡っ引き(御用聞、小者、目明とも)が2、3人つい
ていた。
岡本綺堂の「風俗江戸東京物語」によると、岡っ引きの下には4、5人の
手先がおり、さらにその下には下っ引きという間者、スパイがいた。ス
パイだから堅気の仕事をしながら聞き込んだことを手先に報告するのだ。
有力な岡っ引きは7、8人ないし10人くらいの手先を使っていたが、親分
子分の関係だから生活の面倒もみなければならない。ところが岡っ引き
の収入は月に一分とか一分二朱。今の金なら2~3万円で、とてもじゃな
いがやってはいけない。
そこで多くの岡っ引きは女房の名前で湯屋とか小料理屋をやらせていた
そうだが、恐喝まがいのこともしていた。そのひとつが「引き合いを抜
く」(白州に呼ぶ)と脅かし、見逃してやるからと金をせびったのだ。
例えば「泥棒が盗んだ金でお前の店で買い物をした。ついては吟味する
から白州へ出ろ」と脅す。白州へ行く際には町役人、家主も同道するこ
とになり、家主に日当を払ったうえ、昼食も振る舞うしきたりだったか
ら大層な物入りになる。だから「なにぶんにも内聞に」と金を出さざる
を得なかった。
ヤクザと変わりのない岡っ引きは江戸っ子から蛇蝎のごとくに嫌われた
という。
<江戸の目明しは、平安時代の検非違使庁の「放免」の系統に属すると
いわれる。放免は平安から鎌倉時代にかけ、刑期を終えて出獄した前科
者が検非違使庁の「下部」として使役され犯人探索のために利用された。
下部は軽罪の者は放免して用いたので「放免」とも言われ、賊を逮捕し、
囚人を拷問し、流人を配所へ押送することなどを職としていた>(「剣
客商売」道場)
毒を以て毒を制すということか。犯罪人も岡っ引きももともとが同根な
のだから、デカとヤクザは紙一重とも言える。仲良くなってズブズブに
なる土壌は警察でさえも1000年前からあるから、今さら「暴力団排除す
べし」と非難したところで変わりはしないだろう。元国会議員のハマコ
ウはヤクザではなかったか。
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話 の 福 袋
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◎熟慮の一手?危険な賭け?…TPP表明先送り
野田首相が10日に予定していた環太平洋経済連携協定(TPP)交渉
への参加表明を突然先送りしたのは、党内手続きに時間をかけることで
党内融和を図る狙いがあるとみられる。
ただ、民主党内の慎重派は、ぎりぎりまで巻き返しの機会をうかがう構
えだ。党内には、首相の「熟慮の一手」が、危険な賭けにならないか懸
念する声も出ている。
「きょうは記者会見をやめた方がいい」
民主党経済連携プロジェクトチーム(PT)の鉢呂吉雄座長が10日朝、
党執行部の一人に電話で首相の記者会見先送りを求めた。約5時間にわ
たって激論が交わされた9日のPT総会で慎重論が盛り上がったのを目
の当たりにし、離党をちらつかせる議員まで出始めたことで「不測の事
態」の発生を憂慮したのだ。
これを受け、党執行部は「ここは頭を冷やした方がいい。人間には感情
の問題がある」として、1日先送りすることで調整に入った。
野田首相側は当初、10日の段取りとして〈1〉首相と民主党の輿石幹事
長ら党執行部で構成する政府・民主三役会議でPT提言の報告を受けた
上で首相が決断〈2〉首相と全閣僚による「経済連携協定に関する閣僚
委員会」で交渉参加方針を正式決定〈3〉首相が記者会見で表明――と
の日程を描いていた。
しかし、10日に首相を交えて行った政府・民主三役会議では、前原政調
会長が「PT総会では慎重論が7、8割を占めていた」と説明し、党側
は「10日に記者会見を強行すれば離党者が相次ぐ事態に陥りかねない」
との見方も出ていることを伝えた。輿石氏が「記者会見はあしたでいい」
と促すと、首相が先送りする方針を示したという。
前原氏は会議後、記者団に「慎重論が多く、提言に『慎重に判断する』
という文言も加わり、首相自身も一拍おくことが重要だと考えたのでは
ないか」と語った。平野博文国会対策委員長も「離党者を生むことのな
いようにしなければいけない」と強調した。
読売新聞 11月11日(金)7時29分配信
◎「111111」に怪しい儀式? =大ピラミッドを閉鎖―エジプト
【カイロ時事】「2011年11月11日と『1』が並ぶきょう、カイロ郊外ギザ
にある大ピラミッドで『怪しげな儀式』が行われる」。こんなうわさが
広がり、エジプト考古最高評議会は、11日は大ピラミッドを閉鎖するこ
とを決めた。AFP通信が10日伝えた。
同評議会が出した声明は「補修作業」を一時閉鎖の理由に挙げているが、
エジプト当局者は「奇妙な儀式が行われるとするインターネット・ユー
ザーからの強い圧力を受けたため」と話した。クフ王のピラミッドとも
呼ばれる大ピラミッドは、ギザにある三大ピラミッドの中で最大。地下
通路などの内部が公開されている。
時事通信 11月11日(金)7時49分配信
◎サーリーフ大統領が再選=対立候補ボイコットで―リベリア
【ロンドン時事】アフリカ西部リベリアからの報道によると、同国の選
挙管理委員会は10日、8日に行われた大統領選決選投票で、今年のノーベ
ル平和賞の受賞が決まっているサーリーフ大統領(73)が当選を果たし
たと発表した。
対立候補のタブマン元法相(70)は大統領陣営の不正を理由に選挙戦を
ボイコットしており、大統領の再選は確実視されていた。
選管が全体の86.6%に当たる投票所からの集計結果として公表したとこ
ろによれば、サーリーフ大統領の得票率は90.8%。これに対してタブマ
ン氏は9%だった。投票率は37.4%と極めて低く、再選の正当性に疑問
符が付く結果となった。
時事通信 11月11日(金)6時3分配信
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反 響
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1)本日野田首相はTPP参加の発表を取りやめました。昨日からの新聞、
テレビのニュースでは「慎重に」という首相の判断を拘束しない党の提
言を取りまとめるも、首相は明日の国会審議のあとに参加表明と報じて
いました。
JAの反対運動を取り上げ、農業問題にだけ狭小化している様子でもあり
ました。これから、JAがいかに腐敗しているか、農業行政がいかに問題
かという報道キャンペーンをうち、第四次補正予算をちらつかせ、反対
議員を個別撃破して黙らせる方向が透けて見えてもいます。日経系列、
ブルームバーグの記事でも、それは十分予想させられます。
予定を延期したというのは、もしかしたら自分たちのつくった世論誘導
を過信していたのではないでしょうか?人についた嘘を自分自身が信じ
てしまい、状況判断を誤ったような醜態に見えます。北京が朝日の紙面
を読んで日本人の対中観を読み誤った、というヨタ話と同じです。
どうせ明日にも表明して、来春に総選挙に打って出るのかもしれません
が、こんなデタラメのモラルハザードを、民主党はいつまで続ける気な
のか?一昨年より議会制民主主義の基本的な事項をことごとく踏みにじ
り、日本の憲政を深刻な状況に陥らせ、それを深化させています。日米
同盟の「深化」以前に、そこを我々はもっと考えるべきではないでしょ
うか?
