「ユーチューブ」にテレビ番組などの動画を無断投稿 | 日本のお姉さん

「ユーチューブ」にテレビ番組などの動画を無断投稿

今後も増える? ユーチューブでの動画無断投稿者を全国初の立件
産経新聞 6月10日(金)7時35分配信

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動画を違法に掲載していた男性のホームページ。閲覧者の数に応じて広告収入が入るアフィリエイトを利用していた。すでにホームページは削除されている(写真:産経新聞)

【ニュースの核心】

 動画投稿サイト「ユーチューブ」にテレビ番組などの動画を無断投稿したとして、埼玉県警は5月、著作権法違反容疑で男性会社員を逮捕した。県警によると、ユーチューブにテレビ番組やDVDの動画映像を違法にアップロードしたとして立件したのは全国で初めて。テレビ番組などを無断投稿する例は頻繁にみられ、著作権団体や識者の間では「今後も同様の立件は増える」との見方が広がっている。(清作左)


 県警が逮捕したのは、北九州市の男性会社員(51)。逮捕容疑は、昨年11月22日から今年2月5日までの間、自宅で4回にわたり、テレビ局が著作権を持つ番組の映像など3作品を、著作権者に無断でユーチューブに公開したとされる。さいたま区検が同法違反の罪で略式起訴、すでに同簡裁が罰金30万円の略式命令を出している。

 県警サイバー犯罪対策課などによると、男性は自分のホームページを開設、閲覧者数に応じて広告収入が入る「アフィリエイト」を利用していた。閲覧者が増えれば増えるほど、入ってくる収入も多くなる。

 また、男性は、テレビ番組やDVDの動画映像の無断投稿について、複数の著作権団体から数十回にわたり警告を受けていた。ユーチューブに登録していたアカウントも十数回、停止になっていた。しかし、停止になっても再登録して動画を投稿し続けたという。

 県警サイバー犯罪対策課は、「今回の事件は警告を受け続けても営利目的のために投稿を続けており、悪質性が高いと判断した」としている。逮捕後の県警の調べに、男性は「小遣い稼ぎのためにやった」と供述している。

 また、同課によると、この事件で男性は、販売価格1万5600円相当のDVDの映像を数回に分けて無断で公開。この映像は9千回以上閲覧され、著作権所有者に5千万円以上の経済的損失が発生したという。

 著作権法に詳しい三村量一弁護士(第一東京弁護士会)は「今回の事件は、職業的に権利を侵害している確信犯」と指摘した上で、「動画の違法掲載は犯罪という意識が薄い上、権利者側の意識も高まっているため、今後も逮捕者が増えるのでは」との見方を示す。三村弁護士は「未成年者が模倣しないよう、啓発する必要がある」とも指摘する。

 男性にライブDVDの映像を無断掲載されたとして県警に相談した日本レコード協会では昨年、インターネット上で十数万件の違法な動画掲載を確認したという。同協会は「どれだけの動画が違法掲載されているか把握は困難」としている。一方で、「動画投稿サイトにはさまざまな動画が投稿されている。今後も警察への相談は行っていく方針であり、今回のように刑事事件になるケースも増えるのでは」としている。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110610-00000514-san-soci