中央アフリカと南西アジアも近いってゆーとるがな。 | 日本のお姉さん

中央アフリカと南西アジアも近いってゆーとるがな。

ツタンカーメンの遺伝子解析:ぶっちゃけこれってインド・ヨーロッパ語族みたいなもんだよね…
http://55096962.at.webry.info/201108/article_6.html


<< 作成日時 : 2011/08/04 19:20 >>
.欧州男性の半数、ツタンカーメンと同じ遺伝子ルーツ


めんどくせー!

これは絶対、荒れる。ていうか、この書き方は大炎上確定だ(笑


前にもYoutubeネタとして書いたけど、欧米というか特にアメリカでは、白人至上主義への反発から、「アフリカにも高度な文明があったんじゃい」という黒人至上主義な人が一定数いて、古代エジプトは「偉大なるアフリカ」の象徴の一つとして捉えられている。彼ら的には歴代ファラオは黒人だということになっており、なのでファラオが白人に見える書き方をされていたり、白人に近いという研究が成されたりすると、陰謀だ! とか うそつきめ! とか、すごい勢いで非難が殺到するんですな。

で、日本人は黒でも白でもどーでもいいよと思っているので、こういう配慮のない記事でも平気で載せちゃうんだろうなあ。



ロイターの英語配信でも「Half of European men share King Tut's DNA」(King Tutはツタンカーメン王の海外での一般的な呼び方)となってはいるのですが…

その内容を見ると。



The results showed that King Tut belonged to a genetic profile group, known as haplogroup R1b1a2, to which more than 50 percent of all men in Western Europe belong, indicating that they share a common ancestor.



あんま遺伝子関係は詳しくないんですが、まず基本知識として、同じ突然変異を持っている=同じ祖先から分岐した とみなす考え方があります。原発事故がなくても、あらゆる生物の細胞は一定確率で変異します。(コピーミスが発生したり、紫外線や酸素で損傷したりする)

で、膨大な遺伝子コードの中で、別々の人に同じ箇所が同じ変異を遂げるってことは確率としてまずありえないので、同じ遺伝子の配列ミスを持っている人たちは、過去に同じ祖先から発生したと仮定されます。

そうしてたどっていくと人類がどのように世界中に散らばっていったのかが分かるわけですが、現在では人類の祖先はアフリカから旅立っていったという単一起源説が優位なので、ぶっちゃけ、遡ればどっかで同じ祖先になります。

遡る時間を指定しなきゃ、日本人とでも共通の祖先に辿り着くはずなんだがな。(笑) そこはそれ、書き方と考え方の問題。

で、今回は1万年くらい遡ればヨーロッパ人と古代エジプトのファラオの共通の祖先に辿りつけるよーって話で、その遺伝子の合流地点が中央アジアのコーカサス地方だったと…。



相変わらず日本語記事はなぜか元ソースの情報を削って情報量減らしやがってますが、問題の共通する遺伝子グループは「R1b1a2」だそうです。

検索してみると…
http://en.wikipedia.org/wiki/Haplogroup_R1b_(Y-DNA)





( ´_ゝ`)<・・・・・・





( ´_ゝ`)<・・・・・・・・・・・・・・・・・




「R1b1a2」のグループ分布を見ると、

Wales 92.3%
Spain Basques 87.1%
Ireland National 85.4%

一番近いのアイルランドとウェールズのケルト人に見えるんだけど(笑) 「ヨーロッパ人の遺伝子グループ」っつーか大陸じゅうに散らばったケルト系の遺伝子ってことだよねコレ。

ていうか、


Haplogroup R1b. Mainly found in Western Europe, Central Africa and South West Asia.


