宮崎正弘の国際ニュース・早読み 民主党女性議員の櫛渕万里ー工作員かそれに準ずる行為
「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成23年(2011)5月29日(日曜日)
通巻第3334号 <増ページ特大号>
間違いだらけだった金正日の中国訪問報道
正恩氏同行説から「同行せず」へ修正、揚州で江沢民と「会見」した、「しなかった」
*******************
最初から誤報が飛び交った。
韓国紙は5月20日、「政府高官」の発言として、金正恩が乗った列車が図門を通過したと見られると報道した。
日本の大手マスコミが、これに追随し、「正恩氏の訪中は中国指導部の要請によるもの。支援拡大と中朝関係、核問題への対応」を話し合うと見られる、などとみごとに的外れの「解説」を展開していた。
翌日の日本の新聞(5月21日)では、はやくも正恩訪中報道を大々的に「修正」しはじめ、息子ではなく「将軍様」の金正日自らが牡丹江のホテルに入ったことを確認した。
これは「中国の後ろ盾の確保が狙い」という分析がまかりとおる。ここまでの報道で以下のことが分かる。
日本の情報筋は吉林省、黒竜江省に関しての情報がほぼゼロであること。
当該地域は朝鮮族が多く居住する場所であり、最初に特別列車が通過した図門でさえ、韓国情報筋は「正恩が乗っているらしい」とする情報しか得ていなかった。つまり、韓国情報筋の手抜かりぶり!
その韓国情報筋に頼った日本のマスコミのふがいなさが如実となった。
この時点で、はやくも日本の解説ぶりが偏向している。
おりからの日中間首脳会談へのゆさぶりが目的であり、「注目を集める時期を選んだ」などと酷い迷走ぶり。
ちなみに筆者はまさにこの日(5月21日)朝一番の飛行機で北京へ向かっていた。金訪中推測報道を読んではいたが、以後、26日まで中国に滞在中、いっさい報道はなかった。
さて図門から将軍様を乗せた列車が向かった方向から判断して図門―牡丹江―ハルビンと断定していた韓国系マスコミも、ハルビンを通過して長春に現れるや、また姿勢を一転させた。
昨年夏の訪中では、金正日は長春で、飛んできた胡錦涛と会談した。
▲揚州訪問はいかなるメッセージが込められていたのか?
しかし特別列車は21日にはやくも長春を離れ、「瀋陽を経由して北京へ向かった」と誤報された。
ところが金正日は首都の北京へは立ち寄らず、特別列車は天津へ向かい、されに天津から北京へ戻らずに、そのまま延々と南下しつづけて江蘇省の揚州へ入ったのだ。
この時点で筆者は中国にいることは述べた。しかし中国のマスコミは一切伝えていない。筆者は東京へ電話した際に、日本のマスコミが騒いでいることを知った。
北京から鄭州へ向かい、さらに西安へむかっていたが、車窓から異常事態を観測できたのは新幹線沿線の交差点、陸橋、橋梁部分で軍か警官の警戒ぶりである。
なにか、異常なことが起こっているな、と推測できた。
中国のテレビは温家宝の日本訪問を報道していたが、トップニュースは、米国をおそった竜巻、IMFのスキャンダル、リビア情勢だった。
長春では自動車工場を視察したことが確認された。
しかししばし、金正日の行方は不明となった。ただし産経の紙面では(5月22日朝刊)、「呉邦國と温家宝の不在」に留意しており、北はメンツにかけても指導者の大多数に会うだろうから、現時点での北京入りの可能性は薄いのではないか、と示唆していた。
22日に実際の金将軍は江蘇省揚州まで二千キロを一気に南下していたのだ。
この時点でまたまた書き飛ばし推測自由の身勝手新聞は韓国マスコミが引き受ける。揚州は江沢民の出身地、だから「江沢民と会見するに違いない」と大誤報を連打した。
共産党政治局常務委員経験者は、政治局の承認が無くては、いかなる私的交流でも外国要人とは会えないという厳密な共産党の内規を知らないらしい。つまり江沢民との揚州での会見はあり得ないか、考えにくいシナリオだったのである。
しかもこの時点(22日)で、温家宝首相はまだ日本にいる。記者団に「金の訪中目的は経済発展状況を理解してもらうためだ」と説明したそうな。
揚州といえば、日本人にとっては鑑真和尚。しかし将軍様は23日に、この街で工業団地とショッピングモールを見学しつつ長旅の疲れを癒した。
なぜか日本の新聞が揚州にこだわったことを、当時、金日成が江沢民と会談し、韓国との外交に反対したことに留意し、そうした意味でも中朝友好のジェスチャーという意義付けが大きいとした。
