野田首相のハラはすでに決まっています。 | 日本のお姉さん

野田首相のハラはすでに決まっています。

「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
     平成23(2011)年 11月7日(月曜日)
       通巻第3474号 
 さようならオッペンハイマー家よ、デビアスが51億ドルで全株取得
  これから中国、インドとダイアモンド業界は過酷な競争時代に突入する
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 いくたの「事件」の陰に隠れたが、異変はダイアモンド業界にも起きた。
 デビアス社はこれまでダイアモンド市場を独占してきた。ロンドンで行われる値決めは、一方的な宣告に近く、なにしろ供給を取り仕切っているのだからバイヤーは、デビアスの値決めに従わざるを得ない。
 このデビアス社は株式の過半を持つオッペンハイマー家が牛耳る。

 70年代、デビアス社にとって唯一のライバルはロシア(ソ連)だった。ソ連産出のダイアモンドは、しかしながら工業用であり、「給料の三ヶ月」などと宣伝をかけた結婚指輪や宝飾業界にとって、ソ連は敵ではなかった。

 80年代の競争は、研磨業界の異変で、ダイアモンドのデザインが勝負となって、NYカットがオランダの研磨デザインを凌駕するようになり、またイスラエルの研磨業界の市場に伸してきた。
 供給の独占はデビアスだった。

 80年代後半から90年代に異変の徴候はアフリカ諸国でおきた。
内乱、クーデター、民族紛争の直接原因は乏しい産業利権の取り合い、ここに反政府軍が鉱山を占拠したり、鉱脈がゲリラの拠点化したりした。

背後に反デビアス勢力が暗躍し、中央アフリカ、リベリアあたりで大量にダイアモンド原石が採掘されるようになると、デビアスの独占的なシンジケートを通さないで、世界市場に流れた。

 研磨と流通をにぎるデビアス・シンジケートは、これらアフリカ産出ダイアモンドを業界から排除したが、徐々に市場は蚕食され、現在のデビアスの独占度は85%に減った。工業用ダイアモンドは、ハイテク自動車、原子炉、宇宙衛星など戦略的資源であり、宝飾業界だけの狭い話ではない。安全保障にも繋がるのである。

 将来の市場の激変を見越すかのようにデビアス社は操業者一族オッペンハイマー一家の「退場」を促し、全株を51億ドルで取得した(ウォールストリートジャーナル、11月7日)。
 これにより何が変わるのだろうか?
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坪内隆彦『維新と興亜に駆けた日本人』(展転社)
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 国学の源流は契沖、本居宣長、平田篤胤、それが江戸には山鹿素行、山崎闇斎、大塩平八郎、そして、その正気の爆発は、西郷隆盛、乃木将軍、特攻隊、三島由紀夫へと繋がる。
 思想の一連の系譜は連綿としている。 
 本書は幕末から明治維新を経て、昭和維新へといたる過程で思想運動と絡み合いながら祖国のために挺身した志士群像の物語である。
 これらの志士に象徴される、おのれをすてた、命がけの行動があってこそ、我が国は救われた。
今日の日本の政治的精神的混迷は志士の不在にある。
政治家に思想性が希薄になり、理想は希釈され、グローバリズムに汚染され、いや国学的原点がまったく失われ、売国や買弁行為をしている政治家自身がそのことに気がつかない。
この愚かな状況を克服するには、国学に励んだ志士の軌跡をたどることから始めなければならないだろう。
 本書で坪内氏が取り上げたのは西郷南州から始まって副島種臣、大井憲太郎、頭山満、岡倉天心、権藤成卿などと多彩だが、杉浦重剛、荒尾精、杉山茂丸、宮崎滔天ら、比較的無名に近い人々も混ざり、まとめが内田良平である。
 西郷からはじまって内田良平でおわるという編集方針には隠された意図がある、のではないかと思いながら読み進めた。
 宮崎滔天は『三十三年の夢』を残し、アジアの革命にかけて疾駆した青春を回顧しながらも民衆の望んだアジアの平和を語る。
日本に亡命してきた康有為は、宮崎滔天の胡散臭い存在を疑い、自分を暗殺するために「孫文がおくりこんだ刺客」と信じて、滔天を疑った。
それもそのはずで康有為は当時の清朝末期を代表する知識人兼文化人、どこの馬の骨かわからない孫文などまったく評価していない。
後世の史観から視れば孫文が基軸に誤解しがちだが、孫文は当時の革命状況の中では「馬の骨」だった。康有為の動向に人々の関心はあった。清朝を内部から改革できる最大のホープだったからである。
その後、孫文の名声を高めたのは、じつは滔天の『三十三年の夢』であった。浪曲師として糊口をしのいでいた滔天をたずねて支那からも多くの革命家がやってきた。彼の楽屋には宋教仁も泊まり込んだことがあるという。宋教仁の研究は、我が国においてもちっとも進んでいないが、かれを暗殺したのは袁世凱のはなった刺客。その黒幕は孫文であっただろうというのが、こんにちに歴史家の通説である。
孫文が異様に高く評価された原因が宮崎滔天にあったというのも何かの皮肉だろう。
それを本書はさりげなく挿入している。
巻末の内田良平は、はやくから孫文のペテン性に気がつき、革命同志会の結成には自宅を開放したほどの理解者だったのに、晩年は急速に孫文から離れた。内田良平は最終的に日本の脅威はロシアだとして、シベリア鉄道に乗ってモスクワからペテルブルグまでをつぶさに観察した。
なにはともあれ、こうした志士伝がひろく人口に膾炙され、とりわけ若者に読まれることを望みたい。
本書はその入門編である。
 
