杉岡秋美さんの意見  :生命保険関連会社勤務 | 日本のお姉さん

杉岡秋美さんの意見  :生命保険関連会社勤務

じじばばは、世話をしてほしいので

消費税大賛成なり。

たぶん、選挙に出て行くのはじじばばだから

消費税を取る案は可決されるなり。でも

長い目で見るとじじばばをお世話する関係の

分野では新しい雇用が広がるから、

若い人はじじばばを大切にお世話したらどうか。

でも、若い人はじじばばのお世話など好きかな~?

インドネシア人しか、やってくれないのではないかな。

心配になってきますわ。

わたしもいずれ、じじばばになるのよね~。

長生きすればの話だけど。

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2011年2月25日発行
JMM [Japan Mail Media] No.622 Monday Edition-5
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 ■ 『村上龍、金融経済の専門家たちに聞く』

   Q:1150 「高負担・高福祉」という時の「高負担」とは?

■今回の質問【Q:1150】

「高負担・高福祉」か「低負担・低福祉」か、国民は選択すべき、というような指摘
をよく見かけます。「高負担」とは、だいたいどのくらいの、またどのよう形の負担
なのでしょうか。  村上龍

 ■ 杉岡秋美  :生命保険関連会社勤務

 高齢者層は財産はあるかもしれませんが、所得は少なく消費財の必要量も少ないで
しょう。利害としては、これから税金や保険料を多く負担することは不可能ですが、
一方で年金が減らされてはたまりませんし、医療・介護など福祉サービスは、安けれ
ばいくらでも提供して欲しいという立場でしょう。

 反対に、若者層や現役世代は、これからバリバリ稼いで、消費にも貯蓄にも励まな
くてはなりません。現役を続ける間は税金も負担しなければなりませんが、子育ての
環境は気になりますが、福祉サービスが自分のために必要になるのはまだ先の話です。

 高齢者はこれからの負担をあまり考えなくて良いので、二者択一のアンケートをと
れば、間違いなく「高負担・高福祉」を選択するでしょう。消費税が上って年金や医
療制度が安定すれば御の字だと思うはずです。現役・若者層は、現在確実に負担しな
ければならない分と、将来の不確かな受け取りのバランスを考えたら、「低負担・低
福祉」の側を選び、消費増税などまっぴらに違いありません。

 そして、高齢化した日本国の有権者を考えれば、高齢者ないしそれに近い世代の方
が数が多いと思いますので、日本全体をみれば、消費税を上げて「高福祉・高負担」
を選択しようとしている様に思います。

 私も個人的には、もう高齢層に着々と近づいているので消費増税「高負担・高福
祉」路線であまり懐は痛まないはずです。ただ、先日、老人施設に入っている私の父
を訪ねた時、消費税を上げる政策に大賛成なのを知って、これから青年期を迎える私
の子ども(彼の孫)のためにちょっとむっとしたのを覚えています。

 高負担や高福祉の定義を、数値で議論するのは回避して、「高負担・高福祉」を、
例えば「消費税を10%に上げて、当面現状の年金・介護の水準を維持すること」とし
て限定して捕らえると、問題は二つの世代間で、負担に大きな差が生じることにある
ことになります。現役・若者世代は、高齢者への給付を安定させるために、将来にわ
たる増税負担を受け入れる気になるかどうかは大いに疑問とするところです。

 ただ、消費増税に賛成しそうな層は厚いので、政治的には消費増税は簡単に決まり
そうですが、その時は社会に大きな不満の種を抱えそうな気がします。高齢者が多く
保有する資産への課税や相続税の強化などが、社会的に公平かもしれません。

 ただし、このような議論は費用の負担の面しか見ていないので、物事の半分です。
たとえば、高福祉化でかかる費用の大方は誰かの人件費(所得)になります。増税し
てその分が高齢者のために使われたとしても、現役・若者層の雇用・所得の増加につ
ながれば経済全体としては上手く動くことになります。とくに、現在のようにデフレ
で有効需要不足に悩む時代には、内需を増やす正攻法であるという面があります。上
手く政策化すれば、費用負担の世代間不公平を緩和する効果はあるでしょう。

                       生命保険関連会社勤務:杉岡秋美
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