頂門の一針 今日のは、日本人必読だね。
わたなべ りやうじらうのメイル・マガジン「頂門の一針」 2271号
残った大福密約の現場
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渡部 亮次郎
大福密約(だいふくみつやく)とは自由民主党の有力議員であった大平正芳、福田赳夫の間の密約のことである。
昭和51(1976)年の第34回衆議院議員総選挙で自民党が敗北し、三木武夫首相が辞意を表明。そこで、次期総理総裁を誰にするかは福田派の福田赳夫か田中派と協力関係にある大平派の大平正芳に絞られた。
福田赳夫と大平正芳は品川のホテルで福田派から園田直、大平派から鈴木善幸が立会いの下、
大平は福田を総理総裁推挙に協力すること。
福田は大平を幹事長にして党務を委ねる事。
総裁任期を3年から2年にする。
とする覚書を締結。大角両派と福田派が協力関係を結んで、福田首相・大平幹事長体制が確立し、福田内閣が発足した。(ウィキ)
総理総裁ポストに意欲を持つ大平が福田に総理総裁ポストを譲って総裁任期を3年から2年にしたことは、福田は総裁を1期2年のみで再選せず2年後に大平へ政権を禅譲することを了承したものと解釈された。
この密約の現場とされた「品川のホテル」が政界では余り利用者の無かった「ホテルパシフィック東京(ホテルパシフィックとうきょう)」だった。
京浜急行電鉄が所有し、グループ会社のホテル京急が運営していた大規模シティホテルである。
2010年9月30日に営業終了し、建物は半年程閉鎖されたため「大福密約の現場が消えた」と思い込んでいたが違った。
新たに別のグループ会社が運営する宿泊特化型ホテル「京急EXイン」や、外部企業による結婚式場、レストラン、ショップ等のテナントを入居させ、複合商業施設「SHINAGAWA GOOS(シナガワグース)」として2011年4月29日に再オープンしたのだ。
「大福密約」の頃、私は飛ばされた大阪(NHK)のニュースデスク(報道部副部長)から東京に戻ってはいたが、所属したのは国際局だったので国内政治の取材には立ち入っていなかった。
しかし、後に、その秘書官となる園田直からはかなり立ち入った情報を聞かされていた。福田氏は総理・総裁を三月でも半年でもやりたいという。
大平の背後には反福田で凝り固まっている田中角栄が控えている。だから大平も譲る気はない。
こうした情勢では、数の点では決定的に不利なのは福田だ。従って何らかの条件を出して大平の譲歩を引き出す以外の手はない。園田は福田派のナンバー2。ここで福田を総理にしなければ立場がなくなるし、将来も消える。
そこで園田は三木降しで肝胆愛照らす仲になった大平派大幹部の鈴木善幸を引き込む一方、田中とも通ずる知恵者保利 茂を巻き込んだ。かくてパシフィック・ホテルでの会談となるわけだが、事前の話し合いで「2年」を条件に「福田に先をやらせる」ことが決っていた。
福田赳夫と大平正芳は品川のホテルで福田派から園田直、大平派から鈴木善幸が立会いの下、鈴木が派閥(宏池会)の便箋に万年筆で文章を書いた。
大平は福田を総理総裁推挙に協力すること。
福田は大平を幹事長にして党務を委ねる事。
総裁任期を3年から2年にする。
という意味の文書の4人が署名した。
このとき4人は立会人としての署名を保利にも求めたが保利は言葉を濁して署名しなかった。
大角両派と福田派が協力関係を結んで、福田首相・大平幹事長体制が確立し、福田内閣が発足した。総理総裁ポストに意欲を持つ大平が福田に総理総裁ポストを譲って総裁任期を3年から2年にしたことは、福田は総裁を1期2年のみで再選せず2年後に大平へ政権を禅譲することを了承したものと解釈された。
旧佐藤派の大番頭保利茂が取りまとめ役としてセットしたもので「大蔵省の先輩である福田に大平が譲るよう」調整されたわけだった。
この席で狂喜した福田は、「2年後には政権を福田から大平へ譲渡する」
旨の一文を盛り込む事を申し出た。大平はここで福田の言を信ずるのでそれにはおよばないとしたが、結果的に福田はしたたかで、大平は政治家として甘かった。
それは熱心なキリスト教信者の大平と福田の人間性の違いを顕著にあらわしたものでもあった。
密約から2年後の1978年、福田は大平へ政権禅譲を拒否し、総裁選に出馬したため、大福提携が崩壊した。福田と大平は総裁選で総裁ポストを争うも、福田は大角両派に切り崩され敗北し、大平が総理総裁となった。
