またまたNHKが、沖縄を日本から分断させようと企てているような変な番組を垂れ流したらしい | 日本のお姉さん

またまたNHKが、沖縄を日本から分断させようと企てているような変な番組を垂れ流したらしい

(編集部より)次号より平常発行にもどります。
 樋泉克夫のコラム
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【知道中国 487回】                 
      ――ウソかマコトか、マコトかウソか・・・稀代の奇書だ
       『被俘的女文工團員』(袁静筠口述・郭國吉録音 北運河出版社 2010年)
  
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 中共47軍作戦処偵察科長だった郭国吉は開放政策の恩恵で小銭を持ち、タイへ団体観光に。偶然に立ち寄ったバンコクの中華街の骨董屋で47軍兵士の旧い認識徽章を手にした。これが「四十七軍女文工團員被俘後受盡凌辱的眞實故事」の副題を持つ本書の発端である。

 林彪率いる第四野戦軍隷下の一部隊を前身とする47軍は、建国翌年の50年に湖南省西部で土地改革を進めると同時に国民党残存部隊の掃討作戦を展開し、2万3千人余りの地主・国民党勢力を殲滅。赫々たる戦果を挙げる。土地改革とは地主から土地を取り上げ農民に分け与えること。土地を分け与えられた農民の毛沢東と共産党への支持は熱狂的に高まるが、土地を奪われる地主からすれば共産党は憎んでも憎みきれない怨敵となる。

 建国から1年が過ぎた50年秋、47軍が湖南省西部山岳地帯を転戦した際、部隊所属の文工団の20代後半の幹部から15歳までの5人の女性隊員が忽然と行方不明になった。
文工団とは文芸工作団の略称で、歌や芝居で農民を洗脳し仲間に引き入れ味方を増やし、武器を持って戦わずとも敵を孤立・殲滅させることが主要任務。単に部隊と共に移動する慰労演芸団ではなく、じつは強力な人間兵器。

であればこそ、団員の美しい容貌の裡には強固な革命思想と崇高な使命感が満ちていた。それが陳腐なものであったにせよ、である。
47軍が総力を挙げて捜索しても行方が判らない。じつは5人は、47軍によって土地改革処分を受けた湖南省西部一帯で覇を唱えていた有力地主の郭子儀一族によって捕虜になり、山中の塞に幽閉されてしまう。

47軍の秘密を暴き、一族を破滅させられた恨みを晴らそうと血眼になる郭一族とその私兵によって、5人の乙女は徹底した性的虐待・凌辱を受けた。

 共産党政権の権力基盤が確立するに従い、郭一族等は国民党残存部隊と共にビルマ・タイ・ラオスの国境に跨る山岳地帯に逃げ延びる。
逃避行の渦中で文工団員は次々と凌辱の果てに惨殺されたが、袁静筠だけは地獄の責め苦を生き抜く。やがて彼女はバンコクの売春宿に売られ、苦海に生きることを余儀なくされた。

1980年代初め、そこで19歳の元解放軍女性兵士に出会う。聞けば中越戦争前線で捕虜となり、ヴェトナム、カンボジアを経て遥々バンコクに転売されてきたとのこと。戦争の犠牲になった19歳の元解放軍兵士の行く末に自らが歩まざるを得なかった惨め極まりない人生を重ね、袁静筠は涙を流す。

 80年の元旦。売春宿の亭主が「今夜からオツトメはしなくていいぞ」。だが、彼女に行く当てもない。売春宿で下働きをしながら、老残の日々を送る。そんな彼女が最後まで身につけていたのが、若き日の崇高な使命感の象徴でもあり、自らの名前が刻まれた47軍の認識徽章だった。
人生を捨てた彼女が骨董屋に売った徽章が、旅行中の郭國吉の手に。

郭は徽章を売った人物に会わせてくれと骨董屋に懇願する。現れた老女が郭國吉の知る袁静筠だった。
彼女の語る苦難の人生を、彼は細大漏らさず記録して本書を著した。「筆舌尽くし難い」との表現があるが、全395頁に展開される情況は、そんな生易しいものではない。残忍極まりない凌辱ぶりは人間の所業とは思えず、読者の想像を遥かに超絶する。

