1400万人のアメリカ人が失業 | 日本のお姉さん

1400万人のアメリカ人が失業

「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
     平成23(2011)年 11月8日(火曜日)
       通巻第3475号 <11月7日発行>


 オバマ再選はあり得ない。軌跡のV字方回復があれば別ですが。
  1948年以来、最悪の失業率、中間層の消滅、赤字国債の上限枠。
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 米国の失業率は9%だが、これは失業保険を申請し、職安に登録している人数を割り出している数字で、とうに正規の就労をあきらめ、アルバイト、フリーターで糊口をしのぐ人たちを勘定に入れていない。
 9%とは、ちなみに1400万人のアメリカ人が失業という意味であり、ウォール街を占拠する時間的余裕はいくらでもある。
長期間、職が得られない人たちの数は、1948年以来、最悪の状況である。

 貧富の格差の拡大、貧困層の赤貧化、所得の二極分化、相容れない二つの陣営というアメリカの分裂状態。景気が悪いと治安も悪化し、教育現場はうすら寒いほど悪性の環境となり、医療を受けられる人、受けられない人、年金の目減り、年金ファンドの倒産。アパートから追い出され、公園で寝泊まりして救世軍の求職に並ぶ長い長い列。

 前号までにのべたように学生ローンは平均25000ドル。学生が就労前、すでにこれだけの借金を抱えており、しかも就職先がないときている。
 イラクとアフガニスタンに戦争を仕掛けている裡に、リーマンショックがきて、中東に騒擾がおこり、景気低迷はすくいようがなくなった。 

これでオバマが再選されるなどと考えるのは無理がある。
例外は軌跡のV字型回復しかない。が、それはあり得ない。では共和党が勝つかというと、茶会運動が昂じて、党内が分裂状態。下手をすると共和党側から第三政党出現となれば、オバマが漁夫の利を得るという最悪の中の最悪シナリオになる。

じっさいに共和党の候補者たちの「バラエティ」を見よ。
穏健派ロムニーは主張がまともすぎて、パンチにかけるうえ、かれはモルモン教徒。ハンツマンもモルモン。ネオコンの輝ける星だったニュート・キングリッチは茶会運動に圧殺されるかのように消えた。

昨年、政局を掻き荒らした「茶会運動」が推薦するバックマンは過激な予算削減を言いつのり、ロン・ポールは過激な右翼リバタリアン。突然浮揚したピザ経営のおっさん=ゲインは「メキシコ国境に高い柵をもうけ、不法移民をたたき出せ」と威勢だけはよいが、政策の細かな点となると話が続かない。無責任な言辞で人気を集めるが、まもなく失速するだろう。


▲赤字国債の上限枠をがんじがらめにし予算の余裕はなくなった

かれらに最低公約数的に共通するのは「小さな政府」だけ。
しかし共和党が候補を一本化できない場合、素っ頓狂な人物がぬっと顔を出す可能性がある。
前回のオバマがそうだった。直前までヒラリーが本命視されていたのだから。

 問題は民主共和の鋭角的対立に譲歩の姿勢が見られないことである。
 議会で与野党が対立したため減税法案は成立せず、年末にはGDP2%ほど押し上げるとされた施策は水に流れた。

まして赤字国債の上限枠をがんじがらめにしたため、予算の余裕はなくなり、オバマがひたすら頼るのはバフェットの「高額所得者増税」と日本を巻き込むTPPを力づくで成立させることだけになった。

こういう惨状に陥った米国が次に打って出るシナリオとは、近隣困窮化である。円高でさんざんに日本を懲らしめて味をしめたが、すでに中国、韓国に対しても通貨政策や貿易の不振による伝播で、いやな症状が露見してきた。
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アジアの民主化を促進する東京大集会
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 アジアの民主化をもとめて国際的集会が東京で開催されます。 