この時は保利は病床で大平に自分の力不足で申し訳ないと洩らし調整を放棄し、園田直は1979年の四十日抗争時に福田派からただ一人大平に投票した。そのため、園田は福田派から「除名」された。
ところで福田内閣が愈々出来るとなった時、私は園田から相談を受けた。
福田からは建設か通産大臣を打診されていたそうだが、私は断乎として官房長官に坐るべきだと主張した。大平政権へのバトンタッチを円滑に運ぶ為にも必要と考えたからである。
しかし、福田はなかなか承知しない。察するところ既に親分の岸信介から彼の女婿たる安倍晋太郎を官房長官にといわれ、福田もまんざら反対ではなかったようだった。
園田は奇策を用いた。官房副長官として塩川正十郎をつれて官房長官室を占拠してしまったのである。これには流石の福田も呆れて官房長官に指名せざるを得なかった。
だが、更に裏話をすれば、安倍を官房長官に据えろという岸の要求は執拗を究めていたらしい。1年後の内閣改造で園田は追放を喰らった。たった1人、閣僚として留任はしたものの、ポストは外務に変わっていた。
福田にすれば、破格の待遇で処した心算。世間もそう受け取った。しかし園田は怒った。密約を反故にする意向を感じたからである。
ただし、怒りは隠して懸案になっていた日中平和友好条約の締結に邁進した。
「2年」の期限が迫るとともに福田の「密約反古」が歴然となったが、その動きに園田は決して乗らなかった。むしろ田中との連絡を綿密にするなど、大平政権実現に裏で走るようになった。
後に大平は心筋梗塞で急死するが、仮に福田が密約を反故にしていなければ福田が後任として再登場するところだった。
しかし園田はもはや福田派から除名されていて「義理」はない。大平弔問の足で目白の田中邸を訪問、「後任は鈴木善幸」を決めてしまった。
2011 ・5・24
産みの親が検証・反省しない不思議
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石岡 荘十
大震災は天災であり、人びとは誰を恨むこともできず天を仰ぐしかない。
しかし原発事故について被災者は、東電をうらみ、国のエネルギー政策を批判する。
しかし、一国のエネルギー政策の責任は国が負うべきものだから、なにか不都合があったときには、まず国がその責めを負わなければならない。
補償金は「まず東電が払え、足りなければそのときは国が面倒を見る」というのは、順序が逆だろう。
遡れば、わが国の原子力発電の原点は、1954年3月、当時改進党にいた中曽根康弘氏らが原子力研究開発予算を国会に提出したことにはじまる。
このときの予算学は2億3500万円。ウラン235にちなんだ語呂合わせだったといわれる(ウィキ)。ふざけた話だ。翌年12月、原子力基本法が成立。時の総理は鳩山一郎(自民)だった。
福島原発1号炉が営業運転開始を開始したのが1971年3月26日、丁度40年前のことだった。以降数十年、原発の安全管理・監督についても、政権が東電の後押しをして「安全神話」を作り上げ、日本は原発大国を目指してきた。つまり、自民党こそが最近の数年を除けば、原発の産みの親であり、育ての親でもある。
それだけでなく最近では、吉井秀勝衆議院議員(共産党)が、2006年から2010年4月にかけて3度にわたって、福島第一原発を含む43
基の津波対策の不備を指摘。
冷却水喪失による炉心溶融の危険性を警告したのに対して、安倍総理は「我が国において、非常用ディーゼル発電機のトラブルにより原子炉が停止した事例はない」「多重防護でメルトダウンというようなことを起こさせない、このための様々な仕組みをつくっている」(2006年12月)と答弁している。
2010年4月には政権をもぎ取った民主党の直嶋正行経産大臣(鳩山内閣)までが「多重防護でメルトダウンというようなことを起こさせない」と
啖呵をきっている。
http://melma.com/backnumber_108241_5168029/
安倍、直嶋両氏のコメントを聞きたいものだ。
原発の推進は国策であり、国が必要な法の整備を行い、安全基準を作り、安全性を管理監督してきたのもまた国である。つまり国はメシの献立から箸の上げ下げまで口を出してきた。
電力会社に地域独占を許す見返りに、自民党は毎年多額の政治献金を吸い上げ、官僚数十人が天下って、政・官・業べったりの構図が出来上がっていった。
この間、政権を担当してきたのはいうまでもなく、自民党であり、それをいいことに気がついてみれば、電力会社の社長の年俸は7千万円というやりたい放題、べらぼうな経営を許してきたのだった。
