東日本大震災が世界に与えた五つの影響 はぐれ雲さん | 日本のお姉さん

東日本大震災が世界に与えた五つの影響 はぐれ雲さん

アジア事報 ▽▼


 東日本大震災が世界に与えた五つの影響 ──────── はぐれ雲さん


ーーー東日本大震災は、日本国内ばかりでなく世界に大きな影響を与えた。

一番大きな影響は、日本人の国民性…、災害に遭遇した被災民の日本人的対応だろう。世界は賛美し、災害に際してのモデルとして教訓にするに違いない。
----と期待したい----

次は福島原発事故、世界中で「原発の是非」を巡って侃侃諤諤議論している。

三番目は風評被害、‘放射能汚染食品’に留まらず、今後は様々な風評被害が増える可能性が大きい。インターネット社会、風評被害に関する国際的議論が必要になる。

4番目は、悲しい哉、改めて日本の政治の貧困を世界に知らしめることになった。

5番目は、サプライ・チェーン体制の見直し、今後は日本に集中していた先端技術を基盤とした部品などの生産が世界中に分散される事になる。日本の産業空洞化は益々加速される。

福島原発事故の影響で、原発建設計画は一部廃棄され、一部延期され、一部縮小されている。その結果、電力不足分の大半は火力発電に代替されることは必至、ソーラー発電や風力発電で不足分を補うことは不可能だろう。

新たに節電文化が芽生えるのは大いに結構なことだが、中国やインドなど絶対的に電力が不足している新興国は、‘当然の権利’として発電量を増加していく。

原発建設に時間がかかるのであれば火力発電に走るだろう。それも石炭火力発電…。ーーー地球温暖化問題は、当面先送りになる。

異常気象が温暖化現象の‘落とし子’であるのなら、異常気象は益々増えることになる。ラニーニャ現象は終息したらしいが、やがてエルニーニョ現象がくる。

アメリカは巨大竜巻が猛威を振るい、中国穀倉地帯は大旱魃に直面している。

今年の日本の‘梅雨入り’は異例に早い。梅雨入りが異例に早い年は「冷夏」になるケースが過去に何回かあった。異常気象は世界各地で起きている。

風評被害もこれからの世界的課題となりつつある。

スペインのキュウリ、ドイツ保険局が「O-104(腸管出血性大腸菌)はスペイン産キュウリが感染源とみられる」という「公式見解」を出した事に端を発し、欧州は大混乱となった。

その後「スペイン産キュウリはシロ」と発表されたが、スペイン農民はこの1週間で2億ユーロ(234億円)の損失とカンカンに怒り、損害賠償を検討中との事。

短期間に16人も死者が出ては「ただ事ではない」だろうが、風評の及ぼす影響は大きい。風評はインターネットでアッという間に世界に流れる。世界的な予防システムの構築が必要になっている。

ーーーそうしなければ風評テロも出てくるに違いない。

日本の政治の貧困、国民性の裏返しなのだろうか?

礼儀正しく忍耐強い日本人、明治維新より約150年間、大衆は‘お上’の意向に従い、‘お上’のなすがままに耐え忍んできた。

それに胡坐をかいてきた政治家、政党の為の政治・党利党略、東日本大震災という国家的危機に及んでも、異様な姿を世界に曝け出している。

政治に格付けがあれば、日本は最悪の評価だろう。日本の政治の貧困は「日本株」に大きく影響している。日本の異様な政治体質をチェンジさせると期待されたのが現政権だった筈なのだが…。

サプライ・チェーンの再構築、今回の災害を機に、多くの大手日本企業が海外に新たな供給源を構築するだろう。海外は歓迎するだろうが、日本の中小企業が見捨てられる可能性もある。

中小企業の技術だけが海外に移転するケースもあるだろう。日本の製造業空洞化が加速する。海外は人件費も電力費も安い。日本政府の支援はあまり期待できない。未だに役所仕事、手間がかかりすぎる。時間もかかる。

