アジアの街角から☆しかし、老人が簡単に消費を増やすとお思いでしょうか。 | 日本のお姉さん

アジアの街角から☆しかし、老人が簡単に消費を増やすとお思いでしょうか。

坂の上の雲を! ――― by 紋起さん
☆ 第三の道は行き止まりの袋小路  2010/07/14

ーーー菅直人首相の昨年11月のHPに「第三の道」というブログがある。

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最近経済における「第三の道」を考えている。

つまり、60年代の日本の高度成長はなぜ可能だったのか。そして80年代後半のバブル崩壊以降なぜ日本は長期の経済低迷に陥ったのか。さらに、

2000年代に入り進められた規制緩和など、市場万能主義の小泉・竹中路線がなぜ失敗したのか。

端的に言えば、80年代以降、投資効果の低い公共事業に巨額の財政をつぎ込んだのが経済の低迷の原因。小泉・竹中路線は、リストラなどによる各企業の競争力の強化が社会全体の生産性向上になると考えたが、失業を増加させ社会全体としての経済成長につながらなかったのが失敗の原因。

それでは過去の失敗を繰り返さない経済運営における「第三の道」は何か。現在、深く考慮中。
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そして総理大臣となって、増税した税金をそっくり失業を減らすように使えば経済は拡大して景気は良くなると主張して、消費税10%引き上げを選挙期間中にも関わらず公約並みに述べるようになった。

----その後、支持率低下で隠すようになったが----

その「第三の道」を伝授した、今は内閣府参与である大阪大学経済学部教授の小野善康氏が、6月27日のサンデーフロントラインに出演して「第三の道」を女性アナウンサーに説明していた。

下記URLは、別の番組に出演した時の録画がだが、説明は変わらない。
ご参考までに並べておきますので時間の余裕がございましたらご覧下さい。

「増税でも成長できる(1)(2)(3)」(全編で30分ちょっと掛ります)
http://www.youtube.com/watch?v=lfZ2_GI65cA&NR=1
http://www.youtube.com/watch?v=MxyQMXY_RIw&feature=related
http://www.youtube.com/watch?v=48wnws4gOvE&feature=related

小野善康教授の説明では、
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1.これは、完全雇用ではないときの話である。

2.税金を国民から増税で100万円政府に入るが、それを直ぐに失業者に渡  す。その時に、渡すから介護をして下さいなどと仕事をお願いする。これ  はいわゆる雇用を作っているのである。

3.税金で政府に入ったものを、給付金等で渡すのと、仕事をするから渡すの  と、雇用が作られるところが異なる。

4.失業していた人が、雇用されるので貰った給金を消費に使う。従って経済  の規模が大きくなり、税金を払った人にも給料が増えるなどでお返しがく  る。

5.失業していた人が働くのだから、それだけ税金も増えて政府の財政状況も  改善する。
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サンデーフロントラインでは、どこかのエコノミストがゲストで出演していたが、まともな質問はなされなかった。Youtube をご覧の方は、主として「3」の動画でリチャード・クー氏がコメントしているが、とても正しいことを言っ
ている。

===小野氏の話は出鱈目だと私は思っている――――。

ア)小野氏が言うような、増税で100万円政府が得たお金は、もし増税がなければ、他の商品やサービスの購入に充てられていたはずである。他の商品やサービスには、必ず働く人がいて、その人に給料が渡されていたはずである。

その人達の雇用を支えていたお客さんが、増税で購入を諦めたので失職するかあるいは減給になっていると考えるべきである。

イ)従って、失業者に新たな雇用が生まれたと小野氏は主張するが、別のところで新たな失業が生じていると考えねばならない。これは、リチャード・クー氏の指摘通りである。

ウ)新たな雇用が生まれたのと、同じ規模で新たな失業が生じているはずだから、経済の拡大はこの部分ではない。

エ)失業者は新たに雇用されたので、消費が生まれるから経済が拡大すると小野氏は主張するが、失業者は人間であるから、失業している間は全く消費をしないで過ごせるはずはない。

