「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 バングラディッシュか内陸部へしかないじゃん
「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成22年(2010)7月14日(水曜日)
通巻3021号
「これから」の二大潮流が鮮明になった
中国からそとへ、中国のもっと内陸部へ
*******************
平成22年(2010)7月14日(水曜日)
通巻3021号
「これから」の二大潮流が鮮明になった
中国からそとへ、中国のもっと内陸部へ
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すでに中国の繊維産業は数年も前から、加工賃金の上昇にたえられず自ら中国を出た。ベトナムへ、ラオス、カンボジアから、繊維産業はバングラデシュに集中した。五万社がダッカと、その周辺に集中しバングラデシュの娘をミシン工として雇用。その数、いまや百万人。
それでも足りずスリランカとミャンマーへ。後追いで中国工場の生産を漸減させる方針を打ち出したのはユニクロ。
華南の深刻な人手不足は数年前からの現象で、筆者も何回か報告したが、あまり信用されなかった。「なんで中国で人手不足か?」と聞かれた。
十三億の人口と、地域格差、そのアンバランスの実態を一言で言えば、中国を「ひとつの国家」として見ることは幻影であり、かえって危険であるということである。
簡単に説明しよう。
重労働でドミトリー付きで月給千元とする。残業もいれて。そこから食費とドミトリー宿泊の家賃を引かれ、福利厚生費を天引きされると、手取りは600元くらい。その内から400元ほどをふるさとへ仕送りすると手元には200元あるか、ないか。たばこ代程度。
それが内陸への国策として西部開発が呼号され、巨額の投資が始まり、建設ブームが西北部から重慶のような深奥部にまで開発の波が広がると、労働者は旧正月で帰省したあと、沿海部へもどらなくなった。
沿海部へ出稼ぎに行って重労働の果てが千元でも実質600元なら、地元にいて650元稼げれば、ふるさとに居た方が良い。
これが三年前からの現象である。
▲産業の宿命的パターンと連動
そこで労働斡旋エージェントが雨後の竹の子のように生まれ、田舎へ飛んで、労働者集めをやる。条件も変え、賃金はあがる。だからメーカーは沿海部より、ちょっと奥へ入った蘇州とか、無錫あたりへ工場を移転し、それでも高くなると南京から山を越えて安徽省へあるいは江西省へ、貴州省へ。
しょせん、労働賃金の安さだけで成立する繊維、雑貨、加工などの所謂「川下産業」は、労賃が安い方向へ流れる。
川下産業の宿命である。
華南の工場地帯は部品メーカーが集中している。最初は香港華僑が組み立て加工などを労賃の安さめがけて隣接する深センに工場をつくり、ついでにマンションが安いのでばんばんと買った(香港の不動産価格は東京より高く、当時、深せんのマンションは百平米で、その三十分の一くらいだった)。
つぎに日本のメーカーが台湾メーカーとほぼ同時期に進出し始め広州とその衛星都市、仏山、慶州、東莞、中山、真珠海などへどっと出る。
いずれも労賃の安さをめがけたが、それを聞きつけた付近の村々から、やがて大規模に湖北、湖南からも労働者がやってきた。
その地方からの出稼ぎが地元の雇用増大で帰りはじめ、それでは、とばかりもっと奥から労働者を輸入する。すなわち新彊ウィグル自治区や四川省、陝西省、雲南省からも、集団就職させるのだ(その結果、カルチャーショック、民族対立が生まれ、華南でウィグル人虐待への暴動が発生して、09年7月のウィグル暴動へと繋がる)。
広州はいまやひとりあたりのGDPが一万ドルを突破し、ちょっとした家庭はフィリピンのアマを雇い、運転手付きの車をもち、海外旅行はざら、引退組の夫婦は、朝つれだって一流ホテルにお粥をたべにくる。それも花園とかスワン、東方、中国飯店という五つ星のホテルにも、である。
筆者も毎朝ホテルで目撃しているうえ、老夫婦らとも会話するので実感として、その迅速なる変化を肌で感じた。
或る老婆とは広州のホテルで毎朝あうので顔見知りになると近づいてきて「わたしゃ、三回東京へ行ったよ。浅草、秋葉、それから靖国神社も」「なんで靖国へ?」「だって一番有名だもの。見ておこうと思ってさ」という具合。
▲トヨタ、ホンダの進出が労働戦線を激変させた
つぎにやってきたのがホンダ、トヨタの本格進出だった。
熟練工の給与体系は、いきなり二倍となり、3kの典型である建設現場では出稼ぎも激減し、ついに華南、とくに広東省では労働者をベトナム、インドネシアから輸入するようになり、それでも足りずアフリカから中東から。
広州市内をあるくと黒人とアラブ人だけの街がある!
