28日午前、沖縄県尖閣諸島・大正島沖の日本の接続水域に中国の漁業監視船2隻が入った
国際法上、国家は自国の領海に対して管轄権を持っているが、沿岸国以外の国家の船舶について無害通航権が認められている。このため外国の軍艦や商船が領海へ無断で入ることをもって即座に「領海侵犯」とすることはできない。国家の自国領海に対する管轄権は排他的なものではなく、この点で領海は、国家が排他的な管轄権を持つ領空とは国際法上の性格を大きく異にしている。「領海侵犯」は、「領空侵犯」に対応する用語としてしばしば用いられるが、国際法上、その意味合いは大きく異なっており、「領空侵犯」が国際法上の用語として認められるのに対し、「領海侵犯」は国際法上の用語ではなく、「自国領海における外国船舶による無害でない通航」を指す一般的な用語である。なお、「領海侵犯」という用語は、国会における審議、政党における政策発表、外務省・海上保安庁などによる発表等で用いられているが、海上保安庁法や自衛隊法では用いられていない。また、後述する「能登半島沖不審船事件」及び「中国漢級原子力潜水艦領海侵犯事件に関する防衛白書の記述においても「領海侵犯」という用語は用いられていない。一方、「領空侵犯」という用語は、自衛隊法に定める自衛隊の活動たる「対領空侵犯措置」(自衛隊法第84条)として法律用語としても用いられる。
自国領海での無害でない通航を防止するために国家が執りうる措置としては、国連海洋法条約は、自国領海での無害でない通航を防止するため必要な措置をとることができるとしている(国連海洋法条約第25条)。また、軍艦に対しては、国家は自国領海の通航に係る自国法令の遵守を要請するとともに、要請が無視された場合、領海から直ちに退去することを要求できると定められている(国連海洋法条約第30条)。なお、国家が自国領海での無害でない通航を防止するために執りうる措置及び軍艦が領海からの退去要求に従わない場合に執りうる措置などの具体的内容は、国連海洋法条約には規定されておらず、国際慣習法によるものと理解されている。具体的には、領海内で無害でない活動を行う商船に対しては、質問、強制停船、臨検、拿捕及び強制退去等の措置を行うことができる。また、領海内で無害でない活動を行う軍艦に対しては、当該活動の中止要求、領海外への退去要求、警告射撃等を実施できる。さらに外国軍艦による領海内における有害な行動が当該国に対する武力攻撃と認められる場合は、当初より自衛権 行使としての武力行使をもって対処することができる。
領海侵犯に対する日本の対応
日本に対する領海侵犯には海上保安庁が対処している。広大な周辺海域に対応する為に自衛隊との協力も行われ、領海侵犯の恐れがある船舶の情報を海上自衛隊のP-3C 対潜哨戒機が提供する体勢も整えられている。
海上保安庁では、領海侵犯を行っている、若しくは領海侵犯の疑いのある外国船舶を発見した場合や、通報を受けて現場に急行した場合は、「漁業法」や「外国人漁業の規制に関する法律」や「出入国管理及び難民認定」や「領海等における外国船舶の航行に関する法律」等を法的根拠に、国際的に定められた手順に則り、旗りゅう信号、発光信号、音声信号(汽笛、無線、スピーカーなど)により停船命令を出す。これで停船した場合、海上保安官が外国船舶に乗り移って臨検を行い、船籍・目的地・航行の目的・積荷・無通報の理由などを聴取し、場合によっては逮捕する。船舶が停船に従わず逃走する場合は、警告弾の投擲を行うほか、強行接舷により海上保安官の移乗を行い臨検し、立ち入り検査忌避罪等の容疑で逮捕する。
該当船舶に武装の可能性があるなど、強行接舷に危険がある場合は、「警察官職務執行法」を準用した「海上保安庁法」第20条に基づき、まずは攻撃の意思を表す射撃警告、次に上空や海面に向けて威嚇射撃を行う。それでも停船に従わず逃走する場合は船体射撃を行い、状況を見て強行接舷を行う。この際、海上保安庁法第20条に定められた条件を満たさない限り相手に危害を加えてはならず[1] 、日本政府の周辺諸国への「配慮」もあるため、実際の領海警備において海上保安庁が船体射撃をすることは極めて稀である。海上保安庁船舶が威嚇射撃にまで到ったのは、1953年の「ラズエズノイ号事件」、1999年の「能登半島沖不審船事件」、2001年の「九州南西海域工作船事件」の3件のみである。