失業保険、生活保護、あるいは自分の貯蓄の取り崩し、父母や親戚の支援、等を受けて消費をしていたはずである。

従って、雇用されたからといって、大幅な生活費の増加はないのではと思う。
もしあるのなら、データで示すべきである。

オ)まして根本的な点で、失業者が雇用されて失業者ではなくなる一方、同時に失業する人が前記「ア」で述べたように生まれるので、失業者は減りもしない(=増えない)増税前と変わらない。
ーーー経済学ではこの問題をどう取り扱っているのだろうか。

増税して、国が税金として得たお金を全て財政政策として使った時の経済効果はどうなるのかを述べているコラムがあるので引用しよう。
経済コラムマガジン:→ http://www.adpweb.com/eco/eco620.html

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菅首相が念頭に置いているのは乗数効果である。仮に新たな政府支出を1兆円とすると、その1兆円の需要と同額の所得が発生する。もし消費性向(正確には限界消費性向)を0.6として、この1兆円の所得はさらに6千億円の需要と所得を生む。

更にこの6千億円の所得は0.6倍である3600億円の需要と所得を生む。
このように新たな政府支出1兆円は、次々と需要と所得を生む。

追加的な新たな政府支出の1兆円が生む需要と所得の連鎖の合計は、無限等比級数の和ということになる。公式では乗数値は1/(1-c)であり、cは消費性向である。消費性向を9.6とすれば、乗数値は2.5になり、1兆円の政府支出は2.5兆円の需要と所得を生むことになる。

所得税減税にも乗数効果が認められる。ただし、消費性向が0.6ならば、最初の減税額の40%は貯蓄に回ることになる。

この無限等比級数の和はc/(1-c)になる。つまり同様に消費性向が0.6ならば、減税の乗数値は1.5になる。ーーー景気対策で公共投資などの政府支出のほうが所得税減税より効果が大きい、と言われるのも、このように両者の乗数値に違いがあるからである。

では政府支出と同額の所得税増税を同時に行った場合の効果はどうなるかである。増税は減税と正反対の効果を生む。

したがって政府支出の1/(1-c)のプラスと、増税による1/(1-c)のマイナスということになる。両者の合計は、

{1/(1-c)}-{c/(1-c)}=(1-c)/(1-c)=1 となる。

つまり増税を1兆円行い、それをそっくり政府支出すれば、差額の乗数値は1であるから、1兆円の需要と所得が増える計算になる。面白いのは、消費性向のcがどのような値でも、差額の乗数値は1になる。

筆者の記憶が正しければ、たしかこれをホーペルモ効果と呼ぶはずである。
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非常に面白い現象で、数式通りなら国が税金を取って直ぐ何かに使えば税金で取った額だけの経済効果が出るという、正しく「無から有を生む」マジックのようなことが起こるのである。

経済の原則に、フリーランチはないという言葉がある。税金を右から左に流すだけで、同額の経済成長が生まれるのは、何かカラクリがあるはずである。

先の数式で、所得減税の乗数効果は、c/(1-c)となっていて、その説明通り、国民が減税で手元にある余分なお金は全部使うのではなく、預金に回すので“c”という係数が掛ってくる。

預金に回さない消費に使う分だけ、についての乗数効果となるわけだ。

増税の時に、減税の反対だからということで、マイナスc/(1-c)が使われている。もし、増税された金額全部がそっくりそのまま消費を断念したものなら、マイナス1/(1-c)の乗数効果が発生するはずなのである。

しかし、それに“c”が乗じられている意味は、税金に取られたので、その分だけ消費を断念する比率が“c”あることを意味する。すなわち、(1-c)だけは消費を断念しない訳だ。

もう少し具体的に言えば、税金が上がったときに、それまで預金していた人は税金が上がったから預金に回していたのを断念したり、あるいは預金を取り崩して今までどおりの量と質の商品・サービスを消費をすると考えている訳である。

理論計算上、乗数効果1となると経済コラムマガジンさんは言っていたが、そのカラクリは、預金に回していた金とか預金を取り崩して消費を拡大することで生じただけの話である。

ーーーでは、現実はどうだろうか。

税金が上がったら、その分を何らかの形でやりくりしようとするはずで、預金を取り崩してまで消費を続けようとはしないのではないだろうか。

もし、増税分そっくり消費を断念する場合を考えると、その負の乗数効果は、1/(1-c)だから、新しく雇用を産む為に使った投資効果の1/(1-c)と差し引きゼロとなる。===当たり前の話ではないか。