上海メガロポリスはハイテクの部品工場が集中した。通信革命、コンピュータ産業の勃興があり、大量の技術者が集中し、大学卒の雇用が生まれ、他方では建設ブームのために3k労働者が払底する。
こうなると次の変化は明瞭である。
中国から外国へ目ざすか、あるいは逆に中国の奥地へ工場を移転させ、地方で労働者を確保するしかないではないか。
それさえも産業別で対応は千差万別となる。つまり自動車メーカーなら、部品、鋼板、カーナビ、関連機器の系列、下請け工場は中国にとどまらざるをえないだろう。
すると中国の内陸部、もっと奥地へ奥地へと移動がつづく。
中国国内にこれからの市場を見いだす産業、たとえば消費財、高級化粧品、医薬品なども四川省などへ移転が近年めだってきた。
内陸部への移転本格化の波は、これから始まるト予測していたところ、日本経済新聞(2010年7月14日付け)を開いて、なるほどと思った。
同紙に拠ればスミダ・コーポレーションが湖南省の常徳へ。オムロンは湖南省の衝陽へ。日本電産は広東省の北辺の街(占関)へ工場を移転させる。
嗚呼、常徳と衝陽は大戦中、日本軍が長沙を落としたあと蒋介石軍を追って山々を超え、峻険な山稜を行軍したあたり、いずれもフライングタイガーに猛撃され、多くの戦死者を出した場所である。
衝陽は岡村寧次将軍と何応欽将軍が会見し、停戦協定に調印した場所に近い。これもまた何の因縁か?
○◎○
♪
(読者の声1)貴誌3020号「読者の声」のST生、千葉氏へ。
1.歴史分析とは:歴史情報から可能性のある因果関係を探すことと考えます。
2.情報:情報は参考にはするが絶対としない。それよりも前後の史実から情報の確かさを狭める事が必要と考えます。だから自伝の内容でも鵜のみにしない。特に自伝は「弁明の書」と言われています。
3.失礼問題:これは価値観の問題です。ソ連スパイになり国を売ることを名誉と考え人もいます。
ドイツ人ゾルゲです。ということで河本にソ連スパイの可能性があると考えても「失礼」ではありません。日本でも戦争中ソ連スパイのコード名「エコノミスト」がスターリンに真珠湾攻撃計画などを通報していました。彼は商工大臣と食事を取るほどの高いレベルの日本人で摘発されないまま戦後世界に滑り込んでいます。
なおゾルゲは「日本人はカニのようだ。外は堅いが中に入ると柔らかい。機密を守るのに向いていない民族だ」と述べています。
また戦前の世界は戦後と違い共産主義の声望が高くルーズベルト大統領の特別補佐官アルジャー・ヒスまでがソ連スパイでした。
(東海子)
(宮崎正弘のコメント)レフチェンコの議会証言(『ソ連KGBの対日謀略』、山手書房、絶版)を翻訳したことを思い出しました。また拙著に『ソ連スパイの手口』もあります。
話は飛んで、世界一のスパイはいまや中国ではありますまいか。世界中を見渡せば、かれらがイデオロギー的賛同者をリクルートすることはまれ、ほぼすべてカネと女、所属組織への恨みをもつ人をリクルートしています。ところが日本だけは、不思議なことに自らが中国賛美、中国への贖罪意識を抱く人が夥しく、じつにカネのかからない方法で政治家、高級官僚、軍人、マスコミとりわけテレビにでる有名人を「中国の代理人」として籠絡できるのですね。
世界の常識は日本の非常識、日本の常識は世界の非常識。
♪
(読者の声2)貴誌前号のご意見ですが、43年も在米生活。それでも、米国中央情報局CIAを語ることはたいへん難しい。
第一に、秘密(CLANDESTINE)をバイブルとしている暗黒機関。
第二に、そのスパイ・カルチャーが原因で、アイゼンハワー以来のどの政権も把握し切れなかった。
