世界の遺産なのに勝手に森林伐採 | 日本のお姉さん

世界の遺産なのに勝手に森林伐採

世界遺産の森林1ヘクタール伐採 地元森林組合「認識なかった」 熊野
産経新聞 5月13日(金)20時15分配信
 世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」のエリア内にある熊野速玉大社(和歌山県新宮市)が所有する山林約1ヘクタールを、地元の森林組合が無許可で伐採していたことが13日分かった。住民から「日照不足を解消してほしい」との要望を受け、伐採したという。森林は世界遺産の主要要素「コアゾーン」で、県教委は文化財保護法などに違反する疑いがあるとして調べる。

 県教委によると、現場は同大社のある千穂ケ峯(253メートル)の南部分。シイやカシなどの雑木林が伐採されていた。4月末に、新宮市の環境省熊野自然保護官事務所が確認した。

 この地域では数年前からふもとの住民が「日照や風通しが悪い」として解消を求めていたため、県が平成22年度に「間伐里山再生加速化事業」で枝打ちなどを計画。新宮市が実施主体となり、同市森林組合に作業を委託していた。

 組合は今年2月14日~3月24日に枝打ちや間引きを実施。しかし、地元住民が4月5日に現地を確認したところ、「日照不足が解消されていない」などと伐採を求めたため、組合員ら3人が同月6~21日のうちの5日間で伐採を行ったという。県教委によると、一帯は世界遺産のコアゾーンで、伐採には地元の市町村教委の許可が必要だった。

 同組合は「世界遺産のエリアという認識がなかった。確認不足で、市に相談すればよかった」と釈明している。県教委は「現状復帰も難しい。今後については、所有者や新宮市、文化庁などと相談したい」としている。