江戸時代の日本人の方がしっかりしていた感じがする | 日本のお姉さん

江戸時代の日本人の方がしっかりしていた感じがする

☆小誌愛読者まもなく18000名! 
「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
       平成23年(2011)5月19日(木曜日)
 通巻第3332号 

ジョージ・ソロスは金(ゴールド)トラストを静かに売却していた
  猛烈インフレ、借金経済に強いゴールドに早くも暴落気配を読んだ理由とは?
***********************
 ジョージ・ソロスが、金市場になぐりこみ、過去数年間、ゴールドトラスト(金信託)といわれる金融商品に投資したことは市場では有名だった。
ところがソロスは年初来、その金ポジションを大幅に変更し、金信託持ち高6億5500万ドルを、静かに着実に売却し、6900万ドルまで劇的に下げていたことが分かった(ヘラルドトリビューン、2011年5月18日)。

 ニューヨーク証券取引委員会の発表では、ソロス以外の名うてのファンドは、そろって金価格暴騰傾向に強気の読みを続けている。ソロス以外に金売却に走っているファンドはほとんど無い。

 しかしソロスは世界的インフレとユーロの金融危機を深く織り込む予測を展開しており、彼のファンドが預託してきた「SPDR・ゴールドトラスト」から六億ドル強の投資を引き上げた。
また「iシェア・ゴールドトラスト」から持ち株500万株を引き上げた。
 
 2010年末時点でのソロスの金信託投資は7億7400万ドルに及んでいたことも証券取引委員会への届け出でわかっている。

 金価格の暴騰は連続していた。この5月2日には一オンス=1575ドル79セントという未曾有の高値をつけた。
そしてソロスが金のほか商品市況にまつわる、とくにレアメタル関連の金融商品を280億ドル売り払った事実がわかると、ゴールド価格も下落を開始した。

 ソロスが言う。
 「デフレだから金を買ってきた。世界はインフレ傾向となり、債券危機が表面化したいま、金やレアメタルが今後も上昇する可能性は少ない」。
 世界一の投機家ソロスの新しいご託宣である。
  ◎ ◎
  ♪
(読者の声1)日本人の震災への冷静な対応で、海外からは驚きや賞賛の声、幕末の欧米人による日本見聞記でも同様の記述が多いですね。

幕末の日本、地震・津波・大火・火山の噴火と災害のオンパレード。
それでも日本人は略奪も泣き喚くこともなく、淡々と日常にもどっていくのが欧米人の目には驚きをもって書かれています。

日本人は変わったようで変わらない。

幕末の横浜、千人とも二千人ともいわれる英軍、フランス軍も400人ほど駐留。
毎日、外国船の礼砲が鳴り響き、酔った船乗りたちと日本人とのいざこざも絶えない。
開港当初は友好的だった日本人も、一年も経つと外国人の乱暴狼藉におびえ外国人を見ただけで家の戸を閉ざす。
そして横浜に外国人相手の岩亀楼という遊郭を作るところなど昭和20年の東京と同様です。

幕府の官僚たちも優秀な通訳、若手が堂々と意見を具申するさまなど評価が高い反面、仕事のない役人は昼間から酒と女でだらしない。

欧米が輸出する武器も当初は中古品で暴利をむさぼっても日本人は目利きですぐに最新の物を求めてくると驚く。
幕府の造船所が石川島播磨の元になるのですが、日本の職人は同じものを作ることに飽きたらず必ず工夫を加えるあたりに将来の産業国家を予見、対するシナは外国を軽蔑しているため発展の見込みがないとする。
イタリア人の書いたものでは欧州は普墺戦争のさなか、日本で欧州勢が敵味方になることを懸念しています。
将軍への献上品はイタリア各都市の美術工芸品の数々、都市国家の連合体であるイタリアらしい。

清帝国に対しては朝貢と受け取られかねないと英国が一切の贈答品を拒否、欧州勢もそれに倣ったといいますから、日本は欧州と同等の外交が可能な国と認められていたようです。

ロシアに関しては欧州勢と打ち解けず居住地も別。
欧州勢が交易を求めているのに対し、ロシアはウラジオストクの軍港や対馬のロシア軍艦による占領事件など領土が目的と見抜いています。