本書の記述の真偽を判断する術を今は持たない。
だが延々と続く地獄絵図を細大漏らさず記そうとする姿勢の根底には、やはり彼らの民族文化(=生き方)があるように思う。記憶は時の流れに消え去るが、たとえ粉飾されようと文字は残る。
やがて彼らは残された文字を根拠に自らに都合のいい“史実”を語りだす。このカラクリに要注意デス。
《QED》

   読者の声 どくしゃのこえ DOKUSHANOKOE 読書の声
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(読者の声1)先日、「歴史は眠らない 沖縄・日本 400年」NHK教育、火曜22時25分~、という番組があり、興味があったので見てみることにしました。私は現在沖縄県在住のいわゆる「ないちゃー」(内地出身者)ですが、この番組を見てどきっとしました。悲しげな音楽をバックに大和人が極悪非道に描かれ、中国は琉球の独立を認める救世主のように描かれているのです。罪悪感を抱かせられるような陰湿な雰囲気です。なんとなく「JAPANデビュー」を彷彿させるような脚色がなされており、この番組はひょっとして日本と沖縄を分断させ中国に取り込もうとする工作の一端では?と危惧しております。私が純粋無垢な沖縄県人であったなら、この番組を見て大和人を恨んでいるかもしれません。琉球独立!と叫んでいるかも?(笑)歴史的事実が云々と言う前に番組の演出の仕方にも問題があると思うのです。是非読者の皆様も一度ご覧になり、この私の感想が単なる妄想、杞憂なのかご指摘ください。
  (TM生、沖縄)


(宮崎正弘のコメント)またNHKの暴走ですか。保守論壇のなかで問題になると思います。

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(読者の声2)最近起きた北東アジアに於ける2つの事件、つまり尖閣諸島での中国漁船事件と延坪島での銃撃戦に関して不思議なことに非常に重大であるのも関わらずマスコミが報道しないことが二つあります。
一つはこれらの事件の経済への影響です。
日経平均株価は1万円を超えなお上昇中です。当たり前です。急上昇していた円の為替レートがぴたりと止まり、それから徐々に下がっています。日本のカントリーリスクが原因です。
この為替レートでは輸出関連企業を中心に株価が上昇するのは当たり前です。来年末には1ドル70円くらいになると見られていたのが、85円近辺に落ち着きそうな気配です。外人投資家にも非常に魅力的になっています。
この傾向は当分変わらないと観ます。米国政府も円安を口先では非難するかも知れませんが、内心では大喜びです。いまや対日貿易赤字など対中貿易赤字と比べたらへのようなもの。
それより景気回復・雇用促進を目指した超金融緩和でジャブジャブに通貨供給量を増やしている状況で、一番怖いのはドルへの信任が崩れて一挙にドルの価値が下がることです。
日本のカントリーリスクが高まることにより、その危険が緩和されています。同時に日本の景気も来年末にはかなり回復していることでしょう。
もうひとつ不思議に誰も問題にしないことがあります。
YouTube に掲載された程度のビデオだったらなにも中国政府が非公開にしてくれなどと要求してくる可能性はありません。あれくらいなら公開しても中国政府にとってかわずの面に小便くらいのものです。密約を結ぶための交換条件などもったいなくて出せないというところでしょう。
そしてより重要なことは確実に米国政府は公開されていない肝心の部分が何かを知っています。
そして米国政府にとって一番得な状況になったとき、何らかの方法でそれが一般国民に漏れるように仕向けると私は断言します。



 12月5日、「出陣学徒慰霊祭」が執り行われます。
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第7回出陣学徒慰霊祭のお知らせ
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主旨 大東亜戦争という未曽有の国難に際し、立ち上がり、散華された多くの学徒、若人を、現代に生きる学徒が慰霊する慰霊祭です。本年は名著『回天の群像』の著者宮本雅史先生に講師をお願いいたしました。当日、沖縄から御参列頂く予定です。
来たる12月5日(日)、本年も靖国神社におきまして出陣学徒慰霊祭が行われます。
出陣学徒慰霊祭とは、今を生きる若者が、先の大東亜戦争において、国家の為に散華なされた若き英霊の慰霊・顕彰を、学生が行うという全国でも唯一の慰霊祭で、日本保守主義研究会が毎年催行させていただいております。毎年、学徒出陣壮行会が行われた10月21日から実際に軍隊に入営・入団した12月の間に行われています。
大東亜戦争という国家危急存亡の秋に、多くの学徒がペンを銃にかえ、自らの身命を擲って敢然と立ち上がりました。彼ら思いは、我々日本人が決して忘れてはならないものであると確信しております。
本年度は記念講演に産経新聞那覇支局長でジャーナリストの宮本雅史先生をお招きし、『「回天特攻の真実~海に散った若人と遺族の戦後~」との演題で記念講演を行います。 是非ともご参列のほどお願いします。

