食糧不足時代と日本人の食 (いい記事!)
日本の進路★0776★100821★食糧不足時代と日本人の食
「日本の進路」 日本戦略の研究会 No.0776 2010/08/21
★ 表題: 今後の世界的食糧不足を念頭に置き、食糧輸入大削減を断行して、日本人の食のあり方を抜本的に見直せ
水戸昭幸 f9mdd@yahoo.co.jp
世界の人口は2050年に、90億人を突破するとの予測があります。日本の人口は減少の一途を辿っていても、インド・米国・パキスタン・ナイジェリア・エチオピアその他の国々では、人口増が止まる気配がありません。
日本では、少しでも食糧自給率を上げようとの議論が出て来つつありますが、その内容は「数%アップ~~せめて50%以上」程度のもので、世界の「食糧不足」の激しい流れには、到底「焼け石に水」と言わざるを得ません。
China の人口増は、今後頭打ち傾向となって行くものの、人民の生活水準の向上に加えて、農地が水不足等の要因で著しく荒廃して行くため、間もなく世界最大の「食糧輸入」国家へと大変貌します。
上記の事態は、日本での「食糧不足」時代の到来を確実に予測しています。しかも「カネを払えば食糧の輸入が可能」は、過去の話となり、食糧自給率が40%前後の日本の如き国家・民族は、想像を絶する苦境に陥る(生死の境)との覚悟が必要であります。
米国ミズーリ州「モンサント」(種子メジャー)の研究所は、「食糧大不足時代」を念頭に置いて、巨額且つ大規模(1日に260万ドル)の研究開発投資を前倒しして、遺伝子組み換え技術を中心に、「食糧覇権」(トウモロコシ・大豆棉・ジャガイモ・菜種等の種子供給を支配)を目指しております。
デュポン(米国・化学企業)では、研究開発投資の半分を農業(食糧・種子部門)に投入しています。他の欧米企業でも、「遺伝子組み換え」食品の開発を
中心に、莫大な研究開発投資が進みつつあります。
日本では、「遺伝子組み換え」の農作物に対して、一般消費者の拒否姿勢が強く、食糧関連の研究開発投資が、食糧自給ではなく、機能性(健康)食品やサプリメント(栄養補完品)の向上・開発・増産へと向かっております。
(注) 遺伝子組み換えの割合例
日本の量・輸入割合、 用途・遺伝子組み換え比率
トウモロコシ: 1600万トン・ほぼ100%、家畜飼料・85%
大豆 : 400万トン・約97%、豆腐味噌醤油等の食用・91%
機能性(健康)食品の研究開発は、日本人の食にとって、望ましい方向性の一つでありましょう。しかしながら、基幹となる食糧(穀物類)の量が、輸入不全(不可能~著しい価格高騰)等の理由によって、決定的に不足する事態に至れば、民族の「生存」そのものが、危機に瀕してしまいます。
日本の指導者的な階層(政府・国会議員・官僚・有識者・学者・企業家・メディア等)は、目先の自己グループ拡大・当面の選挙・目の前の研究成果・短期の利益確保・当面の話題記事確保等々に奔走しており、中長期の日本国家・日本民族の「食糧」の事は、殆ど眼中にありません(対応しようとしておりません)。
日本の食糧自給率を、抜本的に向上させる「荒療法」としては、飼料を含む食糧輸入を毎年10%づつ削減して、10年後には、食糧輸入をゼロ(完全な食糧自給)を断行するくらいの決断(英断)を要するのではありませんか。
前項の英断をすれば、現状からみた理論値は、日本人の半分が「餓死」する筈であります。しかし、かかる餓死は発生せず、米(稲作)を中心とする「穀物生産」を、小規模自作農方式から、工場での水耕・量産栽培方式に切り替え、且つ、大豆・麦その他の裏作(冬季の農産物)に注力して、生き延びると信じております。
上記の場合、「畜産」は基本的に家畜飼料の国内供給の範囲(限度)内(トウモロコシの輸入ゼロ)となります。従って、食肉の供給量は、抜本的に大きく縮減され、△△牛の如きブランド品は消滅し、豚と鶏が中心の普及品とならざるを得ません。
メディアが、毎日のようにテレビで放送している「美食」(贅沢食)巡りは、即刻全廃すべきです。
日本人(日本民族)が、旧来型の「日本食原則」に復帰すれば、不必要な贅沢食(美食・輸入に依存する脂肪過多食)を廃するようになり、メタボ等の成人病予防にもつながります。
(日本の進路、No.0776、今後の世界的食糧不足を念頭に置き、食糧輸入大削減を断行して、日本人の食のあり方を抜本的に見直せ、完)
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