日本の失敗って、政治家が働かないってことです。
「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成23(2011)年 10月24日(月曜日)参
通巻第3456号
うんと余計なお世話ではありますが
TIMEが「西側諸国は日本の失敗から学ぶべきだ」と
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いま欧米のメディアで頻出する語彙に「ジャパンシンドローム」。これは暗い、悪い意味で使われ、「回復見込みなし」「衰退一途」のタグ同様に、後ろ向きの印象が刻印されている。
以下はTIME最新号(10月31日号)のコラムから。
「日本の不況は構造的な要因、それも官僚機構によるものであって景気循環的要因ではない。つまり日本の政治意志の不在による」という。
この分析は正しいが、その中身は間違いが多い。
曰く「自由貿易に依拠しながらグローバリズムに乗り遅れた」「農協など少数の圧力団体に振り回され改革が進まなかった」。
だから日本は失われた二十年になったと総括している。
このTIMEのコラムを書いたミカエル・シューマンは日本の実情に疎いらしく、左翼リベラルの論調を勉強もしないで引き写している嫌いがあるが、これらの日本の失敗を捉えて、「欧米が日本と同様な失われた十年を回避するためには日本の失敗に学ぶべきだ」という点は正しい。
つまり米国の予算シーリング、西欧のユーロ問題と銀行救済への解決ののろさを「政治決断の欠如」(これがジャパンシンドローム)と捉えているポイントである。
日本も「政治意志」が欠落して失速した。そしていまも「政治意志」が欠落したまま、米国の圧力を前に円高不況に喘ぎ、TPPに安易に加盟しようと愚劣な政策をすすめようとしている。
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読者の声 どくしゃのこえ 読者之声
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(読者の声1)貴誌3454号所載の樋泉克夫氏「知道中国」コラム、655回の最後に、中国人が「中国国旗はなぜ、同胞の血に染められなければならないのか?」
という述懐には多少の同情の念を禁じ得ません。
小生、2ちゃんねる等で、国旗を侮辱する反日左翼の常套句「日の丸の赤は・・に殺されたアジア民族の血云々」には、「シナの国旗の地色の赤は、共産党に殺されたシナ人民の血の色だ。その証拠に年々どす黒くなっているだろう。」と嫌味を書き込んでいましたが、シナ人自身がそのように思っていたとは知りませんでした。
殺戮大陸のシナでは当たり前のことかもしれませんが、この中国人の言葉が日本にはなかなか、伝わってこなかったのが問題ですね。
(GV2)
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(読者の声2)貴誌前号カダフィをめぐる投書への感想です。
逃亡先でカダフィが民兵の手にかかって射殺されました。臨時政権は国民に彼の死体を見せています。どこかで生き延びていると言う伝説を予防するためでしょう。
このあとどうなるのか。
私は昔、中東に住んでいたことがあるので多少関心があります。
中東通の小池百合子議員は「今後の政権は綱渡り状態になるだろう」と述べていますが同感です。
中東の文化風土は、「アッラーは信じるが人は信じない」という絶対不信です。
カイロには中世の城砦がありますが、ここでは昔、地域豪族の仲直りの手打ち式があるました。しかし参加したものは皆殺しになりました。主催者の罠だったのです。
中東五千年は裏切りと流血の歴史でした。
西側から「肉屋」と呼ばれるような独裁者が反対勢力を殺し国民を威嚇して統治してきました。ということで、誰もが西側流の民主主義は難しいと考えているようです。
価値観も日本とは全く異質です。
土管に逃げ込みイタチのように殺されたカダフィは日本人には往生際が悪いように見えますが、これは、殉教以外に自殺を認めないイスラム教の教えと最後まで生存の機会を探す民族性のためかもしれません。
今から30年前のカイロでもカダフィは評判が悪かった。出稼ぎに行って帰ってこないものもいた。恐怖暴力政治で支配していたからです。家族を殺された多くの国民の恨みつらみは深い。
いま歴史は、リビアに新しい独裁者を準備しているのでしょうか。
情報拡散の時代、極東にも独裁政権打倒の動きが波及してくる可能性があります。
(東海子)
(宮崎正弘のコメント)ついでながら小池百合子議員は中東では「日本の論客」として知られ、たとえばアルジャジーラには彼女の英文の論考が掲載されています。
http://english.aljazeera.net/indepth/opinion/2011/08/20118221490136212.html
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(読者の声3)緊急集会のお知らせです。
「国家主権の尊厳を回復せよ――無法韓国を許さず」
第5回 「守れ!わが領土」国民決起集会
記
とき 10月25日(火)午後6時半~9時
ところ 牛込箪笥(うしごめたんす)区民ホール
東京都新宿区箪笥町15番地(都営地下鉄大江戸線「牛込神楽坂」駅A1出口徒歩0分。東西線「神楽坂」駅2番出口徒歩10分)
登壇者 有志国会議員(新藤義孝、山谷えり子ほか)・地方議員
加瀬英明(日本の領土を守る会代表・外交評論家)
小山和伸(メディア報道研究政策センター理事長・神奈川大学教授)
下條正男(拓殖大学教授)
諏訪邊泰敬(県土・竹島を守る会会長)
平田文昭(日本の領土を守る会・アジア太平洋人権協議会代表)
西村眞悟(前衆議院議員)ほか数名
参加費 無 料(浄財歓迎)
主 催 日本の領土を守る会(代表・加瀬英明)
東京都千代田区平河町2-16-5-302 高池法律事務所気付
問い合せ080-5078-2965(藤本隆之)
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(2)「高杉晋作をささえた陰の男=白石正一郎」(『別冊正論』発売中)
(3)「ユーロ危機は世界恐慌になるか」(『月刊日本』十一月号、発売中)
(4)「文豪ミシマと金沢の接点」(『北国新聞』、北風抄、10月25日付け)
(5)「中国新幹線を乗りつくす<12>北京から上海へ」(『エルネオス』11月号。10月下旬刊)
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