選挙を放棄することは
独断と偏見はご容赦!
【最近の社説の、ここに注目】
9日付「日経新聞」
『今こそ若い世代が投票を』の社説。
『買い物に出かけたり、家族で食卓を囲んだり、休日の過ごし方はさまざまだろう。でも、11日の日曜日は参院選の投票日。投票所に行き、ぜひとも一票を投じよう。』
『特に若い世代の人たちに、そう呼びかけたい。』
『これまでの参院選をみると、若者ほど投票しない傾向がはっきりしている。20歳代の投票率は過去3回とも30%台だった。60%を超えていた40歳代以上とは対照的だ。』
『あまりにもさみしいではないか。日本の将来を担うのは、人生の序盤にある若い人たちなのだから。』
『「政治には関心がない」などと言わないでほしい。巨額の財政赤字、破綻しかねない年金制度、今後の税制をどうするか…。今回の参院選で焦点になっているテーマは、若者の将来の暮らしを大きく左右する問題ばかりだ。』
『例えば、2005年度版の経済財政白書にはこんな試算がある。わたしたちは生涯を通じて、税金や社会保険料などを負担する代わりに、年金や医療など様々な公的サービスを受けている。』
『この金額を差し引きすると、いま60歳以上の人は4875万円の黒字になるが、20歳代の人は1660万円の赤字になるという。』
『世代によってこれほどの不公平が生まれるのは、財政の悪化や少子高齢化に伴うツケが、次の世代に回されようとしているからだ。』
『責任の一端は若い有権者にもある。日本は中高年の人口が多いうえ、投票率も高いため、政治への影響力が大きい。この構図を改めるには若者がもっと投票するしかない。』
『たった一票で何が変わるのか、と思うかもしれない。だが、選挙に参加することによってまず、自分の意識が変わるはずだ。』
『一票を投じれば、その政党が公約を守っているかどうか、ひとごとではなくなる。期待はずれなら、次の選挙では別の政党を選べばいい。一人ひとりのそんな行動が積み重なっていくと、政治も動くはずだ。』
『有権者のうち55歳以上の比率は4割を超えるとの試算もある。高齢化でこの数字はさらに高まるだろう。』
『子や孫の世代に過大な負担を残さない-。中高年の人たちには、投票の際にそういう思慮もほしい。』
---------------------------
『これまでの参院選をみると、若者ほど投票しない傾向がはっきりしている。
20歳代の投票率は過去3回とも30%台だった。60%を超えていた40歳代以上とは対照的だ』との一節がある。
たとえば、これは参院選ではないが、5年前のいわゆる「郵政選挙」。
自民党が圧勝したことによって、格差社会がより加速したともいわれている。
今、派遣切りなどにより失業の危機にさらされている人のうちのどのくらいが、当時、投票できるのにしなかったのだろうと思うことがある。
『責任の一端は若い有権者にもある。日本は中高年の人口が多いうえ、投票率も高いため、政治への影響力が大きい。この構図を改めるには若者がもっと投票するしかない』
の一節は、一理あるものと思う。
20歳代の投票率が30%台で、40歳代以上のそれが60%超だとするならば、当然政策もそれに合わせたものになるだろう。
『わたしたちは生涯を通じて、税金や社会保険料などを負担する代わりに、年金や医療など様々な公的サービスを受けている』
『この金額を差し引きすると、いま60歳以上の人は4875万円の黒字になるが、20歳代の人は1660万円の赤字になるという』
以上のような事態になったとしても、致し方ないかもしれない。
『「政治には関心がない」などと言わないでほしい。巨額の財政赤字、破綻しかねない年金制度、今後の税制をどうするか…。今回の参院選で焦点になっているテーマは、若者の将来の暮らしを大きく左右する問題ばかりだ』
との一節がある。
しかしこれは、今回の参院選や、若者に限った話ではないだろう。
子ども手当だとか消費税率だとか、つい目先の政策にとらわれてしまいがちだが、選挙結果いかんによって日本の将来が、そして自分の生活・人生が、大きく左右されるということを頭にとどめておきたい。
(桐鳳)
【編集後記】
私は以前、ブログや弊誌などに、
『選挙権を得た当初、私は選挙へは行かず、棄権ばかりしていました。
理由は、「投票したい候補者がいないから」ということでした。
ただし、漫然と行かないということではなく、「自分が棄権したことによってできた政権が何を決めても、それに反対する権利は俺にはない。仮に『おまえは死刑だ』と決められたとしても、甘んじてそれに従う。」
という覚悟ではありました。』
と、書いたことがあります。
ことの良し悪しは別として、投票するのも棄権するのも、結局のところは本人の自由ということになるのでしょう。
しかし、選挙を棄権するということは、それによって選ばれた議員が何をどう決めようとも、それに文句をつける権利も放棄したということになるものと考えます。
(桐鳳)
最後までご覧いただき、ありがとうございます。
あなたに素敵なことがいっぱいありますよう…。
◎世界の新聞「101紙」の視点
のバックナンバーはこちら⇒ http://archive.mag2.com/0000174275/index.html