強力な武器を携行している・高速で逃亡する・潜水艦であるなど海上保安庁の能力を超えていると判断されたときは、国土交通省から防衛省に連絡があり防衛大臣によって海上警備行動が命ぜられる。発令には閣議による合意に基づく内閣総理大臣による承認が必要である。海上警備行動が発令されたのは、1999年の「能登半島沖不審船事件」と2004年の「漢級原子力潜水艦領海侵犯事件」の2件についてのみである。
現行法では、海上警備行動が発令されない限り海上自衛隊が領海警備を行うことは法的に不可能であるため、尖閣諸島中国漁船衝突事件を契機として、超党派の国会議員の間で、新たに自衛隊が領海警備を行うことを可能とする「領域警備法」の制定を求める動きが強まっている[2] [3] 。
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第5編 海洋の区分(3):接続水域
■第1章 定義
接続水域(Contiguous Zones, CZ)は、関税(customs)・財政(fiscal)・移民(出入国管理)・衛生(sanitary)上の国内法令(regulations)違反の防止・処罰のために、領海
の外側の公海
に設けられた帯状の海域(基線から24カイリ以内)である(海洋法条約第33条、領海法第4条)(※注1)。この水域では、上記目的に限って沿岸国の規制が認められる。
もっとも、ここに言う「規制」は、(1)接続水域は本質的には公海であり、(2)規制対象船舶は領海に侵入していない以上違反行為の「実行の着手」はまだ無いと見るべきであることから、事実上の規制(検査、警告)・予防に留まり、強制措置(拿捕、逮捕)まで含まれないと解されている(接続水域を本質的に領土と見、沿岸国に排他的管轄権ありとする立場からの反対説あり)(※注2)。この対立は、他国との接続水域の境界線をどう捉えるのかに影響する(※注3)。
なお、この他に、沿岸国には、国内法令に違反したと疑うに足りる十分な理由のある外国船舶を、公海まで継続して追跡する権能(継続追跡権、right of hot pursuit)(海洋法条約第111条)も認められている(後述)。
■第2章 経緯
元々、列強各国は、領海の外に密輸防止等の取締目的で管轄権を及ぼしていた。古くは1739年のイギリス「徘徊条令」の例があり(※注1)、20世紀では禁酒法時代(1919年~)のアメリカ(密輸禁止法)にその例が見られる。当時アメリカは、酒類の密輸防止のために、一方的な国内立法に基づいて公海上に取締水域を設定しており、公海上で管轄権を行使。1929年3月20日には、実際に密輸を行っていたカナダ船「アイムアローン」(The I'm Alone)号を、英米酒類密輸取締条約に基づいて米沿岸警備隊(United States Coast Guard)が撃沈するというアイム・アローン号事件(判例国際法45事件)も発生した(※注2)。
その後、各国がこの制度を採用した結果、領海条約、国連海洋法条約で成文法上の制度として認められ、我が国領海法第4条もこれを採用した。
http://www.geocities.co.jp/wallstreet/7009/mg000823.htm
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排他的経済水域を超えて、日本の接続水域にチュウゴク軍の船が入ってきている。
これを無視していると、日本の領土と領海は乗っ取られますね。
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時事通信 11月28日(日)10時50分配信
28日午前、沖縄県尖閣諸島・大正島沖の日本の接続水域に中国の漁業監視船2隻が入ったことを海上保安庁の巡視船が確認した。
第11管区海上保安本部(那覇市)によると、午前7時43分に中国の漁業監視船「漁政201」、同7時48分に「漁政310」が大正島の北西約44キロの接続水域に入った。
両船はその後、大正島周辺海域を離れ、午後8時現在、魚釣島北北西の接続水域内を領海線に沿って周回しており、領海内には侵入していない。漁政310はヘリコプター格納庫のシャッターを閉じており、ヘリを搭載しているかどうかは確認できないという。
同海保の巡視船が、領海に入らないよう両船に警告しているが、漁政310は「われわれは尖閣諸島を合法的に管理している」などと応答しているという。