世界保健機関(WHO)「日本で水道水を飲用しても、ただちに健康上のリスクが生じるわけではない」
飲料水の安全性について
世界保健機関(WHO)が「日本で水道水を飲用しても、ただちに健康上のリスクが生じるわけではない。それはなぜか。」と題して新しい文書を公開しています(PDF):
飲料水の安全性について
日本で水道水を飲んでもよいか?
日本で水道水を飲んでもよいか?
• はい。日本で水道水を飲んでも、ただちに健康上のリスクが生じるわけではない。
• この緊急事態に対し日本当局が採用している基準値は、予防的なものである。
現在、最も多く検出されている汚染物質は放射性ヨウ素であり、
飲料水における対成人基準値は 1 リットル当たり 300 ベクレルである。
非常に可能性の低い想定ではあるが、このレベルで汚染された飲料水を
1 年間飲み続けた場合、この水からの放射線が人体に及ぼす影響は、
1 年間に自然界から浴びる放射線量に等しい。
• 日本当局は状況を厳密に監視しており、必要に応じて水道水の飲用に
関する助言、特に乳児に関しての助言を行っている。
放射線核種による汚染のリスクを避けるために、
乳児が必要とする水分補給を減らすことはあってはならない。
水から放射線汚染を除去することはできるか?
• 通常の水処理工程により、放射線汚染物質の多くは除去できる。
そのほか放射線汚染の凝縮を避ける手段として、汚染水を
汚染されていない水で制御希釈することが挙げられる。
• 煮沸しても、放射性ヨウ素を除去することはできない。
飲料水における放射性ヨウ素 131 のガイドラインのレベルが、
それぞれ異なっているのはなぜか。
複数の勧告においてガイドラインレベルが異なるのは、通常時に適用するものと
複数の勧告においてガイドラインレベルが異なるのは、通常時に適用するものと
非常時用のものとが存在するからである。
下表は、飲料水における放射性ヨウ素 131 のガイドラインをまとめたものであり、
それぞれの数値に対し、日常活動で放射線量が人体へ影響を及ぼす
レベルも併記している。
ガイドライン
水中の放射能(ベクレル/リットル)
年間線量換算概算値 (マイクロシーベルト/年)
このレベルの水を 1 年間飲用した場合の健康上の危険性について
WHO 飲料水水質ガイドライン
(1)
10 0.1 ニューヨーク-ロンドン
間のフライトに相当
日本の暫定(非常時)基準値
(大人)(2)
300 2.5
日本の暫定(非常時)基準値
(乳児)(3)
100 1
1 年間に浴びる自然放射
線量、もしくは胸部 X
線検査 10-15 回分にほ
ぼ相当
IAEA の定める原子力危機の
際の運用上の介入レベル(4)
3000 10 腹部 CT スキャン 1 回
分に相当
(1) WHO の飲料水水質ガイドラインは、原子力危機に際しての
基準値とすべきではない。
なぜなら、この数値は日常時における飲用に対する適用を念頭に、
かなり保守的に設定されているからである。
(2) 日本の飲食物摂取の規制における放射性物質の
暫定基準値は、日本原子力安全委員会の指標に基づき定められた。
この基準は危険予防のための数値であり、IAEA や国際
放射線防護委員会(ICRP)勧告などによる国際的ガイドラインを
放射線防護委員会(ICRP)勧告などによる国際的ガイドラインを
考慮のうえ算出されている。
(3) 上記(2)に加え、乳児食に使用する飲料水についての基準値が
ある。このレベルは、コーデックス委員会が乳児食について定めた
国際ガイドラインと同等である。
(4) IAEA 安全ガイド GSG-2 は運用上の介入レベル
(Operational Intervention Levels: OILs)を策定しており、これは
緊急時の初期段階における既定の国際的なガイダンス・レベルである。
赤ちゃんには
ペットボトルの水をあげたらいいと思う。
でも、なければ水道水でもいい。
脱水して最悪な状態になってしまうよりいい。