米国も実はかなり怒っているのではないでしょうか?メディアに取り上
げられていないだけで、対米意識はかなり悪化してしまっているはずで
す。
しかし、結果として一番被害を被るのは日本でしょうが、これから大統
領選挙で外交どころでないアメリカだって、うれしくないはずでしょう。
日本のメディアがTPPで見え透いた詭弁を弄するほど、反米の方向に向か
うような気がします。
韓国では国会が紛糾してFTP批准手続きが延期になって、苛立った政府が、
ネットでデマを拡散させた者を逮捕すると発表しているようですが、日
本の現状とあわせ見て、中国が後ろで笑っているのかもしれません。
中国と変わりない言論弾圧です。もっとも、その中国はアメリカと緊密
なパイプを持って、両国ともに互恵関係を維持し、それぞれの国益を追
求して行くことを再確認しているでしょう。
ロビーイングという言葉が日本語になっていますが、以前、英国人と豪
州人に尋ねてみたところ豪州人は、初めてその単語を見たときホテルの
玄関をイメージしたと笑っていました。アメリカ政治の欠陥に、見事日
本が振り回されているんでしょう。
そして、今回の件で、新聞をはじめとしたメディアとそこにでてくるジ
ャーナリストという職業の信用失墜は決定的になったと思いますが、い
かがでしょうか?
一昨日のテレビで榊原英資氏が語ったと言われる言葉をブログコメント
で見つけましたが、私は非常に興味深いと思いましたので、引用させて
いただきます。
===(引用開始)===
(1)東アジア経済は目下EUのような事実上の経済統合が進んでいて、日
本は既に東アジア経済との関わりを強めている。日本の輸出では、米国
より中国の方が大きくなっていて、米国との関わりなどどうでも良いと
いうことではないが、経済に関しては中国との関わりの方がはるかに強
くなっている。
(2)TPPとは、東アジアの経済統合に危機感を抱いた米国とオーストラ
リアが、成長著しいこの地域に自分たちもコミットしたいがために持ち
上げた話であって、 TPPに参加しなければ、日本が世界の孤児になるとい
う類の話ではない。
また、現在TPPに参加しているのは国々は、米国とオーストラリアを除い
ては小国ばかりで、日本が参加しなければTPPなるものが大きな意味を持
つことはない。
(4)TPPは、農業だけではなく日本の医療制度や公共工事の発注のあり
方など様々な分野にまで影響を及ぼし、日本的な制度を壊す可能性が濃
厚である。日本的なやり方を壊してまで米国流にしてしまうことが良い
ことなのか?
(3)日本をTPPに引きずり込みたいと思っているのは米国とオーストラ
リアの方なので、急いでTPPに参加する必要など全くなく、仮にTPPに参
加するにしてもなるべく遅くして、米国やオーストラリアを譲歩させた
方が、有利な条件で加盟できる可能性が高い。
(4)日本は目下、安全保障は日米同盟で、経済は日中との結びつきを強
めた状態にあり、そういう意味ではねじれた状況にある。(このことにつ
いて今後どうするかについては、榊原さんは明確には語らなかった。)
(5)日本のマスコミは、国益を守ろうとする日本の交渉担当者に向かっ
て、後ろから弾を撃つ。日本が米国のマスコミに働きかけて米国の世論
を動かすことはできないが、米国は日本のマスコミ工作に長けていて、TPP
に関しても新聞テレビ等例外なくほぼすべてがTPPに賛成していて気持ち
悪い。(つまり日本のマスコミには米国の工作が加えられているというこ
と!)
===(引用終わり)===(匿名希望)
2)10日のPrime NewsにTPP参加交渉の慎重派(何故反対派と言わない
のか)の代表者元農水大臣・山田正彦が登場して熱弁を振るった。これ
を素直に聞いていれば「俺も反対」と叫びたくなるだろうほど熱心に、
TPPが如何に国益を害するかを指摘した。
だが、良く聞いていると以下のような矛盾というか論旨の破綻を感じた。
!)情報隠匿:
野田総理がTPPの詳細をひたすら慎重派が知り得ないように隠しているの
で、アメリカを含めて党内の世紀のルート以外から必要な情報を入手・
分析してどれほど有害かを確認した。
この主張通りだとすれば、野田総理以下の推進派は反対派に対して何も
知らせないままに事を運んで、初志貫徹しようと企んでいることになり、
民主党は想定した以上に組織として体をなしていない事を公表したこと
になるのだ、それで良いのだろうか。
!)時期尚早:
山田元農水相はTPP参加表明は時期尚早であると繰り返し主張した。すな
わち、アメリカがその国益となる事柄を押しつけてくるのは明白である
以上、この時期に参加の意思表示をするのではなく、国益に反する事柄
の対策を十分に講じてからにすべきだ。故に尚早だと指摘するのだと言
う。
これだとアメリカの侵略?に対する防御ないしは反抗の態勢が整えば、
晴れて参加して良いことになるのではないか。何れにせよ、時期の問題
ではなく絶対に駄目だと反対を主張したと聞こえたのだが。
!)撤退不可能:
元農水大臣は「一旦その席に着いてしまえば、我が国にとって不利益な
条件がすでに整えられていれば、それを覆すのは手遅れであるし、不利
益だからということで撤退は不可能である」と断じた。
そこまで断言して良いものかどうか、疑問に感じた。すなわち、田中均
元外務審議官は議論を尽くして不利だとの結果が出た場合に撤退を表明
することに何ら問題はないし、そのことで我が国の将来の国際的な立場
に影響を及ぼすものではないと述べていた。元外務審議官が指摘される
以上説得力がある。かかる点を外務省と詰めた上で撤退不可能と結論づ
けたのかに疑問を感じた。
!)記者会見延期:
しかしながら、野田総理は意図的に優柔不断なのか、或いは党内慎重派
へのジェスチャーか知らないが、10日に予定されていたらしい決意表明
の記者会見を、樽床式表現では「11日にしただけ」にした。藤村官房長
官は「考えが変わった様子はない」と述べた。
アメリカでは一般大衆は誰も知らないと聞いているTPPだが、この辺りの
意図不明の内側向けの野田作戦は逐一ワシントンDCには報告されている
と思う。それが野田総理にとって良い結果を生むとは思えないのだ。
余談:
英語の講釈である。元農水大臣はTPPを「テー・ピー・ピー」と言ってお
られたように聞こえる。「ティー・ピー・ピー」ではないのかな、何故
そうなるのかなと、心中揚げ足を取りながら熱弁を聞いていた。
(前田 正晶)
3)私は、敢えてテーピーピーと呼びます。ティーが、相手に通じな
いからと言うことと、テーなら、必ず伝わるという便宜を、フランス風
に喋っております。
変更不可というのは、よくあることで、何も、これに限ったことではあ
りませんので、通り相場とみてよろしいのではないかと思います。戦争
でも起きれば、変更もあり得ますが、国と国との間、鹿野多数国間では、
無理とみた方が無難かと思います。
内向きの米国民がTPPを知らされていないと言ったところで、事実な
のだから、米首都であっても、何らの感慨もないのではないのかと、思
うのですが、間違いでしょうか?
