「ボランティアは押し掛けていい」
「ボランティアは押し掛けていい」
ニューズウィーク日本版4月5日(火)13時14分配信
被災者のために何かしたいが、何をしたらいいのか分からない──東日本大地震から3週間以上が経つなか、こうした「善意のやり場に困った人」の話をよく耳にする。震災直後からひとり歩きし始めた「迷惑ボランティア」という言葉が、被災地に行って力になりたいという人を躊躇させているのだ。
実際のところ、今ボランティアが押し寄せたら、被災者にとって本当に迷惑なのか。関西学院大学災害復興制度研究所長の室崎益輝教授に、本誌・小暮聡子が聞いた。
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──ボランティアを自粛する動きがあるが、実際のところ人数は足りているのか。
今回の被災地は阪神淡路大震災の何倍もの範囲に及ぶので、何倍ものボランティアが必要だ。にもかかわらず、ボランティアが集まってくるペースは阪神のときと同じか、もっと遅い。ここ数日で状況は少しずつ変わってきているが、私の計算では1日2万人くらい集まるべきところが、1000~2000人レベルにとどまっている。
受け入れ態勢が出来ていないとか、準備不足で行くと現地に迷惑がかかるという声が流布されたことで、ボランティアの動きにブレーキがかかっている。
──「迷惑ボランティア」という言葉もあるが。
阪神淡路大震災のときはボランティアが大勢来たが、被災者はちっとも邪魔とは思わなかったはずだ。迷惑に思っていたとすれば、登録したり名簿を作ったりするのに、一度に来られたら対応しきれないという行政だろう。
今回、ボランティアを自粛させている1つの原因は、地元のボランティアセンター自体が被災したため、ボランティアを受け入れる機能を失っていること。受け入れ態勢が出来ていないので、少し待ってくださいということになる。
被災者は来てほしいと思っている。家には物もないし、人も来ない。本来ボランティアというのは被災者の方を向いて、被災者の声に耳を傾けて、現状をどう改善するのかを考えなければいけない。なのに、阪神淡路大震災のときにはこうだったとか、過去の「マニュアル」に従ってしまっている。
ボランティアが100人いれば、なかには迷惑をかける人もいるだろう。でも、みんな迷惑をかけに行っているわけではなく、助けようと思って行っている。迷惑をかけたら、ちょっと注意すれば済む話。なのにボランティアに注文ばかりをつけて、ハードルを上げてしまっている。最も重要なのは被災者の立場に立って、被災者を助けようという心がけだ。
──ボランティアの主要な受け皿とされる被災地の社会福祉協議会は、募集範囲を「県内(市内)のボランティアに限る」としているところが多い。
極端な話、それは被災者を見殺しにしようとする行為に等しい。それでボランティアの足が止まるのだから。
NPOなどは行政のボランティアセンターを当てにせず、自分たちでボランティアの受け入れ体制を作ろうという方針に変えた。ボランティアセンターが募集を制限する理由の1つは、泊まる場所がないからだが、NPOの中にはテントを張ったりプレハブを建てるところもあるし、被災地から少し外れれば民宿もある。
実際はガソリンも普及し始めているし、県外の人を断る必要はない。県内では中高生までが必死で働いているが、もうみんな疲れてきている。早く外からも行って励まし、助けてあげなければいけない。
──ほとんどの社会福祉協議会が受け入れを制限しているが、被災者側のニーズはもっとあるということか。
ニーズは歩いて探しに行かなければいけない。浸水した家の2階の電気もない場所に数家族が身を寄せ合っていて、水も食料もないと悲鳴を上げているのに、ニーズがないなんてことはあり得ない。泥にまみれた家が何万棟とあるなか、泥が固まる前に誰がかき出すのか。
今ボランティアに行くと迷惑をかけるという世論が、どういうわけか出来上がってしまった。それを変えるのはとても大変だ。
ボランティアは押しかけていい。迷惑をかけてもいい。迷惑かけた分の何倍もいいことをしてくればいい。来てくれただけで、本当に喜ばれるのだから。
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20110405-00000301-newsweek-int
時事通信 4月5日(火)13時5分配信
福島第1原発の事故で、東京電力は5日、高濃度の放射能汚染水が海に直接流れ込んでいる2号機のコンクリート製立て坑「ピット」付近の海水から、最大で国の定めた濃度限度の750万倍、1立方センチ当たり30万ベクレルの放射性ヨウ素131が検出されたと発表した。
東電によると、750万倍のヨウ素が検出されたのは、ピットに亀裂が確認された2日午前。隣接する1、3、4号機の取水口付近でも高濃度のヨウ素が検出されており、1号機では濃度限度の48万倍、3号機で38万倍、4号機で35万倍だった。
2日正午前に採取したピット内の汚染水に含まれるヨウ素は、1立方センチ当たり520万ベクレルで、濃度限度の1.3億倍に相当。同日午後4時半に採取した亀裂からの流出水も同540万ベクレルとほぼ同水準だった。
海水の汚染は2日以降も続いており、4日午前9時時点でも、2号機ピット付近で濃度限度の500万倍、同20万ベクレルだった。
一方、1~4号機の放水口付近では4日午後の測定で濃度限度の1000倍、5、6号機の放水口付近では同130倍のヨウ素を検出。第1原発沖合約15キロ地点のヨウ素は、1立方センチ当たり19ベクレル、濃度限度の4.8倍だった。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110405-00000054-jij-soci