第三に米国外オペレーションでは、単独の工作が行われた。ぼくは、イランのモサデク政権解体工作を、前CIA工作員の著書で読んだとき、「ゾッと」したのです。
ご周知のJFKの「ベイ・オブ・ピッグ」作戦~チリのアヘンデ暗殺工作~イラン・コントラ事件~コロンビア麻薬撲滅と称する怪しい密輸事件。
ご指摘のバレリー・プレイム・ウイルソンの本はCIAを語るには無理がある。文章が拙劣で読むに耐えないものです。“ブッシュはウソを付いた”と書いた前CIA工作員の本も読んだ。官僚のCIAはまだしも、スリーパー(隠密)は「殺人」が任務です。パキスタンに多く入っているようです。
(伊勢ルイジアナ)
(宮崎正弘のコメント)ご指摘の本は肝心の箇所がすべて伏せ字。GHQ占領中の日本の新聞、雑誌とか、独裁時代の台湾の新聞を思い出しました。いまの米国で、こんな伏せ字だらけの本は珍しいし、まさにご指摘のとおり、文章が下手くそ。しかし、これハリウッドで映画化されるそうじゃないですか。
△ □ ◇ △ ○
< 宮崎正弘の最新刊 >
宮崎正弘 v 佐藤優
『猛毒国家に囲まれた日本』(海竜社、1575円)
<ロシア、中国、北朝鮮の猛毒国家に囲まれて日本はいかに生き延びるのか?>
http://www.amazon.co.jp/dp/475931122X/
<宮崎正弘のロングセラーズ>
『中国ひとり勝ちと日本ひとり負けはなぜ起きたか』(徳間書店、1680円)
『日米安保、五十年』(西部邁氏との対談。海竜社、1680円)
http://www.amazon.co.jp/dp/4759311092/
『増長し無限に乱れる「欲望大国」中国のいま』(石平氏との対談。ワック、945円)
『朝日新聞がなくなる日』(ワック、945円)
『中国分裂 七つの理由』(阪急コミュニケーションズ、1680円)
『人民元がドルを駆逐する』(KKベストセラーズ、1680円)
『絶望の大国、中国の真実』(石平氏との共著、980円。ワック文庫)
『中国がたくらむ台湾・沖縄侵攻と日本支配』(KKベストセラーズ 1680円)
『トンデモ中国、真実は路地裏にあり』(阪急コミュニケーションズ、1680円)
◎宮崎正弘のホームページ http://miyazaki.xii.jp/
(C)有)宮崎正弘事務所 2001-2010 ◎転送自由。ただし転載は出典明示。
それでも足りずスリランカとミャンマーへ。後追いで中国工場の生産を漸減させる方針を打ち出したのはユニクロ。
華南の深刻な人手不足は数年前からの現象で、筆者も何回か報告したが、あまり信用されなかった。「なんで中国で人手不足か?」と聞かれた。
十三億の人口と、地域格差、そのアンバランスの実態を一言で言えば、中国を「ひとつの国家」として見ることは幻影であり、かえって危険であるということである。
簡単に説明しよう。
重労働でドミトリー付きで月給千元とする。残業もいれて。そこから食費とドミトリー宿泊の家賃を引かれ、福利厚生費を天引きされると、手取りは600元くらい。その内から400元ほどをふるさとへ仕送りすると手元には200元あるか、ないか。たばこ代程度。
それが内陸への国策として西部開発が呼号され、巨額の投資が始まり、建設ブームが西北部から重慶のような深奥部にまで開発の波が広がると、労働者は旧正月で帰省したあと、沿海部へもどらなくなった。
沿海部へ出稼ぎに行って重労働の果てが千元でも実質600元なら、地元にいて650元稼げれば、ふるさとに居た方が良い。
これが三年前からの現象である。
▲産業の宿命的パターンと連動
そこで労働斡旋エージェントが雨後の竹の子のように生まれ、田舎へ飛んで、労働者集めをやる。条件も変え、賃金はあがる。だからメーカーは沿海部より、ちょっと奥へ入った蘇州とか、無錫あたりへ工場を移転し、それでも高くなると南京から山を越えて安徽省へあるいは江西省へ、貴州省へ。