時期尚早という発言は、確かにそのとおりですね。機が熟せばOKと言
っているとみていいのではないかと思います。(酒井 富雄)
4)私は大臣までおやりなった方が“T”をまともに言えないような教
え方をした(かも知れない?)、我が国の学校教育を皮肉ったつもりで
す。
私はマスコミが騒ぎすぎるし、ワシントンDCやNY州の地方紙が我が国の
政治・経済のことを採り上げると如何にも全米的な報道の如きに聞こえ
る点を「おかしいな」と、これまた皮肉りました。安倍晋三総理の辞任
は“USA Today”ではベ タ記事でした。対日の関心はその程度ですし、
ましてやTPPは現時点ではアメリカ以外には大国が参加していないのであ
ればアメリカの一般人が関心がなくて当然です。
アメリカ人とは「偉大なる田舎者」という言い方が一時流行りましたが、
私はそう言うよりも「多くのアメリカ人は日本で思っているほど国際人
等ではなく、我々の方が余程国際事情に通じ過ぎて過敏過ぎる。そんな
に外聞を気にすることはない」と言う方が経験上も正解だと思っていま
す。
正直に言えば、野田総理が「TPPとは何か」の詳細を教えてくれないので、
私は参加すべきがどうかは解らないのです。しかし、「国際交渉力が不
足で負けるだろうから云々」という議論には与したくありません。
そうではない人に沢山出会ってきましたし、アメリカ人を手玉にとって
いた人はいくらでもいます。問題点はそういう強力な人は政治家にも総
理大臣にもならないことでしょうか。
8日だったかのPrime Newsで、榊原英資青学大教授は口が滑ったのか「英
語を話せないような人が社長をやっている会社はこれから先は駄目だ」
と言ってしまいました。野田総理や玄葉外相がこれを聞けば何と言うだ
ろうかと、つい余計なことを考えました。(前田正晶)
5)「ノーズロ」世代ですから、よくても「パンテー」じゃないんで
しょうか。 (唸声)
6)朝日:ウッドフォード元社長は正しいことをしたのに解任された。
氏がいなければ問題も発覚しなかった。
社長:「ウッドフォード氏は独断専行の行動で資質に問題があるという
ことで解任したもので、処遇を取り消す考えはない」、「氏がいなけれ
ば発覚しなかったとは限らない。ひょっとすると監査の中で分かる可能
性もあった」(11月9日アサヒコム)
つまり、監査作業がおざなりだったと言うことである。
2009年3月期までの監査をもって、監査業者の交代があったらしいのだ
が、二つの感謝業者をして、見逃し逃げ切りと、見逃し受注が、それぞ
れまかり通ったことになる。
この世界、マニュアル信仰が甚だしく、それでも契約解消時における監
査マニュアルも、新規受注時における監査マニュアルも存在する。要は、
監査契約を解消する時点であっても、全てを開示してから任を降りるべ
きだったし、監査契約を締結するときは、前任者の契約の切れた理由を
探り、かつ、疑わしきは締結しないという基本ルールに遵守するための
武器だった。
この二つの監査業者も、それを全うしていなかった、そんなことを、オ
リンパスの社長が、いみじくも語っていたと記事だ。2社以外のその他
の監査業者にとっても重い発言だった。
オリンパスで不幸中の幸いだったのは外国人社長の就任だろう。指名し
た菊川剛・前社長の誤算は彼が日本人幹部のように見て見ぬ振りをしな
かったことだ。(11月9日アサヒコム)
これは、いただけない。問題の本質を我田引水で勝手な屁理屈に仕上げ
る朝日一流のロジックでくくった記事となってしまっていた。
これは、新聞社というこの記事作成業者の体質なんだろう、彼らには、
品質チェックの為の”文章書き方マニュアル”は存在していないのだろ
うか。あるいは、あっても、機能していなかった監査業者業界と同じム
ジナなのだろうか。
オリンパスは当時、監査人の変更について「契約満了のため」と説明し
ていたが、第三者委員会は同社側が問題の表面化を避けるために監査契
約を打ち切った可能性もあるとみており、関係者からの聞き取りを進め
るなど、監査人変更に至る詳しい経緯についても、解明を進める。(11
月10日日経紙面)
ここでも似たように、なぜか、会計監査人の変更は「悪」、変更しない
のは「善」となっている。
新聞メディアなどニュース・メーカーの常識に乗った紙面作り。逃げた
監査人は善で、逃げ切れなかった監査人は悪という図だ。
株主投資家その他会社を取り巻く利害関係者から独立しつつも、彼らの
判断に寄与する情報の開示に努めるべき立場を、国家資格という無償独
占資格付与と同時に与えられた使命であるにも拘わらず、逃げ切る事で
賞賛され、ばばを引くことで揶揄される不合理。
端的に、両者、ひっくるめて制裁対象とするか、両者お咎めナシとする
か。どちらかにして欲しいと思うのが、株主投資家その他会社を取り巻
く利害関係者なのだが、いっこうに彼らのために働こうとしないのが、
会計士や監査法人の監査業者だ。期待されるほどには仕事をしない。
何れの業界であっても、業界の気風刷新のための、業界内努力が要るこ
とはわかった。彼らに任せている間に、かれらの独占的な仕事ぶりを、
業界外の廻りから社会変革をしてあげてはどうか。
つまり、監査は必要だとしても、なにも国家試験合格者による監査業者
に頼らずともOKとすることだ。つまり彼らの目は、節穴なのだから、節
穴ついでに、我と思わん者は、監査業務を受注できる仕組みに変えるこ
とだ。
すでに、地方自治体の監査は、監査の国家資格者以外の者にも開放さて
いるし、政治資金監査もそうだ。なにも企業監査のみ、有資格者に限ら
せることなく、更に進めて、誰でもやりたい者は、やればいいという社
会に変革することだ。
節穴よりはましだし、この事件から分かるように、企業側は節穴監査業
者を見抜いて選別して監査契約を締結できる鑑識眼を持っているのだか
ら、事前に国家資格者を並べて見繕ってお使い下さい式の、監査業務販
売方式を採らずとも、企業側では、いっこうに困ることはあるまい。
同様に新聞発行業者などにも開放を促し、報道陣への特典待遇なども希
望者には与える、記者会見にも参加させる、取材費も交際費非課税にし
てあげるなどの、社会改革を、今すぐにしてあげてはどうか。
もちろん、新聞の宅配業務が、読者を囲い込んでしまって、新聞業界内
の品質管理をおざなりにさせているのだとしたら、それらを止めさせる
か、宅配経費だけを業界内プール方式とさせて、新聞コンテンツのみを
自由競争にさせる手もあり得る。(酒井富雄)
━━━━━━━
身 辺 雑 記
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横に「1」が4つ並んだ11年11月11日。東京湾岸は朝から雨。散歩を諦
め室内で壇踏み。
読者:4949人
2011(平成23)年11月11日(金)
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日韓もし戦わばの記事で読者が急増
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古澤 襄
2011.11.11 Friday name : kajikablog
10日の杜父魚ブログ・アクセスは急上昇。その原因は昨年8月13日の
「”独島:韓日もし戦わば”の韓国紙分析特集」だった。ひとつの記事
が一年以上もたって2000人以上の読者が一斉に読んだのは不思議な現象
である。
日韓が戦争をする状況にはない。おそらく今後もないであろう。それな
のに「韓日もし戦わばの分析特集」が一斉に読まれたのは何故だろう。
10日は海外邦人のアクセスが急増した。ソウルのアクセス増が原因だと
思って調べたが、以下のごとくSouth Korea(韓国)は八位に過ぎない。
!)United States(米国)?China(中国)?Germany(ドイツ)?