汚染水放出「止めて」地元漁協抗議、補償も要求
読売新聞 4月5日(火)14時37分配信
東京電力福島第一原子力発電所で4日から低濃度の汚染水の放出が始まったことで、地元の漁業関係者らからは5日、「止めてもらいたい」などと怒りや戸惑いの声が上がった。
地元の福島県漁業協同組合連合会の新妻芳弘専務理事(58)は5日朝、読売新聞の取材に対し「健康に影響はないとする東電の説明に疑問がある。原発事故後から県内全域で漁を控えており、補償も合わせて求めていく」と話した。
同連合会は4日付で、東電の清水正孝社長宛てに「二度と漁業をできないのではないかと漁業者は不安を募らせている。低レベルといえども汚染水。絶対に止めてもらいたい」との抗議文をファクスで送付した。
福島県も5日午前の災害対策本部の会議で、経済産業省原子力安全・保安院に対し、〈1〉国の責任で継続的な汚染の監視を強化する〈2〉生物や人体への影響評価を定期的に公表する――の2点を求めることを決めた。
また、同原発から南へ約140キロ離れた茨城県大洗町の漁協幹部は「(福島の隣の)茨城の魚というだけでひとくくりにされて風評被害が出てしまう。具体的に休業補償を強く要望したい。早く原発事故を収束させてほしい」と話した。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110405-00000591-yom-soci
Y! 2011/04/05(火) 11:37
福島第一原子力発電所では4日、問題となっている原発内にある高濃度水の保管を優先するため、原発内にある比較的汚染度の低い水を海に放出し始めた。また、細野豪志首相補佐官は3日、福島原発の放射性物質漏出抑止に「少なくとも数カ月」はかかるとの見通しを示した。
■「【写真特集】東日本大震災」
このニュースは米国でも報じられている。米ハフィントンポスト紙は、地震と津波以来、多くの報道は放出された放射性ヨウ素の濃度が関心の的となっていたが、半減期が30年のセシウム137は放射性ヨウ素の9倍ものがん発生率で、さらに深刻な健康被害が懸念されると伝えている。
文部科学省は先月24日、福島原発の北西40キロメートルで測定された土壌セシウム137汚染レベルは16万3000Bq/kgだったと発表した。
同紙はこの結果について、米アルゴンヌ国立研究所のShih‐Yew Chen氏は「16万3000Bq/kgは、およそ800万Bq/m2と同等で、これはチェルノブイリで測定された最高値500万Bq/m2を超えることになる」と指摘したとし、これが事実なら歴史上最悪の例だと伝えている。
また日本政府は、福島原発からの放射能漏出抑止のために早急に対処すべきであり、日本政府がIAEAや他国政府のあらゆる問題解決能力を使用することをちゅうちょするなら、事態をさらに悪化させることになる。問題の過酷さを認めて、早急に対処しないと、日本経済と国民に重大な結果を招くと懸念を示している。
米ニューヨークタイムズ紙は、先月福島原発の原子炉が損傷してから長引いている問題は、原発から漂う放射性物質が日本人や世界にどのように影響するかということだとし、多くの人々にとって、最大の懸念はがんだと伝えている。
同紙は、一定レベルの放射線被ばくでがんの危険性が増すことは知られているが、日本で起こっている低い放射線被ばくの影響について、少量でもがんの危険性を上げるという主張と、ゼロに近い放射線量で危険度を推定するのは無意味だとする考えで、専門家の意見は一致していないとも報じている。(編集担当:田島波留・山口幸治)
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http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2011&d=0405&f=national_0405_026.shtml
放射性ヨウ素の詳細影響「新生児は16倍、1歳未満は8倍」―米紙
2011/03/25(金) 11:22
東京都葛飾区の金町浄水場では22日、水道水から規制値の2倍以上の放射性ヨウ素が検出されたことから、東京都は同日、同浄水場の水が供給されている東京23区などに対し、乳児の水道水摂取を控えるよう要請した。しかし、24日朝に水を再検査したところ、乳児向け暫定規制値を下回ったため、都は同日、摂取制限を解除した。
米国でもこのニュースが報じられている。米ニューヨーク・タイムズ紙は、米疾病管理予防センターによると、大人と子供が同量の放射性ヨウ素を摂取する場合、甲状腺の放射線照射の度合いは、新生児は大人より16倍高く、1歳未満の子供は8倍、5歳で4倍だと詳細な見方を紹介している。
また、妊婦が放射性ヨウ素を摂取する場合、ヨウ素は胎盤を通して胎児に影響を与えるので、妊娠が進むにつれて、胎児の甲状腺にはより多くのヨウ素が吸収されるとし、安定ヨウ素剤が不足している日本の現状から、妊婦と子供たちに安定ヨウ素剤を配給すべきだとする専門家の見方を伝えている。
一方、米ニューヨーク・デイリーニュース紙は、当局が乳児のいる家庭に、24万本のペットボトルの水を配布すると約束したにもかかわらず、東京ではパニック状態の住民らが、先を争って水を買う事態になったと報じた。また、スーパーマーケットの店員は「このような状況を見るのは初めて」と空になった棚を見て語ったと伝えている。(編集担当:田島波留・山口幸治)
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2011&d=0325&f=national_0325_051.shtml