「いったん制定されれば縛られる」外国人参政権
「外国人参政権」めぐり揺れる高崎市 高崎経済大・八木教授が問題点指摘
産経新聞 3月7日(月)1時19分配信
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「いったん制定されれば縛られる」とまちづくり基本条例の問題点を指摘する八木秀次教授(写真:産経新聞)
【上州リポート】
外国人を「市民」と位置付け外国人参政権容認を促す「まちづくり基本条例」の制定作業を進めてきた群馬県高崎市は市民や市議の反発を受け、開会中の市議会への条例案提出を断念した。だが、市側は条文案を修正する気はなく、あくまでも原案通りの制定を目指している。市側が“温存”した条例が制定された場合、高崎市はどうなるのか。高崎経済大の八木秀次教授(地域政策学部)の解説を交え検証した。(森本充)
市側は中核市に移行する4月1日の条例施行を目指し作業を進めてきた。だが、市が市民から条例素案について意見を聞いたパブリック・コメントでは、403件の意見が集まり、外国人を市民に含める条文や、他の条例を従属させようとした前文の最高規範規定に批判が相次いだ。
このため、市側は2月に入り最高規範規定の文言を前文から削除した条例素案を新たに作成し、市議会調査特別委員会に示した。だが、市議会でも「周知不足」「再考が必要」と反発が強く、市側は定例市議会提出を断念せざるを得なかった。
高崎市のケースについて、八木教授は「断念は全国の自治体で初めて。高崎市民の良識を示せた結果だ」と評価。ただ、同市の北嶋菊好市長公室長は条例素案を「完成形だ」と強調。さらに、松浦幸雄市長は産経新聞の取材に対し、外国人を市民と位置付ける条文素案について「朝鮮総連だろうと何だろうと平等に付き合っている。一緒に暮らしているので(市民に含めるのは)当たり前の話だ」と断言している。
両者が見直し作業を行わない姿勢を貫いているため、八木教授は「条文を温存したに過ぎない」と不安視もしている。さらに「個人として朝鮮総連と付き合うことが『悪い』とは言わない。ただ、高崎市は日本国の中にあり、市の運営主役になるべきなのは日本国籍を持った市民だ。(外国人を)日本人と同等に扱うことは行き過ぎで憲法の趣旨にも反する」と説く。
また、八木教授は、市側が条例素案に「この条例を最大限尊重し、及び遵守する」とする規定を残していることを問題視。「最高規範規定を削除しても実態は変わらない。これまでの条例・規則に、まちづくり基本条例と照合して矛盾があれば修正しなければならず、将来の高崎市政も縛られる」と危ぶむ。
実際に条例が制定された場合、高崎市でどのようなことが想定できるのか。八木教授は、条例案で「別に条例で定める」とした住民投票の規定に目を向ける。今春引退の松浦市長は、住民投票の投票資格者に外国人が含まれる可能性はないことを強調しているが、まちづくり基本条例で外国人市民が認められた場合、次期以降の市長の施政下で住民投票条例を定め、投票資格者に外国人を含めることは可能だ。
このため、八木教授は「外国人も入った住民投票の結果に市も市議会も拘束される。重要案件を住民投票で問うならば、議会なんていらない。議会の自殺行為だ」と言い切る。
同条例をめぐっては、条文作りを進めた市職員プロジェクトチームに自治労傘下の市職員労組幹部が専従休職中で職務外であるにもかかわらず、職員として参加してきた偽装専従も発覚。
自治労は22、23年度の運動方針で「外国籍市民の地方参政権の確立を進める」と定め、全国の自治体で「条例制定に取り組む」考えを示している。外国人参政権容認を促す条例制定の動きは、全国各地の自治体で活発化しているが、自治労の関与が確認されたのは高崎市が初めてだ。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110307-00000501-san-l10
産経新聞 3月7日(月)1時19分配信
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「いったん制定されれば縛られる」とまちづくり基本条例の問題点を指摘する八木秀次教授(写真:産経新聞)
【上州リポート】
外国人を「市民」と位置付け外国人参政権容認を促す「まちづくり基本条例」の制定作業を進めてきた群馬県高崎市は市民や市議の反発を受け、開会中の市議会への条例案提出を断念した。だが、市側は条文案を修正する気はなく、あくまでも原案通りの制定を目指している。市側が“温存”した条例が制定された場合、高崎市はどうなるのか。高崎経済大の八木秀次教授(地域政策学部)の解説を交え検証した。(森本充)
市側は中核市に移行する4月1日の条例施行を目指し作業を進めてきた。だが、市が市民から条例素案について意見を聞いたパブリック・コメントでは、403件の意見が集まり、外国人を市民に含める条文や、他の条例を従属させようとした前文の最高規範規定に批判が相次いだ。
このため、市側は2月に入り最高規範規定の文言を前文から削除した条例素案を新たに作成し、市議会調査特別委員会に示した。だが、市議会でも「周知不足」「再考が必要」と反発が強く、市側は定例市議会提出を断念せざるを得なかった。
高崎市のケースについて、八木教授は「断念は全国の自治体で初めて。高崎市民の良識を示せた結果だ」と評価。ただ、同市の北嶋菊好市長公室長は条例素案を「完成形だ」と強調。さらに、松浦幸雄市長は産経新聞の取材に対し、外国人を市民と位置付ける条文素案について「朝鮮総連だろうと何だろうと平等に付き合っている。一緒に暮らしているので(市民に含めるのは)当たり前の話だ」と断言している。
両者が見直し作業を行わない姿勢を貫いているため、八木教授は「条文を温存したに過ぎない」と不安視もしている。さらに「個人として朝鮮総連と付き合うことが『悪い』とは言わない。ただ、高崎市は日本国の中にあり、市の運営主役になるべきなのは日本国籍を持った市民だ。(外国人を)日本人と同等に扱うことは行き過ぎで憲法の趣旨にも反する」と説く。
また、八木教授は、市側が条例素案に「この条例を最大限尊重し、及び遵守する」とする規定を残していることを問題視。「最高規範規定を削除しても実態は変わらない。これまでの条例・規則に、まちづくり基本条例と照合して矛盾があれば修正しなければならず、将来の高崎市政も縛られる」と危ぶむ。
実際に条例が制定された場合、高崎市でどのようなことが想定できるのか。八木教授は、条例案で「別に条例で定める」とした住民投票の規定に目を向ける。今春引退の松浦市長は、住民投票の投票資格者に外国人が含まれる可能性はないことを強調しているが、まちづくり基本条例で外国人市民が認められた場合、次期以降の市長の施政下で住民投票条例を定め、投票資格者に外国人を含めることは可能だ。
このため、八木教授は「外国人も入った住民投票の結果に市も市議会も拘束される。重要案件を住民投票で問うならば、議会なんていらない。議会の自殺行為だ」と言い切る。
同条例をめぐっては、条文作りを進めた市職員プロジェクトチームに自治労傘下の市職員労組幹部が専従休職中で職務外であるにもかかわらず、職員として参加してきた偽装専従も発覚。
自治労は22、23年度の運動方針で「外国籍市民の地方参政権の確立を進める」と定め、全国の自治体で「条例制定に取り組む」考えを示している。外国人参政権容認を促す条例制定の動きは、全国各地の自治体で活発化しているが、自治労の関与が確認されたのは高崎市が初めてだ。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110307-00000501-san-l10