開催日:12月5日(日) 1330
場所:第1部 靖国会館 第2部 靖国神社本殿
<当日のスケジュール>
記念講演 於 靖国会館2階 偕行の間
13:00開場、13:30開会
・実行委員長挨拶・来賓挨拶・学生意見表明
記念講演:宮本雅史先生 演題:「回天特攻の真実」
(宮本雅史先生略歴)1953年和歌山県生まれ。慶應義塾大学卒業後、産経新聞社入社。93年にゼネコン汚織事件のスクープで新聞協会賞を受賞。書籍編集者を経て、現在那覇支局長。『回天の群像』では、元特攻隊員や遺族の証言を追い、特攻隊員の心とその背景に迫った。著書に『特攻と遺族の戦後』『歪んだ正義─特捜検察の語られざる真相』ほか多数。

出陣学徒慰霊祭 於靖国神社本殿 15:40より

主催:日本保守主義研究会学生部
http://www.wadachi.jp/
協賛:拓殖大学政策研究愛好会「日本の心」http://nihonnokokoro.web.fc2.com/
(本年度の参加大学:京都大学、東京大学、早稲田大学、慶應義塾大学、上智大学、明治大学、拓殖大学ほか)
参加費 一般3000円、学生1000円(玉串料込)
当日予約なしの参加も承っておりますが、会場の都合事前に下記のフォームよりお申し込みください。
http://form1.fc2.com/form/?id=533120
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~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 北九州の読者のかたにお知らせです
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佐賀土曜セミナーのご案内
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 とき   12月11日(土曜)午後二時
 ところ  佐賀市天神 アバンセホール
      http://www.chizumaru.com/czm/objlist-41G0309X469059.709Y119724.006S500D72f@002454.htm

 講師   佐々淳行(初代内閣安全室長)
 演題   「菅内閣と日本の将来」
 入場無料
 お問い合わせ 0952-23-5020(松永)
   ♪
<宮崎正弘の最新刊>
 『上海バブルは崩壊する』(清流出版、1680円)
 http://www.amazon.co.jp/dp/486029341X/
 (↑ アマゾンから入手できます!)

<宮崎正弘のロングセラーズ>
http://miyazaki.xii.jp/saisinkan/index.html
『猛毒国家に囲まれた日本』(佐藤優氏との対談。海竜社、1575円)
http://www.amazon.co.jp/dp/475931122X/
『日米安保、五十年』(西部邁氏との対談。海竜社、1680円)
http://www.amazon.co.jp/dp/4759311092/
『中国ひとり勝ちと日本ひとり負けはなぜ起きたか』(徳間書店、1680円)
『増長し無限に乱れる「欲望大国」中国のいま』(石平氏との対談。ワック、945円)

『朝日新聞がなくなる日』(ワック、945円)
『トンデモ中国、真実は路地裏にあり』(阪急コミュニケーションズ、1680円)
 ◎宮崎正弘のホームページ http://miyazaki.xii.jp/
(C)有)宮崎正弘事務所 2001-2010 ◎転送自由。ただし転載は出典明示。

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公開されてない映像って、これ?↓

http://sns.mynippon.jp/img.php?filename=d_135072_2_1289159527.jpg&m=pc
読者の意見は、甘い部分がある。

チュウゴク人は、日本をいっぺん、徹底的にやっつけて

自分の支配下において奴隷としてコキ使いたいという

願望があります。一般のチュウゴク人にそういう願望があります!