中央アフリカと南西アジアも近いってゆーとるがな。
なんか、「インド・ヨーロッパ語族」とほぼ同一のアバウトかつ広範囲な意味にとか捉えられないんすけど。



気になってるのは、現在の西アジアにこの遺伝子グループに属する人があんまりいないっぽい、ってことかなあ。
この記事では書いていないんだが、ツタンカーメンの生きた第十八王朝ってのは、かなりの割合で西アジア系の血が入ってるはずなんですよね。同盟していた西アジアの国々の王女を、王妃として多数迎え入れてたから。

ツタン様とパピーの遺伝子情報に、本当にコーカサス出身のケルト系(ゲルマン系も同じコーカサス起源と言われるが)が入ってるんだとしたら、一体どこから王妃を迎えたんだ…? てか、それってアメンホテプ3世の血なんだろうか。ティイ王妃の血なんだろうか。

とりあえず、あれですね。

たぶん、この話題は海外掲示板ではめっちゃ荒れると予想。大元のソースも当たってみたいけど、遺伝子学の用語が分かりまs(おい


****

つづき。調査してみたら意外な事実がっ!
http://55096962.at.webry.info/201108/article_7.html


ツタンカーメンの遺伝子解析「ヨーロッパ人に近い!」→実は遺伝子調査キットを売るための戦略?!
<< 作成日時 : 2011/08/04 19:52 >>
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さっきUPしたエントリの続報。

ツタンカーメンの遺伝子解析
http://55096962.at.webry.info/201108/article_6.html


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調べていたら何か面白いものが出てきたぞぉう。

Company Claims to Decode King Tut's DNA By Watching the Discovery Channel
http://www.livescience.com/15388-discovery-channel-tutankhamen-dna.html


まず調査を行ったスイスの「iGENEA」なる会社は、民間の会社。なので、この説を発表した「スイスの考古学者」とは、ここの会社に雇われてるいわゆる御用学者なんですね。

根拠としているのはディスカバリーチャンネルで放映されたツタンカーメンのDNA調査番組ということなんですが、この番組の研究にたずさわった研究者は「うちらはそんなの判断出来る情報公開してねぇ。調査結果は非科学的」と反論している模様。

番組名は出てないですが日本語でも放映されているとしたら、↓コレかな?
http://55096962.at.webry.info/201004/article_20.html



…確かに画面上に遺伝子解析結果が映しだされてますが。
まさか、この画面キャプチャを根拠にしているというのか(笑) そらー学者からクレームつくわな。

ちなみに、この番組はツタンカーメンの両親を特定し、家系図を作ることを目的としたものでした。なので、ミトコンドリアDNAなどの「女系」遺伝子は母親特定に使われ、今回話題にあがっているY遺伝子は父親候補のアクエンアテンを照合するために使われています。





ここの画面に表示されている「15領域」というのが、iGENEAが根拠にした部分かと。
ただ、これは父親を特定するための調査であり、遺伝子ハプロタイプを特定するためのものではありません。 遺伝子学は一般人レベルな私がちょいと調べた限りでも、これだけだとハプログループの正確な位置づけはわからんのじゃないかと…。


そしてアフリカにもR1タイプの遺伝子は分散しているので、普通に考えるとツタン様の父系遺伝子っていうのはナイル流域を通ってアフリカ中央部に戻っていった人たちのような気がする。


しかも、ツタンカーメン王の親戚を探すプロジェクトと称して、同じ遺伝子マーカーを持つ人を洗い出すため「みんな遺伝子調査に来てね!☆」呼びかけをしているので、お前らテキトーなこといって自社の宣伝してんじゃねーの、とまで言われてます。なるほどねー。上手い商売考えるもんだなぁ。(おい)



iGENEAの遺伝子調査、おねだんはベーシック129ユーロ、プレミアム399ユーロですってよ!!
わぁおお高いー。><
http://www.igenea.com/en/index.php?c=62



てか、商売の売り文句なんじゃないかと考えると、なぜ「ケルト系の遺伝子」って言わずに「ヨーロッパ人の半分がツタンカーメンと同じグループ」って言ったのか分かるんですよ。全体の50パーセントって言われたら、自分も入るかもって思うもんな。90パーセントの地域と10パーセントの地域の平均値は50パーセントだもんな。なるべく沢山の人に遺伝子調査で自社製品を使ってもらいたかったら、「ヨーロッパ人全体で50パーセント!」って言ったほうが釣れるよな。

