頂門の一針 | 日本のお姉さん

頂門の一針

小鳩グループ依存の党役員人事
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          古澤 襄

小沢系の輿石幹事長、輿石氏が指名した樽床伸二幹事長代理、鳩山氏に
近い平野博文国対委員長・・・どうみても党の中核は小鳩グループに明
け渡したとしかみえない。これが「挙党態勢」なのだろうか。

鳩山政権は党に小沢幹事長を据え、内閣は鳩山色を出す工夫をこらした
が、野田首相は閣僚人事で”野田色”を出すつもりなのかもしれない。
それにしても代表選挙で野田氏に票を投じた人たちには不満と疑問が残
る野田人事だった気がする。

<民主党の野田佳彦代表(54)は30日午後、衆参両院本会議での首相指
名選挙で菅直人首相(64)の後継となる第95代、62人目の首相に選出さ
れた。

党役員主要4ポストの人事では、幹事長に輿石東参院議員会長(75)、
政調会長に前原誠司前外相(49)を決めた。

国対委員長に平野博文元官房長官(62)、幹事長代理に樽床伸二国対委
員長(52)が就く。輿石氏は小沢一郎元代表(69)に極めて近い「バ
リ小沢」だが、野田新首相は掲げる「挙党態勢」を重視した。

宣言通りの「ノーサイド」。野田氏は役員人事に関して記者団に「党を
挙げた態勢をつくり、国民のためにしゃにむに働く政治を実現していく
のが狙いだ」と説明。「バリ小沢」の輿石氏についても「参院をよくま
とめ、求心力を持つ。衆院を含めた全体をまとめる力がある」と述べた。

野田氏は、子ども手当て見直しなどをめぐる自民、公明両党との3党合
意に関し、輿石氏と順守を確認したことも明らかにした。

党人事をめぐっては、30日昼に国会内で輿石氏と会談し、幹事長就任を
打診、その後、党本部での再会談で了承を取り付けた。輿石氏は民主党
結党以来、参院議員の幹事長起用は初となる。

また、政調会長には代表選を戦った前原氏に就任を要請し、こちらも受
諾。さらに国対委員長には平野氏を指名した。平野氏は鳩山由紀夫前首
相に近い。

幹事長代理の樽床氏は輿石氏の“ご指名”とされ、テレビ出演など“表”
の仕事を担うとみられる。スムーズな新政権の船出には、まず党内融和
という野田氏の狙いだ。31日午後の両院議員総会で正式決定する。

輿石氏は記者団に「いろいろ考えて、引き受けることにした」と述べた。
参院議員会長は辞任せず幹事長と兼務。必要に応じて参院議員会長代行
を置く。小沢氏周辺は「輿石幹事長」に賛意を示している。

輿石氏は小沢氏と定期的に会合を開くなど連携を取ってきた「バリ小沢」。
野田氏は党内基盤の強化に向けて、小沢氏の協力を取り付ける際の重要
なつなぎ役を期待している。

輿石氏は「党内融和に全力を尽くす」と強調。小沢氏の党員資格停止処
分見直しを主張してきたことについては「私の考えは変わっていないが、
民主主義のルールとして時機を見て党内で議論されるだろう」と柔軟に
対応する意向を示唆した。

政調会長への就任が決まった前原氏は「それぞれの思い受け止めて政策
をまとめ、前に進めたい」と述べた。閣僚は兼務しないとの認識も示し
た。

代表選の決選投票で野田氏支持に回った前原氏については、外国人献金
問題を抱えていることもあり「入閣すれば国会で野党の攻撃にさらされ
る」(党関係者)ことを考慮。代表経験者ながら政調会長起用を決めた。
(サンスポ)>
2011.08.31 Wednesday name : kajikablog



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輿石氏の幹事長起用は信を失う
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       阿比留 瑠比

野田新首相、指名早々男を下げた! 

野田佳彦新首相も「一つ穴のムジナ」なのか。鳩山由紀夫前首相、菅直
人首相-と2代続いた虚言癖、場当たり主義、言ったことをすぐに忘れ
る健忘症にはうんざりだったが、新首相は衆参両院の首相指名を受けて
早々に男を下げた。

もちろん民主党ナンバー2の幹事長に「日教組のドン」である輿石東参
院議員会長の起用を決めたことによってである。小沢一郎元代表に近い
輿石氏を重用することで党内融和を図る意図は読み取れるが、保守政治
家を自任していたのは一体誰だったか。のっけから年来の主張を放棄す
るようでは前任者2人と変わらない。

「思惑ではなく思いで、下心ではなく真心で、政治を前進させるときだ」

新首相は29日の党両院議員総会でこう訴えた。意識したかどうかはとも
かく、思いは見えなくとも思惑は誰にでも見え、心は見えなくとも下心
は丸見えだった菅氏への痛烈な皮肉だった。

だが、輿石氏の起用は、新首相が否定した「思惑」「下心」そのもので
はないか。新首相は「柔道部時代も政界でも寝技は苦手だ」とも語った
が、この人事は「立ち技」とは言えまい。