Indonesia(インドネシア)?Singapore(シンガポール)?Australia
(豪州)?Thailand(タイ)?South Korea(韓国)?Canada(カナダ)
!)Malaysia(マレーシア)?Taiwan(タイワン)?Philippines(フィリ
ピン)?United Kingdom(英国)?Italy(イタリア)?Chile(チリ)
!)Switzerland(スイス)?Vietnam(ベトナム)?Hong Kong(香港)
!)France(フランス)?Spain(スペイン)21.Colombia(コロンビア)
22.Paraguay(パラグアイ)23.Netherlands(オランダ)24.Russia(ロ
シア)25.India(インド)26.New Zealand(ニュージランド)27.United
Arab Emirates(アラブ首長国連邦)
杜父魚ブログの読者が急増したのは嬉しいが、その原因が分からないの
は、何となく割り切れない思いがする。それも「韓日もし戦わば」が原
因だから、よけいその思いが強い。
<<「独島:韓日もし戦わば」の分析特集 古沢襄 2010.08.13 Friday
name : kajikablog>>
韓国の対日感情は盧武鉉時代よりも好転してきているが、それでも良く
ない。日本統治時代の怨念が短期間に消えるものではない。「独島:韓
日もし戦わば」という物騒な特集が、韓国の朝鮮日報に掲載されたこと
もある。
だが、この特集記事を今、読み返してみると極めて客観的な分析に終始
している。偏狭なナショナリズムに駆られた単純な愛国論評ではない。
島根県議会が「竹島の日」条例を通過させた2005年3月、韓国海洋戦略研
究所が主催するセミナーで、韓国の「大洋海軍の父」と呼ばれる安炳泰
(アン・ビョンテ)元海軍参謀総長の講演を基調にしていた。
そこには私たち日本人が気がつかない日韓の軍事力比較を客観的に分析
していた。
それから5年後、韓国海軍の戦力は急速に向上した。初の韓国製イージ
ス艦「世宗大王艦」が進水し、アジアでは最大の揚陸艦である独島艦、
5000トン級の韓国型駆逐艦KDX‐?、1800トン級214潜水艦も保有するよ
うになっている。
しかし日本の海上自衛隊の戦力もさらに強化された。これまでのイージ
ス艦よりも戦力アップした最新鋭イージス艦2隻を加え、イージス艦だけ
で6隻を保有している。
戦後初のヘリ用空母と呼ばれる1万3500トン級の日向や水中作戦能力が大
幅に向上した最新鋭の3000トン級潜水艦も現場に投入された。その結果、
艦艇の総トン数は韓国が13万700トン、日本は42万8000トンと大きく水を
開けられていると韓国は分析する。
水上艦艇で主役となるイージス艦の場合、最大で1054キロ先から飛来す
るミサイルや航空機を発見でき、500キロ先の航空機、艦艇、ミサイルな
ど900の標的を同時に発見、追跡できる。
とりわけあたご型イージス艦は日本海を管轄し、有事の際には独島へ最
初に出動できる第3護衛隊群に配備された。第3護衛隊群は京都の舞鶴を
拠点としている。
日本の海上自衛隊は地方隊に属していた護衛隊をすべて護衛艦隊へと編
入し、四つの護衛隊群と14の護衛隊に再編された。それぞれの護衛隊群
は4隻ずつの護衛艦からなる二つの護衛隊で構成され、計8隻の護衛艦を
保有している。
さらに排水量1000トン級以上の戦闘艦も韓国海軍は40隻だが、日本は
3000トン級以上だけでも40隻以上を保有している。両国海軍が敵艦を攻
撃する際に使用される対艦ミサイルは、そのほとんどが米国製のハープ
ーンだが、日本の保有数の方がはるかに多い。
対艦ミサイルの攻撃を防御する対空ミサイルや、機関砲で対艦ミサイル
を撃墜する近接防空システムなども日本が上回っている。その上、日本
の艦艇は1984年以降に投入された艦艇の比率が65%以上を占め、新型艦艇
の比率も高い。
海の戦略兵器とされる潜水艦と相手潜水艦を捕える対潜水艦戦力を比較
すると、その差はさらに大きくなる。韓国海軍は現在1200トン級209型潜
水艦9隻と、1800トン級214型潜水艦1隻を保有している。
一方、日本はこれよりもさらに大型の2200から3000トン級潜水艦を16隻
保有している。潜水艦を探し出すP3C海上哨戒機も日本は90機以上保有し
ているのに対し、韓国には8機しかない。ヘリコプターも韓国は40機だが、
日本はSH60Jが89機、SH60Kが8機の計90機以上に達する。
韓国は独島(竹島)をめぐる韓日間の紛争が起こった場合、軍が衝突す
る前に交戦するのは韓国の海上警察と日本の海上保安庁だとみている。
韓国側には3000トン以上の大型警備艇が多い。3000トンから6500トン級
の警備艇は韓国側が15隻、日本が13隻だ。しかし、900から1000トン級の
警備艇は韓国側が7隻に対し、日本は38隻だ。
航空機においては韓日間の格差はさらに開く。固定翼機の場合、日本は
27機で韓国はわずか1機。回転翼機(ヘリなど)は韓国が14機で日本は46
機だ。
おまけに韓国空軍は500機の戦闘機を、日本の航空自衛隊は360機を保有
していて、韓国空軍が数の上で上回るが、日本の方が高性能の戦闘機が
はるかに多い上に、空軍基地からの距離が短く、さらに空中給油能力ま
で兼ね備えている点で劣勢だと分析している。
独島は江原道江陵基地から266キロ、F15Kが配備された大邱基地から330
キロ、慶尚北道浦項から258キロ、非常滑走路のある慶尚北道蔚珍からは
216キロの位置にある。
一方の日本は独島から157キロ離れた隠岐からF15J戦闘機を出動させるこ
とができる。韓国の戦闘機のうち独島上空で1時間以上作戦を実行できる
のはF15Kだけだ。170機を保有しているKF16は5分しか独島上空にとどま
ることができない。
日本はF15Kよりもやや性能が劣るF15Jを203機、F16を改造したF2支援戦
闘機70機以上を保有している。また日本はE767を4機、E2Cを13機の計17
機の早期警戒管制機や哨戒機を保有している。これらは350キロ以上離れ
た韓国の航空機の動きを手に取るように把握できると韓国はみている。
日本は竹島問題で軍事力を行使する意図は未来永劫に持たないが、韓国
側も図上のシミュレーションをして「韓日もし戦わば」が現実にはあり
得ないと見ていると言っていい。軍人は好戦的とみられがちだが、合理
的な思考をするものである。