 戦争、そして冷戦の時代だった二十世紀はベルリンの壁の崩壊という象徴的な形で、自由と民主主義が人類の目指すべき政治理念であることを明らかにしました。しかし、欧米においては一定の達成がなされたものの、未だにアジアにおいては、この理念は十分実現されたとはいえません。アジア諸国には一党独裁、民族弾圧、軍事政権などが存続し、民衆は隷属を強いられ、人権活動家は投獄、時には処刑されています。今なお無謀な核実験を強行し、外国の中立的な調査団の立ち入りを拒む、人命や環境より軍事を優先する独裁政権の民主化は急務です。
 
http://asiandemocracy.jp/

民衆を抑圧し自由を奪う独裁政権はいつかは裁かれ、退場して行くのは歴史の必然です。それをはっきり示すのは二十世紀末のソ連の崩壊であり、現在中東で試行錯誤を経ながら進行している?ジャスミン革命?に始まる新しい民主化の波です。また中東の民主化は、自由と民主主義は欧米だけでなく、普遍的な価値であることを世界に示しています。もちろんアジア諸国も同様のはずです。
私たちアジアの自由と民主主義を愛する人間は、中国、ミャンマー、ベトナム、北朝鮮など、未だ一党独裁が続く諸国に対し、諸国民の対話と合意を通じ平和的な民主化のプロセスを提示し、あわせてチベット、ウイグル、南モンゴルの人々の自由を求め、アジアに自由と民主主義を実現することが、私たちアジア人の共同使命であると考えます。そして、民主主義は各民族の歴史、文化、伝統を尊重の上に成り立ってこそ、地域に豊かな根を張ることができます。私たちは、自由と民主主義という近代の生み出した最上の価値と、アジアの古代から連なる豊かな各民族の文化伝統が調和した新たな未来のアジアを目指そうではありませんか。
私たちはこの目的のため、アジア各国、各民族の民主化を目指す人々と共に、十一月二十五日、二十六日に東京に集い、アジアの自由と民主主義の拡大と深化を議論するシンポジウムと集会を開催することにしました。

われわれアジア人の総力を結集し、アジアに自由と民主主義の輪を広げていこうではありませんか。皆様のご参加、ご支援、ご協力をお願いします。
「アジアの民主化を促進する東京シンポジウムと集会」実行委員会

(1)2011年11月25日 シンポジウム 拓殖大学
午後6時30分 文京キャンパスC館201教室

(2)2011年11月26日 集会 オリンピック記念駒沢体育館
午前11時~12時民族舞踊 午後1時~3時30分大集会
11・26 TOKYO駒沢体育館
http://asiandemocracy.jp/
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「中華民族」なる架空の概念は日々空々しくなるだけ
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宮崎正弘 『自壊する中国 ネット革命の連鎖』(文芸社文庫)
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                           評 樋泉克夫

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中国について過去から現在までを貫く該博な知見、内外から集めた膨大な情報と詳細な統計数字、中国各地を歩いて自らの五体に叩き込んだ現地感覚と中国庶民の最新動向、加えるに醒めた目線を身に備えた著者が、これらを縦横に駆使し、大胆かつ緻密に、ハーマン・カーンの口癖である「考えられないことを考え」て著したのが本書である。

「ひとくちに『中国人』などといっても北京人、上海人、広東人はまったく性格が違う」ように版図が広大なだけに、各地それぞれが異なる性格、気質、歴史的背景を持っている。そのうえに「『中華民族』なる架空の概念は日々空々しくなるだけ」。だから「中国が列強に伍そうとして『国民国家』を目指そうとする」ものの、「(共産党)執行部が狙う中国の国民国家化はかけ声だけに終わるだろう」。

かくして先ず著者は?歴史的背景の異なる人々は地域ブロック化し、?金融膨張が中国人に格差をもたらし、?利権の横行が統一的国家経営を阻害し、?まがりなりにも中国人を一つに結び付けていた中華思想は風化の一途を辿り、?氾濫するニセモノ・パクリ文化は国民的統合を損ない、?矛盾する対策が少数民族の反漢族化を促し、?拡大し進化し深化を続けるネット社会によって情報の一元化は破綻を来たす――だから将来は、経済活動を軸にして「東北三省」「北京・天津経済圏」「上海経済圏」「福建経済圏」「広東経済圏」「四川経済圏」「チベット人居住区」「新疆ウイグル自治区」の七つに分裂すると予測する。

次いで中国経済が世界経済を牽引するなどとは真っ赤なウソで、「中華帝国」は自壊する運命にある。
目下のところは愛国心と軍国主義で求心力を保っているが、人民の「放心力」は拡大するばかりだ。幹部をみても世代が下るごとに指導力不足は否めず、苦労知らずで飽食世代の若者は勝手気まま。若者の価値観は激変し、世代間の対立は激化の一途だ。