東日本大震災、世界経済にも大きな影響を与えている。与党は日本国内問題で野党は醜い党利党略で手一杯である。世界は日本を無視して着々と新たな経済体制構築に動いている。

気がつけば、日本は世界経済圏の「蚊帳の外」になっているかも知れない。

日本の政治は三流だが、日本の経済は一流である。円高・金利安を利した日本企業の世界進出が加速している。今後益々加速するだろう。

「日本からの輸出」の将来性は乏しい。「海外から海外への輸出」や「日本への逆輸入」で生き延びるしかない。日本企業が生き延びる道は「海外に行き、活路を開拓するしかない」。ーーーそうしないと、日本は益々小さくなる。

                        = この稿おわり =

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┌──────────「kinny さん」

───「日本の次世代エネルギーは太陽光ではない」

さまざまな技術革新の結果、太陽光を利用する際の発電効率を極限にまで高めることができたと仮定してみよう。

メンテナンスに要するコストを低く抑えることに成功、これを効率的に運用する技術が開発されたとしても、わが国の太陽光発電事業における生産性は、アメリカの半分以下となる。

なぜか。

日本は、年間を通して太陽光発電に利用できる発電適地での単位面積あたりの日光の総量が、アメリカの半分以下だからである。

これを未来の主要なエネルギー源とすることは、将来にわたり、われわれが、アメリカの倍以上の当該コストを常に背負いながら生産活動を継続していかなければならないことを意味する。

まして日本は、国土の過半を、山地等、凹凸のある地形が占めるうえ、頻繁に台風の襲来がある。太陽光を恒常的な、昼夜兼行のエネルギー源として考えた場合、太陽光に適した諸外国との生産性の差は覆うべくもない。

自然環境の面で、日本は太陽光の利用に適していないのだ。

比較的高効率のアメリカにおいてさえ、高価の由で疑問視されている太陽光利用について、日本で、たとえ最高レベルにまで効率を上げたとしても、半分以下の生産性にしか到達し得ないというなら、これは、もはや不毛というべきではないか。

少なくとも、国際競争力の面では、山地の多い多雨多湿の日本は太刀打ちできない。

むしろ、新たな技術の開発によって長足の進歩が見込める地熱利用のほうが、まだしも将来への可能性があろうというものだ。

現在、地熱利用の限界が指摘される主な要因は、利用可能な熱源地の総エネルギー量を、現段階での技術力でアプローチできる最大値でもって見積もっているからである。

が、現在、技術的なメドが立ちつつある摩耗しないドリルビットが早期に実用化されたらどうだろう?
また、試行錯誤中ながら、熱源に隣接する地下水脈をアテにしない、地表から水を送り込む熱採取方式が大深度にて実現可能となればどうか?

なにも地熱を採用しろ、と主張したいわけではない。

風力においても、一基あたりの発電量を大幅に下げ、各家庭に複数設置できるようなタイプの発電機を量産すれば、蓄電用のミニプラント設備も簡便かつ安価にすることが見込める。

大幅なコストの圧縮につながるかどうかは勘案の余地があるが、小生は、少なくとも、プロジェクト中に官僚や利権が介在しがちで(言っておこう、現在の体制のままなら、かならずする)、かつ災害時には広範囲に悪影響を及ぼす大型の設備より、コストの許す限り、設備の規模は小型化分散化すべきだと思っている。要は、危機時の耐性が違うのだ。

なにも風力を採用しろ、と主張したいのではない。

太陽光など、次世代標準のエネルギーにおける発電不適地での代替措置ていどのものと考えるべき、と言いたいのだ。

将来への見通し乏しい現段階での「リーチ」より、たとえいま苦しくとも、のびしろのある分野に投資したほうが利口なのではないか。

世界中が太陽光に向かうというなら、われわれは、高効率を下地にした安価な外国製の将来設備を、それこそ未来において、必要に応じて他国から導入すればよいのであって、

わざわざ自然環境の不適合の由で勝てないことが明らかな勝負のために、虎の子の資金をやたらと浪費する積極的な意味がいったいどこにあるというのか。

といっても、どっかのマヌケ連中にはワカランか、、、。