中国は円建て資産を四倍にしていた。日本国債は10兆5000億円を保有し、円高メリットを享受
「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成23年(2011) 8月4日(木曜日)
通巻第3387号 (8月3日発行)
中国は円建て資産を四倍にしていた
日本国債は10兆5000億円を保有し、円高メリットを享受
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米国の三大格付け機関(S&P,ムーディズ、フィッチ)が、そろいもそろって米国債の格付けを据え置いたのは政治的判断以外の何者でもないだろう。
上限枠の増額をきめて、ようやく危機を逃れたとはいえ、市場は株安、ドル安、ユーロ安、円高という荒々しい反応を示した。
S&Pなどが、これまでに日本国債を意図的に2ランクも下げたりの、対日悪意も読み込める。政治的操作ではないか。
ところで、今回だけは中国の格付け機関が正しかった。中国唯一の格付け機関である「大公資評公司」は、米国債権のグレードをAプラスからAに下げ「警戒を要する」としたのである。
さて、中国は日本国債をじわりじわりと購入してきたが、2010年末に10兆5000億円分を保有し、日本株も3兆4200億円、合計で10兆4100億円を日本の投資に使っていたことが分かった。
この間に円は33%上昇し、中国はそこそこの利益を出しているはずとアジアタイムズが報じている(同紙、8月2日付け)。
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TDラッキー、茂木弘道訳『放射能を怖がるな!』(日新報道)
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日本でガン治療にもっとも効果的といわれる温泉は秋田県の山奥にある玉川温泉だ。日本中から評判を聞いて何ヶ月も湯治にくる老若男女ひきも切らず、温泉には自炊施設もあり、ボロ着にゴザといういでたちで岩盤浴。ラドンである。
「?」。
つまりある程度の放射能はガン治療に効果があるのだ。(脱線だが評者(宮崎)も、玉川温泉に行って三日ほど、のんびりお湯に浸ったことがある)。
鳥取県の三朝温泉では、ラジウム温泉にかかる人と、ガン患者の全国平均を比較したら、三朝温泉でのガン発生率は半分以下だった。
セシウム含有の牛肉は健康に良いという専門家がいる。
広島・長崎で被爆した人の多くが、余生を健康に生きたし、いまも健康そのものの人がいる。
となると、福島原発の報道はおかしくないか?
まさに「幽霊の正体みたり、枯れ尾花」かも。
著者のラッキー博士はミズーリ大学名誉教授。アポロ計画にも参加した。宇宙飛行士が浴びる放射線量は毎時45マイクロ・シーベルトだとして、かえって健康に良いとする衝撃論文を書いた。本書はそうした博士の論文を鋭意あつめて翻訳、解説したもの。
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◎書評 ♪
福富健一『重光葵 連合軍に最も恐れられた男』(講談社)
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杵築藩は親徳川だった。これほど見事に美しくレトロな雰囲気が漂い、ゆったりとした城下町がのこるのは、奇跡かと思うほど、杵築の町並みは映画に出てくるよう。多数の武家屋敷も残る。四年か五年前、大分に講演旅行の帰り、空港へ送ってくれるハイヤーに追加料金を支払って、前から見たいと思っていた杵築城下をじっくりと見た。城跡にものぼった。
そのとき直感的に、人気作家の佐伯泰英氏が描く「居眠り磐根江戸草紙」シリーズの主人公の父が治める架空の城下町は、おそらく、この杵築がモデルに違いないと評者(宮崎)は独断した。
さて本書の主人公=重光葵は、まさに「葵」のマークをつけて、この杵築城下に育った。父親は藩の漢学者だった。尊王攘夷派で藩からにらまれたほど骨太の哲学があった。
だから重光葵には外交の基本哲学にド根性が備わっていた。テロに襲われて片足を失っても信念を曲げず、暗殺を恐れず、東京裁判で禁固七年。釈放後、大分から出馬し、いきなり外務大臣。国連復帰のとき、重光が外務大臣。しかも重光はミズーリ号の降伏文著調印のときの全権。屈辱から栄華へ。
「重光は三国同盟に反対し、日米開戦に反対し、戦争の継続に反対した。それでも、日本のために活路を求めた。それがビルマ路の閉鎖であり、対支新政策であり、大東亜共同宣言であり、鶴の一声であり、降伏文書への調印である。日本の名誉を守り、マッカーサーの軍政さえ拒否している。今の我々よりも遙かに誇り高き生き方を通している」と著者は感嘆の声を上げる(本書286p)。
この人物はいったい何者で何を考えていたのか、福富さんは東条英機の追跡のあと、新しいテーマに措えた。
まもなくやってくる敗戦記念日に、ふさわしい一冊である。
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(読者の声1)駅前の書店まで行って、今週の『週刊現代』(8月13日号)を買い求め、宮崎先生の中国新幹線試乗記をまっさきに拝読しました。北京―上海間は『グランクラス』に乗られた写真まで掲載されていて、驚きでした。ともかく、事故以来、ニュースはあふれていますが、実際に中国新幹線のほぼ全部に試乗された宮崎さんの現場からの報告は、ほかのメディアとちがった生の声。たいへん参考になりました。
(UU生、山形)
(宮崎正弘のコメント)週刊誌というのは、月刊や単行本と異なり即時的反響があるものですね。たまたま小生が中国新幹線を乗り歩いていることを講談社北京現地法人の知り合いがよく知っていて、編集部に乗車記を書かせたらと推薦した経緯があります。
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(読者の声2)昨日あたりから永田町が騒がしいのは、小沢一郎がもう一度立ち上がり、超党派で内閣不信任案を提出、なんとしても菅直人を退陣にもちこみ、政界再編のダイナミズムに期待したいという空気です。
しかしそれだけでは不足です。反政府活動、北朝鮮コネクションとの疑惑、極左とのつながり、外国人からの不法献金など、どれ一つとっても起訴に持ち込めるのでは。菅直人の犯罪を徹底的に質すべきではありますまいか。
(GH生、横浜)
(宮崎正弘のコメント)田中角栄を逮捕したように、どのような権力者であれ、不正を犯したことが明らかであれば、身柄を拘束し起訴することが出来ます。日本は法治国家ですから。いずれ民主党政治家で東京拘置所が満員になるかも?