上海や広東は独立を志向する一方、チベットは独立状態に戻り、漢族の民族差別に激怒するウイグル族は茨の道ながら独立へ突き進む。ならば「中国とは無縁の地」である東北三省や台湾が独立を求めたところで、何らの不思議はない。そこで著者はネット世代に焦点を当て、執権党である共産党による独裁支配の行く末を見極めようとする。著者は次から次へと「考えられないことを考え」て読者を刺激し知的に挑発する。是非一読をお薦めする。
 http://www.amazon.co.jp/dp/4286109364/

(立花書房『治安フォーラム』(12月号)より転載)
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(読者の声1)「TPPは仕切り直せ! 食糧自給、非関税障壁、対中戦略で長期的国益を図れ」
TPP(環太平洋連携協定)交渉参加の是非で、日本の国論が割れている。
米国のTPP推進の狙いは、(1)輸出拡大で疲弊した国内経済を盛り返す事、(2)中国を囲い込み、覇権拡大を牽制する事の2つである。
前者は主に経済界、後者は主に国務省・国防総省からの要求であり、米国の国家意志の中に両者が同居している。
これらを受け、TPPに対して日本が取るべき態度は以下の3点に集約される。
●10年間掛けて関税ゼロ化を進める事は、原則として受け入れてよい。
●しかしながら、「食糧自給権」を確立して基礎的食糧は自由化から除外すべきである。
●非関税障壁全廃は受け入れられず、選択的参加事項とすべきである。

◆食糧自給権と非関税障壁◆
既に発効・運用開始し、参加表明国間でも交渉が進んでいるTPPに対して上記の事を受け入れさせる事は甚だ困難であるが、受け入れられないのなら日本はTPPには参加せず、米国等との貿易自由化については別の枠組みで交渉すべきである。
 米国の狙いの一つである経済界を中心とした輸出拡大で疲弊した国内経済を盛り返す要求については、まともに付き合っていれば日本の国内はガタガタにされてしまう。
農業に関し、いわゆる商品作物については、激変緩和措置を取った上で完全自由化して構わないし、それにより国際競争によって残るべきものが残るだろう。
しかしながら、米などのカロリーベースでの食糧自給率を支える農作物は戦略物資であり、平時の生産量+備蓄+緊急時のゴルフ場等の農地転用によって極論すれば最低5年間鎖国しても自給出来る体制が必要だ。
それによって、日本の平時の外交上のバーゲニングパワーともなる。これに向け、国際法として「食糧自給権」を確立させ、基礎的食糧を定義し自由化から除外すべきである。
これについて、関税は撤廃して所得補償で対処しようと言う考えがあるが、関税は輸出国の負担になるが、所得補償は輸入国が税金で賄う事になるので、極力関税と輸入量制限で対処した方がよい。

なお、もちろん国内農業の効率を上げ、生産コストを下げる必要があるが、それは輸入自由化とは切り離し、農業への株式会社参入、所得補償の大規模農家シフト、農地相続税優遇策の兼業農家に対する縮小、宅地・商業地転用時の譲渡所得税の課税強化での農地集約等により別途行うべきだ。

非関税障壁については、先端医薬品の認可等、撤廃すべきものも数多い。
また、電波利用権の入札化や、発送電分離等、国内的には一刻も早く既得権破壊を進めて行くべき分野は数多いが、これらは安全保障を考えれば外資規制をすべき分野でもある。このように非関税障壁は、単なる関税撤廃とは違い、その国の社会構造を左右する高度に国家主権に属するものであり、分野毎に一つ一つ丁寧に守るべきものと開放すべきものを仕分けするべき事柄で、現在のTPPの「全ての非関税障壁の撤廃・自由化」の理念は受け入れるべきではない。

◆対中戦略と国益◆

国防上の話をすれば、昨年の尖閣諸島沖の漁船衝突事件を見ても、中国の太平洋への覇権拡大の意志は明らかであり、中国は日本にとって、言わば「潜在的仮想敵国」と見なしてよく、現下の状況に於いて日本には対米関係としては同盟強化以外の選択肢は無い(更に「敵の敵は味方」という外交上の黄金律からすれば、ロシア、インド、韓国とも今より強固な関係を結ぶべきだ)

話をTPPに戻せば、逆に言えば対中戦略としては、TPPは対中国と対米国及びその同盟国との関係を差別化して、中国を囲い込む事が出来ればそれでよく、日米双方の国益に適いそれ以上の自由化は不要であり、国務省・国防総省を満足させる事は可能である。