東電は補償金捻出のため1兆円を超える資産を処分すると報じられている。それは当然として、エネルギー政策の鬼っ子を生み育ててきた当時の政権政党が、遡ってどこで間違ったのか、いまだに党としてのエネルギー政策の検証もせず、反省の素振りも見せないのは不思議なことである。解せない。
4/23の衆院の震災復興特別委員会で党首が事故後のちまちました対応を、鬼の首でもとったように攻め立てている。
現政権にしてみれば、出来の悪い、金遣いの荒いどら息子がしでかした不始末の尻拭いの仕方が悪いとを叱られているようなものだ。「あんたに言われたくない」という心境だろう。
不信任案を出すなら、党として総括をまず明らかにすべきだ。いずれ、総選挙になれば、原発をどうするかが大きな争点になるだろう。知らぬ顔の半兵衛で逃げ切ることは出来まい。
独裁国家ではないわが国では「甘い安全基準」を作り、運用してきた政権を選択してきたのは、ほかならぬ時の有権者である。その意味で、税金であれ電気料であれ、全国民が応分の負担をするのが議会制民主主義の筋というものだろう。
福島原発1号炉はGEの設計である。非常用電源であるディーゼル発電機はタービン建屋の中にある。原子炉とワンパッケージで設計されていたものをそのまま採用したところに間違いがあったといわれる。
津波のリスクを甘く見た設計だった。アメリカには津波はないからだ。
津波のリスクが高い日本仕様に設計を変更して「ディーゼルを山の上にもっていっていれば事故は防げたはずだ」と専門家(豊田正敏元東電副社長はいう(5/22TV朝日「フロントライン」)。
一般の国民にそこまで求めるのは無理だが、日本の原子力専門家は何をしていたのか、また政権政党の総括と同時に、当時のマスメディアに責任はないのか。メディアが総括をしたという話しも聞かない。
地元被災者に対しては、いま言うに忍びないが、安全神話を信じ込ませるために注ぎ込まれた交付金や税金は7000億円に上るといわれる。問題となっている原発が廃炉となった場合、現地自治体はこの恩恵を受けることが出来なくなるだろう。地元農・水産が復活しても立ち行かないのではないかといまから心配である。 20110524
味方が居なくなった日本
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MoMotarou
中国は弱って貧しくなる日本をマネー力にもの言わせて、安く買いたたく。すでに東京都心の一等地などが相次いで中国資本に買収されている。
日本経済にとって、3・11の意味はもはや明白だ。
田村秀男 9・11後の勝者と敗者 日本のとるべき道は
http://tamurah.iza.ne.jp/blog/entry/2288978/
★
何十年も購読していた日本経済新聞を今月末で止めることに決定。直接の原因はある月曜日の紙面構成。新聞の約三分の一が広告だったこと。
高い購読料の割りには記事の劣化が著しくなってきておりました。
■中国広報紙
高級紙として読み応えのある記事も多かったのですが、中国経済の勃興頃より国益を損なうような内容も増えていました(NHKも同じ)。田村さんが辞めたのもその頃でした。産経新聞が引っ張ったのではなく、「田村氏の希望で」と大島正論編集長が書いておりました。
■保守派の弱点
所謂保守派や右翼筋は、ともすれば精神論及び回帰論になりやすい傾向があります。日本会議の会誌なども昭和をイメージした表紙が多かったようです。
「経世済民」が「経済」としてエコノミー(economy)の訳語として用いられてから、本来の「世を經(おさ)め、民を濟(すく)う」の意味が薄められ、政治と経済が恰も別のものとして論じられるようになったと思います。
■お金に釣られて
「国」を忘れてエコノミーばかりに没頭すると、相手国の罠にもハマりやすくなります。小泉政権時代には38兆円の米国債を短期間に購入しました。これは輸出企業の円安要請と米国の国債消化のためでした。
また共産党独裁国家中国の国家経済戦略も「六韜三略」にも則った巧妙なもので、資金だけなく人材や技術までも取り込まれました。中国版新幹線などは良い例でしょう。
■国内基盤の弱体化が招くもの
国内経済が疲弊してくると浸け込まれます。国内政治が不安定になると侵略を受けます。民主党極左政権は、親中国・韓国のイメージがありました。
しかし現実の「かの国」の仕打ちはいかがなものでしょうか。尖閣・竹島・北方領土等、「進出」どころか「侵略」そのものであります。こう言うのを“手のひらを返したように”というのでしょう。民主党首脳部もビックリ唖然!