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(読者の声1)貴誌のG20総括についての貴見「通貨増発しか、残された手段はないが、かの白川日銀総裁では絶望的だろう」
至言です。
では、なぜそうならないのか。ことは白川総裁だけでなく、NHK出身の財務相は論外ですが、野田首相やその背後で知恵をつけている財務官僚ら、現在の選良らに、「円という通貨は主権である」という自覚が無いかあるいは極めて薄いからでしょう。
去勢されている。ドルの従属通貨でいいと思い込むほど、調教され尽くしている。
欧羅巴経済史で、先史の奴隷経済とか牧畜とか、農法などの専門的な論争が貴誌で先にありました。
専門的過ぎたと宮崎さんは、論争止めとしました。わたしは興味をもって読み続けましたが、そこで彼ら白人が鍛えた飼育から学んだのか、統治方法が回りまわって1945年以後の対日占領中に遺憾なく発揮されたなと連想していたからです。
現在の選良らに、通貨は主権と明確に自覚できないのは、去勢された教育で育った「優等生」だからと思います。
劣等生が天下を制するのは、いつのことやら。
(SJ生)

(宮崎正弘のコメント)日本版『水滸伝』に期待ですね。ついでに拙HP表紙をご覧下さい。水滸伝の孫江が飲み干して出陣した酒瓶です。
 http://miyazaki.xii.jp/

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(読者の声2)慶應義塾「戦没者追悼会」のご案内
 学徒出陣68周年にあたり、下記の通り慶應義塾戦没者追悼会が開催されます。
一昨年に卒業生有志により始められたもので今年は三回目になります。大東亜戦争で散華された慶應義塾出身者は2,225名にのぼります。これは早稲田大学の4千数百名に次ぐ数です。
三田キャンパスにある慰霊碑に献花を行い、祖国と同胞のための戦いに殉じられた先輩英霊に対して戦争を知らない戦後世代が感謝と追悼の誠を捧げるものです。
毎年慶應卒業生以外の方々も多く参列されています。
         記
日時:  11月12日(土)13:30~14:15 (13:00受付開始)
場所:  東京都港区三田2-15-45
慶應義塾大学三田キャンパス 塾監局前庭園
     雨天の場合には第一校舎内教室で行います。
内容:  黙祷、追悼の辞、慰霊碑「還らざる学友の碑」への献花(参加者全員)その他
主催:  慶應義塾戦没者追悼会実行委員会
     代表幹事 玉川博己(昭和47年経済学部卒)
連絡先: tamagawah@fuga.ocn.ne.jp
                  (玉川博己)

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(読者の声3)TPPに反対です!
 孫正義氏が破壊した、明治伝来の歴史的建造物、三島由紀夫の『宴のあと』の舞台にもなった“般若苑”は、すでに跡形もなくなった。その彼が日本が開発したトロンの展開を妨害する等およそ我が国を利することが少ないばかりか、破壊による利益横領に熱心であったことは有名です。
 このような連中の跋扈を防ぐためにもTPP阻止に全力を傾注すべき季節かと存じます。