http://kajikablog.jugem.jp/?search=%A1%D6%C6%C8%C5%E7%A1%A7%B4%DA%C6%FC%A4%E2%A4%B7%C0%EF%A4%EF%A4%D0%A1%D7%A4%CE%CA%AC%C0%CF%C6%C3%BD%B8
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対日交渉の思い出
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前田 正晶
日本人の私が「対日」と言うのはおかしいかも知れないが、アメリカの
会社の一員として経験してきたのだからこう言うしかないない。
今回のTPP騒ぎでは「我が国の国際交渉力が弱い」と言うか「またもやア
メリカにしてやられるのではないか」という類の弱気な予測が多いのは
極めて残念である。
私はアメリカが国際的に交渉能の技法が特に優れているとは思わないが、
我が国方に「大国アメリカ」や「同盟国としての恩義があるから」とい
う弱きないしは配慮はなきにしもあらずだとは見てきた。
そこで、上記の要素に加えて「文化の違い」がまざまざと現れたいくつ
かの案件を思い出した。その一は、一寸した品質問題が発生してクレー
ムとなり、アメリカからトラブル・シューターとも言える技術サーヴィ
ス担当マネージャーが来日した話し合いの場合から。
マネージャーは刑事ドラマに良くある「何方にも伺うことですから」と
言ってアリバイを訊くのと同様に、何の他意もなく「ところで、この件
では御社の現場での加工方法には問題がなかったのですか」と何気なく
尋ねた。
念のために申し上げて置くと、本件は明らかに我が方の問題で金銭的補
償を覚悟するところまで来ていたのだが、そう尋ねることで状況を変え
ようなどという駆け引きをしようとの下心はなかった。だが、変わって
しまった。
それを聞いた得意先の購買担当者と工場の管理職の顔色が変わってしまっ
た。彼らは一旦中座してから戻ってきて「こちらの加工法も完全無欠で
はなかったし、アメリカからわざわざ飛んできた下さったXさんのお立場
もあることだし、ここは両社の長年の関係を考慮して損失の半分を当社
が負担します」と好意溢れる申し出があったのだった。
念のためもう一度言うが、当方には「これを言うことで失うものはない」
と思って言ったことではなかったが、結果がそうなってしまったのだ。
我が国には、このように「先方の立場に配慮し顔を立てることを考えて、
長い付き合いを尊重していく」という美しい交渉の文化があるのだ。
問題はその美徳を相手が認識して感謝するかどうかだ。当方は勿論その
点を認識し一度は辞退したが、結局は半額で決着とすることになった。
もう一例では多くの得意先の工場の現場の信頼が絶大だった上記のマネ
ージャーの後任者の場合だ。そのクレーム発生の時にそのマネージャー
はオーストラリアに出張中だった。しかし、現場は当方が関西まで立ち
会いに来ただけでは満足せずに「直ちに彼を呼べ」と強硬な申し入れを
するほど事態は険悪だった。
彼はその日の夜行便で大阪まで飛んできて現場に顔を出した。するとど
うだろう、話合いもそこそこに「あんたか来てくれただけで十分だ。後
は悪いようにはしないから先ず昼飯でも」となって和気藹々の交渉とな
って一件落着し、マネージャーはその晩にオーストラリアにとんぼ返り
だった。
これで我が国との難しい交渉の全部がこうなると言いたいのではない。
対日交渉には長い付き合い、相互信頼関係(「彼なら悪いようにはしな
い」という期待感というか信頼)、譲り合いの要素が多いのだ。すなわ
ち、アメリカ式な論争と対立の結果で、どちらかが押し切るという形の
決着もあるが、それは一般的ではない。
となれば、現時点ではアメリカの要人と(まさかTPPの条件の細部をオバ
マ大統領と丁々発止とやるのではあるまいが)信頼関係を構築できてい
ない野田総理や玄葉外相や安住財務相が円滑に交渉を進められるかと、
党内党外の慎重派が危惧しているのではないのかな。
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デカとヤクザは紙一重
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平井 修一
もう40年も前のことだが、駅前でビラを撒いていたら人相の悪い男に睨
みつけられたことがあった。服装も歩き方もまるで絵にかいたようなヤ
クザである。だが、近くで仕事をしていた靴磨きのおじさんが「あいつ
は暴力団担当の刑事だよ」と教えてくれた。
“ヤクザ業界”に出入りするうちに風貌はいつしか似通ってくるのだろ
う。朱に交われば赤くなるか。それは今も変わらないようだ。
「府警情報漏洩 転落した“マル暴の刑事”手柄を焦るあまり…つけ込
まれ癒着か」という記事が気になっていた。
<“マル暴の刑事”に誇りを感じていたはずの警察官は、一体どこで道
を踏み外したのか。暴力団関係者の元社長に内部情報を漏らす一方で金
品を受け取ったなどとして、懲戒免職となった巡査部長。同僚の捜査員
らは「手柄を焦るあまり、逆に取り込まれてしまったのか」と苦々しげ
に話した。
この巡査部長は高校卒業後、府警に。当初から暴力団捜査の刑事を志望
していたといい、西署に勤務していた20代のころ、念願がかなって刑事
課に配属。このころから口ひげを生やすなど“マル暴刑事”を意識した
風貌に変わっていったという。
捜査員が暴力団の内部情報収集のため組関係者らと接触するケースはあ
るが、これは同時に暴力団側にとっても捜査情報を得るチャンスとなる。
捜査関係者によると、暴力団情報を得ることが年々難しくなるなか、組
関係者に情報源を持つ捜査員が評価される面もあり、駆け出しの刑事が
「とにかく組員と親密になればよい」と安易に考えてしまう可能性は否
定できないという>(産経新聞10月27日)
お江戸の犯罪捜査は町奉行所があたったが、奉行の配下には与力25騎、
同心120人がいたから、南北両町奉行所合わせて与力50騎、同心240人で
ある。1人の同心には岡っ引き(御用聞、小者、目明とも)が2、3人つい
ていた。
岡本綺堂の「風俗江戸東京物語」によると、岡っ引きの下には4、5人の
手先がおり、さらにその下には下っ引きという間者、スパイがいた。ス
パイだから堅気の仕事をしながら聞き込んだことを手先に報告するのだ。
有力な岡っ引きは7、8人ないし10人くらいの手先を使っていたが、親分
子分の関係だから生活の面倒もみなければならない。ところが岡っ引き
の収入は月に一分とか一分二朱。今の金なら2~3万円で、とてもじゃな
いがやってはいけない。