■脳を先行支配
中西輝政教授が全共闘世代の精神を分析しておりました。注目すべきは、彼らは「日本は悪いことをしたから占領されて当然だ」という潜在意識があるそうです。
なるほど! だから、中国韓国露国米国には無抵抗になるのですね。
誠に米国の占領洗脳政策とは巧妙でした。阿呆な政治家には一刻も早く退陣してもらわなければ外国に乗っ取られますね。私は中国人にも韓国人になりたくはありません。
*「外務官僚の背骨」渡部亮次郎 -ハンディキャップ国家論
http://momotarou100.iza.ne.jp/blog/entry/485200
お勧めサイト
・杜父魚(かじか)文庫ブログ
「西岡参院議長怒りの記者会見「菅首相は全部ダメ」 阿比留瑠比」
http://blog.kajika.net/?eid=998914」
・閑人舎通信 2011/05/19 http://kanjinsha.com/
「世間離れした「鳩山友愛」のスピーチライター(平田オリザ)の
「食言」から解ったことについての短見を少し記す。」
・「【直言極言】草莽崛起の原点、日本の心[桜H23/5/20] 」
http://youtu.be/I1cyYZmpoZc
・人間学を学ぶ『 こころは超臨界 』
http://blog.goo.ne.jp/chorinkai
・「国民自重の心」小泉信三」
http://momotarou100.iza.ne.jp/blog/entry/470460/
★ ★ ★
■ 謀略
「スパイの一番大きな目的は、相手国の国策を誤らせる事に
ある。(中略)とにかく大東亜戦争で日本は国際謀略というも
のに引っ掛かって敗北した。謀略に対して暗かったという、
日本の不明がある。決して物量に敗れたとか何とかというよう
な簡単なものではないということを、諸君達は知っておいてよ
ろしい」
---安岡正篤;「続人間維新」より
関西師友協会 http://www.siyukai.org/
「黄砂」の攻撃 大阪にも
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毛馬 一三
迂闊にも、5月23日刊本誌2265号の「反響欄」に掲載された、常連筆者前田正晶氏の「黄砂の悪影響」の卓見を見逃し、翌5月24日に拝読して、「黄砂の悪影響」が大阪まで及んでいることに気付いた。
私自身同じ「黄砂の原因」で、今までに経験したことがない程の長期にわたる風邪気味の体調不良に襲われ、気力、体力共に失していたので、前田氏の「黄砂の恐ろしさ」原稿に改めて目を奪われた。
前田正晶氏によると、下記の通りだ。
<先日、ゴールデン・ウイークに故郷の鹿児島に帰っていた50歳の女性から、黄砂の悪影響話を聞いた。
彼女がマスクをして咳をしていたので風邪ではなく黄砂の悪影響だった。
その頃鹿児島では何とも言えない空の色で見通しが悪かったが、その根拠が黄砂の悪影響だと教えられた由。
彼女は黄砂に対する備えもなく、それほど重大なこととは認識していなかった。ところが、帰京して間もなく咳が止まらなくなって医師の診察を受けたそうだ。
そこで、黄砂が肺に入っている状態で放置すれば肺炎になる危険性ありと、抗生物質を処方され何とか安定した状態になったそうである。
しかし、医師からは未だ油断は禁物と聞かされて、あらためて黄砂の恐ろしさを実感したと語っていた。(中略)
黄砂も放射性物質が福島から足柄まで風に乗って飛んでくるのであれば、中国で発生し偏西風に乗れば福島から足柄よりも遙かに遠い鹿児島に飛来して、そういう影響を及ぼすと知った>。
私の場合は、最初咽喉に痛みがあったので、「花粉症」に違いないと考え、耳鼻咽喉科医院で診てもらった。しかし咽喉の痛みと痰のが激しくなる一方、鼻什もひどくなり、微熱を伴うなど風邪症状に似た体調に変わってきたので、慌ててかかり付け内科医院に駆け込んだ。
診断によると、咽喉と鼻の炎症がひどく、早急な治療が必要だと言う診断で、原因は「黄砂」が一つの要因に絡んでいるという事だった。いま当地では高齢者に広がっているそうだ。
そこで、・抗生物質として「メイアクトMS錠100g」、・咳を鎮める