かつて新首相は道徳心の重要性を強調し「やりたかったのは文部科学相」
と語っていた。まさか道徳教育を否定し、文部行政をゆがめてきた日教
組と仲良くやりたいから文科相を望んだわけではなかろう。

新首相が平成21年7月に出した著書「民主の敵-政権交代に大義あり」
(新潮新書)でも「自衛官の倅(せがれ)」として小学校時代の体験を
こう振り返っている。

「自衛官の子供に対して『あなたの父親は人殺しを仕事にしている』と
言った教師がいた、というような話はよく伝えられていますが、実際に
そういう雰囲気がありました」

自衛官の子弟である弊社記者も小学校時代に日教組の教師から「○○君
のお父さんは自衛官です。自衛隊は人を殺すのが仕事です」と言われて
不登校となった。新首相も日教組の卑劣さを誰よりも分かっているはず
だ。

新首相はこれまで何を主張してきたか。北朝鮮には「断固たる態度をと
るべきだ」と主張し、いわゆるA級戦犯は「戦争犯罪人ではない」とす
る政府答弁書を尊重してきた。

政府が「権利は保有しているが行使はできない」と矛盾した見解をとる
集団的自衛権の解釈見直しを訴え、新憲法制定を提唱する。永住外国人
への地方参政権付与についても明確に反対の立場だった。

ことごとく日教組の主張と相反するではないか。新首相は在任中ずっと
ほおかぶりを決め込むつもりか。自らの主義・主張の根本を曲げるよう
であれば、何のために首相の座に就いたのか分からない。

「震災からの復旧復興、原発事故の収束、円高デフレ対策等々、たくさ
ん課題がある」

新首相は30日の党代議士会で新政権の課題についてこう語った。いずれ
も急を要する課題だが、一つひとつ解決していくには、何よりも首相の
言葉への信頼が不可欠となる。指導者に信がなければ、進むものも進ま
ないということは鳩山、菅両氏が証明してくれた。

つまり国民の信を得たいと欲するならば、両氏を反面教師にして正反対
の姿勢を貫けばよい。自分の言葉に誠実に、嘘をつくことなく正面から
向き合えばよいのである。

くしくも30日は、民主党による政権交代2周年。新首相は「私は断言し
ます。政権交代には大義がある」と著書をこう締めくくるが、内向きな
党内融和を優先することは大義でも何でもない。
(産経ニュース 2011.8.30 23:47 )



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小沢「派」で再結束
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     渡部 亮次郎

民主党代表選挙で又も負けた小沢氏は、かくてはならじと小沢「派」の
結成に踏み切ることを表明した。じつは小沢氏支持のグループは3つも
在り、鳩山G所属の海江田を担いで臨んだ今度の代表選挙でも1回目の
投票で143票をまとめてトップとなった。

しかし決選投票では積み重ねに失敗、あえなく敗戦となった。つまりグ
ループという結束力の弱い集まりでは「戦力」にはならないことを痛感
させられたわけだ。

思えば嘗て角栄の下での田中派は、結束力の強さが戦闘力となった。嘗
ての大平正芳幹事長対福田赳夫現職首相による「大福戦争」では、当初、
大平は全く不利と見られていたが、カミソリ後藤田指揮による軍団の絨
毯攻撃で、福田を総理の座から引きずり降ろすことに成功したものだ。

嘗て田中派にいてこれをつぶさに見た小沢氏は、「やはり派閥で無いと
結束力に欠け、戦闘力にはならない」と今回、苦く振り返ったのだろう。

3つのグループを一つにまとめたうえに会長になって先頭に立つというの
だから「軍団」の発足を思わせる。

小沢氏がこのように決意した事は、当面はともかく、来年の代表選挙を
めざして刃を研ぎ始めたことを意味する。30日にめでたく首班に指名さ
れた野田氏、褌をきつく縛らないと、小沢氏によって嘗ての福田赳夫に
されかねない。


<小沢氏が3グループを統合 会長就任へ 結束強化急ぐ

民主党の小沢一郎元代表は30日午前、衆院議員会館内で小沢グループの
幹部約30人を集めた会合を開き、衆参で3つに分かれているグループを
統合することを決めた。

近く発足する新グループは100人を超える規模の勢力となり、小沢氏が会
長に就く見通しだ。

小沢氏は幹部会合で「私がグループをまとめて、今までにできなかった
ことをやる」と述べ、今後は自身が活動の前面に出ていく意向を示した。

代表選の敗北による求心力低下が背景にあり、小沢氏はグループの結束
強化を急いでいる。

小沢グループは衆院当選1回生でつくる「北辰会」(約50人)、衆院の
当選2~4回生でつくる「一新会」(約40人)、参院小沢系(約20人)
に分かれており、連携不足が指摘された。

会合には3グループに属さない原口一博前総務相、山岡賢次副代表、山
田正彦元農水相も出席した。>
(産経ニュース 2011.8.30 13:01