やっと腑に落ちたですよ。



で、何かいろいろ書こうと思ったけど、海外の考古学マニアサイトで既にフルボッコにされていたので、iGENEAとかking tut とかで適当にググってください…。

今回は、名指しされたヨーロッパの人たち自身がわりと冷静に「ねーよwwww」って言ってるおかげで、いつもに比べ「人種差別主義ガー」みたいな紛糾は少なめです。一歩間違ったら炎上マーケティングですよコレ。


Y遺伝子のハプログループは古い順にAから番号がついているらしく、今回話題になっているR1系はわりと新しい分離グループのようなんですが、それでも散らばっている地域は広範囲です。そんな中、遺伝子のカテゴリを単純に「アジア」とか「ヨーロッパ」とか「アフリカ」とかのカテゴリ分けするのはおかしい。

そのようにツッコミ入れてるブログがあったけど、まったくもってそのとおりだと。てか、ツタンカーメンの遺伝子グループだと言ってる「R1b1a2」が、ヨーロッパのみならずアジアとアフリカにも存在する事実をマスキングして意図的にヨーロッパ系だと思わせちゃダメだよな。

http://dienekes.blogspot.com/2011/08/igeneas-king-tut-claims.html




ちなみに、ツタンカーメンのDNA調査に関するオリジナルの論文はこちら。
本来であれば、ディスカバリーチャンネルではなくこちらをソースにして発表すべきものなんですが…

Ancestry and Pathology in King Tutankhamun's Family
http://jama.ama-assn.org/content/303/7/638.abstract



中身全部は見てないですが、この中でiGENEAが主張する結果を導き出せるような遺伝子情報を公開していないんなら、これらのツッコミは正しいと思われます。


…や、たまにこういうことがあるから、気になるニュースは自分でソースを当たらなきゃだめだとつくづく思う(笑)



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<余談>

ミイラ作るときに香油とか薬品を大量に使うので、化学変化を起こして遺体f損傷します。なのでツタン様の遺伝子を取るのはかなり大変で、とれたものの中でも有効なものが殆どなかったようです…
途中で盗掘された遺体は、薬品の染みこんだ包帯を一回ひっぺがされて再埋葬の時に巻き直しているので、未盗掘のものより状態がいいという皮肉な結果に。(ちなみになぜ包帯をひっぺがすかというと、包帯の中に高価な護符を巻き込むので、盗掘人がそれを狙うから)

ツタン様のご遺体は歴代ファラオ様の中でもあまり状態よくないです。ただ、完全に骨と化しているパパ様や、遺体が砂に帰りかけている異母姉妹(王妃候補)よりはマシかも…くらい。

採取した遺伝子情報は骨髄内部からのものなので、ミイラ化されたことは、遺伝子保存にはあんまり関係ないと思います。砂漠なんで乾燥してたってことのほうが、でかいかな…。

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朝のニュース「す・またん」で、辛坊さんが、

今エジプトにいる人たちは、昔のファラオと全然違うタイプのDNAを持った人ばかりと言っていました。エジプト人は、どこへ行ってしまったのでしょう。

今いるエジプト人はただのトルコ系アラブ人。アラブ語をしゃべるイスラム教徒の国になっている。だから、昔からいるコプト教の人たちを襲って殺したり、教会を焼いたりするんだね。遺跡に関してもそんなに関心が無いみたいだし。

エジプトはアラブ系の人間に乗っ取られてしまってます。

日本も、知らない間に別のDNAタイプの人たちに乗っ取られて日本人でない人たちが日本人面して住んでいるようになったら嫌だな。

その人たちがウソツキで怒りっぽくて、人を殺したり泥棒したり売春するのが平気な人々で、仕事は不真面目で独創性がなくていい加減で、パクリ商品を安く売り、人を人と思わず、プライドも無く、自然を破壊することをなんとも思っていなかったら、

日本は日本ではなくなるね。