「メジコン錠15mg」、・痰や膿をうすめて痰や鼻什を出しやすくする「ムコダイン錠500mg」、・アレルギー性の鼻水等を抑える「アレグラ錠60mg」、・胃粘膜薬「テプレノンカプセル50mgト―ワ」、・それうがい薬アズノール4%」の薬を出して貰った。
この治療には診察と薬服用で既に3週間かかっており、やっと24日ごろ
から、症状はややよくなりつつある
ただ、前田氏の原稿にあるように「黄砂が肺に入っている状態で放置すれば肺炎になる危険性が十分あり、注意が必要だ」との同じ診断は伝えられたし、今後も発症初期症状には十分気を配るよう、注意を受けた。
ともかく中国から発生、偏西風に乗に乗って「日本」に与えている「黄砂」による悪影響は、鹿児島だけではなく、現実に大阪の私の友人や近郊の人たちまでにも広がっており、全国的に深刻になっているのではないだろうか。
更に、原発汚染が「黄砂」によって運ばれてくる可能性を否定できないと考えると、身の毛がよだつ思いがする。
この「黄砂」な悪影響について政府は全く無関心。情けない限りだ。
(了)
囚人収容コストは年285万円
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平井 修一
「この世は捕まる人と捕まえる人に二分できる」と山本夏彦翁は言っていたが、その伝で言えば「賄賂をもらう人と贈る人」「出世する人と落伍する人」「儲ける人と損する人」「美人と醜女(しこめ)」「ハンサムと醜男(ぶおとこ)」「秀才と鈍才」「左翼と右翼」「愛国と反日」・・・などと分けることができるだろう。
もちろん現実には黒白の中間にはどっちつかずの膨大な灰色があるのだ
が、話を単純化するにはこの二分法というのは便利で、面白い。「原発
と風力・太陽光」なんていう分け方もできるだろう。
小生は「捕まる人」で、塀の内側に落ちてしばらく千葉刑務所のお世話
になったが、どんな社会でも「捕まる人」はいて、まあ一般の国では善
男善女の税金で彼らの面倒を見ることになっている。
“想定内の社会的なロス”と国民はその経費を不承しているが、実際にい
くらかかっているのだろうか。
「法務省矯正収容費の予算額」で検索したところ、法務省所管矯正官署
の平成23年度の要求額は刑務官などの人件費を含めて2282億6000万円だ
った。
矯正官署というのは「矯正管区、刑務所、拘置所」を管轄しており、
「刑務所及び少年刑務所は、刑が確定した受刑者に対し刑の執行を通じ
て、その改善更生と社会復帰を図るため様々な矯正処遇を行い、拘置所
は、刑が確定していない被疑者・被告人を収容している」とある(1)。
現職の裁判官の団体「日本裁判官ネットワーク」によれば平成20年の既
決囚は6万7000人。未決囚を含めれば8万人ほどで、1人当たりの収容コス
トは年間285万円、月間24万円。結構な費用だ(2)。
コストだけを考えれば囚人にその半分の月間12万円の生活保護費を与え
て「おまえら自分で罪を償え」と放逐したほうが安上がりだが、これで
は懲らしめ、矯正という名の懲罰にならずに「盗人に追い銭」になって
しまう。
二度と悪事を働かないように矯正ならぬ「去勢」をするのが肝腎だから、
金はかかっても懲罰・制裁を受けさせ、恐れ入りましたと反省、悔悟さ
せなくてはならないのだ。中国のようにホイホイと死刑にするわけには
いかないから、法治国家というのはまことに金と手間暇がかかるもので
ある。
刑務所は満杯だし(3)、コストもかかるから、囚人減らしのために釈放
してしまおう、懲役30年なら15年で、無期懲役なら20年で娑婆に戻そう
という考えはあるようで、そういう国はどうも増えているようである。
それが妥当かどうかは素人の小生には分からないが、被害者・遺族の感
情としては「冗談じゃない、しっかり懲罰させるべきだ」となるだろう。
日本の場合はどうもひたすら囚人を溜め込んでいるようである。悪意を
もって殺人をしても、被害者が一人ならまず死刑にならない。死刑判決
が出てもなかなか執行されない。
その一方で、世論を受けて厳罰化・重罰化傾向は進んでいる。
<平成21年末時点で法務省が調査した結果、無期懲役で服役している受
刑者が1772人にのぼり、戦後最多になった。その原因は、厳罰化傾向に
よって無期懲役の判決数が大幅に増えたこと及び無期受刑者で仮釈放さ
れる者が大幅に減ったからだ。