しょせん、労働賃金の安さだけで成立する繊維、雑貨、加工などの所謂「川下産業」は、労賃が安い方向へ流れる。
川下産業の宿命である。
華南の工場地帯は部品メーカーが集中している。最初は香港華僑が組み立て加工などを労賃の安さめがけて隣接する深センに工場をつくり、ついでにマンションが安いのでばんばんと買った(香港の不動産価格は東京より高く、当時、深せんのマンションは百平米で、その三十分の一くらいだった)。
つぎに日本のメーカーが台湾メーカーとほぼ同時期に進出し始め広州とその衛星都市、仏山、慶州、東莞、中山、真珠海などへどっと出る。
いずれも労賃の安さをめがけたが、それを聞きつけた付近の村々から、やがて大規模に湖北、湖南からも労働者がやってきた。
その地方からの出稼ぎが地元の雇用増大で帰りはじめ、それでは、とばかりもっと奥から労働者を輸入する。すなわち新彊ウィグル自治区や四川省、陝西省、雲南省からも、集団就職させるのだ(その結果、カルチャーショック、民族対立が生まれ、華南でウィグル人虐待への暴動が発生して、09年7月のウィグル暴動へと繋がる)。
広州はいまやひとりあたりのGDPが一万ドルを突破し、ちょっとした家庭はフィリピンのアマを雇い、運転手付きの車をもち、海外旅行はざら、引退組の夫婦は、朝つれだって一流ホテルにお粥をたべにくる。それも花園とかスワン、東方、中国飯店という五つ星のホテルにも、である。
筆者も毎朝ホテルで目撃しているうえ、老夫婦らとも会話するので実感として、その迅速なる変化を肌で感じた。
或る老婆とは広州のホテルで毎朝あうので顔見知りになると近づいてきて「わたしゃ、三回東京へ行ったよ。浅草、秋葉、それから靖国神社も」「なんで靖国へ?」「だって一番有名だもの。見ておこうと思ってさ」という具合。
▲トヨタ、ホンダの進出が労働戦線を激変させた
つぎにやってきたのがホンダ、トヨタの本格進出だった。
熟練工の給与体系は、いきなり二倍となり、3kの典型である建設現場では出稼ぎも激減し、ついに華南、とくに広東省では労働者をベトナム、インドネシアから輸入するようになり、それでも足りずアフリカから中東から。
広州市内をあるくと黒人とアラブ人だけの街がある!
上海メガロポリスはハイテクの部品工場が集中した。通信革命、コンピュータ産業の勃興があり、大量の技術者が集中し、大学卒の雇用が生まれ、他方では建設ブームのために3k労働者が払底する。
こうなると次の変化は明瞭である。
中国から外国へ目ざすか、あるいは逆に中国の奥地へ工場を移転させ、地方で労働者を確保するしかないではないか。
それさえも産業別で対応は千差万別となる。つまり自動車メーカーなら、部品、鋼板、カーナビ、関連機器の系列、下請け工場は中国にとどまらざるをえないだろう。
すると中国の内陸部、もっと奥地へ奥地へと移動がつづく。
中国国内にこれからの市場を見いだす産業、たとえば消費財、高級化粧品、医薬品なども四川省などへ移転が近年めだってきた。
内陸部への移転本格化の波は、これから始まるト予測していたところ、日本経済新聞(2010年7月14日付け)を開いて、なるほどと思った。
同紙に拠ればスミダ・コーポレーションが湖南省の常徳へ。オムロンは湖南省の衝陽へ。日本電産は広東省の北辺の街(占関)へ工場を移転させる。
嗚呼、常徳と衝陽は大戦中、日本軍が長沙を落としたあと蒋介石軍を追って山々を超え、峻険な山稜を行軍したあたり、いずれもフライングタイガーに猛撃され、多くの戦死者を出した場所である。
衝陽は岡村寧次将軍と何応欽将軍が会見し、停戦協定に調印した場所に近い。これもまた何の因縁か?
