ビジネスパートナーの汚職でとばっちり | 日本のお姉さん

ビジネスパートナーの汚職でとばっちり

<NTTデータ事件>開札前に業者“失格” 指名停止が影響

7月8日2時30分配信 毎日新聞

 特許庁のコンピューターシステムを巡る汚職事件が、気象庁発注の300億円規模の入札に思わぬ余波を広げている。贈賄容疑で社員が逮捕された情報システム最大手「NTTデータ」が指名停止になった影響で、N社と共同で気象衛星運用事業に応札していた衛星通信会社「スカパーJSAT」社は8日の開札を待たずに“失格”が決まった。とばっちりを受けたス社は、内閣府の政府調達苦情検討委員会への申し立てを検討している。

 気象庁が入札を実施するのは14、16年に打ち上げ予定の気象衛星「ひまわり8号」「同9号」のデータ送信や施設の保守管理業務。契約期間は10~30年で、ス社によると事業規模は300億円に上る。

 関係者によると、N社とス社は2回の事前審査を経て5月に共同で応札し、8日の開札を待つばかりだった。しかし、6月22日にN社の社員(45)が特許庁職員(45)にわいろを贈ったとして、警視庁に贈賄容疑で逮捕されたため、気象庁は6日付でN社の入札資格を1カ月停止した。

 ス社は業務割合や出資比率などから「N社なしでも業務を遂行できる」と主張し、単独入札でも有効とするよう求めたが認められなかったという。ス社関係者は「実績を踏まえると落札する自信はあった。ビジネスパートナーのせいでこんなことになるとは……」と落胆の色を隠さない。

 N社は取材に「個別の入札案件には答えられない」と回答した。【酒井祥宏、川崎桂吾】