そこで多くの岡っ引きは女房の名前で湯屋とか小料理屋をやらせていた
そうだが、恐喝まがいのこともしていた。そのひとつが「引き合いを抜
く」(白州に呼ぶ)と脅かし、見逃してやるからと金をせびったのだ。
例えば「泥棒が盗んだ金でお前の店で買い物をした。ついては吟味する
から白州へ出ろ」と脅す。白州へ行く際には町役人、家主も同道するこ
とになり、家主に日当を払ったうえ、昼食も振る舞うしきたりだったか
ら大層な物入りになる。だから「なにぶんにも内聞に」と金を出さざる
を得なかった。
ヤクザと変わりのない岡っ引きは江戸っ子から蛇蝎のごとくに嫌われた
という。
<江戸の目明しは、平安時代の検非違使庁の「放免」の系統に属すると
いわれる。放免は平安から鎌倉時代にかけ、刑期を終えて出獄した前科
者が検非違使庁の「下部」として使役され犯人探索のために利用された。
下部は軽罪の者は放免して用いたので「放免」とも言われ、賊を逮捕し、
囚人を拷問し、流人を配所へ押送することなどを職としていた>(「剣
客商売」道場)
毒を以て毒を制すということか。犯罪人も岡っ引きももともとが同根な
のだから、デカとヤクザは紙一重とも言える。仲良くなってズブズブに
なる土壌は警察でさえも1000年前からあるから、今さら「暴力団排除す
べし」と非難したところで変わりはしないだろう。元国会議員のハマコ
ウはヤクザではなかったか。
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話 の 福 袋
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◎熟慮の一手?危険な賭け?…TPP表明先送り
野田首相が10日に予定していた環太平洋経済連携協定(TPP)交渉
への参加表明を突然先送りしたのは、党内手続きに時間をかけることで
党内融和を図る狙いがあるとみられる。
ただ、民主党内の慎重派は、ぎりぎりまで巻き返しの機会をうかがう構
えだ。党内には、首相の「熟慮の一手」が、危険な賭けにならないか懸
念する声も出ている。
「きょうは記者会見をやめた方がいい」
民主党経済連携プロジェクトチーム(PT)の鉢呂吉雄座長が10日朝、
党執行部の一人に電話で首相の記者会見先送りを求めた。約5時間にわ
たって激論が交わされた9日のPT総会で慎重論が盛り上がったのを目
の当たりにし、離党をちらつかせる議員まで出始めたことで「不測の事
態」の発生を憂慮したのだ。
これを受け、党執行部は「ここは頭を冷やした方がいい。人間には感情
の問題がある」として、1日先送りすることで調整に入った。
野田首相側は当初、10日の段取りとして〈1〉首相と民主党の輿石幹事
長ら党執行部で構成する政府・民主三役会議でPT提言の報告を受けた
上で首相が決断〈2〉首相と全閣僚による「経済連携協定に関する閣僚
委員会」で交渉参加方針を正式決定〈3〉首相が記者会見で表明――と
の日程を描いていた。
しかし、10日に首相を交えて行った政府・民主三役会議では、前原政調
会長が「PT総会では慎重論が7、8割を占めていた」と説明し、党側
は「10日に記者会見を強行すれば離党者が相次ぐ事態に陥りかねない」
との見方も出ていることを伝えた。輿石氏が「記者会見はあしたでいい」
と促すと、首相が先送りする方針を示したという。
前原氏は会議後、記者団に「慎重論が多く、提言に『慎重に判断する』
という文言も加わり、首相自身も一拍おくことが重要だと考えたのでは
ないか」と語った。平野博文国会対策委員長も「離党者を生むことのな
いようにしなければいけない」と強調した。
読売新聞 11月11日(金)7時29分配信
◎「111111」に怪しい儀式? =大ピラミッドを閉鎖―エジプト
【カイロ時事】「2011年11月11日と『1』が並ぶきょう、カイロ郊外ギザ
にある大ピラミッドで『怪しげな儀式』が行われる」。こんなうわさが
広がり、エジプト考古最高評議会は、11日は大ピラミッドを閉鎖するこ
とを決めた。AFP通信が10日伝えた。
同評議会が出した声明は「補修作業」を一時閉鎖の理由に挙げているが、
エジプト当局者は「奇妙な儀式が行われるとするインターネット・ユー
ザーからの強い圧力を受けたため」と話した。クフ王のピラミッドとも
呼ばれる大ピラミッドは、ギザにある三大ピラミッドの中で最大。地下
通路などの内部が公開されている。
時事通信 11月11日(金)7時49分配信
◎サーリーフ大統領が再選=対立候補ボイコットで―リベリア
【ロンドン時事】アフリカ西部リベリアからの報道によると、同国の選
挙管理委員会は10日、8日に行われた大統領選決選投票で、今年のノーベ
ル平和賞の受賞が決まっているサーリーフ大統領(73)が当選を果たし
たと発表した。
対立候補のタブマン元法相(70)は大統領陣営の不正を理由に選挙戦を
ボイコットしており、大統領の再選は確実視されていた。
選管が全体の86.6%に当たる投票所からの集計結果として公表したとこ
ろによれば、サーリーフ大統領の得票率は90.8%。これに対してタブマ
ン氏は9%だった。投票率は37.4%と極めて低く、再選の正当性に疑問
符が付く結果となった。
時事通信 11月11日(金)6時3分配信
━━━━━━━
反 響
━━━━━━━
1)本日野田首相はTPP参加の発表を取りやめました。昨日からの新聞、
テレビのニュースでは「慎重に」という首相の判断を拘束しない党の提
言を取りまとめるも、首相は明日の国会審議のあとに参加表明と報じて
いました。
JAの反対運動を取り上げ、農業問題にだけ狭小化している様子でもあり
ました。これから、JAがいかに腐敗しているか、農業行政がいかに問題
かという報道キャンペーンをうち、第四次補正予算をちらつかせ、反対
議員を個別撃破して黙らせる方向が透けて見えてもいます。日経系列、
ブルームバーグの記事でも、それは十分予想させられます。
予定を延期したというのは、もしかしたら自分たちのつくった世論誘導
を過信していたのではないでしょうか?人についた嘘を自分自身が信じ
てしまい、状況判断を誤ったような醜態に見えます。北京が朝日の紙面
を読んで日本人の対中観を読み誤った、というヨタ話と同じです。
どうせ明日にも表明して、来春に総選挙に打って出るのかもしれません
が、こんなデタラメのモラルハザードを、民主党はいつまで続ける気な
のか?一昨年より議会制民主主義の基本的な事項をことごとく踏みにじ
り、日本の憲政を深刻な状況に陥らせ、それを深化させています。日米
同盟の「深化」以前に、そこを我々はもっと考えるべきではないでしょ
うか?