現在、ギリシャ危機によってEUがガタガタになっている。
今更だが、ギリシャがユーロに参加しなければ、ギリシャ、独仏ともに幸せだったのではないか?
貿易自由化の問題と通貨統合の問題は必ずしも同じではないが、筆者には国民の気質と歴史と文化によって成り立っている個々の国家を機械的に統一的な枠組みに押し込めるのは机上の空論である事の査証の一旦と見える。

自由貿易の基本理念は正しく、世界の経済発展の大義に適うものだ。また、米国とはWin Winの関係を強化すべきだ。
しかし基本理念に歪みのあるTPPについては、拙速な交渉参加表明は避け、今は考えを整理しつつ静観すべき時だ。日本の為政者には、堂々主張を掲げつつ、長期的な国益の追求を目指し国際情勢も踏まえ戦略的に立ち振る舞う器が求められる。
  (KS生、千葉)
 
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(読者の声2)TPPに加盟すれば、弐千六百七拾壱の長期に渡って培われてきた日本の伝統文化に基づく国體が壊れていくような気がして反対です。
ある会議も、そのことが話題に及ぶと、A氏曰く。「私は、会議には早く参加すべきと想っています。是は嘗のABCD包囲網ですよ」と応えられ、「如何しても呑めない部分を強要されれば離脱すればいい」と言う。
 一度参加しておいて国力を有しない国が、国體に合わないからといって途中で離脱するだけの力がありますか、と聞くと、「う~ん、其れは無理でしょうね、其れをすればどうゆう仕返しがあるか分かりませんね」。
 矢張り日本は早く核を持つべきですね。倫理性も惻隠の情も全く持ち合わせのない軍事大国を相手にまともな外交ができる訳がないことは歴史が証明しているではないですか、と見解を述べると、
「そうです。早く核は持つべきです。核は絶対に使用できない兵器ですが、最高の抑止力を有しますから」と田母神閣下並みの回答がありました。
 内容の情報公開もしないで、第三の開国だとか、乗り遅れたら日本経済は沈没するとか、農家は国民の税金で賄っている。国際競争力の無いこの様な構図は変えていかなくてはならない、などと国家感無き政財界人が論じていますが今の政財界の人たちは、連綿と続いてきている日本伝統の慣習など全く気に留まっていないのでしょうか。
 日本固有の文化的要素まで撤廃させられたら日本の文化防衛ができなくなってしまい、皇紀2671年の精神文化の国が、高が建国235年の物質文明の国の属国成り下がってしまう。野田総理はオバマの腹の内を読めているのでしょうか。副島種臣外務大臣の爪の垢をせんじて飲んでもらいたいものですね。
 そうそう、祝祭日には憲法記念日以外は必ず日章旗を掲揚するのですが、2日のTVニュ-スで売国奴の河野洋平が桐花大綬章受章と聞き、そんな馬鹿な、と憤慨し3日の文化の日には国旗掲揚をしませんでした。
 (北九州素浪人)


(宮崎正弘のコメント)河野洋平のライバル西岡力は政界からいなくなりました。あの人は長崎の人でしたね。選挙には強くなかったけど、独特の雄弁と、国家観は河野洋平とは異なって、しっかりしていた。

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(読者の声3)ダライラマ法王が来日され、被災地を慰霊慰問に御勤めをなさっておられます。
一方で我が国のチベット救済の気運は些か遠のいた感あり、と感じるのは吾人ばかりでしょうか。
米国が現政権で如何なる対策を講じ得るものか、多少の疑念ナシとはしませんけれども、日本の熱誠を伝えることは間接なりともTPP断念に通ずるのでは、と願って止みません。
http://kukkuri.jpn.org/boyakikukkuri2/log/eid1092.html#sequel

 現在チベットでは、僧侶や尼僧による、中国共産党の弾圧に対する抗議の焼身自殺が相次いでいます。自殺者のほとんどが、10代、20代の若い人たちです。日本ではほとんど報道されていませんが、現在のチベットは、2008年の蜂起から北京五輪に至ったあの頃よりも、ずっと陰惨で過酷な状況に陥っています。
 これを受けて、チベット在米亡命政府から米ホワイトハウスあて緊急署名が立ち上がりました。11月11日(金)までに25,000署名集まれば、米議会を動かす事が出来るそうです。
 米国人でなくても簡単に署名ができます。
 英語が苦手な私でも5分程度で署名完了しました。ところが、私が署名を完了した11月5日午前2時台の時点で、署名はまだ4,507しか集まっていませんでした。これはあと20,493の署名が不足しているということです。
  締め切りまであまり日数がありません。皆様のご署名、及び、情報拡散を宜しくお願い申し上げます。


