この30社の株主総会はヤバイ
今週からが大荒れピーク この30社の株主総会はヤバイ (ゲンダイネット)
株主総会シーズンに突入した。今週から6月下旬にかけ、東証上場の約1700社が開催する。集中日の29日には707社という多さだ。
大手で先陣を切るのは17日開催のトヨタ自動車。今年は大震災でサプライチェーンが被災し、深刻な部品不足に陥った。工場の完全復旧が11月以降の見込みなうえ、今上期(4―9月)の営業利益は約1200億円の赤字予想。荒れ模様となるのは間違いなさそうだ。第一生命経済研究所首席エコノミストの嶌峰義清氏が言う。
「今年は自動車メーカーを中心にサプライチェーンの再構築が総会のテーマになるでしょう。株主は昨年まで株価や配当といった短期的な見通しにこだわっていましたが、震災を境に考え方が変わりつつあります。電力不足など想定外の事態にどう備えるか。中長期的な視点に立った株主質問が急増すると思います」
原発事故の東京電力や、個人情報流出問題のソニー、大規模システムトラブルを起こしたみずほFGは深刻な株主総会になる。東電株の暴落で多額の損失を計上した前田建設やハザマも危険だ。
株式アナリストの櫻井英明氏が言う。
「原発に必要な製品が中心の日本製鋼所や木村化工機は、今後の事業展開について厳しい質問が出てくるでしょう。もうひとつ気になるのは、赤いファンドの台頭です。NECや日立製作所などは、中国系と推測される投資ファンドが大株主に名を連ねています。彼らは純投資としていますが、本当にそうなのか。個人株主は不安を抱いています」
中国系といわれるのは「SSBT・OD05・オムニバスアカウントトリーティ」で、NECの2.76%(3位株主)、日立の2.52%(6位)を保有。そのほか東電1.50%(8位)、野村HD2.30%(4位)、三菱UFJ・FG2.13%(3位)、三井住友FG2.18%(3位)、任天堂1.74%(8位)を占めている。
ソフトバンクも荒れそうだ。
「携帯電話の会社だと思っていたのに、孫正義社長はこのところ電力ビジネスに熱心です。しかも菅首相にベッタリだから、菅退陣後を株主は心配しています」(櫻井英明氏)
株価低迷中の会社も多い。例年以上に罵声が飛び交う総会が続出しそうだ。
【注目の株主総会一覧】
◇社名(開催日)/6月15日株価/10年6月末株価/注目ポイント
◆任天堂(29日)/※16,090/※26,350/業績不振
◆ソニー(28日)/※2,035/※2,383/個人情報流出
◆トヨタ自動車(17日)/3,250/3,080/今上期予想が営業赤字
◆ホンダ(23日)/2,990/2,597/今期は減益予想
◆日産(29日)/810/626/ゴーン社長の高額役員報酬
◆新日鉄(24日)/※237/※296/住友金属との経営統合
◆住友金属(17日)/※164/※203/新日鉄との経営統合
◆みずほFG(21日)/※122/※147/大規模システム障害
◆三菱UFJ・FG(29日)/※371/※405/赤いファンドが大株主
◆三井住友FG(29日)/※2,335/※2,538/赤いファンドが大株主
◆野村HD(28日)/※386/※489/赤いファンドが大株主
◆第一生命(27日)/※113,500/※122,600/東電株で評価損
◆ハザマ(29日)/109/74/東電株で評価損
◆前田建設(28日)/249/233/東電株で評価損
◆大崎電気(29日)/744/718/東電株で評価損
◆日本製紙G本社(29日)/※1,561/※2,463/東北3工場が被災
◆レンゴー(29日)/※511/※561/日本製紙株で評価損
◆大王製紙(29日)/※589/※683/日本製紙株で評価損
◆小林製薬(29日)/3,960/3,770/震災の影響で評価損
◆HOYA(21日)/※1,791/※1,906/20件におよぶ株主提案
◆ソフトバンク(24日)/2,987/2,371/電力ビジネスへの取り組み
◆日本製鋼所(24日)/※539/※787/原発への依存
◆木村化工機(24日)/※341/※607/原発への依存
◆日立製作所(24日)/474/324/赤いファンドが大株主
◆東芝(22日)/※407/※445/赤いファンドが大株主
◆NEC(22日)/※169/※233/赤いファンドが大株主
◆武田薬品(24日)/※3,710/※3,820/スイスの製薬大手を買収
◆中部電力(28日)/※1,303/※2,202/浜岡原発の停止
◆関西電力(29日)/※1,298/2,161/節電要請
◆東京電力(28日)/※329/※2,411/福島原発事故
株価は終値、単位円。※は、昨年6月末に比べ株価が下落
(日刊ゲンダイ2011年6月16日掲載)