米国も実はかなり怒っているのではないでしょうか?メディアに取り上
げられていないだけで、対米意識はかなり悪化してしまっているはずで
す。
しかし、結果として一番被害を被るのは日本でしょうが、これから大統
領選挙で外交どころでないアメリカだって、うれしくないはずでしょう。
日本のメディアがTPPで見え透いた詭弁を弄するほど、反米の方向に向か
うような気がします。
韓国では国会が紛糾してFTP批准手続きが延期になって、苛立った政府が、
ネットでデマを拡散させた者を逮捕すると発表しているようですが、日
本の現状とあわせ見て、中国が後ろで笑っているのかもしれません。
中国と変わりない言論弾圧です。もっとも、その中国はアメリカと緊密
なパイプを持って、両国ともに互恵関係を維持し、それぞれの国益を追
求して行くことを再確認しているでしょう。
ロビーイングという言葉が日本語になっていますが、以前、英国人と豪
州人に尋ねてみたところ豪州人は、初めてその単語を見たときホテルの
玄関をイメージしたと笑っていました。アメリカ政治の欠陥に、見事日
本が振り回されているんでしょう。
そして、今回の件で、新聞をはじめとしたメディアとそこにでてくるジ
ャーナリストという職業の信用失墜は決定的になったと思いますが、い
かがでしょうか?
一昨日のテレビで榊原英資氏が語ったと言われる言葉をブログコメント
で見つけましたが、私は非常に興味深いと思いましたので、引用させて
いただきます。
===(引用開始)===
(1)東アジア経済は目下EUのような事実上の経済統合が進んでいて、日
本は既に東アジア経済との関わりを強めている。日本の輸出では、米国
より中国の方が大きくなっていて、米国との関わりなどどうでも良いと
いうことではないが、経済に関しては中国との関わりの方がはるかに強
くなっている。
(2)TPPとは、東アジアの経済統合に危機感を抱いた米国とオーストラ
リアが、成長著しいこの地域に自分たちもコミットしたいがために持ち
上げた話であって、 TPPに参加しなければ、日本が世界の孤児になるとい
う類の話ではない。
また、現在TPPに参加しているのは国々は、米国とオーストラリアを除い
ては小国ばかりで、日本が参加しなければTPPなるものが大きな意味を持
つことはない。
(4)TPPは、農業だけではなく日本の医療制度や公共工事の発注のあり
方など様々な分野にまで影響を及ぼし、日本的な制度を壊す可能性が濃
厚である。日本的なやり方を壊してまで米国流にしてしまうことが良い
ことなのか?
(3)日本をTPPに引きずり込みたいと思っているのは米国とオーストラ
リアの方なので、急いでTPPに参加する必要など全くなく、仮にTPPに参
加するにしてもなるべく遅くして、米国やオーストラリアを譲歩させた
方が、有利な条件で加盟できる可能性が高い。
(4)日本は目下、安全保障は日米同盟で、経済は日中との結びつきを強
めた状態にあり、そういう意味ではねじれた状況にある。(このことにつ
いて今後どうするかについては、榊原さんは明確には語らなかった。)
(5)日本のマスコミは、国益を守ろうとする日本の交渉担当者に向かっ
て、後ろから弾を撃つ。日本が米国のマスコミに働きかけて米国の世論
を動かすことはできないが、米国は日本のマスコミ工作に長けていて、TPP
に関しても新聞テレビ等例外なくほぼすべてがTPPに賛成していて気持ち
悪い。(つまり日本のマスコミには米国の工作が加えられているというこ
と!)
===(引用終わり)===(匿名希望)
2)10日のPrime NewsにTPP参加交渉の慎重派(何故反対派と言わない
のか)の代表者元農水大臣・山田正彦が登場して熱弁を振るった。これ
を素直に聞いていれば「俺も反対」と叫びたくなるだろうほど熱心に、
TPPが如何に国益を害するかを指摘した。
だが、良く聞いていると以下のような矛盾というか論旨の破綻を感じた。
!)情報隠匿:
野田総理がTPPの詳細をひたすら慎重派が知り得ないように隠しているの
で、アメリカを含めて党内の世紀のルート以外から必要な情報を入手・
分析してどれほど有害かを確認した。
この主張通りだとすれば、野田総理以下の推進派は反対派に対して何も
知らせないままに事を運んで、初志貫徹しようと企んでいることになり、
民主党は想定した以上に組織として体をなしていない事を公表したこと
になるのだ、それで良いのだろうか。
!)時期尚早:
山田元農水相はTPP参加表明は時期尚早であると繰り返し主張した。すな
わち、アメリカがその国益となる事柄を押しつけてくるのは明白である
以上、この時期に参加の意思表示をするのではなく、国益に反する事柄
の対策を十分に講じてからにすべきだ。故に尚早だと指摘するのだと言
う。
これだとアメリカの侵略?に対する防御ないしは反抗の態勢が整えば、
晴れて参加して良いことになるのではないか。何れにせよ、時期の問題
ではなく絶対に駄目だと反対を主張したと聞こえたのだが。
!)撤退不可能:
元農水大臣は「一旦その席に着いてしまえば、我が国にとって不利益な
条件がすでに整えられていれば、それを覆すのは手遅れであるし、不利
益だからということで撤退は不可能である」と断じた。
そこまで断言して良いものかどうか、疑問に感じた。すなわち、田中均
元外務審議官は議論を尽くして不利だとの結果が出た場合に撤退を表明
することに何ら問題はないし、そのことで我が国の将来の国際的な立場
に影響を及ぼすものではないと述べていた。元外務審議官が指摘される
以上説得力がある。かかる点を外務省と詰めた上で撤退不可能と結論づ
けたのかに疑問を感じた。
!)記者会見延期:
しかしながら、野田総理は意図的に優柔不断なのか、或いは党内慎重派
へのジェスチャーか知らないが、10日に予定されていたらしい決意表明
の記者会見を、樽床式表現では「11日にしただけ」にした。藤村官房長
官は「考えが変わった様子はない」と述べた。
アメリカでは一般大衆は誰も知らないと聞いているTPPだが、この辺りの
意図不明の内側向けの野田作戦は逐一ワシントンDCには報告されている
と思う。それが野田総理にとって良い結果を生むとは思えないのだ。
余談:
英語の講釈である。元農水大臣はTPPを「テー・ピー・ピー」と言ってお
られたように聞こえる。「ティー・ピー・ピー」ではないのかな、何故
そうなるのかなと、心中揚げ足を取りながら熱弁を聞いていた。
(前田 正晶)
3)私は、敢えてテーピーピーと呼びます。ティーが、相手に通じな
いからと言うことと、テーなら、必ず伝わるという便宜を、フランス風
に喋っております。
変更不可というのは、よくあることで、何も、これに限ったことではあ
りませんので、通り相場とみてよろしいのではないかと思います。戦争
でも起きれば、変更もあり得ますが、国と国との間、鹿野多数国間では、
無理とみた方が無難かと思います。
内向きの米国民がTPPを知らされていないと言ったところで、事実な
のだから、米首都であっても、何らの感慨もないのではないのかと、思
うのですが、間違いでしょうか?