犯罪白書によれば、平成元年から平成10年までの10年間に無期懲役の判
決を受けた者は352人(死刑判決を受けたものは42人)であったが、平成
11年から平成20年までの10年間には無期懲役の判決を受けた者が906人
(死刑判決を受けた者は122人)だった。
この10年で無期懲役判決は2.57倍(死刑判決は2.9倍)に増えたことにな
り、重罰化傾向が顕著だ。
また、平成12年から平成21年までに無期懲役で新たに服役した者が合計
930人であったのに対し、仮釈放された者は65人だけであった(獄死した
者は126人)。
平成21年に仮釈放された6人の平均服役期間は30年2か月で、平成12年に
仮釈放された者の平均服役期間が20年2か月であったこと比較すると、仮
釈放が非常に厳しくなっている。
死刑と無期懲役との落差が大きすぎるとの批判があって、仮釈放のない
「終身刑」の新設が検討されているが、この10年間をみると、無期懲役
は実質上、終身刑に近くなっており、仮釈放のない終身刑は必要がない
と思う>(日本裁判官ネットワーク)
裁判官でも被害者の人権より加害者の人権を大事にする暗愚がいるから
我々はしっかりウオッチする必要がある。無期懲役は最低1人は殺めてい
るのだから本来は死刑にすべき犯罪者である。高額な税金を使って養う
価値があるはずもないし、仮釈放で事実上「許す」ことなど言語道断だ。
情状酌量すべきケースは多々あるだろうが、信賞必罰でなければ社会の
モラルが保てない。死刑は速やかに執行し、無期懲役は終身刑へ改め、
死ぬまで働かせ、遺族へ償いをさせるのが筋である(災害派遣などでの
活用も考えられよう)。
医療刑務所で殺人者の延命を図るなんぞ、とてもじゃないが天は許さな
いだろう。自業自得で、野垂れ死にすべきではないか。
ほとんどの被害者、遺族は泣き寝入りである。彼らの無念を思えば死刑
囚、無期懲役囚へ同情はできない。No excuse 厳罰で処すべきである。
・・・・
1)我が国の刑事施設の数は2010年4月現在、刑務所62、少年刑務所7、
拘置所8、刑務支所8、拘置支所103の合計188。
これらの刑事施設は法務省が所管しており、内部部局である矯正局及び
全国8か所に設置されている地方支分部局である矯正管区が指導監督に当
たっている。
刑務所及び少年刑務所は主として受刑者を収容し、処遇を行う施設。拘
置所は主として刑事裁判が確定していない未決拘禁者を収容する施設。
2)囚人とは法令によって刑務所や拘置所に収容されている既決囚およ
び未決囚で「在監者」「矯正施設被収容者」とも言う。
「既決囚」は有罪の判決が確定して、刑の執行を受けている者。「未決
囚」は勾留状によって拘禁されている被疑者・被告人。
3)刑務所や拘置所などの刑事施設の
収容定員は、7万6,043人
収容人員は、7万9,055人(収容率 104.0%)
このうち実刑が確定した「既決」の数値をみると、
収容定員は、5万8,906人
収容人員は、6万8,319人(収容率 116.0%)(平成17年12月31日現在)
(「犯罪者の処遇」サイトから)
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話 の 福 袋
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◎尾瀬で山開き…雪解け進み草地も顔を出す
群馬、福島など4県にまたがる尾瀬国立公園が24日、山開きを迎え、福
島県側の登山口である檜枝岐(ひのえまた)村で式典が行われた。
標高約1400メートルにある群馬県側の尾瀬ヶ原では雪解けが進み、草地
が顔を出し始めている。雪解け水がつくる池塘(ちとう)の水面や残雪が
湿原に不思議な模様を描き出した。群馬県側の山小屋によると、朝方の
雨や震災の影響もあり、初日の登山客は例年より少なめだという。
尾瀬国立公園の土地の約4割は東京電力が所有し、環境保護のため年間
約2億円を拠出している。東電群馬支店によると、原発事故の賠償費捻
出などのため、今年度の拠出は、木道の補修費など最小限に抑えること
になるという。 読売新聞 5月24日(火)11時3分配信
◎布川事件 桜井さん、杉山さん「全面可視化まで闘う」
「裁判官なら真実を分かってもらえる」と念じ続けて44年目。水戸地