25日になってマスコミは将軍様の南京出発を確認する。揚州に二泊した様子で、24日に揚州から南京入りし、液晶パネル工場を見学した。その後、南京には宿泊しないで、そのまま特別列車は北上をつづけ、北京へ向かった。
胡錦涛ら中国首脳との会談は5月25日夜に人民大会堂で大々的に行われ、政治局七人が雁首を並べるという異例なもてなしようだった。
しかし胡錦涛、習近平、李克強らの顔が大きくテレビ画面に出たのは27日になってからである。
まだ韓国の新聞は人民大会堂での将軍様歓迎宴に同行したのは「第四夫人」と言われるキムオク(金玉)ではないかとして写真を掲げ推定した(確認は取れず)。
筆者は26日山西省の太源から新幹線で北京に入った。このとき、将軍様はハイテク工場を李克強の案内で視察中だったが、当方も知るよしもなく、夕方の新聞で「金正日が訪中しているという情報がある」という小さな見出しの記事を見つけた程度だった。
27日、将軍は北京を離れ、特別列車は遼寧省丹東から新義州へわたり、八日間という異例の長期の訪中をおえた。
三男の金正恩は、この地で帰国を出迎えた。
中国のテレビが大々的に金正日訪中の特番を流したのは27日夕方からだった。筆者ははじめて政治局常務委員九人のうち八人が集団であるいは個別で金将軍と会った映像をみた。また人民解放軍幹部との会見も中国のテレビニュースで大きくでていた。
▲金正日訪中の隠された意味とは何だったのか?
結局、この唐突にして長期の訪中は何が目的だったのか。
日本マスコミの推測記事曰く。「長旅に耐え、健康不安説を払拭」、「六カ国協議の推進」、「食糧支援強化を要請」、「核問題での対話継続」、「世襲を中国に容認させた」、「求心力低下に危機感」等々。
北京と平壌の指導者に共通するメンタリティはなにか。
チュニジアでエジプトで独裁者が倒れ、いまリビアの独裁レジームが崩壊の淵にある。イエーメン、シリアも同じである。
明日は我が身?という不安が脳裏を横切った。だから独裁の安定という、名状しがたい精神の安定をお互いが必要したからではないのか。
いたずらに将軍様が工場見学と言っても北の技術力と労働の質から言って短時日の実現は不可能であり、中国はハイテク工場を見せつけて改革開放を促す努力をするものの、最初から北朝鮮が乗ってくる話とは思ってもいないだろう。
中朝関係の友誼という演出は政治的ジェスチャーでしかないのである。
◎ ◎
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
★読者の声 どくしゃのこえ ドクシャノコエ 読者の声★
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
♪
(読者の声1)また宮崎先生が日本文化チャンネル桜の討論番組に出演されているのを発見しました。
http://www.youtube.com/user/SakuraSoTV?gl=JP&hl=ja#p/u/12/dMSUmeLomTU
出演者の方々は作家・評論家の黄文雄氏や月刊「中国」編集長の鳴霞女史を含め超一流論客を揃えていますが、なかでも元防衛研究所研究室長で軍事評論家の平松茂雄氏は日本のインテリジェンスの最高峰といっても良いのでしょうか。
特に中共支那とパキスタンやビルマとの協力関係を歴史的背景を踏まえながら掻い摘んで説明されるのには、ひたすら「凄い、凄い」と唸らされました。
ただ、単に北朝鮮やインドになどに注目していてはいけないとの警告には赤面物でした。
また番組中に自身で語られていましたが、その平松茂雄氏にしても情報収集の基本は日々の新聞購読で、検閲済みで「読む価値が無い」と見做されがちな支那の新聞を退屈さに耐えながらもコツコツと継続して始めていろいろと見えてくるのだという事にも感銘を受けました。
他の出演者の方が指摘していたのは民主党女性議員の櫛渕万里が非常に怪しいという事で工作員かそれに準ずる様な行為が見られるという事で驚き。こういう人は次の選挙で落としたいですね。
(道楽Q)
(宮崎正弘のコメント)桜チャンネル、ほうぼうで見る人が増えているようです。心強い限りです。
△
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
●毎日一行◎ 菅内閣不信任案、本気の状況になってきたのか?
