東電は「情報共有が早ければ被曝を防げた可能性があった」と認めた。 | 日本のお姉さん

東電は「情報共有が早ければ被曝を防げた可能性があった」と認めた。

東電、1号機の高放射線量を事前把握 作業員らに伝えず

2011年3月26日12時49分

 東京電力福島第一原子力発電所(福島県大熊町、双葉町)3号機のタービン建屋内で起きた作業員3人の被曝(ひばく)で、3人が作業に入る6日前の18日、水がたまっていた1号機のタービン建屋地下で高い放射線量を確認しながら、東電は作業員らに注意喚起をしていなかったことがわかった。

東電は「情報共有が早ければ被曝を防げた可能性があった」と認め、謝罪した。

 東電福島事務所によると、6日前の18日、1号機のタービン建屋地下1階で作業した際に放射線量を測定、作業員の被曝線量の上限(250ミリシーベルト)に迫る毎時200ミリシーベルトと高いことを確認していた。

 一方、3人の作業員が3号機で作業を始めたのは、24日午前10時半ごろ。作業員には1号機の情報は伝わっていなかった。

 3号機では前日にはなかった水が深さ15センチになっていたが、3人は前日の作業では線量が低かったこと、「タービン建屋は通常、線量が高い場所でない」と思っていたことなどから、水につかって作業をして、被曝した。18日のデータが事前に伝わっていれば、作業員らの思い込みを防げた可能性がある。

 東電福島事務所の小山広太副所長は「1号機の現場の状況の情報をしっかり各現場で作業している人たちに注意喚起していれば、今回の被曝は防げたと思っており、反省している」と謝罪した。

 東電によると、建屋内に津波による海水が残っていると考えて排水を検討。その準備として水を分析するため、24日午前9時半に1号機で水を採取、分析した。東電や経済産業省原子力安全・保安院によると、3号機と同様、通常の原子炉内の冷却水より約1万倍強い、1立方センチ当たり380万ベクレル(放射能の単位)の放射能が検出された。

 含まれている放射性物質の種類は3号機とほぼ同じだった。セシウム137など燃料に含まれる物質が検出されており、原子炉内から漏れ出した可能性がある。

 保安院は3号機の水の発生源について、使用済み核燃料の貯蔵プールよりも原子炉内の可能性の方が高いとの見方を示した。

 東電はまた、2号機のタービン建屋地下でも表面付近で毎時200~300ミリシーベルトの高い放射線量の水がたまっていることを明らかにした。これにより、高い放射線量の水がたまっていたのは1、2、3号機となり、今後、配管の損傷などからどういう経路で漏出が広がったのかを調べていくことになる。

 水たまりの深さは3号機で最大1.5メートル、2号機は1メートル、1号機は40センチ。4号機でも、放射性物質の状況は不明だが、80センチの水がたまっているという。

http://www.asahi.com/special/10005/TKY201103260185.html


南放水口付近、海水から高濃度のヨウ素131
読売新聞 3月26日(土)10時51分配信
 経済産業省原子力安全・保安院は26日、東京電力福島第一原子力発電所の南放水口付近で25日採取した海水から、原子炉等規制法で定める濃度基準の1250・8倍の放射性ヨウ素131が検出されたと発表した。

 同地点で21日調査した時の10倍高い濃度で、500ミリ・リットルを飲んだ場合、一般人の年間許容量である1ミリ・シーベルトに達するが、保安院は「汚染水は海で拡散し、薄まる。20キロ以内では漁業が行われておらず、健康への影響は小さい」としている。一方、東京電力は、作業員が被曝(ひばく)した同原発3号機以外に、1、2号機でも、高濃度の放射性物質を含んだ水がたまっていることを確認したと発表した。

 保安院によると、検出された放射性ヨウ素131の濃度は、1ミリ・リットル当たり50ベクレルで、安全基準の1250・8倍だった。この測定点では21日の午後に行った採水で、安全基準の126・7倍にあたる、1ミリ・リットルあたり5・066ベクレルの放射性ヨウ素131が検出された。24日午前の採水でも基準の103・9倍に達しており、高い濃度を維持していた。

 25日の採水では、ほかにもセシウム134が安全基準の117・3倍、セシウム137が同79・6倍など高濃度で確認された。同日福島第一原発から南に約16キロ・メートル離れた東電福島第二原発付近で採った海水では、ヨウ素131の濃度は基準値の9・2倍、セシウム134の濃度は安全基準内だった。

 文部科学省の船による沖合30キロ・メートルの海洋調査では、観測値では大きな変化は出ていないとしたうえで、経産省の西山英彦・大臣官房審議官は「海では潮流に流されて拡散して薄まるため、周辺住民に直ちに影響はないと考えている」と述べた。原因については「空気中の放射性物質が海に入り込んだか、汚染された水が海に流れ込んだ可能性があるが、特定できない」としている。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110326-00000294-yom-soci