[ 2011年6月19日10時00分 ]
株主総会シーズンに突入した。今週から6月下旬にかけ、東証上場の約1700社が開催する。集中日の29日には707社という多さだ。
大手で先陣を切るのは17日開催のトヨタ自動車。今年は大震災でサプライチェーンが被災し、深刻な部品不足に陥った。工場の完全復旧が11月以降の見込みなうえ、今上期(4―9月)の営業利益は約1200億円の赤字予想。荒れ模様となるのは間違いなさそうだ。第一生命経済研究所首席エコノミストの嶌峰義清氏が言う。
「今年は自動車メーカーを中心にサプライチェーンの再構築が総会のテーマになるでしょう。株主は昨年まで株価や配当といった短期的な見通しにこだわっていましたが、震災を境に考え方が変わりつつあります。電力不足など想定外の事態にどう備えるか。中長期的な視点に立った株主質問が急増すると思います」
原発事故の東京電力や、個人情報流出問題のソニー、大規模システムトラブルを起こしたみずほFGは深刻な株主総会になる。東電株の暴落で多額の損失を計上した前田建設やハザマも危険だ。
株式アナリストの櫻井英明氏が言う。
「原発に必要な製品が中心の日本製鋼所や木村化工機は、今後の事業展開について厳しい質問が出てくるでしょう。もうひとつ気になるのは、赤いファンドの台頭です。NECや日立製作所などは、中国系と推測される投資ファンドが大株主に名を連ねています。彼らは純投資としていますが、本当にそうなのか。個人株主は不安を抱いています」
中国系といわれるのは「SSBT・OD05・オムニバスアカウントトリーティ」で、NECの2.76%(3位株主)、日立の2.52%(6位)を保有。そのほか東電1.50%(8位)、野村HD2.30%(4位)、三菱UFJ・FG2.13%(3位)、三井住友FG2.18%(3位)、任天堂1.74%(8位)を占めている。
ソフトバンクも荒れそうだ。
「携帯電話の会社だと思っていたのに、孫正義社長はこのところ電力ビジネスに熱心です。しかも菅首相にベッタリだから、菅退陣後を株主は心配しています」(櫻井英明氏)
株価低迷中の会社も多い。例年以上に罵声が飛び交う総会が続出しそうだ。
【注目の株主総会一覧】
◇社名(開催日)/6月15日株価/10年6月末株価/注目ポイント
◆任天堂(29日)/※16,090/※26,350/業績不振
◆ソニー(28日)/※2,035/※2,383/個人情報流出
◆トヨタ自動車(17日)/3,250/3,080/今上期予想が営業赤字
◆ホンダ(23日)/2,990/2,597/今期は減益予想
◆日産(29日)/810/626/ゴーン社長の高額役員報酬
◆新日鉄(24日)/※237/※296/住友金属との経営統合
◆住友金属(17日)/※164/※203/新日鉄との経営統合
◆みずほFG(21日)/※122/※147/大規模システム障害
◆三菱UFJ・FG(29日)/※371/※405/赤いファンドが大株主
◆三井住友FG(29日)/※2,335/※2,538/赤いファンドが大株主
◆野村HD(28日)/※386/※489/赤いファンドが大株主
◆第一生命(27日)/※113,500/※122,600/東電株で評価損
◆ハザマ(29日)/109/74/東電株で評価損
◆前田建設(28日)/249/233/東電株で評価損
◆大崎電気(29日)/744/718/東電株で評価損
◆日本製紙G本社(29日)/※1,561/※2,463/東北3工場が被災
◆レンゴー(29日)/※511/※561/日本製紙株で評価損
◆大王製紙(29日)/※589/※683/日本製紙株で評価損
◆小林製薬(29日)/3,960/3,770/震災の影響で評価損
◆HOYA(21日)/※1,791/※1,906/20件におよぶ株主提案
◆ソフトバンク(24日)/2,987/2,371/電力ビジネスへの取り組み
◆日本製鋼所(24日)/※539/※787/原発への依存
◆木村化工機(24日)/※341/※607/原発への依存
◆日立製作所(24日)/474/324/赤いファンドが大株主
◆東芝(22日)/※407/※445/赤いファンドが大株主
◆NEC(22日)/※169/※233/赤いファンドが大株主
◆武田薬品(24日)/※3,710/※3,820/スイスの製薬大手を買収
◆中部電力(28日)/※1,303/※2,202/浜岡原発の停止
◆関西電力(29日)/※1,298/2,161/節電要請
◆東京電力(28日)/※329/※2,411/福島原発事故
株価は終値、単位円。※は、昨年6月末に比べ株価が下落
(日刊ゲンダイ2011年6月16日掲載)
[ 2011年6月19日10時00分 ]