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
♪
(読者の声2)尖閣諸島が日本領である「動かぬ証拠」をご案内しました。これはいずれも中国側の資料に基づくもので、もはや議論の余地なしといえるものです。
しかし中国は古い歴史資料に基づいて領有主張をしているので、何か根拠があるのかも知れないと思う人もいるようです。
ニューヨーク・タイムスの元日本支社長のニコラス・クリストフ記者の「中国の主張に分がある」などという虚言はその一例でしょう。
しかし中国側の主張には一片の根拠もありません。そのことを詳細に論証した論文が、『中国は何故尖閣を取りに来るのか』(藤岡信勝・加瀬英明編、自由社)の第2章として掲載されています。この度、温家宝首相が日本に来たことだし、この事実を世界中の人に知らせる良いタイミングと考え、英訳版を発信する会サイトに掲載し、海外の4000余の報道・学術関係者宛てに、下記の通り発信しました。
なお日本語版は
http://hassin.org/01/wp-content/uploads/senkaku.pdf
(発信する会 茂木)
♪
(読者の声3)夜勤前に午前中、国会論戦で管 直人と谷垣総裁の審議をNHKラジオで聞きました。いまさら事後追求しても相手はしらを切るに決まっている。
米軍はその日のうちにグローバルホーク飛ばして大気中のサンプルを採取してメルトダウン想定して避難指示80キロだしております。
中国・フランスも同様な対応 おまけに今頃IEAEの放射能の大気中の拡散は海側に流されるなんてファックス公開していますが事実隠蔽もはなはだしい。
当日の19時ごろにはメルトダウン想定しているはず。午前1時に報告がくるのは不自然。12日の管 直人の現地訪問も問題外 一連の行動を見ると誰かにアドバイスされて動いているとかしか思えない。
警察・消防・救助対応職員400名近くを殉職させるところでした。あいつらに命令されて現場で殉職しても海江田は何と家族に説明するのだ!
長妻の厚生労働省崩壊命令が一番で今回の震災復興が第二番の布石で、官僚機構がずたずたに寸断されている。
指揮命令系統とやる気をなくさせている。石巻の避難所で自衛隊が来たので出迎えると支援物資ではなく新聞届けに来ていた。隊員も苦笑していたが貴重な血税で新聞届けとは。
ピースボートで10000人分対応するとのことだが首都圏の納豆と豆腐が突然消えた。石巻の避難所の昼食はご飯と納豆と豆腐 このくそ寒いのに冷奴かよ!
あいつらは人間じゃない。取材に来た報道も画像は公開されないだろうと言っていた。
日本財団での社会保障政策討論会では与野党の国会議員とも将来の復興政策見出せないでいる・・50兆円予算の分捕り・・? 無利子国債発行?
日本はギリシャのようにならないと言うが誰が日本の国債買うのか?
結局、負担するのは国民だろう。政治指導があきれる。エネルギー政策も液化天然ガスや石油の海上輸送ルートどう守るのか?