死者・不明2万7000人超=24万人避難、16日目―東日本大震災
時事通信 3月26日(土)5時12分配信

 東日本大震災は26日、発生から16日目を迎えた。警察庁によると、死者は1万151人、行方不明者は1万7053人となり、合わせて2万7204人となった。
 同庁の26日午前10時時点のまとめでは、死者は宮城で6097人、岩手で3092人、福島で904人など12都道県に及ぶ。警察に届け出があった行方不明者は、宮城で6237人、福島5934人、岩手4878人など。
 1都16県に設けられた約2000カ所の避難所では、原発事故による避難も含め、約24万6000人が生活を送っている。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110326-00000018-jij-soci
枝野長官「東電の損害賠償免責、あり得ない」
読売新聞3月25日(金)22時52分配信

 枝野官房長官は25日の記者会見で、東京電力福島第一原子力発電所事故で被害を受けた周辺住民らへの損害賠償について、「安易に免責等の措置が取られることは、この経緯と社会状況からあり得ない」と述べ、東電の賠償責任は免れないとの認識を示した。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110325-00000980-yom-pol


計画停電なのに2月と同料金請求 東電「4月で帳尻」


2011年3月25日22時20分 東京電力が管内の306万世帯に対し、3月の電気料金を請求する際、支払い済みの2月の料金を請求していることがわかった。東日本大震災で交通事情が悪化し、3月分の検針ができなかったため、臨時に請求したという。

 東電はいったん2月の料金で支払ってもらい、4月の請求の際に実際の料金と足し引きして調整するという。東電はこうした説明をつけずに請求書を送りつけていた。

 現在、福島第一原子力発電所の事故で、利用者が節電や計画停電で電気の使用を抑えている。配慮に欠けた請求には不満の声が出ている。

 東電によると、震災後の3月14~16日は全管内で道路が混雑するなどして、担当者が検針に回れなかったという。茨城支店管内では被災して行けない地域もあり、23日まで検針ができなかった。結局、3月中旬ごろに検針することになっていた世帯で、1都8県の約306万世帯の検針が期日に間に合わなかった。

 検針できなかった場合、電気供給約款に基づいて前月の料金を請求でき、次の請求で差額を調整することになっている。このため、東電は3月分の利用明細に2月の料金と同じ金額を記載して請求書を送ったという。敷地内に入れず、検針できない場合には前月料金での請求をすることもあるが、大規模な前月料金での請求は過去に例がない。

 ただ、請求書には説明がなく、利用者からは「計画停電にも、節電にも協力しているのに、料金はおかしい」「いい加減な請求は納得できない」などの声があがっている。東電の藤本孝副社長は25日の記者会見で「きわめて機械的にやってしまって申し訳ない」と謝罪した。不手際をわびる文書を送る準備を進めているという。(金井和之)
http://www.asahi.com/business/update/0325/TKY201103250500.html

原子力安全委員会は国民の前に立て

2011年3月25日10時27分 放射能の飛散状況の推測結果を原子力安全委員会が23日夜、ようやく公表した。福島第一原発事故が起こってから、安全委員会が会見をしたのはこれが初めてだった。「総理および官邸に助言するのが第一」として、みずから会見はしなかったという。

 しかし、放射能という目に見えない敵と日々闘っている人々がいま安全委に期待するのは、専門知識を生かしたアドバイスだ。「黒衣に徹している」(班目春樹委員長)場合ではない。世界中の専門家の力を借りながら、いまどう行動するのがいいのか、安全委は直接国民に語るべきだ。

 23日に公表されたのは、原発から放出された放射性物質の広がり方を、地形や気象データを踏まえて予測するSPEEDI(緊急時迅速放射能影響予測)の試算結果だ。

 米国やフランス、オーストリアなど海外の機関はこうした予測を事故直後から独自にインターネットで公開してきた。「日本にもSPEEDIがあるのだから、早く結果を公表すべきだ」という国民や専門家の声に押される形で、やっと公開に踏み切った。

 安全委は「放出源がどうなっているかわからなかった」ことを、公表が遅れた理由にあげた。しかし、放出された放射性物質の種類や量が正確にわからなくても、大まかな広がり方がわかれば、余計な被曝(ひ・ばく)をしない対策を考えるときに助かる。

 班目委員長は23日の会見で、今後は「モニタリングのポイント数を増やすのが第一」と述べた。予測の精度をあげるためだが、そんなことを「第一」にしてもらっては困る。予測結果が大まかなものであっても、それをいち早く人々のために役立てることの方が、はるかに大事だ。

 原子力安全委員会は国の安全規制の基本方針を決め、首相を通じて関係省庁を指導する権限をもつ。経済産業省の組織である原子力安全・保安院による安全審査の妥当性をダブルチェックし、安全に万全を期す役割を担ってきた。

 安全委の委員は5人。米国の原子力規制委員会(NRC)のように多くの研究者を抱え、強力な権限をもつ独立機関とは違うが、緊急時を想定した態勢は整えていた。

 しかし、今回の事故ではそれが機能していない。国民は本当に困っている。

 いまの危機的状況を打開するには、専門家の力を結集するしかない。専門家はみずから安全委に出向くときだ。漏れ続ける放射性物質の行方、人体への影響の度合い、国民へのリスクの伝え方などについてさまざまな分野の「知」を集め、その時々で最善のアドバイスをしてほしい。

 内閣に危機管理監がいるように、安全委専属の危機管理監を任命することも考えてみるべきだ。(高橋真理子)

http://www.asahi.com/special/10005/TKY201103250143.html