飼っている猫が失明したこと | 日本のお姉さん

飼っている猫が失明したこと

以前飼っていた猫たちが

おなじような年齢だったため

次々と亡くなり

猫がいない時期が一年あったが

野良ネコちゃんで

ご飯だけ食べていた子が

ある日、わたしの猫になることに決めたようで

ずっと家にいる。

野良ネコちゃんだったので

身体が弱くて病気ばかりしている。


猫エイズで猫白血病で

次から次へといろんな病気になる。


今回は

目が白くなってきて

いくら薬を飲ませても

目薬をさしても全然治らない。

動物病院の医者は

「もう、失明しているかもしれませんし、

眼圧が50なので

苦しめさせているだけです。

眼球摘出手術をした方がいいです。

治らない理由は

目の中の悪性腫瘍かもしれません。」と言う。


どれだけ頑張っても目はどんどん悪くなり

とうとう、色まで変わってきた。

あきらめて医者に

眼球摘出をしますとお願いしに言った。

手術前の検査で残っている方の目も

すでに網膜剥離で見えていないということが分かった。

だから、ご飯をあげても、すぐに飛びつかないで

においをかいでから食べていたんだ。

だから、歩き方がカメレオンみたいにゆっくりに

なっていたんだ。目が痛かったからじゃないんだ。

人間だと眼圧が40でも歩けないぐらい痛いのだそうだ。

飼っている猫が失明した。

飼い主としてはかなり辛いことなのだった。

でも、猫を飼っていない友人に言っても

反応がにぶい。

猫を飼っているB子ちゃんに言うと

すごく同情してくれた。

猫を手術前検査に連れて行くとき、

玄関口で近所のおじさんに会った。

この人は挨拶をしないと

聞こえるように

「最近のヤツは挨拶もせんのか!!」と言う人なので

「おはようございます。」ときちんと挨拶をしたのだ。

そうしたら、急に

「回覧板きた?」と聞く。

なんで、おじさんがそんなことを聞くのだ。

回覧板なんかおばさんたちが回すものではないのか。


「後で回しておきます。」と答えたら


去り際に

「いつまでかかっとんねん!!」と言って去っていた。


人が飼っている猫が失明して悲しみのどん底にいるのに

なんという憎たらしいことを言うのだろうと思った。


他人とは、わたしのことを全く理解していない人種のことで

やはり大切なのは友人なのだと思った。


B子ちゃんは、わたしが猫を検査のために病院に預けた後、

家に呼んでくれて、晩ごはんも出してくれて

次の日の会社の弁当まで作ってもたせてくれた。

本当に涙が出るほど嬉しかった。

目の見えない猫をどうやって

幸せにできるのか分からないが、

できるだけのことはしてあげようと思う。


目が見えなくても幸せな瞬間がたくさんあればいいなと思う。

今は、目が見えない人や

自分の子どもが目が見えなくなった親の気持ちが分かる。

わたしの猫には、障害があっても、

一生懸命生きてほしいと思う。

手術日は、医者が忙しすぎて

まだ先なのだが、眼圧70では相当痛いはずで

わたしの猫は、身体を触ると不機嫌そうな声を出す。

動物病院の医者に

「失明したのはわたしのせいでしょうか。」とつい聞くと

「いや、この子は猫エイズで猫白血病なので

そのせいで失明したのだから

飼い主さんのせいではないです。」と言ってくれた。

でも、B子ちゃんのママに言うと、

「誰も、そうや、あんたのせいやとは

思てても言えないやろ~。」と言っていた。

そうだよね。

B子ちゃんは、

「過ぎたことを言っているより、自分の家を

失明した猫ちゃんが過ごしやすい環境に変えた方がいいんちゃうか?」と

言っていた。