有権者の半分は民主党の支持者だから結果責任は民主党支持者にとってもらおう。
次回災害支援 6月12-17 石巻市沿岸地域在宅避難者向け支援。備えよ常に
(つけめんだいおう
◎◎○◎○◎
樋泉克夫のコラム
@@@@@@@@
【知道中国 575回】
――いまさら・・・そういわれても・・・ねえ
『戦後日本人の中国像』(馬場公彦 新曜社 2010年)
△
「日本敗戦から文化大革命・日中復交まで」との副題を持つこの本は敗戦直後から文革を経て70年代中葉までの間に『文藝春秋』『中央公論』『改造』『世界』『諸君』『潮』『現代の眼』『朝日ジャーナル』などの総合雑誌に掲載された中国関連論文を整理し、誰がどのような主張を展開したかを捉えている。
博士学位請求のために書かれた論文が下敷きになっているだけに分厚く、議論は過度に錯綜する。その読み難さを我慢して読み進む必要は必ずしもないが、巻末に付せられた当時の論壇をリードして多彩な中国論を執筆した研究者やジャーナリストと著者とのインタビュー部分だけは、是非とも一読しておきたい。
そこには戦後論壇を闊歩した親中・嫌日派も登場して各自が身勝手な回想に耽っているが、毛沢東時代の中国経済を「自立経済」と讃えた小島麗逸のそれは一味も二味も違う。
彼は「雑誌に載った八路軍に残った日本人の記録を読み」、「結婚して家内の家に行って(義父の)話を聞き」、八路軍=共産党が「ますます清潔だと思うようにな」ったそうな。
かくして「文革が起こるまではその印象は変らず、これが私の中国を見る眼を歪めた」と、先ずはアッケラカンと自らの誤りを認める。
1963年、所属する研究機関から派遣され香港で研究生活を送っていた小島のところへ、「私の中国研究に影響を与えた」「一橋大学の?先生」がふらりとやってきて、「奥さんが天津から一〇年ぶりにあいにくる」といってマカオに向かった。
「一ヵ月くらいしてマカオから香港に戻ってき」たが、「金の延べ棒を持ち出すことに失敗した」とのこと。ところが、それから10年して文革時代の中国を訪れ、ある偶然から「?先生」の正体を知る。「実は?先生はマカオに行ったのではなく、北京に帰っていた」。
しかも「実は日本外務省の動向を知るために、共産党のその筋が?先生を召還したのだとわかった」。そこで小島は「これが統一戦線なんだなあと実感し」、さらにさらに「革命は毛沢東理論とかいう話ではないと思」い、「そのときから中共の発する文献を別の目でみるようになった」という。
結局、小島は毛沢東率いる中国と中国人を判っていなかったことを認める。
そして、「見事に裏切られました」「そのことが、当時見えていませんでした」「そこもまた見誤った原因の一つです」「権力闘争が民衆を巻き込んだことが(文革の)あのような悲劇を生む、というマイナス面を理解できなかったのです」「共産党はすばらしいという認識の化けの皮がはがれていきました」「中国のすべての論争は過去の人口に膾炙されている言葉を使って現在を批判する工具にしているという発想を持ちませんでした」「党内で激しい権力闘争があるという視点を十分に持ち合わせていなかった」「権力の性質に対する理解が少なかったのです」と、滔々たる自己反省の弁を重ねる。
かくして、「こう見てくると、統計資料を含め全く出されない情況下での中国研究の見誤りは当然といえば当然ですが、節穴の眼に起因することを認識せざるをえません」と、自らの目が「節穴」であったことを認める一方で、かつて親中派が保守反動・反共主義者・反中主義者・中国蔑視派・アナクロ支那通と蔑んでいた「佐藤慎一郎先生や桑原寿二さん」に対しては「中国の実態をきちんと書いていた」と高く評価することとなる。
戦後の日本を覆ってきた中国と中国人に対する幻想・幻影の根本要因が、小島の自戒の弁に現れているように思う。「私の中国を見る眼を歪めた」などと口にするが、それが結果的に対中論議のミスリードに繋がった・・・曲学阿世の戯言で済ましてはならない。
《QED》
(ラジオ日本からお知らせ) 来る6月3日(金曜日)午後一時から二時20分まで。
「マット安川のずばり勝負」に宮崎正弘が生出演します。
樋泉克夫のコラムもう、一本!