時期尚早という発言は、確かにそのとおりですね。機が熟せばOKと言
っているとみていいのではないかと思います。(酒井 富雄)
4)私は大臣までおやりなった方が“T”をまともに言えないような教
え方をした(かも知れない?)、我が国の学校教育を皮肉ったつもりで
す。
私はマスコミが騒ぎすぎるし、ワシントンDCやNY州の地方紙が我が国の
政治・経済のことを採り上げると如何にも全米的な報道の如きに聞こえ
る点を「おかしいな」と、これまた皮肉りました。安倍晋三総理の辞任
は“USA Today”ではベ タ記事でした。対日の関心はその程度ですし、
ましてやTPPは現時点ではアメリカ以外には大国が参加していないのであ
ればアメリカの一般人が関心がなくて当然です。
アメリカ人とは「偉大なる田舎者」という言い方が一時流行りましたが、
私はそう言うよりも「多くのアメリカ人は日本で思っているほど国際人
等ではなく、我々の方が余程国際事情に通じ過ぎて過敏過ぎる。そんな
に外聞を気にすることはない」と言う方が経験上も正解だと思っていま
す。
正直に言えば、野田総理が「TPPとは何か」の詳細を教えてくれないので、
私は参加すべきがどうかは解らないのです。しかし、「国際交渉力が不
足で負けるだろうから云々」という議論には与したくありません。
そうではない人に沢山出会ってきましたし、アメリカ人を手玉にとって
いた人はいくらでもいます。問題点はそういう強力な人は政治家にも総
理大臣にもならないことでしょうか。
8日だったかのPrime Newsで、榊原英資青学大教授は口が滑ったのか「英
語を話せないような人が社長をやっている会社はこれから先は駄目だ」
と言ってしまいました。野田総理や玄葉外相がこれを聞けば何と言うだ
ろうかと、つい余計なことを考えました。(前田正晶)
5)「ノーズロ」世代ですから、よくても「パンテー」じゃないんで
しょうか。 (唸声)
6)朝日:ウッドフォード元社長は正しいことをしたのに解任された。
氏がいなければ問題も発覚しなかった。
社長:「ウッドフォード氏は独断専行の行動で資質に問題があるという
ことで解任したもので、処遇を取り消す考えはない」、「氏がいなけれ
ば発覚しなかったとは限らない。ひょっとすると監査の中で分かる可能
性もあった」(11月9日アサヒコム)
つまり、監査作業がおざなりだったと言うことである。
2009年3月期までの監査をもって、監査業者の交代があったらしいのだ
が、二つの感謝業者をして、見逃し逃げ切りと、見逃し受注が、それぞ
れまかり通ったことになる。
この世界、マニュアル信仰が甚だしく、それでも契約解消時における監
査マニュアルも、新規受注時における監査マニュアルも存在する。要は、
監査契約を解消する時点であっても、全てを開示してから任を降りるべ
きだったし、監査契約を締結するときは、前任者の契約の切れた理由を
探り、かつ、疑わしきは締結しないという基本ルールに遵守するための
武器だった。
この二つの監査業者も、それを全うしていなかった、そんなことを、オ
リンパスの社長が、いみじくも語っていたと記事だ。2社以外のその他
の監査業者にとっても重い発言だった。
オリンパスで不幸中の幸いだったのは外国人社長の就任だろう。指名し
た菊川剛・前社長の誤算は彼が日本人幹部のように見て見ぬ振りをしな
かったことだ。(11月9日アサヒコム)
これは、いただけない。問題の本質を我田引水で勝手な屁理屈に仕上げ
る朝日一流のロジックでくくった記事となってしまっていた。
これは、新聞社というこの記事作成業者の体質なんだろう、彼らには、
品質チェックの為の”文章書き方マニュアル”は存在していないのだろ
うか。あるいは、あっても、機能していなかった監査業者業界と同じム
ジナなのだろうか。
オリンパスは当時、監査人の変更について「契約満了のため」と説明し
ていたが、第三者委員会は同社側が問題の表面化を避けるために監査契
約を打ち切った可能性もあるとみており、関係者からの聞き取りを進め
るなど、監査人変更に至る詳しい経緯についても、解明を進める。(11
月10日日経紙面)
ここでも似たように、なぜか、会計監査人の変更は「悪」、変更しない
のは「善」となっている。
新聞メディアなどニュース・メーカーの常識に乗った紙面作り。逃げた
監査人は善で、逃げ切れなかった監査人は悪という図だ。
株主投資家その他会社を取り巻く利害関係者から独立しつつも、彼らの
判断に寄与する情報の開示に努めるべき立場を、国家資格という無償独
占資格付与と同時に与えられた使命であるにも拘わらず、逃げ切る事で
賞賛され、ばばを引くことで揶揄される不合理。
端的に、両者、ひっくるめて制裁対象とするか、両者お咎めナシとする
か。どちらかにして欲しいと思うのが、株主投資家その他会社を取り巻
く利害関係者なのだが、いっこうに彼らのために働こうとしないのが、
会計士や監査法人の監査業者だ。期待されるほどには仕事をしない。
何れの業界であっても、業界の気風刷新のための、業界内努力が要るこ
とはわかった。彼らに任せている間に、かれらの独占的な仕事ぶりを、
業界外の廻りから社会変革をしてあげてはどうか。
つまり、監査は必要だとしても、なにも国家試験合格者による監査業者
に頼らずともOKとすることだ。つまり彼らの目は、節穴なのだから、節
穴ついでに、我と思わん者は、監査業務を受注できる仕組みに変えるこ
とだ。
すでに、地方自治体の監査は、監査の国家資格者以外の者にも開放さて
いるし、政治資金監査もそうだ。なにも企業監査のみ、有資格者に限ら
せることなく、更に進めて、誰でもやりたい者は、やればいいという社
会に変革することだ。
節穴よりはましだし、この事件から分かるように、企業側は節穴監査業
者を見抜いて選別して監査契約を締結できる鑑識眼を持っているのだか
ら、事前に国家資格者を並べて見繕ってお使い下さい式の、監査業務販
売方式を採らずとも、企業側では、いっこうに困ることはあるまい。
同様に新聞発行業者などにも開放を促し、報道陣への特典待遇なども希
望者には与える、記者会見にも参加させる、取材費も交際費非課税にし
てあげるなどの、社会改革を、今すぐにしてあげてはどうか。
もちろん、新聞の宅配業務が、読者を囲い込んでしまって、新聞業界内
の品質管理をおざなりにさせているのだとしたら、それらを止めさせる
か、宅配経費だけを業界内プール方式とさせて、新聞コンテンツのみを
自由競争にさせる手もあり得る。(酒井富雄)
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身 辺 雑 記
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横に「1」が4つ並んだ11年11月11日。東京湾岸は朝から雨。散歩を諦
め室内で壇踏み。
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