裁土浦支部(神田大助裁判長)は24日午後、布川事件で無期懲役刑が確
定し仮釈放中の桜井昌司さん(64)と杉山卓男さん(64)に対し無罪を
言い渡した。
捜査段階では「自白」しながらも、公判では一貫して無実を訴えてきた。
今後も取り調べの全面可視化などに向け、闘いは続く。
毎日新聞 5月24日(火)13時38分配信
布川事件(ふかわじけん)は、1967年に茨城県で発生した強盗殺人事件
である。犯人として近隣に住む青年2人を逮捕・起訴し、無期懲役が確定
したが、証拠は被告人の自白と現場の目撃証言のみで、当初から冤罪の
可能性が指摘されており、2009年、再審が開始され、2011年5月24日、水
戸地方裁判所土浦支部にて無罪判決が下された。(ウィキ)
◎交通安全白書:「自転車は原則車道」4割が知らず
政府は24日、11年度版の「交通安全白書」を閣議決定した。この中で取
り上げた自転車交通に関するアンケート結果では「自転車は原則車道通
行」というルールを知らない人が4割にのぼった。
アンケートはインターネットを通じて内閣府が行い、全国の18歳以上の
男女2000人から回答を得た。
このうち自転車利用者1500人に「原則として『自転車歩道通行可』の標
識のない歩道を通行してはいけない」(原則車道通行)とのルールにつ
いて聞いたところ「知っている」と答えた人は59・7%、「知らなかった」
は40・3%。こうしたルールを「常に守っている」は34・9%、「たまに守
らないことがある」は32・2%、「しばしば守らないことがある」は32・9
%だった。
白書では欧州での先進的な自転車交通施策も紹介。自転車専用通路の整
備が重要と提言している。
毎日新聞 2011年5月24日 12時54分
◎水谷建設元会長「5000万円は私が手配」
小沢一郎民主党元代表(69)の資金管理団体「陸山会」の政治資金規正
法違反事件で、同法違反(虚偽記入)に問われた元秘書3人の第13回公
判が24日、東京地裁であった。
公共工事受注の見返りに同会側へ裏金1億円を提供したとされる中堅ゼ
ネコン「水谷建設」(三重県)の水谷功元会長(66)が弁護側証人とし
て出廷し、1億円の提供を事前に了承していたと証言した。
水谷元会長は、国土交通省発注の胆沢(いさわ)ダム(岩手県)建設関連
工事の受注業者は、下請けの水谷建設も含め、入札前に談合で内定して
いたと説明。
「予定通り受注できるよう、小沢事務所側に了解させるため」、陸山会
の元会計責任者・大久保隆規被告(49)と親密になるよう川村尚元社長
(54)に指示したと述べた。
その後、川村元社長から2004年9月頃、受注の了解を得た見返りとして、
大久保被告に1億円を提供することを打診され、了承。
このうち、川村元社長が翌10月に同会元事務担当者・石川知裕衆院議員
(37)(起訴)に渡したとされる5000万円については、「すべて私が手
配した」と述べた。
読売新聞 5月25日(水)3時2分配信
◎火山灰が欧州中部に到達、ドイツや英国で空の便の混乱拡大
ロンドン(CNN) アイスランドの火山噴火で発生した火山灰が24日まで
に欧州中部に到達した。この影響でドイツの航空当局は国内2空港の閉鎖
を発表、英国でも欠航が相次いでいる。
ドイツ航空当局によると、ハンブルク国際空港は現地時間の25日午前6時、
ブレーメンの空港は同5時に閉鎖になり、ベルリンの空港にも同日正午ご
ろまでに火山灰の影響が及ぶ恐れがある。このため欠航になる便がさら
に増えることも予想される。
英国では24日正午ごろまでにロンドンのヒースロー空港上空にも火山灰
の雲が到達した。欧州の航空管制機関ユーロコントロールによると、英
国ではこの日約500便が欠航となり、当初の予想を大幅に上回る影響が出
ている。
英気象庁は、25日午前には英国全土の上空が火山灰に覆われると予想。
一方、ブリティッシュ・エアウェイズ(BA)は24日夜に試験飛行を行い、
25日までには通常の運航を再開できるとの見通しを明らかにした。
ユーロコントロールでは、デンマークとスカンジナビア半島の一部にも
影響が及ぶ可能性が極めて高いとしている。
アイスランドのグリムスボトン火山は21日に噴火し、同国では21日から
22日にかけて空の便が軒並み欠航となった。