♪
樋泉克夫のコラム
@@@@@@@@
【知道中国 576回】
――Ours is a great socialist countryとは・・・負けマス
『英語基礎語法新編』(福建人民出版社 1973年)
△
この本の初版は1972年11月で、3版は73年6月。ということは、林彪事件が内外に明らかになり、四人組が力を持ちはじめ、批林批孔の烽火が挙がろうとしていた頃ということになる。
だが、この英語テキストには林彪批判の欠片はみられない。英語による凄まじいばかりの毛沢東賛歌で貫かれている。なにはともあれ、頁を繰ってみよう。
先ず主語+動詞+目的語の基本文型を説明する例文は、
■We loves Chairman Mao=我われは毛主席を熱烈に慕う。
次いで主語+動詞+目的語+目的語の例文は、
■We wish Chairman Mao a long, long life!=毛主席の生命よ、無窮であれかし。
語法とは文法のことであり、『英語基礎語法新編』と掲げているだけあって、この本は枝葉の部分を切り取って、簡にして要をえた文法解説と柱にして、読者に英語学習の道筋を示そうとしている。
燃え上がった時代の趨勢といってしまえばそれまでだろうが、やはり例文は「毛主席」から離れられない。そこで、例文の数々を適当に拾っておくと、
■Led by Chairman Mao and the Party, we are marching from victory to victory=毛主席と党の導きにより、我われは勝利から勝利に進む。
■Chairman Mao calls on us to write to win still greater victories=毛主席の呼び掛け
に我らは団結し、さらなる勝利を勝ち取る。
■That the U.S. imperialists will be completely defeated in Vietnam is certain=アメリカ帝国主義がヴェトナムで完膚なきまでに敗北することは疑いない。
■How China has been able to achieve so much in so short a time is something unthinkable the capitalist world=中国がこのような短時日のうちにかくも偉大な成果を納めたことは、資本主義世界からいうなら想像だにできないことだ。
■The atom bomb is a paper tiger which the U.S .reactionaries use to scare people=原子爆弾は、アメリカ帝国主義が人民を脅すために使う張子の虎に過ぎない。
■We have another year of bumper harvest, which is great victory of Chairman Mao’s revolutionary line=我われはまた新しい豊作の年を迎えたが、これは毛主席の革命路線の偉大なる勝利だ。
■We must do as Chairman Mao teaches us=我われは毛主席の教えに従ってことをなさねばならない。
■It is Chairman Mao who has brought us happiness=毛主席が我らに幸福をもたらしてくれた。
こういった英語で表現された“毛主席賛歌”が次から次へと頁を埋めていて、些か辟易とするが、最後の最後の例文を挙げておきたい。
■It is only because of Chairman Mao’s revolutionary line that we have our Party, our army and our socialist motherland=まさに毛主席の革命路線によってこそ、はじめて我らは我が党、我が軍隊と我らが社会主義の祖国を持つことができるのだ。
――まあ、そんなワケでThe people want revolutionということでしょうか・・・。
《QED》
(ひいずみかつお氏は愛知大学教授。京劇、華僑研究の第一人者)
◆編集後記◎
(編集後記)昨晩遅く、帰国しました。北京ではまたまた金将軍様とすれ違いでした。例のハイテク開発区「中関村」(中国のつくば学園都市)で時間差。過去一年間で三回目のハプニングでした。
さて今回の取材はまず北京西駅から新幹線で鄭州へ。五時間。超満員。夜遅く着いて駅前旅館へ行くと「外国人は泊まれません」。しかたなく、別のホテルでチェックイン。八年ほど前に泊まったホテルではないか、と思いながらも駅前の景観が変わっていて、不明。