野田どじょうは、来週末にもTPP参加を表明する予定です。
NHKが二時間のTPP特別番組を放送しました。各ジャンルの解説者8名が、TPP問題を討論形式で意見を述べるよそ行きの番組かと思いきや。口角泡を飛ばす激しい議論になっていました。
普段、深夜に視点論点などで、かしこまって解説している方々が、同僚とシコリが残るのではないか、と心配になるほどの激しいバトルでした。賛成派の4名の解説者は、専門バカで自分の担当ジャンルでしか判断できないお粗末さ。それにひきかえ慎重派は、総合的に判断できていることで、当然反対しておりました。
その中で、労働・社会保障担当の後藤千恵解説委員が、しっかりとTPPの危険性を指摘していたのが印象的でした。 また、消費者担当の賛成派の女性解説者は、番組終了近くには矛盾点をやり込められ、顔を赤らめていました。
推進派の通商担当のオジサンは、感情的になって後藤千恵解説委員を怒鳴りつけていましたが、あれはマズいです。論理的には、すべて後藤解説委員が勝っており、解説委員の資格はありません。
皆様、野田どじょうが参加表明するにしても、取りあえず閣議決定するであろうから、TPPに反対している国民新党の亀井静香代表と自見庄三郎金融担当大臣に、FAXとメールで「閣議決定での署名を拒否してください」と、この一週間、お願いして頂ければ、取りあえずAPECでの参加表明は阻止できますので、国内外の覚醒されていらっしゃる皆様、一点集中で突破しましょう。

国民新党 亀井静香代表
https://secure.pise.co.jp/kamei-shizuka/opinion/index.php


自見庄三郎金融担当大臣
http://www.jimisun.com/enquiry.php


FAX.03-6551-0901(国会事務所)
FAX.093-531-1115(北九州事務所)
 
自民党の谷垣総裁は仙台市での集会で、TPP=環太平洋パートナーシップ協定について、野田総理大臣がAPEC=アジア太平洋経済協力会議までに交渉参加を表明することに反対し、国会決議も検討する考えを示しました。(後略)』

 民主党反対派、及び自民党他「みんなの党」を除く野党に、「TPP参加禁止」の国会決議をしてもらいましょう。そこまでやれば、アメリカの議会の方が「交渉参加批准」の手続きを進めることを中止するでしょう。ちなみに、破廉恥漢のソーラーよりも、やはり大和心に満ちた研究開発にこそ日本の未来を託すべきことを付言申し上げます。
  (熊本護国生)

(宮崎正弘のコメント)野田首相のハラはすでに決まっています。問題はTPP参加後、アメリカのように議会が締結した条約(ならびに国際公約)の批准を阻止するという、事後の対策を、いまのうちから講じておく必要が有るでしょう。

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(読者の声4)ウォール街デモの黒幕はどんな組織なのか、ネットで調べていたら興味深い記事がありました。
トロント大学の「グローバルリサーチ研究所」から出ている記事です。
『Occupy Wall Street and "The American Autumn": Is It a "Colored Revolution"?』
http://www.globalresearch.ca/index.php?context=va&aid=27053

を紹介する形で、ユーゴから旧ソ連圏に広がったカラー革命、さらにエジプト革命、ウォール街デモとの関連を指摘しています。
http://ytaka2011.blog105.fc2.com/blog-entry-225.html


まずカラー革命を先導した勢力として、アメリカのNGO、米国務省系の人権団体、「フリーダムハウス」、共和党系の「国際共和党機関」、民主党系の「全国民主党機関」、米政府系の「米国国際発展機関」、そして投資家、ジョージ・ソロスの「オープンソサエティー」などの組織があげられています。
カラー革命で大きな役割を果たした組織としてセルビアのオトポルがあり、こぶしを握り締めたシンボルはグルジア・ウクライナ・キルギス・イラン・ロシアでも使われ、エジプトの「4月6日運動」でも同じシンボルが使われている。
http://blog-imgs-45.fc2.com/y/t/a/ytaka2011/otporasi.jpg


ウォール街デモではこぶしの左右を反転させたものがシンボルとして使われています。
http://blog-imgs-45.fc2.com/y/t/a/ytaka2011/OccupyFist.jpg



さらに「オトポル」の中心人物の一人であるイワン・マロビックが、「ウォール街占拠運動」に結集した人々に演説している光景はユーチューブで見ることができる。
ウォール街デモではこぶしの左右を反転させたものがシンボルとして使われています。
http://www.youtube.com/watch?v=LkM3BBtc7N0&feature=player_embedded
http://blog-imgs-45.fc2.com/y/t/a/ytaka2011/OccupyFist.jpg


それにしてもウォール街デモの狙いはなんなのか。いろいろな解釈ができるのでしょうが、何年も経たないと真相はわからないのかもしれませんね。
  (PB生、千葉)

(宮崎正弘のコメント)「なにかある」とは思っていましたが、ソロスが黒幕と言われた薔薇革命の尾を「アラブの春」運動が引きずっていたとなると、ますます背景を調べる必要性がでてきます。
 この方面の情報の続編を期待します。
    ○◎ ◇□ ◎○

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