【最近の社説の、ここに注目】
9日付「日経新聞」
『今こそ若い世代が投票を』の社説。
『買い物に出かけたり、家族で食卓を囲んだり、休日の過ごし方はさまざまだろう。でも、11日の日曜日は参院選の投票日。投票所に行き、ぜひとも一票を投じよう。』
『特に若い世代の人たちに、そう呼びかけたい。』
『これまでの参院選をみると、若者ほど投票しない傾向がはっきりしている。20歳代の投票率は過去3回とも30%台だった。60%を超えていた40歳代以上とは対照的だ。』
『あまりにもさみしいではないか。日本の将来を担うのは、人生の序盤にある若い人たちなのだから。』
『「政治には関心がない」などと言わないでほしい。巨額の財政赤字、破綻しかねない年金制度、今後の税制をどうするか…。今回の参院選で焦点になっているテーマは、若者の将来の暮らしを大きく左右する問題ばかりだ。』
『例えば、2005年度版の経済財政白書にはこんな試算がある。わたしたちは生涯を通じて、税金や社会保険料などを負担する代わりに、年金や医療など様々な公的サービスを受けている。』
『この金額を差し引きすると、いま60歳以上の人は4875万円の黒字になるが、20歳代の人は1660万円の赤字になるという。』
『世代によってこれほどの不公平が生まれるのは、財政の悪化や少子高齢化に伴うツケが、次の世代に回されようとしているからだ。』
『責任の一端は若い有権者にもある。日本は中高年の人口が多いうえ、投票率も高いため、政治への影響力が大きい。この構図を改めるには若者がもっと投票するしかない。』
『たった一票で何が変わるのか、と思うかもしれない。だが、選挙に参加することによってまず、自分の意識が変わるはずだ。』
『一票を投じれば、その政党が公約を守っているかどうか、ひとごとではなくなる。期待はずれなら、次の選挙では別の政党を選べばいい。一人ひとりのそんな行動が積み重なっていくと、政治も動くはずだ。』
『有権者のうち55歳以上の比率は4割を超えるとの試算もある。高齢化でこの数字はさらに高まるだろう。』
『子や孫の世代に過大な負担を残さない-。中高年の人たちには、投票の際にそういう思慮もほしい。』
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『これまでの参院選をみると、若者ほど投票しない傾向がはっきりしている。
20歳代の投票率は過去3回とも30%台だった。60%を超えていた40歳代以上とは対照的だ』との一節がある。
たとえば、これは参院選ではないが、5年前のいわゆる「郵政選挙」。
自民党が圧勝したことによって、格差社会がより加速したともいわれている。
今、派遣切りなどにより失業の危機にさらされている人のうちのどのくらいが、当時、投票できるのにしなかったのだろうと思うことがある。
『責任の一端は若い有権者にもある。日本は中高年の人口が多いうえ、投票率も高いため、政治への影響力が大きい。この構図を改めるには若者がもっと投票するしかない』
の一節は、一理あるものと思う。
20歳代の投票率が30%台で、40歳代以上のそれが60%超だとするならば、当然政策もそれに合わせたものになるだろう。
『わたしたちは生涯を通じて、税金や社会保険料などを負担する代わりに、年金や医療など様々な公的サービスを受けている』
『この金額を差し引きすると、いま60歳以上の人は4875万円の黒字になるが、20歳代の人は1660万円の赤字になるという』
以上のような事態になったとしても、致し方ないかもしれない。
『「政治には関心がない」などと言わないでほしい。巨額の財政赤字、破綻しかねない年金制度、今後の税制をどうするか…。今回の参院選で焦点になっているテーマは、若者の将来の暮らしを大きく左右する問題ばかりだ』
との一節がある。
しかしこれは、今回の参院選や、若者に限った話ではないだろう。
子ども手当だとか消費税率だとか、つい目先の政策にとらわれてしまいがちだが、選挙結果いかんによって日本の将来が、そして自分の生活・人生が、大きく左右されるということを頭にとどめておきたい。
(桐鳳)
【編集後記】
私は以前、ブログや弊誌などに、
『選挙権を得た当初、私は選挙へは行かず、棄権ばかりしていました。
理由は、「投票したい候補者がいないから」ということでした。
ただし、漫然と行かないということではなく、「自分が棄権したことによってできた政権が何を決めても、それに反対する権利は俺にはない。仮に『おまえは死刑だ』と決められたとしても、甘んじてそれに従う。」
という覚悟ではありました。』
と、書いたことがあります。
ことの良し悪しは別として、投票するのも棄権するのも、結局のところは本人の自由ということになるのでしょう。
しかし、選挙を棄権するということは、それによって選ばれた議員が何をどう決めようとも、それに文句をつける権利も放棄したということになるものと考えます。
(桐鳳)
最後までご覧いただき、ありがとうございます。
あなたに素敵なことがいっぱいありますよう…。
◎世界の新聞「101紙」の視点
のバックナンバーはこちら⇒ http://archive.mag2.com/0000174275/index.html