 以下は署名の主旨メッセージです。
「中国の政府当局のNgabaのチベット地域でチベット人による自己犠牲の結果としての焼身自殺が相次いでいます。チベットへの弾圧によるチベットのこの緊迫した状況へあなた方の助けを求めこのメッセージを書いています。
 自己犠牲による抗議、宗教の自由を求めるチベット人によるこれらの行為は、中国政府の弾圧による自由を奪われた人々の絶望の象徴です。神聖なチベットへの中国による弾圧、宗教の否定はますます悪化しています。
チベット人および中国の人々の相互利益のためにチベットの問題の純粋で永続する解決策を見つけるダライ・ラマの努力を支持します。チベットへの抑制策をすべて廃止するよう、直ちに中国の政府に要求するようにあなたにお願いいたします」。
  (熊本護国生)

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(読者の声4)『放射能と理性』の著者オックスフォード大学名誉教授ウェード・アリソン博士が外国人特派員協会で行った講演につきまして前にご紹介しました。
 今回、アリソン教授へのインタビューが YouTube に載っているのをみつけましたのでご紹介します。
  http://www.nicovideo.jp/watch/1320133054
 ご覧いただけばそれこそ一目瞭然ですが、いくつか博士が強調しているポイントをご紹介します。
・今福島で起こっている問題は、被曝自体ではなく、被曝への恐怖である。
行政は住民を原発から隔離して安全にしょうとしているが、隔離することが住民を苦しめている。行政の責任だが、そのもとになっているICRP(国際放射線防護学会)の勧告が間違っていることが大きな問題である。

ICRP勧告は、可能な限り低いレベルに抑えるという考えで出されたものである。ALARA(合理的に達成可能な最低基準)であり、安全レベルではありえない。

安全レベルとは、深刻なリスクなしにどこまで高い放射線が許されるかということである。人間の放射能被害を修復する機能の最新研究からすると、100ミリシーベルト/月、1200ミリシーベルト/年というあたりは、安全と考える。福島の人々は全員帰宅させるべきである。

日本政府が国際基準に逆らう事は出来ないかもしれないが、私は英国でアカデミックな圧力をかけて行くことを考えている。ICRPの馬鹿げた基準は変えなければならない。

LNT仮説は、現在広く行われている放射線医療の現場で基本的に否定されている。

5ミリシーベルト/年以上の土壌を除染するなどというバカげたことが行われようとしている。これは常識の問題である。変な答えが出て来た時には、問題自体が間違っていると考えるべきである。

今回の事故で原発の安全性は証明された。全ての原子炉はM9の地震に耐える能力があることが証明されたからだ。津波で一つの原発の弱点が見つかったということでありこれは大変印象的なことである。チェルノブイリと比べると明らかな違いである。
あれはソ連崩壊で起きた悲劇であった。

非常に重要なポイントが、イギリスの代表的な素粒子学者によって指摘されているわけです。根拠のない放射能恐怖症におどらされるのではなく、このような理性の声に耳を傾けるべきでしょう。
(茂木弘道)
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<宮崎正弘のロングセラー>
 http://miyazaki.xii.jp/saisinkan/index.html
『自壊する中国』(文藝社文庫、672円)
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 『震災大不況で日本に何が起こるのか』(徳間書店、1260円)
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 『中東民主化ドミノは中国に飛び火する』(双葉社新書、880円)
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『オレ様国家 中国の常識』(新潮社、1470円)
『上海バブルは崩壊する』(清流出版、1680円)

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<宮崎正弘の対談シリーズ>
『猛毒国家に囲まれた日本』(佐藤優氏との対談。海竜社、1575円)
『増長し無限に乱れる「欲望大国」中国のいま』(石平氏との対談。ワック、945円)
『絶望の大国 中国の真実』(石平氏との対談。ワック、933円)
『日米安保、五十年』(西部邁氏との対談。海竜社、1680円)
『世界が仰天する中国人の野蛮』(黄文雄氏との対談。徳間書店、1575円)
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