この論理的結論は、先程のYoutube の小野教授の説明に対する反論と一致するのである――――。

数式まで持ち出して理解しづらかったかも知れないが、

小野教授の理論は、間違っていると思う。===それに基づく「第三の道」は絶対に経済拡大に通じていない道で、いわば袋小路だろうと思われる。

こんな道に連れて行かれる国民こそ大迷惑だろう。

学者にも、山師や香具師[やし]や詐欺師はいるものだ――――。

ついでながら申し上げれば、この乗数効果1の根本原因を考察もせず、大きな政府は発展するとのたまう経済コラムの筆者も、小野氏と同類なのである。

= この稿おわり =
│●│ お寄せいただきましたご意見や感想。
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┌──────────「御座候さん」

小野さんのインタビュー記事が掲載されています↓
http://diamond.jp/articles/-/8668

----増税分は財政赤字の削減に充てるのが、財政健全化の標準的な考え方ではないか。

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それでは不況対策にはならない。政府は、自分の懐に入れない、全額雇用対策に回す、と宣言すべきだ。人は必ず雇用されると分かっていて、なおかつ実際に雇用されれば、消費は増える。

また、失業率が低下すれば、賃金の下落傾向に歯止めがかかり、デフレが緩和される。この点からも、当然消費が増える。政府事業によって設備・サービスの便益が生まれ、同時にデフレ緩和、雇用不安緩和によって消費が増える。

その際の所得と消費の拡大によって税収も拡大し、財政も好転し始める。

付け加えれば、増税で景気が悪化するのではない。増税とともに行われる支出の削減によって、景気は悪化するのだ。
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----だが、それは増税によって就業者から失業者に所得移転あるいは再配分しているだけではないのか。就業者は消費を控えてしまい、経済効果は上がらないのではないか。
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就業者が損をする訳ではない。100万円増税されても、それが失業者に渡って消費されれば、マクロ経済的には必ず就業者の所得増となって戻ってくる。
それが、「増税で失業者に仕事を作り、家計に所得で戻す」ということの意味だ。

----政府事業を行うのは、「第一の道」も同じだ。「第三の道」の違いは、道路建設などの公共事業ではなく、介護・医療・環境などの成長分野で政府事業を行うことか。
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重要なのは、誰にも成長分野など分からない、ということだ。私にも、分からない。政府にも分からない。

だから、どんな分野におカネを使ってほしいのか、政治家は国民に聞くことこそが大事だ。その多数決で判断すればいい。

道路が必要だという人が多ければ、道路を作ればいい。それが、民主主義というものだ。菅首相は、それは介護分野だと判断したのだろう。
└--------(引用終わり)

「誰にも成長分野など分からない」というのも無責任な見解ですが、そうだとしたら尚更、「政府には成長分野は分からないので、民間のチャレンジによって成長分野を作ってもらう。だから増税によって作ったお金を特定分野に投入する愚は避ける」という発想になるはずなのですが・・・・・・

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┌──────────「紋起さんから」

その通りなんです。

自己矛盾する話を平気でしておられるわけで、経済という社会の血液循環に相当することを誤った方向に導くことになるわけです。~困ったことですね。

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┌──────────「lonsome carboyさん」

この番組を見ていましたが、トンデモ教授のトンデモ理論だと思いました。

ーーーこれが経済大国日本の、総理の経済顧問とは恐れ入りました。

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┌──────────「紋起さんから」

田原総一郎氏が言っていたのですが、

仙石官房長官、枝野幹事長は、小野教授を外すように菅首相に言ったが、菅首相は小野教授からレクチャーを受けており、自分の声で語る基になっているので、小野教授を外すと迫力がなくなるから強要はしていない、と語っていたそうです。

小野教授は、経済学会での質問に対して答えず、そのまま終わらせているそうです。議論をしないのですよね。

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┌──────────「RYU さん」

もともとのGDP理論からすれば、紋起先生の仰ることは当たり前だと思います。===GDPが同じなら、増税しようが減税しようが、国の中で動くお金は変わらない。

ーーーそんな事も解らない経済学者????

