シカととの衝突事故、全国で相次ぐー北海道ーエゾシカ急増で農林業に被害 | 日本のお姉さん

シカととの衝突事故、全国で相次ぐー北海道ーエゾシカ急増で農林業に被害

増えすぎなら一定の量を間引きして

食べたらどうでしょうか?

イギリス人もフランス人も食べているから

グリーンピースに文句も言われないと思うけど。

~~~~~~~~~~~~~~~~~

<列車事故>シカととの衝突事故、全国で相次ぐ
毎日新聞 2月2日(水)8時57分配信
 シカが線路に迷い込み、列車と衝突する事故が増えている。JR各社は対策に追われているが、決め手に欠けるのが現状だ。

 約64万頭のエゾシカが生息するとされる北海道。昨年度、シカが原因でダイヤに影響が出た件数は2029件に上り、02年度(697件)の約3倍に増えた。今年度上半期も763件あり、昨年度を上回るペースだ。

 昨年11月、千歳市と苫小牧市の市境付近で起きた特急列車とシカの衝突は、JR北海道の悩みを一段と深くした。従来の事故は道東、道北の山間地が大半だったが、札幌周辺や太平洋岸にも広がってきたからだ。担当者は「行動範囲が広がり、対策が追いつかない」とため息をつく。

 検討した防止策は多岐にわたる。光で驚かせるソーラー式ライトの設置は、1本1万円と費用がかさむため断念。害獣駆除に効果のある超音波も、人への影響が懸念され実施されなかった。においで遠ざけようと、芳香剤を置いたり、実験的にライオンのふんをまいたりしたが、効果はあまりみられなかったという。

 答えは結局、「物理的に入れないようにするしかない」。高さ2メートルの柵の設置は延長約36キロに及ぶが、同社の営業距離(約2500キロ)からすれば、ごく一部だ。踏切から侵入できるため、柵があっても事故ゼロは難しい。

     *

 北海道以外も似た状況だ。09年度のシカと列車の衝突が479件と、4年前(271件)の約1・8倍になったJR東海は、紀勢線などで夜間を中心に減速運転に踏み切った。到着が10分程度遅れることもあるが、担当者は「事故よりは損害が少ない」。乗客にはアナウンスなどで理解を求めているという。

 09年度(375件)は06年度(216件)の約1・7倍に増えたJR九州や、「シカに限らず動物との衝突が増えている」というJR四国は、衝突時にシカを巻き込まないよう、車両前部に鉄の棒などの「バンパー」を取り付けた。JR西日本は、シカが発泡スチロールのこすれる音を嫌がることから、沿線にひもを張って風鈴のように狭い間隔でつるしている。だが、これも維持が大変で、シカが慣れてしまえば効かなくなる。

     *

 背景には、シカの頭数増と生息域拡大がある。環境省によると▽積雪の減少(冬に死ぬ個体が減る)▽狩猟者の減少▽耕作放棄地の増加によるエサ場の増加--などが主な原因という。捕獲数も08年度は約25万頭と、00年度からほぼ倍増したが、繁殖の歯止めにはなっていない。

 JR各社は昨年度から全国の担当者が集まり、情報交換を進めている。シカの生態に詳しいエゾシカ協会(北海道)の井田宏之事務局長は「事故対策だけでは解決できない。専門家を社内に置き、生息調査するなどの抜本策を考えた方がいい」と指摘している。【今井美津子】
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110202-00000011-maiall-soci


【写真劇場】北海道 エゾシカ急増で農林業に被害 知床を闊歩する「アフロ鹿」
配信元:
2011/02/01 09:55更新
 ■シーン1
 2005年に世界自然遺産に指定された北海道・知床半島。北方領土の国後(くなしり)島を間近に望む羅臼(らうす)町の浜で、網が角に絡みついたエゾシカに遭遇した。
 シカは雑食のため、エサを探して民家に降りた際に、防護網に絡まってそのまま逃げたらしい。地元では絡まった網を髪形に見立てて、“アフロ鹿”や“ドレッドヘア鹿”“かみなりさま鹿”などと呼ばれている。
いったん絡まった網は角が生え替わる初夏まで外れることはない。シカは“アフロヘア”を揺らしながら暮らすしかない。
 ■シーン2 銃規制、食文化、資金…駆除へ高いハードル
 初めて遭遇してから約1カ月後、同じ場所で再び黄色い網を被ったあのシカと再会した。“アフロ鹿”は斜面からしばらくこちらをうかがうと、臆する様子もなく道路を横断し、ゆうゆうと浜に降りていった。
 知床の動植物などの調査研究を行っている知床財団によると、知床のエゾシカの数はここ20年で急増した。2005年の調査では1万頭近いエゾシカが生息していることが分かった。
 これに伴い、シカの被害も増加する一方だ。北海道によると、09年の農業・林業の被害額は1989年の3.5倍に達した。増えすぎたシカが樹皮を食いちぎり樹木を枯らしたり、たくさんの新芽を食べてしまう事態も起きている。
 しかし、駆除のハードルは高い。高齢化や銃規制でハンターが激減したこと。夜に行動するシカに対し、日没後の発砲ができず、発砲できる範囲も制限されていること。シカを食べる文化がないこと。野外で処理した肉を販売できないなど食用流通に規制があること。住宅街で駆除する場合、銃ではなく麻酔を用いるが、麻酔費用が高く、資金が不足していることなど、数え上げればきりがない。
 獣医学博士で知床財団の石名坂豪研究員(37)は「エゾシカは繁殖力が強く、このままでは貴重な森林が破壊されてしまう。だが、現状では規制だらけでシカの頭数を調整する策が打てない」と頭を悩ませている。
 (写真・文:写真報道局 鈴木健児/SANKEI EXPRESS)
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/books/art/489292/