永遠の敵でもあります。

なぜならチュウゴク人は、日本を永遠の敵だと思っているから。

弱そうな相手は、いつか、徹底的にやっつけてやるのだと

思うのがチュウゴク人なのです。個人的にはチュウゴク人は

明るくておおらかで優しいのだけど、幼稚園児の頃から

日本を憎む教育を受け続けているので、日本人が

しないような悪い事をされたと信じ込んでいる。

たとえば、日本兵が、チュウゴク人の妊婦の腹を裂いて

中のえい児を生きたまま出して空に投げて銃で撃ったとか

銃剣で刺したとか普通に私に言うけど、

日本兵にとっては、銃剣は天皇陛下にいただいた

菊の紋が入った大事なものなのに、

そんなことするかな!!??

そんなに残虐な行為をするかな?

日本兵は、チュウゴク人より、もっと理性的で

もっと統制がとれていたと思うのです。

チュウゴク人は、自分たちがすることの一番最低なことを

日本兵がしたと言っているだけです。

現に、通州では、チュウゴク兵が、日本の一般人の妊婦の腹を

大衆の面前で裸にしたうえで裂いて、

えい児をつかみだし、空中に投げて落下させて殺している。

(それを観た日本人女性が手記を書いています。)

チュウゴク人は、泥棒しておいて、逃げながら「泥棒~!!」と

叫ぶようなずるがしこい民族なので、

言っていることを全部まともに信じてはいけないのです。

表面的にはどうみえようが、現在この問題の主導権を今もっているのは、米国政府です。米国政府にとって漏れ出ることが一番得な状況とは、中国に対して強硬な要求をする必要がでてきたとき、日本の世論も反中国になって協調してくれるということとは限りません。
それなら日本国民にとっても好都合です。
怖いのはもっと別な米国政府にとってだけ得になる状況で漏れ出させる可能性が高いことです。そのとき冷静かつ果断でいられるかを今後、日本人が問われる課題です。
昭和初期に日本人はこの課題で失敗しました。
 (ST生、千葉)


(宮崎正弘のコメント)ドル下落は「日本“菅”没」よりも怖い。しかし基軸通貨に代替がない以上、米ドルという基軸通貨の陥没は世界経済にとっても災禍。SDRはまだ夢の話、ユーロはEU分裂気味で、日本円よりおかしくなりそうです。

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(読者の声3)新「船中八策」 -G2米中パワーシフト下、日本の指針-
◆龍馬ブームと「船中八策」◆
9月の尖閣諸島沖の中国漁船衝突事件に続き、先週には北朝鮮による韓国西方沖の延坪島砲撃が起こり、東アジア情勢が緊迫してきた。これらは、大きくは米国の力が弱まる一方中国が勃興し、米中パワーシフトが起きていることに起因する。
世間では、坂本龍馬ブームや戦国武将ブームが起きているが、これらは取り巻く国際情勢の激流の中、日本が方向性を見出せず迷走している事と無縁ではない。
こうした中、龍馬が没年に新国家体制の基本方針として起草したとされる「船中八策」に倣い、現下の状況に於ける新「船中八策」を構想することは決して無駄ではないだろう。
以下に拙案を示す。

-新「船中八策」-
●「国際的大義を伴う長期的国益の追求」を外交の基本とし、自主防衛を確立すべき事。

●当面の状況では米国側につき、中国の拡張主義・北朝鮮の暴発に備えるべき事。
●ロシア・韓国とは「休戦」し、インド・ASEANを味方に付けるべき事。
●核兵器は、決断後6ヶ月で実用可能なように備えるべき事。
●少なくとも5年間篭城可能な食料・エネルギー政策等を推進すべき事。
●出生率を高めると共に、優秀な移民を受け入れ、自由貿易を進めるべき事。
●「ナショナル・ミニマムを伴う自立社会」の理念の下、地方分権、社会保障、規制緩和を進めるべき事。
●「官民折半・自己責任」で、新エネルギー、アジアインフラ整備等の国家プロジェクトを興すべき事。