昨年、同国の火山噴火で欧州の航空網がまひ状態に陥ったような事態の
再来も懸念されるが、英民間航空局(CAA)では昨年の事態を受けて対策
を講じ、もし火山灰が広がった場合でも欠航になる便は減らせるはずだ
としている。
CNN.co.jp 5月25日(水)9時42分配信
◎復興基本法案、民主が自公に大幅譲歩へ
民主党は24日、東日本大震災の復興を担う組織の創設を柱とした復興基
本法案について、復興担当の新官庁「復興庁」創設や復興財源を法案の
本則に明記するなど、野党の主張を大幅に取り込んだ修正案の概要を固
めた。
自民、公明両党との合意を目指すが、自民党側は衆院東日本大震災復興
特別委員会で30日に集中審議を行うことを修正協議に応じる条件に突き
つけ、協議開始は持ち越された。
現在の政府案は、復興庁の設置検討を法案の付則に書く程度にとどめた
ほか、復興財源についても触れていなかった。これに自公両党は反発し、
復興基本法案の成立への道筋は険しい情勢になっていた。
このため、民主党の玄葉政調会長(国家戦略相)らは、思い切って自公
両党に大幅譲歩し、修正合意をまとめる必要があると判断。
復興庁の設置を本則に明記した上で、〈1〉復興庁は企画・立案、総合
調整のほか、復興計画の実施も担当〈2〉他の国債と別区分の「復興再
生債」発行で復興財源を確保すると明記――といった案を自公両党に提
示することにした。 .最終更新:5月25日(水)9時19分
読売新聞 5月25日(水)9時19分配信
◎東電、政府側に事前報告 首相答弁とまた矛盾
東京電力福島第1原子力発電所1号機への海水注入が、菅直人首相の言
動を受け55分間中断したとされる問題で、東京電力が、海水投入の3
時間以上前の3月12日午後3時20分ごろ、経済産業省原子力安全・保安
院に海水注入する旨を事前報告していたことが24日、分かった。
首相らが海水注入の協議を始める2時間40分前にあたる。首相は国会で
「東電から海水注入の報告はなかった」と答弁しており、政府説明にま
たも矛盾が浮上した。
複数の政府筋や関係者が明らかにした。それによると、東電は3月12
日正午ごろに海水注入の準備を決め、午後2時50分ごろに注入実施を決
定。原子力緊急事態でただちに首相に必要な情報を報告することを定め
た原子力災害対策特別措置法15条に基づき、午後3時20分ごろ、原子力
安全・保安院に「準備が整い次第、炉内に海水を注入する予定である」
と記したファクスで報告し、午後7時4分に注入を開始した。
東電の清水正孝社長も5月2日の参院予算委員会で海水注入指示の時間
を「真水停止(午後2時53分)の前だ」と証言。注入中断についても東
電は5月21日に「官邸が『海水を注入すると再臨界の危険がある』と
したので政府の判断を待った」と説明していた。
これに対し、首相は23日の衆院東日本大震災復興特別委員会で、海水注
入中断について「私が止めたことは全くない」と関与を否定。東電によ
る海水注入についても「報告が上がっていないものを『やめろ』とか
『やめるな』というはずがない」と述べた。
海江田万里経産相も24日の同委で「もし海水注水をやっていることが分
かっていれば継続になった」と説明した。
だが、首相が3月12日午後6時から首相官邸で開いた海水注入に関する
会議には保安院幹部も出席しており、首相らが東電からの通報を知らな
かったとする説明は極めて不自然だといえる。
しかも首相官邸は原発事故直後から「対応策は政府の指示という形で出
すように」と命じるなど指揮系統の一元化を徹底。3月15日には政府と
東電の事故対策統合本部を設置した。
仮に首相が保安院から東電の通報を伝えられていなかったとすれば、首
相官邸の危機管理体制は全く機能していなかったことになる。
一方、原子力安全委員会の班目(まだらめ)春樹委員長は24日の衆院特
別委で、海水注入中断について「『再臨界の可能性があるから注水はや
めた方がいい』とは絶対に言っていない。『再臨界の可能性がゼロでは
ない』という発言は『事実上のゼロ』という意味だ」と改めて強調。
「職務を全うすることこそが私の使命だ。とことんまで付き合わせてい
ただきたい」と辞任を否定した。
産経新聞 5月25日(水)7時56分配信