クリスマスが北欧の冬至の祭りの変化したものだというのがわかります。
フランスの軍艦に幕府の役人を招いての歓迎はフレンチカンカン。
呆気にとられる幕府の役人、踊り子が水兵の女装とネタを明かされ日仏とも大爆笑。
英軍ではありえないと言っていますから当時のイギリス軍もお固い雰囲気だったのでしょうね。

日本では死んだ人間が神として祀られることについてもイタリア人はローマ帝国の皇帝も同様だったと納得、デンマーク人もカトリックの守護聖人と同様のものとしていますから欧州の宗教観も16世紀とは様変わりのようです。
スイス領事の見聞録には日本で出される食事について、晩餐会・通常の食事にかかわらず、どこの国の人にもカレーが人気だとあります。インドを植民地にしていたイギリスのカレー、江戸時代から既に日本に上陸、海軍カレーに引き継がれ、今や中国でも大人気。
歴史がどう動くのかほんとうに不思議ですね。
     (PB生、千葉)

(宮崎正弘のコメント)そのとき、歴史が動いた、ですか。
  ○◎○◎○
  ♪
樋泉克夫のコラム
@@@@@@@@

【知道中国 574回】              
     ――少年や少女を退屈させないために・・・
        『?追我逃 中年級体育游戯』(仇標 少年児童出版社 1957年)


  △
 「この小冊子について」と題された著者の説明の日付は「1956年1月」で、出版は1年半後の57年7月。
ということは、この本は毛沢東が「陰謀ではなく陽謀だ」と嘯いたといわれる百花斉放・百家争鳴運動から反右派闘争の時期に執筆・出版されたことになる。

改めて断るまでもないが、出版の翌年には驚天動地の大躍進政策が華々しくはじまっている。
 著者によれば、「小学校の教師からいつも、遊びについての中学年用出版物が少ないと聞かされてきた。ならば、この方面で誰でもいいから努力してもらおうではないか。私がこの本を書こうと思い立ったのは、こんな雰囲気に背中を押されたからだ」とのこと。

 この本では、駆ける、飛び跳ねる、投げる、攀じ登る、バランスを取るといった5つの機能強化を図るべく全16種類の遊びが、準備、方法、規則、注意の4項目にわたって紹介されている。
そこで、判り易そうな2種目を必要最小限の説明を加えながらみておこう。

 先ず書名になった「?追我逃(君が追いかけ、僕が逃げる)」は、
 ■準備:運動場に3から5歩の歩幅を明けて甲、乙2本の線を平行に引く。そこから15から20歩の歩幅が離れた場所に同じように平行線を引く。

 ■方法:背の高さ順に並び、奇数を甲隊、偶数を乙隊とし、それぞれが甲、乙の線より後方に下がって並ぶ。指導員(審判)の「?(よーい、ドン)」の掛け声と共に甲隊はもう一方の甲の線を目掛けて走り出す。乙隊もスタートし前方を走る甲隊を捕まえる。これが前半戦。後半戦では甲隊は最初スタートした反対側(つまりゴールした側)の乙の線に、乙隊は甲の線に立ちスタート。今度は乙隊が逃げ、甲隊が追うことになる。捉まえた人数が多い隊が勝者となる。

 ■規則:?指導員が「?」と声を掛ける前には走り出さないこと。?追いつかれて捉まえられた場合は正直に認めること。ウソをついてはいけない。
 ■注意:運動量が多いので、1回4分から8分とすること。
 
次いで「拾球擲人(ボールを拾って人に投げつける)」は、小さなボールを2個用意して、鬼を真ん中に全員が円を描くように並ぶ。鬼は足元にボール2個を置き、座ったり、屈んだり、拍手したり、片足を挙げるなどの動作を3,4回繰り返す。頃合を見計らって指導員が「散開(逃げろ)」と声を掛けると、皆は鬼に背を向けて一斉に走り出す。

と、鬼は左右量の手に1個ずつボールを持ち、片方ずつ各1回投げる。この場合、左右どちらが先でも構わないが、左右同時に投げてはいけない。当てられた人が交代して鬼になる。当たらなかった場合は鬼はボールを拾って、また円の中心に立ち、同じことを繰り返す。2回目も当たる人がいなかったら、鬼は唱うなり踊るなりの芸をして指導員が指名した次の鬼と交代する。