基本的にGDPを増やさない限り、雇用は増えない。

しかし今の現状はGDPが減り続けているので、雇用を減らすか、一人当たりの収入を減らす以外に選択肢はない。

そんな簡単なことも解らずに経済を語る日本の経済学者って────。

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┌──────────「oment-ahouさん」

~こめんとするあほうです♪

RYUさん、それを言ったら実もふたも無いです。

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┌──────────「紋起さんから」

実も蓋もない話ではないと思います。

GDPがこの20年増えないことは、日本の非常に重大な問題です。

これに対し勝間氏のように、日銀が金融を緩めれば解決するという訳ですが、そんな楽に物事が解決するやり方があるとすれば、そのこと自体が可変しいでしょう。

そんな楽に解決する特効薬があると期待する人間の性根が間違いの元ではないでしょうか。

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┌──────────「RYU さん」

紋起先生の仰る通りですが、、、そうなら今の殆どの日本人は性根が間違った人間、“以外”の人間はどれほどいるのでしょうか?

ーーーとても少ない気がします。

例えばユニクロ。ーーー評論家連・マスゴミからは、GDPを外に持っていった悪役一辺倒。ですが、日本国民の大変多くの方がそのユニクロを喜んで消費しています。

結局は、GDPは増やしたいけど、今の自分たちは楽したい、、、な訳で、それが今の日本経済の自己矛盾ですよね?

そこが紋起先生の仰る、今の人間(日本人)の性根が間違いの元なのでしょうかね?

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┌──────────「紋起さんから」

人間は立場の違いで変わりますよね。消費者の立場、供給者の立場でコロッと変わります。

客の立場からすれば、楽したい。店の立場からすれば、お客さんに楽してもらう代わりに自分たちは精一杯の仕事をする、仕事する苦労は苦労とは思わないというところでしょうか。

日銀が通貨を一杯発行すれば、日本のデフレ(20年間継続している)は解消するという考えは店の立場のはずなのに、客の立場に立っている考えだと思います。===だからそんなのは上手くいくはずないです。

産業の構造を変えないと、生産人口減の日本でGDPが増えるようには思えません。国内の市場は縮小していくのですから、個々人が消費を拡大しないとGDPが増えるはずないですよね。

しかし、老人が簡単に消費を増やすとお思いでしょうか。

口から入るものは年齢と共に減少するのが普通です。着る物も、外に出かけないのですから増えるはずがないですよね。耐久消費財、そんなものは今あるものを使うので十分ですよ。

旅行、今の回数や日数を増やす意思がないでしょう。だって、体力はそう残っていないのですから。

だから、日本以外の国から稼ぐ仕事が増加分の中心になるはずなのに、この円高です。加えて、みんな国内志向ですよ。

それを肌感覚で感じて、バラマキのマニフェストを掲げて民主党が勝ったのが去年。しかし、本質的な解決策ではないですから、直ぐ化けの皮が剥がされてヨレヨレ状態です。

民主党にもまともな政治家がいないですから、政権に執着すればするほど国民は不幸にからめとられたようなものでしょう。

「お上に頼らず」が、本当に必要な時代ではないでしょうか。

そういう意味では、民間の邪魔をするな、という論調がもっと広がるべきだと思ってます。

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┌──────────「RYU さん」

紋起先生、わざわざのご返答、有り難う御座います。

最後の一文、〒関連を差しているのだと思いますが、私も全くその通りだと思います。


私が思うに、政府はもっと重要中心部分だけを管理し、多くの事を地方や民間に任せるべき。何でもかんでも利権を確保は、国や国民を疲弊させるだけ。

ーーー早く気付いて欲しいものです。

そして、私の代弁をして頂いているようで恐縮です。

というのも、中華人民共和国の人間は「お上に頼らず」が絶対信条なので、その良いところをここで訴えると、今の日本人は殆どが全否定────。終いには私が中華人民共和国に搦め捕られたようなことまで仰る輩がいらっしゃる。

逆に、中華人民共和国の悪いところを言えば、大喜び────。

アタマ、どうかしちゃったんじゃないの?と思う日々────。

物事をいろいろな角度で見るのが苦手なのか、将又[はたまた]できないのか‥

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「坂の上の雲を」▼ 過去記事はこちら!
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