絆(きずな) | 日本のお姉さん

絆(きずな)

ぼくらは、まるで地球の上の

ちっぽけなシミのような存在なのか


ぼくらは、まるでシャワーのたびに

洗い流されては増える肌の上の微生物なのか


動かないと思った土地が動いて

コンブや魚が獲れる豊かな海が

人を襲う


思い出とガレキ以外に残されたものは

 何も無い東北の大地


目を閉じて眠りにつくたびに

目が醒めれば夢ならよいのにと

何度も思うけれど

目を開けて見渡しても

思い出の街はそこにはない


なぜぼくらは、悲しみに

耐えなければならないのだろう

ぼくらは、苦しみを受けるために

生まれたのだろうか


海よ

お前が飲み込んだ魂を吐きだしてくれ

陸よ

がやがやと揺れるのを止めて静まってくれ

この島に生まれたぼくらには、

受けることが決まっていた懲罰なのか


この世に生まれた者の義務

それは、生きようと努力し続けること


遠い昔、初めてこの島に渡った人が

見上げた空は、今と同じだろうか


大勢が生まれ大勢が死んで

そしてぼくらがいる

遠い昔から続く命の絆(きずな)の端っこを

握りしめて

ぼくらは立っている


誰かに守られて誰かを愛して

誰かを育てて誰かを助けて

繰り返される生きようとする命の絆(きずな)


ぼくらはそれを

次の世代につなげよう


側にいる人と手をつなぎ、

共に生きていこう

この島で生まれてくる新しい命に

よりよい未来を約束しよう


~~~~~~~~~~~~~~~~~~



地震や津波を経験した日本人は、

今回が初めてなのではない。

昔の日本人も

同じ苦しみを味わってきたんだ。

どの時代から日本人と呼べばいいのか

知らないけど

この島に入った人間が

日本人だとしたら

どこかからやってきた人の子孫が

わたしたち。

こんなにひどい原発の事故は、

始めてだけど、

起こってしまったことは

嘆いているだけとか、

検証しているだけでは

よくなくて、汚染された土地をどうやって

浄化していくかについて、

原発の収束を図る人たちとは

別の人々が直ぐにかからねばならない課題だ。

海水を誰がとめるように指示したとか

しないとか、いや、現場の判断で

支持を聞かずに海水を注入しつづけたとか

そんな議論はあまり必要ない。

被災した人をどう助けるか

汚染された土地をどうするか、

そっちの方を先に真剣に考えてほしいな。

日本人は、日本にいるから災害に遭うのであって

日本人が悪いからではない。

ただ、災害に対する準備が甘かったってこと。

おかげで大勢が放射能に汚染された土地や家を

捨てなければならなくなった。

大変なことが起きてしまった。

でも、初めてこの島に入った人の気持ちと

今の日本人の気持ちは同じだと思う。

この土地で生きていくんだと

決めた気持ちを思い出してほしいな。

思い出せと言ったって

その時の日本人と今の日本人は別人なのだけど

でも、血はつながっているんだから、

同じような性質を持っているのではないだろうか。

おじいさんが孫を可愛がるのは、

再生された自分を見るように

懐かしい感じがするからだとか、自分の分身のように

感じるからだとか言っているのを

聞いたことがある。

同じ遺伝子を受け継いできているから

似ているところがあるんだろうさ。

だから、日本人は、

最初の日本人のことやら、黒船が来た時に

白人に支配されることを恐れて

団結した日本人のことを思い出して


「おもんぱかって」と言ったほうがいいかな。


彼らの子孫なんだから

なんとかできる能力があるんだと

それぞれが自分を信じるしかないね。


アメリカには戦争で負けたけれども

日本はなんとかやってきたじゃないか。

いろんな問題があっても

日本民族の子孫として、

周りの人との絆(きずな)を深めて

手をつないで

日本を盛り上げていくしか

ないじゃないか。

そんな気持ちを

書いてみましたよ。


とりあえず、
側にいる人にやさしくしてあげてね。