お腹ぽっこりは上半身の姿勢のせい
肥満だけじゃない!「下腹ポッコリ」の原因は上半身にあった
日経ウーマンオンライン(日経ヘルス)7月11日(日) 12時48分配信 / エンターテインメント - エンタメ総合![]() |
「下腹ポッコリ」は背骨のゆがみが原因かも |
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「最近の若い女性は背骨が不自然に真っすぐに伸びてしまっている人が多いんですよ。こういう人は、だいたい胸骨も下がっていて胸板が薄いんです。ですから、内臓が押し下げられて下腹部が出てしまうんですね」
そう教えてくれるのは、「日経ヘルス」本誌連載でもおなじみの、健美サロン渡部の院長で助産師、整体師でもある渡部信子さん。
「内臓が押し下げられると骨盤が開いてしまい、お腹を突き出すような格好になり、さらに猫背でダラーっとした、だらしない姿勢になってしまうんです」。体を側面から見たときに背骨が描くはずのきれいなS字が崩れてしまっているのだという。
しかも恐ろしいことに、その原因が胎児のころから始まっている例もあるという。
「エコーで見ると、本来ならあぐらをかいたような姿勢で腕を胸の前で曲げているのが赤ちゃんの胎内での姿勢なんです。ところが、手足を伸ばして前屈をしているような姿勢で収まっている子が増えているんです。もう、この段階から背骨が真っすぐになりやすくなっているんですね」
なぜ胎児がそんな姿勢になるのかは、はっきりわからないが渡部さんは「母親の子宮のゆがみが関係しているのでは」と考えているという。
「それから赤ちゃんを寝かすベッドの布団も、最近は硬めになっていますよね。そういう所にべたーっと寝かすと、やっぱり背骨 が真っすぐになってしまうんです。背骨のS字は13歳くらいまでに完成するといわれていますから、赤ちゃんのころは丸く包みこむような寝かせ方、抱き方を心がけてあげるのがいい。将来、下腹がぽっこりになる原因を減らしてあげられることになると思いますよ(笑)」
内臓の下垂による下腹ぽっこりは、どうやら幼少期の親の育て方にも大きくかかわっているようだ。
上半身の緊張をほぐそう まずは正しい姿勢で立つ
「赤ちゃんのころから背骨の緊張が続いたとしても、努力次第で柔軟性を取り戻すことができます。背骨や肋骨がよく動くような体操を続けると、徐々に胸板に厚みができる。すると、内蔵が本来の位置に収まるので、骨盤も下腹も締まってくる。つまり、下腹ぽっこりも消えていくです」
確かに最近は仕事でパソコンの前に座りっぱなしの人も多く、そういう人は上半身が緊張しっぱなしだ。さらに、普段からの姿勢にも気をつけない生活を続けていると、内臓下垂が原因の下腹ぽっこりがどんどん進んでしまうのだ。
「座りっぱなしだったり、姿勢に気をつけない生活をしていると、下腹を引き締める筋肉が休眠してしまって、筋肉の使い方そのものを忘れてしまうんです。だから、まず“正しい姿勢で立つ“ということを意識しないといけません。それから立つとき、歩くときに使う筋肉をひとつひとつ“意識して動かす”ことです。それだけでかなり上半身の筋肉の凝りや張りがほぐれてきますよ。さらに、大腰筋(だいようきん)や腰方形筋(ようほうけいきん)といった体の内部にある筋肉が働きだすから、骨盤も締まってきます」
正しい姿勢と、“下腹キリリ”エクササイズで、内臓下垂の下腹ぽっこりは、かなり防ぐことができるのだ。
夜型生活、運動不足、ストレス…現代人のライフスタイルは太りやすい
現代人の肥満傾向はライフスタイルの乱れから来ています。夜型生活で深夜に高カロリーの食事をしたり、ストレスから過食になったり。ストレスそのものも肥満の原因になります。ストレスに対処しようとコルチゾールというホルモンが出ると、血糖値が上がり、体に脂肪がたまりやすくなるのです。
運動不足も関係しています。消費カロリーが少なくなるのはもちろん、体を動かさないから周りの筋肉が弱って、胃や腸が下垂することもあるんです。
また、女性の場合、加齢とともに女性ホルモンが減り、脂質の代謝異常がおこり太りやすくなります。まずは、運動する習慣をもつことが大切です。
Profile
渡部信子さん
「健美サロン渡部」院長 助産師・整体師
京都大学医学部付属病院で26年間勤務、産科分娩部・未熟児センター婦長を経て健美サロン渡部を設立。本誌で「女性のカラダメンテナンス術」を好評連載中。
宮川めぐみ医師
虎の門病院内分泌代謝科
甲状腺疾患や糖尿病・高血圧・高脂血症などメタボリックシンドロームの外来を担当。「ゲームのやりすぎや受験勉強で、運動不足になり食生活が乱れている子供も多い」。
取材・文/松尾直利(G's) イラスト/寺田久美
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20100711-00000000-health-ent