日本人は悲しんでいる
教会に用事でアメリカからクリスチャンのお客様が来た。
半年ほど前から来ることは決まっていたのだが、
今回の地震と津波で来れないと思っていたが
彼らは来てくれた。
教会の礼拝の後で、アメリカ人のクリスチャンたちが
挨拶をしてくれた。
「日本は放射能が漏れて危険だから行くなという人も
いましたが、大阪は影響が無い事は知っていたので
予定通りきました。
僕は、テレビのニュースで日本の東北地方が
地震と津波で被害を受ける映像を観て
涙を止めることができませんでした。
僕らアメリカのクリスチャンは日本人の救いのために
毎日神さまに祈っているので、
日本の苦しみを人ごとのように感じることはできませんでした。」
と、言ったとき、なぜかわたしも泣けてきた。
パニックになって大騒ぎはしないけれど、
日本人は、みんな悲しんでいるのだと感じた。
逆に悲しんでいない人は、日本人ではないのだと思う。
アメリカ人を家に招いてお食事会をするからおいでと
教会の人に呼ばれた。
行ってみると英語ができる人が誰もいなくて
みんな困っていたので、わたしがむちゃくちゃな英語で
通訳をすることになった。
アメリカ人のクリスチャンは、
「今、アメリカ人は日本中全部が放射能でやられていると
思っている。大阪はなんともないのに。
アメリカ人は、日本の災害を本当に同情しているし
自分のことのように悲しく思っている。
9・11の時も、みんなテレビを観て
悲しく思ったんです。」と言っていた。
教会の人たちも口々に
「9・11の時は、日本人も悲しかったです。」と
アメリカ人のクリスチャンに伝えた。
アメリカでは、アメリカ人のレポーターが直ぐに
東北の被災地に入ったし、
原発の事故のこともいち早く報道した。
レポーターが東京で
「あなたは、原発の事故のことを知っていますか?」と
訪ねたら、ほとんどの日本人は知らなくて
みんな不機嫌になったのだそうだ。
東電には4人のクリスチャンがいて
現在、死にものぐるいで仕事をしているそうだ。
「そんなニュースは、全然知らないなあ。」と言ってたら
アメリカでは、ニュースやブログで
いろんなことが伝わっているのだと言っていた。
日本は、まだまだだね。
原発の爆破の映像も2日たってから、ちょろっと
遠くから煙が出ている映像を見せてもらえるだけで
ほぼ隠されているような感じがする。
アメリカでは、きちんと報道されていたそうだ。
捜査員が遺体をプラスチックケースに保管し
頭を垂れている映像も出たと言っていた。
終いにはプラスチックケースがなくなったので、
毛布で巻いていたと言っていた。
アメリカ人のクリスチャンは、
「このような苦しみも神さまの許しなしには起こらないので
この苦しみも益となって、多くの日本人の救いにつながるように祈ります。」と
言っていた。
日本人は、心の中に悲しみを抱えて
今、やるべきことをやっている。
悲しむのはいつでもできる。
起きてしまったことをどうやって終息させるかの方が
悲しんでいるより大事だと思う。
でも、心の中の悲しみも、いつか癒されなければならない傷なのだ。