◆外交・防衛の指針◆
外交・防衛には柱となる理念が必要である。
それ無くば、事態に対しその場その場でブレまくることとなり、ブレれば必ず負ける。

筆者は、「国際的大義を伴う長期的国益の追求」を基本理念とする。
近視眼的でない先を見越した国益を追求する一方、それが周辺諸国との調和を欠いては持続的ではない。
歴史の中に教訓を見出せば、ヒトラーは両者を欠いて自滅した。
「大義」とは、言わば「正義」をより普遍的にしたものである。
その言葉に危険な面は潜むが、総じて世界の発展と調和を担保する方向を「大義」とし掲げ外交・防衛に臨む必要がある。
 なお、自主防衛の確立は国力からして当然であり、現在の米国に依存しきった状況は異常である。少なくとも通常兵器戦では主体的に自国を守れる戦力と体制を、晩くとも5年のうちに確立する必要がある。具体的には、空母の保有、憲法改正ないし国家安全保障基本法の制定等もこれに含まれる。

 また、その上で米中パワーシフトの中で、日米同盟の維持強化は必要である。イラク戦争等を起こした米国は、決して正義の国ではない。
しかし外交・防衛とは相対的なものであり、大国との関係では、比較して国際的大義と国益に適う方、よりマシな方を同盟相手に選ばなければならない。
 中国は永遠の敵ではないが、南沙諸島を狙い、尖閣諸島を狙い、沖縄を狙う拡張主義の民主化していない現在の中国は仮想敵国である。(もっとも、少なくとも民主化直後にはナショナリズムがより高まることが考えられる)
 北朝鮮については、今回の韓国延坪島砲撃は、金正恩への後継体制固めが主な狙いであろうが、中国の少なくとも暗黙の了解が在ってのものだろう。
本当に北朝鮮に言うことを聴かせたいなら、体制崩壊 → 難民流入の懸念は有る程度あるにせよ、基本的には送電等を止めてしまえばよい。そうすれば、核開発もできない。
中国は、米国が中朝国境に駐留するので、米国が弱るまでは朝鮮半島の南北統一を行わせたくない。そして米国の国力が十分に弱った後、南北を統一させ、一体で柵封するのがメイン・シナリオだろう。
また、「困ったちゃん」の北朝鮮が無くなったら、自分の「困ったちゃん度」が国際社会の中でスポットを浴びて浮かび上がるから、「言うことを聞かないやんちゃな弟」に「ほとほと困り果ててる兄」を演じているが、京劇の伝統に拠るのか西側マスコミを騙し続けるその演技力は白眉と言える。

 仮想敵国は中国と北朝鮮なのだから、二正面作戦は避けてロシア、韓国とは領土問題を少なくとも当面は凍結させて、経済・文化関係等で交流を厚くするのは、クラウゼヴィッツや「孫子」を持ち出すまでも無く戦略の基本である。
インド・ASEANに対しては、遠交近攻や合従連衡の策を持ち出すまでも無い。
 
 なお「日本は、3年で核ミサイルを保有する能力が有る」とはよく語られることだが、現下の加速化する東アジア情勢をみれば、決断後6ヶ月程度で実践可能な核ミサイル配備が出来るような核技術・ロケット技術のシェープアップが必要である。
「核を直ぐ持てるのだけど、NPT(核拡散防止条約)に敬意を表し、敢えて持たない」というのが、現状では日本のバーゲニングパワー最大化の選択肢だろう。(但し、IAEA:国際原子力機関等が煩いから、よくよく根回し・説明は必要ではある)

