頂門の一針
宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成23年(2011)7月31日(日曜日)
通巻第3382号
(速報)
大連で原子力潜水艦、放射能漏れか
新型原潜の内部点検中、付近の海域を封鎖
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大連の軍港で新造された原子力潜水艦から大量の放射能漏れ事故が発生した模様。
博訊新聞網が「スクープ」として報じている。同紙7月31日付け。
信憑性? 博訊新聞網は昨秋の劉暁波「ノーベル平和賞」受賞以後の共産党批判ならびにチュニジア、エジプトなど「アラブの春」運動で中国共産党の危機を警告したおり、中国からのハッカー攻撃により何回もサイトを破壊された。それでも真実を書き続けたメディアである。
「人権侵害救済法案」に拘る民主党
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前田 正晶
民主党は未だ「人権侵害救済法案」という悪法を何とかしようと試みる心算のようだ。
これは、嘗て野中広務が推進しようとして阻止された悪名高きものと同様であると指摘されている。
28日に小澤一郎が記者会見で冗談めかしたように「菅さんでなければ誰でも良い」と言ったとか。
私は「菅直人だけではなく、この法案を推進する政党でなければ何処でも良いと言いたい」とすら思っている。
そういうことは自民党も願い下げとなるのだが。
それはそれとして、菅直人が東電とともにあの3.11以降やってきたことに、少しでもお国のためになることがあったかを問いたい。
偉そうに節電せよだの何のと言うが、東電の至らなさが如何なる事態を招いたか、その東電を無方針かつ無政策で解ったような顔をして指導したのは誰だったか。
その結果が大手製造業に本気で「生産拠点を海外に移さざるを得ない」と言い始めさせてしまった。
あるデータでは、我が国の海外生産比率は未だ18%とあった。
それは後82%も移転されてしまう危険性があるという意味ではないか。
29日に産経がスパコンが電力不足で「全面停止や稼働率低下が相次ぐ」と報じていた。
菅直人のことだから「原発を推進したのは自民党政権で我々はその悪影響を受けただけ」とでも言いそうだ。
しかし、3.11以後の失政と混乱は誰が招いたのか。
私は何度も言ってきたが「菅直人は国を潰す気」である。
彼はそういう気はないとでも言うだろうが、彼の総理就任以来やってきた(何もお国
のためになることをやらなかったと言うべきか)を仔細に検討すれば、明らかに破滅に導く気であるとしか思えない。
そこに市民運動とやらが目指した社会主義の国を樹立する気だろうと真剣に疑っている。
それだけではない、欧米諸国の経済の悪化は止まることを知らず、最早どうにも手の打ちようがないドル安となり、無為無策で「見守る」だけの野田財務相と白川日銀総裁の下に、我が国の輸出依存度が高い製造業を益々苦況に追い込んだ。
菅直人はこの事態に関係閣僚に何か指示をしたのか。
過去最悪の76円台はもうすぐそこである。
菅を降ろすと政治空白がどうの、短期間に総理が替わって諸外国の信頼がどうのと(信頼などとっくに失っているではないか)言っていられる場合は過ぎた。
小澤一郎は偉そうに言うが、誰でも良いなどと言っていられる悠長な事態ではないのだ。
話変わるがパナソニックが三洋の白物家電を事業を中国ののハイアールに売ってしまったなどいうことは、その規模で考えれば小さいかも知れない。
だが、私は我が国の製造業全体から見れば由々しき出来事で「パナソニックよ、それほど国を信じられなかったのか」と問いかけたくなった。
菅直人よ、この出来事を承知していたか。
その意味するところを考えたか。矢張り「意図する方向に進んだ」ととっているのではないか。