注意としては、?「散開」の合図があった後に走り出し、鬼はボールを手にすること。?ボールを頭に当てないこと。頭に当たった場合は無効とする。

 まことに他愛のない「体育游戯」で、本来は残酷を好む子供が楽しめるわけがない。
そこで退屈している子供たちのために、毛沢東はこの本出版9年後の1966年に「紅衛兵追実権派逃」やら「拾石擲実権派」など、子供好みの残酷極まりない「政治游戯」を思いつく。
唯一のルールは、「革命無罪」。子供たちが狂喜乱舞したことはいうまでもなかった
《QED》

(ひいずみかつお氏は愛知大学教授。京劇、華僑研究の第一人者)
  ◎
<< 今月の拙論と予定 >>
(1)「中国ジャスミン革命ははじまっている」(『撃論』、富国強兵号、発売中)
(2)「日本再生の条件」(『ジャパニズム』創刊号、発売中)
(3)「グアンタナモ・ファイル」(『月刊日本』六月号、5月22日発売)
(4)「震災以後、日本の思想が変わる」(「北国新聞」コラム、5月30日)
(5)「中国新幹線を乗りつくす<8>旧満州の荒野」(『エルネオス』、六月号。6月1日)
(6)「大震災後、中国の反応の異常さ」(『新日本学』夏号、6月5日発売)
   ○○ ○○○ ○○○ ○○
 ◆ 桜チャンネルからお知らせ ◆
「闘論!倒論!討論!2011 日本よ、今...」
テーマ:冊封体制に入るのか? 日本  ~温家宝来日と東アジア情勢
@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@

放送予定日:平成23年5月21日(土曜日)20:00-23:00
日本文化チャンネル桜(スカパー!217チャンネル)
インターネット放送So-TV(http://www.so-tv.jp/)

< パネリスト:敬称略 >
宮崎正弘(作家・評論家)
黄 文雄(評論家、歴史学者)
川村純彦(岡崎研究所副理事長・元海将補)
坂東忠信(元警視庁刑事通訳捜査官・外国人犯罪防犯講師)
平松茂雄(軍事評論家・元防衛研究所研究室長)
鳴 霞 (月刊「中国」編集長)
司会:水島総(日本文化チャンネル桜 代表)
   □
(ラジオ日本からお知らせ) 来る6月3日(金曜日)午後一時から二時20分まで。
「マット安川のずばり勝負」に宮崎正弘が生出演します。
<宮崎正弘の新刊予告>
 『自壊する中国 ネット革命の連鎖』(文藝社文庫。6月5日発売決定。672円)

< 宮崎正弘の最新刊 >
 『震災大不況で日本に何が起こるのか』(徳間書店、1260円)
  http://www.amazon.co.jp/dp/4198631670/
 『中東民主化ドミノは中国に飛び火する』(双葉社新書、880円)
http://www.amazon.co.jp/dp/4575153753/

  ♪
<宮崎正弘の新刊 絶賛発売中>
『ウィキリークスでここまで分かった世界の裏情勢』(並木書房、1470円)
『オレ様国家 中国の常識』(新潮社、1470円)
『上海バブルは崩壊する』(清流出版、1680円)

<宮崎正弘の対談シリーズ>
『猛毒国家に囲まれた日本』(佐藤優氏との対談。海竜社、1575円)
『増長し無限に乱れる「欲望大国」中国のいま』(石平氏との対談。ワック、945円)
『絶望の大国 中国の真実』(石平氏との対談。ワック、933円)
『日米安保、五十年』(西部邁氏との対談。海竜社、1680円)
『世界が仰天する中国人の野蛮』(黄文雄氏との対談。徳間書店、1575円)

<宮崎正弘 全著作リスト> http://miyazaki.xii.jp/tyosyo/index.html
◎宮崎正弘のホームページ  http://miyazaki.xii.jp/
(C)(有限会社)宮崎正弘事務所 2001-11 ◎転送自由。転載は出典明示。
 
デンマーク人のフランス海軍士官の見聞記では8月15日がナポレオン誕生日で盛大なお祝い、ところがクリスマスは神父の説教だけでお祝いはなくがっかり。