◆内政・貿易政策の指針◆
食料自給率は100%を目指すことが本来だが、備蓄や有事の農地転用を組み合わせ少なくとも輸入を完全に止められても5年間程度篭城可能な体制が必要だ。
エネルギー・レアアース等についても、備蓄や太陽光等の新エネルギーを組み合わせ同様にすべきである。輸入を完全に止められる事態は現実的ではないが、その備えをすることによって初めて強力な外交カードとなる。
 子供手当ては、評判は悪いが出生率を高めるためには必要だろう。国力の基本は、人口であり、「よく教育された」国民である。
フランス初めEU諸国では、子供手当てで出生率上昇に成功しているのだから、彼国と状況、制度、その他保育政策等の奈辺が違うのか分析して対処すべきだろう。政府、マスコミにその努力が欠落している。
また、並行して極く優秀な移民はどんどん入れるべきだ。それに刺激されて日本人も腹を据えて頑張る。
英国等では、移民審査を英語、技能、資格、学歴等で点数制にして優秀な移民を受け入れている。
 「ナショナル・ミニマムを伴う自立社会」の理念の下、地方分権、社会保障、規制緩和を進めるべき事は、言い換えれば「自立と共生」である。
自立が主で基本であるが、それで補え切れない部分は公が出て支えて行く。
これまたEU生まれの「補完性の論理」によれば、個人 → コミュニティー → 地方自治体 → 国家で、努力しても身に余る部分は上位の枠で支えるという。
かつて太平洋戦争で、米軍はゼロ戦を研究してグラマンをバージョンアップして、航空戦を制した。昔は兵器の優劣が勝敗を分けたが、今は主に政策の優劣が国の勝敗を分ける。
猿真似はよろしくないが、よくよく研究して良いものであれば、日本に合う様なチューニングをして取り入れるべきだろう。
 「新重商主義」なる言葉が出来、各国とも国家が後押ししたビジネス合戦が盛んだ。韓国が昨年末アラブ首長国連邦(UAE)への原発売り込みに成功したのは記憶に新しい(「60年保証付き」については、双方本気かという気はするが)。

 筆者は、国家プロジェクトは「官民折半・自己責任」で行うことを主張したい。かつての第三セクターでの地方自治体と地元企業のコラボレーションは、どちらも主体性と責任を取らない曖昧さの故に失敗した。
官は金を出すが半分以下に留め、新エネルギー開発やアジアインフラ整備等で大きな計画は出すが、実際のオペレートは半分以上を出資する民間(シンジケート)が行い、互いに出資額範囲で責任を取るスキームが役割分担と責任の明確化という点で適当だと考える。
なお、「新エネルギー分野」と「環境分野」は表裏一体であるが、CO2削減等の環境分野は今後国際社会の中で梯子を外されるリスクがあり、例えばCO2地中固定化技術への注力は避け、太陽光等にシフトするような長期的な戦略性・見極めは不可欠である。
 以上述べて来たが、幕末には龍馬の「船中八策」や、その基となったと言われる横井小楠の「国是三論」「国是七条」等、国家の新指針をコンパクトに示す文章が出され、それが明治維新に繋がった。
 今後、平成の「船中八策」「国是七条」が多く出され、それらが広く甲論乙駁され淘汰され、かつ実行されることにより、米中パワー・シフトの下で日本の漂流は初めて止まると思われる。
 (KS生、千葉)


(宮崎正弘のコメント)理想論として承っておきます。子供手当とか、GDP成長に結びつかない、後ろ向きの話には賛成できませんが。。
  ◎◎
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~<< 今月の拙論と予定 >>
(1)「中国知識人とノーベル賞」(『正論』正月号、12月1日発売)
(2)「上海―南京新幹線に乗ってきた」(『エルネオス』12月号、発売)
(3)「中国人の交渉の奥義」(拓殖大学『新日本学』冬号、12月1日発行)
(4)「三島由紀夫と戦後」(『歴史スペシャル』12月号、世界文化社、発売中)
(5)「池袋チャイナタウン突撃記」(『新潮45』、12月号、発売中)
(6)「スパイ防止法、技術方面から再考」(『月刊日本』12月号、発売中)
(7)「次期主席・習近平と日中関係」(『ボイス』12月号、発売中)
(8)「中国の反日デモは最初から最後までやらせ」(『撃論ムック』、発売中)
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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
      平成22年(2010)12月2日(木曜日)
       通巻3147号  
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(編集前記)台湾の五大市長選挙の取材に行っておりました。結果は小誌でも予想した通りで、 3(国民党) vs 2(民進党)でした。しかし中味は逆転です。
 民進党の得票率が国民党より5%上回って、二年後の総統選挙は50vs50の可能性となりました。
党首は蔡英文(女性)ですが、人気高く、党内事情から言っても、次の総統候補に撰ばれる可能性が50%近くあります。蘇貞昌、嘉蘇全、謝長挺、林義雄と候補人気が続いていますが。
 また同時に行われた市議会選挙は113vs113で与野党同数となりました。
 詳しくは追って。
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