○◎○
♪
(読者の声1)貴誌3020号「読者の声」のST生、千葉氏へ。
1.歴史分析とは:歴史情報から可能性のある因果関係を探すことと考えます。
2.情報:情報は参考にはするが絶対としない。それよりも前後の史実から情報の確かさを狭める事が必要と考えます。だから自伝の内容でも鵜のみにしない。特に自伝は「弁明の書」と言われています。
3.失礼問題:これは価値観の問題です。ソ連スパイになり国を売ることを名誉と考え人もいます。
ドイツ人ゾルゲです。ということで河本にソ連スパイの可能性があると考えても「失礼」ではありません。日本でも戦争中ソ連スパイのコード名「エコノミスト」がスターリンに真珠湾攻撃計画などを通報していました。彼は商工大臣と食事を取るほどの高いレベルの日本人で摘発されないまま戦後世界に滑り込んでいます。
なおゾルゲは「日本人はカニのようだ。外は堅いが中に入ると柔らかい。機密を守るのに向いていない民族だ」と述べています。
また戦前の世界は戦後と違い共産主義の声望が高くルーズベルト大統領の特別補佐官アルジャー・ヒスまでがソ連スパイでした。
(東海子)
(宮崎正弘のコメント)レフチェンコの議会証言(『ソ連KGBの対日謀略』、山手書房、絶版)を翻訳したことを思い出しました。また拙著に『ソ連スパイの手口』もあります。
話は飛んで、世界一のスパイはいまや中国ではありますまいか。世界中を見渡せば、かれらがイデオロギー的賛同者をリクルートすることはまれ、ほぼすべてカネと女、所属組織への恨みをもつ人をリクルートしています。ところが日本だけは、不思議なことに自らが中国賛美、中国への贖罪意識を抱く人が夥しく、じつにカネのかからない方法で政治家、高級官僚、軍人、マスコミとりわけテレビにでる有名人を「中国の代理人」として籠絡できるのですね。
世界の常識は日本の非常識、日本の常識は世界の非常識。
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(読者の声2)貴誌前号のご意見ですが、43年も在米生活。それでも、米国中央情報局CIAを語ることはたいへん難しい。
第一に、秘密(CLANDESTINE)をバイブルとしている暗黒機関。
第二に、そのスパイ・カルチャーが原因で、アイゼンハワー以来のどの政権も把握し切れなかった。
第三に米国外オペレーションでは、単独の工作が行われた。ぼくは、イランのモサデク政権解体工作を、前CIA工作員の著書で読んだとき、「ゾッと」したのです。
ご周知のJFKの「ベイ・オブ・ピッグ」作戦~チリのアヘンデ暗殺工作~イラン・コントラ事件~コロンビア麻薬撲滅と称する怪しい密輸事件。
ご指摘のバレリー・プレイム・ウイルソンの本はCIAを語るには無理がある。文章が拙劣で読むに耐えないものです。“ブッシュはウソを付いた”と書いた前CIA工作員の本も読んだ。官僚のCIAはまだしも、スリーパー(隠密)は「殺人」が任務です。パキスタンに多く入っているようです。
(伊勢ルイジアナ)
(宮崎正弘のコメント)ご指摘の本は肝心の箇所がすべて伏せ字。GHQ占領中の日本の新聞、雑誌とか、独裁時代の台湾の新聞を思い出しました。いまの米国で、こんな伏せ字だらけの本は珍しいし、まさにご指摘のとおり、文章が下手くそ。しかし、これハリウッドで映画化されるそうじゃないですか。
△ □ ◇ △ ○
< 宮崎正弘の最新刊 >
宮崎正弘 v 佐藤優
『猛毒国家に囲まれた日本』(海竜社、1575円)
<ロシア、中国、北朝鮮の猛毒国家に囲まれて日本はいかに生き延びるのか?>
http://www.amazon.co.jp/dp/475931122X/
<宮崎正弘のロングセラーズ>
『中国ひとり勝ちと日本ひとり負けはなぜ起きたか』(徳間書店、1680円)
『日米安保、五十年』(西部邁氏との対談。海竜社、1680円)
http://www.amazon.co.jp/dp/4759311092/
『増長し無限に乱れる「欲望大国」中国のいま』(石平氏との対談。ワック、945円)
『朝日新聞がなくなる日』(ワック、945円)
『中国分裂 七つの理由』(阪急コミュニケーションズ、1680円)
『人民元がドルを駆逐する』(KKベストセラーズ、1680円)
『絶望の大国、中国の真実』(石平氏との共著、980円。ワック文庫)
『中国がたくらむ台湾・沖縄侵攻と日本支配』(KKベストセラーズ 1680円)
『トンデモ中国、真実は路地裏にあり』(阪急コミュニケーションズ、1680円)
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(C)有)宮崎正弘事務所 2001-2010 ◎転送自由。ただし転載は出典明示。