日本政府も事故をたまに隠蔽しようとするらしい
2011年08月12日
封印された「東京湾炎上」
「液状化で油や劇物が海に大量流出する」
編集部 岡本 進
封印された報告書の名称は、こうだ。
「臨海部の地震被災影響検討委員会報告書」
東京湾の整備を担当する国土交通省関東地方整備局が発足させた有識者委員会が2年間かけて検討し、2009年3月に策定した。7人が委員を務めた。液状化の港湾被害まで言及した報告書はA3判25枚にのぼる。
詳しい内容は後述するとして、被害の大きさを指摘した報告書に加え、対応策をまとめた「提言書」も併せて策定された。だが、こちらも日の目を見ることはなかった。
「一生懸命協力したのに、なぜ公表しなかったのか。いまだに腹が立つ」
当時の委員の一人は取材に、こう答えた。
首都直下地震が起きたとき、甚大な被害を懸念されているのが東京湾の臨海部だ。発電所、石油化学、鉄鋼などのコンビナートが集中し、タンクが立ち並ぶ。
東京湾内に、いったいどれだけの石油タンクがあるか。
昨年4月の時点で、5580基だ。その9割は千葉県市原市を中心とする京葉臨海中部(2901基)と、川崎市を中心とする京浜臨海(2084基)の2地区で占める。
東日本大震災があった3月11日、市原市のコスモ石油の製油所で起きたLPG(液化石油ガス)タンクの爆発火災は、住宅地に近いコンビナート災害の危険性を、まざまざと見せつけた。
原発事故の陰に隠れてしまったが、周辺の約8万人の地区に市から避難勧告が出され、1142人が避難している。
「これだけですんだのは奇跡」
独立行政法人「海上災害防止センター」(横浜市西区)の萩原貴浩防災部長は、そう話す。
火災時に真っ先にかけつけ、消火活動の中心を担ったのがセンターの消防船だった。危険すぎて、市の消防本部も海上保安庁も容易には手を出せない。海上火災の特殊任務を負うセンターでは、幹部消防職員の教育機関である消防大学校の訓練も請け負っている。
萩原部長が最も心配したのは、爆発で飛び散ったタンクの破片が周辺事業所のタンクに突き刺さって炎上し、そこからまた破片が飛び散ってタンクの爆発が連鎖的に広がることだったーー。http://www.aera-net.jp/summary/110812_002519.html
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