この鄭州を起点に洛陽も開封もみたことがあるので、未踏の崇山(少林寺の総本山)を目指してローカルバスに揺られ、登封という街へ。この街は人口二十万ほどだろうか、あちこちに武術学校、武道大学があり、学僧らがマラソンをしている。
つぎに向かったのは鄭州から西安へ。新幹線は、なんと実名登録が必要となっていて、どうやら新幹線乗車も身分証明が必要(飛行機と同じ)。二時間半ほどで、この区間だけは390元と高いのに、一等も満員。乗客はほぼ全員が中国人です。
西安もかれこれ四回目ゆえ、未踏の場所は阿倍仲麻呂碑。探し出しました。市内からタクシーで二十分ほどのところ、公園のなかにあるというので、入り口で場所を聞くとすぐに分かった。西安では数年前に泊まった全日空の長堡宮ホテルが華僑資本に移り、ホテル名も変更されていました。
観光都市西安で最高級の一つは街の真ん中に建つソフィテル、これ以前の人民ホテル。いまや庶民とは無縁の高級ホテルに変貌していた。ここに西安で唯一食べられる日本食レストランがあるというので、試食へ。「鯉」という名前の料亭、ロビィの鯉が泳ぎ、庭は石庭と凝っている。味はなかなかのモノでした。仲居さんに福島に一年研修し帰国したばかりの娘がいた。
さて西安から長距離バスを探し出して、二百キロ西の宝鶏へ。とんでもない田舎町と思いきや摩天楼が林立し、国際ホテルがあるではないか。尖閣問題直後におきた反日デモで、この宝鶏のデモだけが「馬英九歓迎」とあったので、いったいどういう街か、見たかった。
西安へ戻り、飛行機で太原(山西省)。ここも三回目ですが、今度は個人的に懸案だった崇善寺をなんとか探しだしました。五一広場は、やっぱり反日デモの場所。偶然ながら宿泊した三晋飯店の斜向かいだった。
太原から、北京への新幹線はわずか三時間二十分。
北京では連日情報通と会食、飲み会。物価の高騰ぶりは凄いです。というわけで、朝、ベットから跳ね起きて、飛行場へ駆け込み、搭乗五分前すべりこみセーフ。ところが台風の影響で出発が一時間遅れ、夕方へとへとになって帰宅しました。
(詳細はいずれ秋頃に単行本になります)。
◎
<宮崎正弘の新刊予告>
『自壊する中国 ネット革命の連鎖』(文藝社文庫。6月5日発売決定。672円)
< 宮崎正弘の最新刊 >
『震災大不況で日本に何が起こるのか』(徳間書店、1260円)
http://www.amazon.co.jp/dp/4198631670/
『中東民主化ドミノは中国に飛び火する』(双葉社新書、880円) http://www.amazon.co.jp/dp/4575153753/
<宮崎正弘の新刊 絶賛発売中>
『ウィキリークスでここまで分かった世界の裏情勢』(並木書房、1470円)
『オレ様国家 中国の常識』(新潮社、1470円)
『上海バブルは崩壊する』(清流出版、1680円)
<宮崎正弘の対談シリーズ>
『猛毒国家に囲まれた日本』(佐藤優氏との対談。海竜社、1575円)
『増長し無限に乱れる「欲望大国」中国のいま』(石平氏との対談。ワック、945円)
『絶望の大国 中国の真実』(石平氏との対談。ワック、933円)
『日米安保、五十年』(西部邁氏との対談。海竜社、1680円)
『世界が仰天する中国人の野蛮』(黄文雄氏との対談。徳間書店、1575円)
<宮崎正弘 全著作リスト> http://miyazaki.xii.jp/tyosyo/index.html
MMMMM 三島由紀夫研究会からのおしらせ MMMMM
次回の三島研「公開講座」は竹田恒泰氏です。日程等下記の通りです。
記
とき 6月24日(金)18:30(六時開場)
ところ アルカディア市ヶ谷 4F 会議室
http://www.all.co.jp/stay/tokyo/arcadiamap.html
演題: 天皇と憲法 講師:竹田恒泰氏(慶應義塾大学大学院講師)
会費: おひとり2000円(会員は千円です)
<講師のプロフィール>昭和50年生まれ。父親は旧竹田宮恒徳王の第三子である竹田恒和氏(日本オリンピック委員会会長)。明治天皇の玄孫にあたります。慶應義塾大学法学部法律学科卒業で専門は憲法学。著書は『語られなかった皇族たちの真実』(小学館)、『旧皇族が語る天皇の日本史』(PHP新書)、『怨霊になった天皇』(小学館)、『日本はなぜ世界で一番人気があるのか』(PHP新書)他に八木秀次氏との共著『皇統保守』(PHP)など。山本七平賞受賞。竹田氏の考えは現憲法の下においても、万世一系の天皇が日本を統治するという国体はいささかも変っていないというもの。天皇論では三島由紀夫の考えとは違う面が多いはずで、多角的な議論が期待されます。
◎宮崎正弘のホームページ http://miyazaki.xii.jp/
(C)(有限会社)宮崎正弘事務所 2001-11 ◎転送自由。転載は出典明示。