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お知らせ
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(猛暑払い、宮崎正弘独演会のお知らせ)
旧盆明け、8月17日 午後六時半(六時開場)大手町の産経プラザ三階にて、「正論を聴く会」があります。演題は「日本は大丈夫」。参加費は1500円です。詳しくは雑誌『正論』の広告ページ。
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桜チャンネルの「闘論!倒論!討論!2011 日本よ、今...」
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チャンネル「桜」からお知らせ
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番組名:「闘論!倒論!討論!2011 日本よ、今...」
テーマ:「経済討論 第18弾!危険水域に突入!? 世界経済と日本」
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放送予定日:平成23年8月6日(土曜日) 20:00-23:00
日本文化チャンネル桜(スカパー!217チャンネル)
インターネット放送So-TV(http://www.so-tv.jp/)
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<< パネリスト(50音順、敬称略) >>
宍戸駿太郎(筑波大学名誉教授)
島澤 諭(秋田大学准教授)
上念 司(経済評論家)
田村秀男(産経新聞社特別記者・編集委員兼論説委員)
三橋貴明(経済評論家・作家)
宮崎正弘(作家・評論家)
司会:水島総(日本文化チャンネル桜 代表)
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<宮崎正弘の新刊> 発売!
『中国は日本人の財産を奪いつくす!』(256p並製、徳間書店 1260円)
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(謹告 アマゾンで本書を御購入の方は、アマゾンの番号を保管してください。後日、宮崎の新作講演サイトに無料アクセスできる特典があります)
――土地、企業、技術の乗っ取りが加速
――新幹線の技術乗っ取り
――大都市の土地買収
――尖閣海域への再侵犯
――企業株の買い占め
――震災後の混乱に乗じて中国の「日本侵略」が進んでいる!
<目次>
プロローグ 震災後に加速した中国の対日戦略
第一章次々と買い占められる日本の土地
第二章日本企業を買収せよ
第三章強欲な中国への世界的反発
第四章人民元による支配をねらう
第五章世界で領土を買いあさる動き
第六章水資源の独占による周辺国支配
第七章それでも中国経済は破綻する
第八章習近平は中国をどう変えるか
エピローグ 日本食い潰しをねらう中国
――全国主要書店にても発売!
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<宮崎正弘の最新刊>
『中国は日本人の財産を奪いつくす!』(256p並製、徳間書店 1260円)
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<宮崎正弘の新刊>
『自壊する中国 ネット革命の連鎖』(文藝社文庫、672円)
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『震災大不況で日本に何が起こるのか』(徳間書店、1260円)
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『中東民主化ドミノは中国に飛び火する』(双葉社新書、880円)
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<宮崎正弘のロングセラー>
『ウィキリークスでここまで分かった世界の裏情勢』(並木書房、1470円)
『オレ様国家 中国の常識』(新潮社、1470円)
『上海バブルは崩壊する』(清流出版、1680円)
<宮崎正弘の対談シリーズ>
『猛毒国家に囲まれた日本』(佐藤優氏との対談。海竜社、1575円)
『増長し無限に乱れる「欲望大国」中国のいま』(石平氏との対談。ワック、945円)
『絶望の大国 中国の真実』(石平氏との対談。ワック、933円)
『日米安保、五十年』(西部邁氏との対談。海竜社、1680円)
『世界が仰天する中国人の野蛮』(黄文雄氏との対談。徳間書店、1575円)
◎宮崎正弘のホームページ http://miyazaki.xii.jp/
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